まねきねこの日、そしてトランクの行方

朝からやるべきことをやらねば・・・と、カラオケボックス「まねきねこ」へ。

よし!今日のノルマにかかるぞ!と、思った瞬間に、母から電話。

小一時間、話してしまう。

お金払って、場所台まで支払って電話をするのは勿体ないことではあるが、実は家ではおちおち電話もできない。

静かな時もあるのだが、電話をかけてようがなんだろうが、どこでもかしこでも、大きな声で歌うニンタマ。

「水を入れて」「パンを焼いて」と、自分で出来そうな用事を好きな時間に言ってくるプン助。

デュオリンゴという英語学習アプリにハマっているので、最近は「スーツケースって何?」という質問に、「エス、ユーアイ、ティー、シー、エー、エス、イー」と、色々な単語に対してスペルで答えないといけないノルマも課されている。

旦那さんは旦那さんで、大きな声でセリフの練習をしていたりする。

ウチの人間は皆、悪気はないのだが、私のような周囲が気になる人種には、落ち着かない環境なのだ。

母との電話は長くなるので、いつも「ちょっとしか話せないよ」と、言ってしまうのだが、話しているとこちらも、昨日ニンタマのトランクを選んでいたら、可愛い服があった…みたいな話もしたくなってしまい、母がもう切るよと言っても私が話続けてしまい、長くなってしまうのだった。

 

しかし、ニンタマの服が可愛かったけど、全部買う訳にも行かないし・・・みたいな話をしていたら、母が「私、もうそんなに海外行けるかわかんないし、ウチのトランク送ろうか?」と、言ってくれた。

前のニンタマの赤いトランクも母から貰ったものだった。ニンタマなりに、今度は黄色がいい!などと夢を見ているうようでもあったが、実際素敵なトランクを持つよりも、(母のトランクもニンタマ好みではないかもしれないが、十分素敵なのだが)服の方が日常的に着用するし、優先度が高いのではないだろうか?

「ちょっとニンタマに相談してみるね」

と、いうことになり、その後、しばらく作業。

カラオケボックスで仕事をする時には、休憩に1,2曲歌う時もあるのだが、この日は歌わずに作業をした。

 

帰宅後、母から送られたトランクの写メを見せた。

喜ぶかと思いきや、最初は「やだ!」と、拒絶反応を見せたニンタマ。

「でもさ、新しいトランクを買うと、服は買えないよ?このトランク、モノは多分今日見ていたトランクよりいいトランクみたいなんだけど・・・」

と、言い終わらないウチに

「じゃ、それで!」

と、即決した。

 

きっと、欲しいトランクの事だ頭を駆け巡っていたのだろう。その夢をぶった切られたきがして、拒絶したが、服の話が出た途端、「じゃ、服!」と、なったのだろう。

判断の早いニンタマに、感心する。

52年生きて来た私より、13年しか生きていないニンタマの決断の速さに感動。

 

一方プン助は、今日は、昨日遊べなかった●●君と遊べたらしい。

「△△君は大丈夫だった?」と、聞くと、

「うん、どうしても無理なんだ~って繰り返したら、大丈夫だった」

とのことだった。

「どうしても無理って繰り返すと、家の用事か何かだって思うみたいだね~、ああ、遊び過ぎて、筋肉痛だよ~」

ちゃんと断れたのか・・・良かった、良かった。

 

子供らは二人とも、私が小学生の頃より、今の私の基準では立派な気がする。

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スタンダップコメディ・フェスティバルと近藤サトとカルピスウォーター

この日も、スタンダップコメディフェスティバルへ馳せ参じた。

1996年に舞台でご一緒したことのある長井秀和さんが出ていた。

マダムゴールドデュオで活躍されていた頃は、不思議可愛い系の印象だったけれど、その後ちょっと違うイメージでテレビで活躍され、今は大分印象が変わっているけれど、今の姿の方が本来の長井さんなのかなぁと、思った。お元気そうな姿を観られ、感慨深かった。

