イエローさんから体育系なのか定かではない、激しい卓球の指導を受ける 

15時からクラブの卓球練習へ。股関節や座骨の調子が悪いので、悩んだのだが、ちょっとだけでもと、少し遅れて参加。

 

遅れていくと練習する相手を確保できないことがある。

体育館につくと、既にほとんど台は埋まっていた。入口付近に一人だけ練習相手がまだ確保できていないIさんがいた。私はそれまで、数回Iさんと練習をしたことがあるのだが、

「下手な癖にネットすれすれの球なんか打ってくるな!」

と、怒られたり、遊びでダブルスのペアを組まされた時も、「こんなとこに立っててもダメだろ!」と、怒鳴られたりしてひそかに涙ぐんだこともあるので、他の人が来るのを待つことにした。間もなくWさんが来た。女性でとても上手なカットマンの方。

早速練習相手をしてもらおうと、側へ向かうが、直後に見たことのない黄色いウェアのおじさんが現れた。

目が合ってしまったが、気づかない振りをして、Wさんの元へ行き、

「一緒に練習していただけたけますか?」

と、申し込んだ。

台は全て埋まっていたが、いつも私に親切に教えてくれるYさんが、クロスで半面使っていいよと、声をかけてくれた。なので、4人で一台の台でフォア側のコートを使わせて貰った。間もなくYさんは、俺は休むから…と、先ほど私がスルーした黄色いウェアのおじさんと交替し、その方(以後イエローさん)私の隣のバック側で打つことになった。

最初は普通にフォア打ちをしていたが、背後から

「全然ダメだね」

との声が聞こえた。

 

イエローさんだった。

驚いたが、適当にスルーして、練習を続けていると、

「ダメだ!ダメ、ダメ」

と、何度も私に対してのダメ出しが連発された。

その後、Wさんがドライブを打ち、私がカットをする練習をしていると、

「全然、ダメだね、そのカット」

と、何度も何度も言ってくる。そして、

「ちょっと貸してみて」

と、私のラケットを取って、自分が見本を見せ始める。

「慌てすぎなんだよ。もっと待って、打つんだ!」

「上半身、動かしすぎ」

「落ちてくるところを・・・こう!」

再度私が打ち始めると、

「ダメだ、ダメだ!」

と、またラケットを奪い取り、見本を見せる。

確かにとても上手で、言っていることはよくわかる。

 

だが・・・一体この人は誰なのだろう・・・。初対面なのだ。いきなりすぎではないか?と、困惑する。私はこの卓球クラブに出入りするようになって、まだ1年ちょっとなので、会ったことはないが、彼は他の人とは面識がある様子でもあった。

 

その後、練習を取り仕切っているリーダー格の人が、

「交代です~!台を左に一つずつズレてください」

と、号令をかけた。

曜日によって違うのだが、15分置きくらいに、場所をズレてペアを交代する練習をする日だった。だが、1台を4人で使っている場合、一つ場所をズレても、ペアは同じ人のままになる。私の練習相手のペアは次もWさんだった。

イエローさんは隣の台に移動した。

 

よかった・・・と、少しほっとした。

私は台のバックサイドの位置になったので、Wさんとツッツキという下回転でのラリーの練習をすることになった。すると、またもや

「ダメだ!ダメだ!」

の声がする。

隣の台に移動したイエローさんが、自分のラリーの相手をほったらかして、私の元へやってきて、また、見本を見せ始めた。

「右足をすぐ前に出すけど、それダメ!前に出しちゃダメなんだ」

「こう!球から距離をとって、振るないと、インパクトが足りないから、飛ばないんだよ」イエローさんが見本を見せた後、私が再度打ち出すと、

「こうだよ!こう!」

と、いきなり私の左と、右手首を背後から抱きかかえるようにつかんで来た。

 

最近、ご時世もあるし、コロナもあって、人に密着して教える・・・ということ自体が皆無になっていたのだが、いきなりガシっと抱え込まれるように、体をつかまれてびっくりする。

嘘でしょ?ギャグなの、これ?

 

しかし、教えてくれているしなぁ・・・全然頼んでいないけど・・・。

 

予期しない事態に困惑していたのは私だけではなさそうだった。私の相手をしていたWさんもイエローさんの言う通りだとしつつも、表情に困惑の色が浮かんでいた。そして、イエローさんの指摘は、いつも親切に教えてくれるYさんの指導とは真逆だった。Yさんはツッツキの時は、右足を前にするようにと、いつも私に口を酸っぱくするほど言っていたのだった。Yさんからすると、私は右足を前に出さなさすぎるのだが、イエローさんからは右足が前に出すぎ・・・と言われる。Yさんからすると私はまだ右足の出し方がまだ足りないようだったが、アドバイスのおかげで、自分としてはずいぶん右足を前に出せるようになったのは確かなのだ。だが、

「ダメだ、ダメだ!右足前に出すぎ!出すな!」

と、言われ、私の右足が急に動かなくなった。

 

気づくと、私の右足が動かないように、イエローさんが、