この日は、笑いの手練れが多く、スリリングというより、安心して楽しめる回だった。なんと間口の広い催しなのだろう。

連日の公演でお疲れのはずの清水さんは、この日もパワー全開だった。命を削るような公演を1000本ノックのようにやっていると、どんなに疲れていても、スイッチを入れると、全開モードに突入するようになっているのかもしれない・・・と、思ったら笑顔を観ただけで、ちょっと涙ぐみそうになった。

 

同じ回に、高木珠里ちゃんが来ていた。公演が始まる前に気付いて、「ジュリちゃん!」と声をかけたが、「誰この人」と、不審そうな顔で観られ、「私だよ、私、あらい!」と、言ったら3秒くらい

「え?」

という顔をした後、

「ああ!新井さん!」

と、気付いてくれた。

考えてみると、コロナ禍になってから、ほんの数回しか顔を合わせていない。私は舞台上のジュリちゃんは観ているが、ジュリちゃんは私を目撃することもなかっただろう。色々老け込んでいてびっくりしたのやもしれない。

終演後、開口一番

「新井さんは絶対髪を染めたりしないと思っていたから」

と、気付かなかった理由を説明をしてくれた。(私の今現在の髪型はショートの茶髪)

何と答えてよいかわからず、なんとなく

「ああ、私別に近藤サトを目指してたりはしないから・・・」

と、答えてしまう。

ジュリちゃんはキョトンとしていた。

 

最近、こういう事が多い。人に会って話をする機会が少ないからだろう。自分の狭くなった世界のことを、他の人も共有しているはず、そして同じような気持ちを感じているはず…と、思ってしまう。なので、さわりを話せば伝わるだろう・・・と、全ての説明をすっとばしてしまうのだ。

 

私の狭い世界の説明をすると、私はここ数年着物にハマっている・・・というのが前提になってしまう。着物を着る人の中には、色々はタイプがいて、私の勝手な分類では、

1、豪華に、或いは品よく盛るタイプ

2、素材が良く派手過ぎない着物(紬系)を品よく、貧相にならないように着こなすタイプ

3、着物って言ったって、ただの服じゃん、気楽に着ようよ!タイプ

4、古臭い概念をすっとばして、好きに着るけれど、今風にデコるタイプ・・・(和洋折衷コーデとか、結ばない帯結び等)

 

 

私自身は、3の、どちらかというとただの服じゃん、気楽に着ようよ!タイプなのだが、着物民じゃない人からすると、どれも区別がつかない。

最近よく着物界隈の雑誌やイベントに出没している近藤サトさんは、知性的でセンスの良い人が多い2のタイプだと、私は勝手に分類している。

そして、何故かその界隈にはグレイヘアにしている人が多い。

白髪になっていくことを美と相反することとはとらえず、それも美、それも一つの素材として、調和させていきましょう・・・的なことなのだろうか?

しかし、それが可能な人は凄く限られている。

お手入れにお金と時間を掛けられ、几帳面な人…こういう人に限って、「私って本当に面倒臭がりなんです」…みたいなことをいうので、本当に面倒くさがりな私は、そんな何の気ない発言に「おめーみたいに雑な人間なんかゴミクズカスなんだよ」と、言われているような被害妄想に陥ってしまうのだ。(もちろんそんなことは思っていない筈なのですが)

本当に上質な物をきちんと使いこなし、自分も上質でいられる人間だけが目指せる道。もしくは、髪が白くなろうがなるまいが、私の内なる輝きを損なうことはない・・・という絶大な自信を持っている人か・・・。

私は、自信なんか皆無だが、とにかくただ着物を着たいだけ。でも、着物を着るのはやはり面倒なので、あれこれ難しいことは端折って、なるべくハードルを下げて、気楽に気楽に着るようにしている。ダサくても着崩れていても、「私は洋服でも、裏表間違えますし、ボタンもよく掛け間違えてます!なので、着物だからと言って、きちんとなんか着ません!」と、言う謎の逆ギレ精神を奮い立たせて着るようにしている。

 

短くまとめると、私はグレイヘアにして着物を着るような上質な人間に対して、卑屈な気持ちや、やっかみの精神を根深く持っているのだ。

 

「髪を染めないと思った」=「近藤サト系」と、私の価値観で脊髄反射をしてしまい、

「いえいえ、近藤サトさまを目指すなんて、無理無理、私はもっと下層民です」

という意識があるのだが、なんとなく認めるのも悔しくて

「ああ、私別に近藤サトを目指してたりはしないから・・・」

という言葉が口から出てしまったのだった。

 

しかし、よくよく考えると、ジュリちゃんが(というか大体の人が)グレイヘアの近藤サトさんを私ほど気にしているかは疑わしい。

私は着物民なので、普通の人よりも、最近着物で出没している近藤サトさんに、目が行ってしまう。

そして「髪を染めない人だと思っていた」というのも、白髪染めだけではなく、若い頃からのカラーリングの意味合いもあったのかもしれない。

最近白髪が増えて来たので、つい「白髪を染めない人だと思った」に変換されてしまったのだ。だが、白髪に悩んでいない年代だったら、普通に黒髪好きでカラーリングを好まないタイプだと思っただけなのかもしれないのだ。

実際冷静になって考えてみると、白髪になっても白髪染めをしない人というより、元々オシャレで茶髪などにしないタイプだと思っていた…という解釈が一番近いのだと思う。

 

「絶対髪を染めなさそう」に見えていた理由はわからないが、数年前までは腰まで髪を伸ばしていたのもあるかもしれない。

近藤サトさんについてはそれ以上深堀りをしなかったけれど、小一時間お茶をした。最近起きた事件についての見解は、ほぼ一致していて、久しぶりに人と話した充実感を得た。

 

夕方には地域の人が主宰してくれているプン助の小学校での花火の催し。保護者が一緒じゃないと参加できないので私も付き添う。

何度も確認して、「参加する」と、言っていたプン助だったが、学校のイベントだと認識していなかったらしく、「俺、舞台を観に行くんだと思っていた。学校のイベントだったら行かないって言ったよ~」

と、終始不機嫌。

「何度も確認したよ」

「プリント見せて説明してくれたら、よかったのに~!ママのせいだ~!」

「はいはい、いいよ、ママのせいで」

などと言い合いながら、受付へ。

受付にはボランティアの保護者と、中学生たち。

 

ニンタマにもボランティアの募集が来ていたが、「絶対行かない」と、即答されていた。小学生のイベントを手伝ってあげようという心優しい中学生たちがこんなに沢山いるのか・・・と、尊敬の念を抱いていると、

「俺、本当は参加したくなかったんだよね~、しくった~」

と、プン助がわざわざボランティアの人に説明し始めた。

 

なぜ、わざわざそんな説明をするのだ・・・?

 

この保護者や、中学生たちは、おそらく小学生の喜ぶ笑顔を見たい!という善意でわざわざ来てくれているというのに。参加したくなかったと心で思う分にはいいけれど、わざわざ報告するなんて・・・。

 

思わず他人のフリをしたくなるが、薄ら笑いでごまかす。

 

数人の友達と会って、軽くじゃれたりした後、ノルマをこなすような感じではあるが、数本の花火をやっている。

「帰りにカルピスウォーター貰えるんだって」

という友達の呼びかけで、猛ダッシュでカルピスウォーターを貰いに行く。

 

「ほら、よかったじゃない参加して」

私が声を掛けると、

「カルピスウォーター、●●(友達の名前)が大好きなんだよな」

と、今熱を出して休んでいるお友達のことを言い始めた。

「これは、お見舞いであげないとだよね~、でも、僕ちんも好きなんだよね~、ああ~、どうしよう~」

「どっちでもいいよ。あげたいと思ったらあげなよ。でも、惜しかったって悩むなら、自分で飲んだら?」

「ああ~、凍らして飲むとおいしいんだよなぁ~、よし、凍らせるぞ」

自分で飲むことにしたのかな?と思っていると

「やっぱり、これはお見舞いであげないとだね。よし!お見舞いで持って行こう」

 

こんなカルピスウォーター一つが大したお見舞いになるのかはわからないが、●●君のことが本当に大好きなのだなぁ・・・と、ほっこりした気持ちになった。

2,3年前までは誰と仲がいいの?とか、好きなお友達はいる?と聞いても、「誰が好きとかない。全員同じ」と、頑なに言い続けていたことを思うと、各段の違いだ。

ほぼ毎日、給食後くらいに登校しているのに、一応普通に登校していた時よりも、好きなお友達と仲良く付き合えていて、その点は良かったなと思っていた。

だが、その後30分以上、カルピスウォーターをあげるあげないで悩んで、どうしようどうしよう・・・と言っているのには、さすがにちょっと辟易した。

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ボルダリングと選挙と、不用品整理とごちゃごちゃした日

参議院選挙の日。

既に私も旦那さんも期日前投票を済ませていたので、後は夜の開票を待つだけ。

選挙では常に、自分がマイノリティーだと思い知らされるのだが、それでも毎回、今度こそ…と、期待しては、期待しすぎる自分に期待しすぎないようにしようと思ったり、とにかく、ソワソワしてしまう。

 

「鎌倉殿の13人」も夜の8時から。選挙速報も8時から。

どちらをリアルタイムで観たら良いのだ・・・!

鎌倉殿を一刻も早く観たいと思いつつ、観ながら選挙速報が気になるのも嫌だ。悩ましい。

そうだ、鎌倉殿はBSでは1時間半ほど早く観られるらしい。BSで観られないだろうか?と、リモコンをいじってみる。4月にジェイコムを解約してしまったので、今まで普通に観られていたものが普通に観られなくなっている。BSNHKチャンネルを表示してみると、映るには映るのだが、画面に受信機登録のお願いメッセージが出ていた。そうだ、今まで何度もこの表示を消そうと挑戦して、途中で挫折していたのだ。早くも気力が萎える。

世の中の鎌倉殿ファンの人達はどうするのだろう・・・と、Twitterで「選挙速報」「鎌倉殿の13人」と、検索してみる。

なんと・・・今日は「鎌倉殿の13人」は、放送休止とのことだった。

ホッとしたが、早く観たくて堪らなかったので、残念でもあった。

まあ、いい。一週間なんてすぐだ。

 

とりあえず、夜選挙速報が始まるまでに色々済ませておかねば。

 

やりたいことと、やらねばならないことが山積みなのに、遅々として進まない。午後には筋トレをやろうと、ニンタマに誘われているので、それまでに、ある程度やるべきことを進めたい・・・と、焦るばかり。

やっと一つの山に手を付けようとすると、電話がかかってくる。よし、電話終わったぞ…と、思うと、朝ごはんを出しても食べなかったプン助に腹が減ったと言われる。

昨日作ったワカメとジャガイモの味噌汁があるよ!って出そうとしたら、腐っていた。ショック。自分が食べたいわけではなかったが、味噌汁嫌いな子供らが、この味噌汁なら食べてくれる…ということで、作り置きしていたのだ。

ショックを受けるくらいならば、一杯だけでも食べておけばよかった。

 

気を取り直して、家にたまったものを処分する課題に取り組む。

メルカリに出品したものがさっぱり売れないので、手っ取り早くものを処分できるように

「ラクウル」という買い取りアプリに登録していた。段ボールにいらない電化製品や服などを詰め込んで、査定してもらうものなのだが、ただ捨てるのには偲びないものをぶっこむ。ニンタマが0歳児の時、中古でディズニーの英語教材を買って一生懸命になっていたのだが、結果的にウチでは全く役に立たなかった。その当時の教材などもバンバンぶっこむ。多分、これは一銭にもならない。でも、捨てるよりは誰かが活用してくれる可能性は高いだろう。

 

40代半ばに子供の卒業式や入学式に必要だと思って購入したけれど、全く似合わなかったスーツもぶっこむ。

メルカリ覇者ならば、卒入シーズンに素敵な写真とともに出品するのだろうが、今は夏。とても来年まで待っていられない。

 

段ボール一箱を埋めたあたりで、遊びにでかけていたプン助が、「友達は皆家族で出かけていていなかった」と、家へ帰って来た。

 

「お前もどっか行きたいのか?」

と、旦那さんが聞くと、

「ボルダリングに行きたい」

というプン助の希望で、近所のボルダリングジムへ。ニンタマも、ボルダリングは楽しく筋トレが出来ると、筋トレ予定を取り下げて合意。

 

家族でボルダリングへ行くのは、半年以上ぶり。

私は家族で一番下手くそなので、初級コースばかり登っていたがすぐにバテバテになってしまう。指がバカになって、何もつかめない・・・。

とにかく高いところから、落っこちないように、壁に登れようが登れまいが、なるべく低い位置まで降りてから飛び降りるようにしていた。若い頃は自分の身長よりも高いところから、飛び降りていたが、筋肉という支えが落ちた50オーバーの体にはそういう衝撃が一番ヤバそう・・・と、自衛する。

18時過ぎになったのに、プン助はまだボルダリングやりたいと主張するので、中々帰れない。

旦那さんが、「俺はもう少しプン助に付き合うよ。先帰ってていいよ」・・・と言っていたが、私がプン助に

「今日、夜早めに寝る約束は覚えているよね。逆算すると、YouTube観る時間減っちゃうけど、大丈夫?」

と、声をかけると、

「そっか!じゃあ、帰る」

と、あっさりボルダリングを諦めたのだった。

優先順位はYouTubeなのね。

 

帰宅後、夕食を食べながら、間もなく始まった選挙速報を観る。

まあ、予想通りの展開。

 

私が推している候補達の当確は中々出ない。え?何故、この人が当選するの?誰が投票するの?と、思う人の当確がバンバン出ている。

そして、選挙区が違うけれど絶対に通って欲しいと願っていた候補の落選が決まった時、旦那さんが、腹立ちまぎれに机をバン!と、叩いた。

 

驚いたニンタマが、

「何?また選挙?」

と、ドン引きしている。

「興味ないかもしれないけどね、選挙は大事なんだよ」

と、言うと面倒くさそうな顔。

「徴兵制とかで、戦争に行かなきゃいけなくなったりしたら嫌でしょ?変な人が選ばれたら行く行く、そういうこともあるかもしれないんだからね」

「私は女子だから、行かなくてもいいもーん」

「いやいや、わからんよ、そういうところだけはジェンダー平等だって、行かされるかもしんないよ。ちゃんと自分事として考えないと」

「大学だって、行きたくても高すぎて行けなくなっちゃうかもしれないんだよ」

「え?大学は行けないと困る。今皆行ってるし」

「でも、あんまり学費高くなっちゃったら、無理ってなっちゃうかもしれないし、奨学金とかで行ったら、40歳くらいまでずっと借金背負っちゃうかもしれないんだよ」

ビールで頭もバカになっているので、つい悲観モードな発言をしてしまう。

「ママ、ちょっと飲み過ぎじゃない?」

はい、飲み過ぎです。そんな脅してどうするのだ・・・。

 

自分が中1の時に、そんなこと言われても全然ピンとこなかったので、ニンタマの反応は無理もないのだ。学校の授業やテストだけで、こなすのも大変だろう。

これは、30過ぎまで世の中のことなど何も考えて来なかった自分へ対する叱責なのだよな。ごめん、ニンタマ。

ニンタマはプイっと自室へ行ってしまった。

 

プン助はテーブルの下に潜り込んでYouTubeを観ながら、かわいらしい声をキャッキャあげて笑っている。

 

私と旦那さんは、テレビで、選挙速報をザッピング。

投票はしなかったけれど、絶対に受かってほしい候補の当確が出ると、「よし!」と、叫んでは、ビールをプシュっと開ける。落ちて欲しいと思っている候補者の当確には、「なんでだよ!」と、舌打ち。

私はもう待っていられなくなって、Twitterも見始める。

「テレビでは出てないけど、こっちでは当確出てるよ!!」

「本当?!」

そんなこんなしているウチにいい時間になってしまった。

プン助を風呂に入れて、なんとしても11時までに寝かさなければならない。

色々気になるが、日曜日の晩に夜更かしさせると、週頭から遅刻、不登校の連鎖が始まってしまうのだ。学校へ行かなかったとしても、朝は起きられたけれど行かないのと、起きられなかったから行かないのでは大違いなのだ。

 

プン助を風呂に入れ、なんとか寝床へ誘導して「大草原の小さな家」を読み聞かせる。

数年前にも読み聞かせていたのだが、最近また読んで欲しいとリクエストされたのだ。

読み聞かせていると、私の荒れ果てた気持ちも落ち着いて来た。

プン助も、途中で寝落ち。

 

その後、私が投票した候補者さんが二人とも当選したらしいことが判明。

 

そして、こと切れるように寝た。

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ボルダリングと選挙と、不用品整理とごちゃごちゃした日

参議院選挙の日。

既に私も旦那さんも期日前投票を済ませていたので、後は夜の開票を待つだけ。

選挙では常に、自分がマイノリティーだと思い知らされるのだが、それでも毎回、今度こそ…と、期待しては、期待しすぎる自分に期待しすぎないようにしようと思ったり、とにかく、ソワソワしてしまう。

 

「鎌倉殿の13人」も夜の8時から。選挙速報も8時から。

どちらをリアルタイムで観たら良いのだ・・・!

鎌倉殿を一刻も早く観たいと思いつつ、観ながら選挙速報が気になるのも嫌だ。悩ましい。

そうだ、鎌倉殿はBSでは1時間半ほど早く観られるらしい。BSで観られないだろうか?と、リモコンをいじってみる。4月にジェイコムを解約してしまったので、今まで普通に観られていたものが普通に観られなくなっている。BSNHKチャンネルを表示してみると、映るには映るのだが、画面に受信機登録のお願いメッセージが出ていた。そうだ、今まで何度もこの表示を消そうと挑戦して、途中で挫折していたのだ。早くも気力が萎える。

世の中の鎌倉殿ファンの人達はどうするのだろう・・・と、Twitterで「選挙速報」「鎌倉殿の13人」と、検索してみる。

なんと・・・今日は「鎌倉殿の13人」は、放送休止とのことだった。

ホッとしたが、早く観たくて堪らなかったので、残念でもあった。

まあ、いい。一週間なんてすぐだ。

 

とりあえず、夜選挙速報が始まるまでに色々済ませておかねば。

 

やりたいことと、やらねばならないことが山積みなのに、遅々として進まない。午後には筋トレをやろうと、ニンタマに誘われているので、それまでに、ある程度やるべきことを進めたい・・・と、焦るばかり。

やっと一つの山に手を付けようとすると、電話がかかってくる。よし、電話終わったぞ…と、思うと、朝ごはんを出しても食べなかったプン助に腹が減ったと言われる。

昨日作ったワカメとジャガイモの味噌汁があるよ!って出そうとしたら、腐っていた。ショック。自分が食べたいわけではなかったが、味噌汁嫌いな子供らが、この味噌汁なら食べてくれる…ということで、作り置きしていたのだ。

ショックを受けるくらいならば、一杯だけでも食べておけばよかった。

 

気を取り直して、家にたまったものを処分する課題に取り組む。

メルカリに出品したものがさっぱり売れないので、手っ取り早くものを処分できるように

「ラクウル」という買い取りアプリに登録していた。段ボールにいらない電化製品や服などを詰め込んで、査定してもらうものなのだが、ただ捨てるのには偲びないものをぶっこむ。ニンタマが0歳児の時、中古でディズニーの英語教材を買って一生懸命になっていたのだが、結果的にウチでは全く役に立たなかった。その当時の教材などもバンバンぶっこむ。多分、これは一銭にもならない。でも、捨てるよりは誰かが活用してくれる可能性は高いだろう。

 

40代半ばに子供の卒業式や入学式に必要だと思って購入したけれど、全く似合わなかったスーツもぶっこむ。

メルカリ覇者ならば、卒入シーズンに素敵な写真とともに出品するのだろうが、今は夏。とても来年まで待っていられない。

 

段ボール一箱を埋めたあたりで、遊びにでかけていたプン助が、「友達は皆家族で出かけていていなかった」と、家へ帰って来た。

 

「お前もどっか行きたいのか?」

と、旦那さんが聞くと、

「ボルダリングに行きたい」

というプン助の希望で、近所のボルダリングジムへ。ニンタマも、ボルダリングは楽しく筋トレが出来ると、筋トレ予定を取り下げて合意。

 

家族でボルダリングへ行くのは、半年以上ぶり。

私は家族で一番下手くそなので、初級コースばかり登っていたがすぐにバテバテになってしまう。指がバカになって、何もつかめない・・・。

とにかく高いところから、落っこちないように、壁に登れようが登れまいが、なるべく低い位置まで降りてから飛び降りるようにしていた。若い頃は自分の身長よりも高いところから、飛び降りていたが、筋肉という支えが落ちた50オーバーの体にはそういう衝撃が一番ヤバそう・・・と、自衛する。

18時過ぎになったのに、プン助はまだボルダリングやりたいと主張するので、中々帰れない。

旦那さんが、「俺はもう少しプン助に付き合うよ。先帰ってていいよ」・・・と言っていたが、私がプン助に

「今日、夜早めに寝る約束は覚えているよね。逆算すると、YouTube観る時間減っちゃうけど、大丈夫?」

と、声をかけると、

「そっか!じゃあ、帰る」

と、あっさりボルダリングを諦めたのだった。

優先順位はYouTubeなのね。

 

帰宅後、夕食を食べながら、間もなく始まった選挙速報を観る。

まあ、予想通りの展開。

 

私が推している候補達の当確は中々出ない。え?何故、この人が当選するの?誰が投票するの?と、思う人の当確がバンバン出ている。

そして、選挙区が違うけれど絶対に通って欲しいと願っていた候補の落選が決まった時、旦那さんが、腹立ちまぎれに机をバン!と、叩いた。

 

驚いたニンタマが、

「何?また選挙?」

と、ドン引きしている。

「興味ないかもしれないけどね、選挙は大事なんだよ」

と、言うと面倒くさそうな顔。

「徴兵制とかで、戦争に行かなきゃいけなくなったりしたら嫌でしょ?変な人が選ばれたら行く行く、そういうこともあるかもしれないんだからね」

「私は女子だから、行かなくてもいいもーん」

「いやいや、わからんよ、そういうところだけはジェンダー平等だって、行かされるかもしんないよ。ちゃんと自分事として考えないと」

「大学だって、行きたくても高すぎて行けなくなっちゃうかもしれないんだよ」

「え?大学は行けないと困る。今皆行ってるし」

「でも、あんまり学費高くなっちゃったら、無理ってなっちゃうかもしれないし、奨学金とかで行ったら、40歳くらいまでずっと借金背負っちゃうかもしれないんだよ」

ビールで頭もバカになっているので、つい悲観モードな発言をしてしまう。

「ママ、ちょっと飲み過ぎじゃない?」

はい、飲み過ぎです。そんな脅してどうするのだ・・・。

 

自分が中1の時に、そんなこと言われても全然ピンとこなかったので、ニンタマの反応は無理もないのだ。学校の授業やテストだけで、こなすのも大変だろう。

これは、30過ぎまで世の中のことなど何も考えて来なかった自分へ対する叱責なのだよな。ごめん、ニンタマ。

ニンタマはプイっと自室へ行ってしまった。

 

プン助はテーブルの下に潜り込んでYouTubeを観ながら、かわいらしい声をキャッキャあげて笑っている。

 

私と旦那さんは、テレビで、選挙速報をザッピング。

投票はしなかったけれど、絶対に受かってほしい候補の当確が出ると、「よし!」と、叫んでは、ビールをプシュっと開ける。落ちて欲しいと思っている候補者の当確には、「なんでだよ!」と、舌打ち。

私はもう待っていられなくなって、Twitterも見始める。

「テレビでは出てないけど、こっちでは当確出てるよ!!」

「本当?!」

そんなこんなしているウチにいい時間になってしまった。

プン助を風呂に入れて、なんとしても11時までに寝かさなければならない。

色々気になるが、日曜日の晩に夜更かしさせると、週頭から遅刻、不登校の連鎖が始まってしまうのだ。学校へ行かなかったとしても、朝は起きられたけれど行かないのと、起きられなかったから行かないのでは大違いなのだ。

 

プン助を風呂に入れ、なんとか寝床へ誘導して「大草原の小さな家」を読み聞かせる。

数年前にも読み聞かせていたのだが、最近また読んで欲しいとリクエストされたのだ。

読み聞かせていると、私の荒れ果てた気持ちも落ち着いて来た。

プン助も、途中で寝落ち。

 

その後、私が投票した候補者さんが二人とも当選したらしいことが判明。

 

そして、こと切れるように寝た。

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タオル3枚で幸せになる

明治座にて、脚本打合せ。早めについたので、旦那さんとアイスコーヒーを飲む。

打合せは、滞りなく進み、早めに帰宅。

歩き足りないので、一駅手前で降りて歩こうと思ったが、仙腸関節の辺りに不穏な気配があったので、断念。

 

旦那さんと駅で別れて、駅構内の無印良品店でフェイスタオルを3枚買う。

 

ゴワゴワしていたり、シミが取れないタオルをずっと使い続けていたのだが、実は10数年それがずっとストレスだった。ヘタったタオルの方が好きな旦那さんの目を盗んで、こっそり雑巾にしたり、揚げ物の後の油を吸い取ったりして着々とヘタったタオルを減らして行った。

その甲斐あって、数日前に、旦那さんが「あれ?タオル少ないよね」と、言い出した。

ぼんやりしていると、気を利かせた旦那さんが、100円均一でどっさりタオルを買って来てしまうかもしれない。その前に、なんとしても私が買ってしまわねば。

 

どうせ買うなら、高すぎないけれども、心地のいいタオルがいい。そして、ちょっとの汚れも目立たないタオルがいい。

 

と言う訳で、駅によることがあったら、無印良品のグレーのタオルを買おうと決めていた。殆ど貰い物でサイズも色もガチャガチャのタオルを使っていたのだが、3枚同じタオルが揃うだけで、思った以上のワクワク感。

 

帰宅後、早速タオルの入っていた引き出しに入れる。

グレーのタオルが3枚並んでるだけで、なんて素敵なのだ・・・!

 

風呂上りのニンタマが早速使う。

「ふわふわで気持ちいい~~~~!」

 

私も、使ってみる。本当にふわふわだ・・・!

ゴワゴワしていないタオルで、顔や体を拭くだけで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて・・・半世紀生きて来て、ちっとも知らなかったよ。

 

もちろん、ホテルに泊まった時や、頂き物でもっといいタオルを使ったことはある。

でも、貰い物でふんだんに貰うことの多いフェイスタオルを3枚とは言え、自分で揃えて買ったのは、初めてだった。

 

人から頂いたものが沢山あるのに、素敵だからとか、気持ちがいいから・・・という理由で、好みのタオルを買ったりしたら、なんとなく贅沢だ!と、誰かに怒られる気がしていた。30代の頃からずっと、好きなタオルを買って暮らしたいと願っていたけれど、実際、身近にそんな贅沢を批判しそうな人も多く、波風を立てるのもよくないと、その夢を封印していた。

 

タオル3枚でこんなに幸せな気持ちになれるなら、もっと早く買えばよかった・・・。

いや、そうでしゃない。

ずっと我慢していたから、この幸福感があるのだ。

当たり前に、好きなタオルを揃えて買っていたら、こんなに感動しなかった。

逆に、ふかふかタオルばかり使っていたら、こんなに全部ふかふかしてなくていいやって思ったり、一々揃える必要とか全然ないな、バカくさい・・・って思うようになる気もする。

 

でも、とりあえず290円のタオルを3枚買ったことで、こんなに幸福感を味わえたのは、かなりお得だと思う。

 

好きなタオルを揃えて暮らしたいっていうのは、私にとっては、二十歳になったら、振袖を着たい…というのと同じような夢だったのかもしれない。

 

3枚買ったことで、ちょっと気が済んだ。

今後ずっと好きなタオルを揃えて買うかどうかは、3か月くらい、使ってみたり、洗濯してみたりしながら考えようと思う。

 

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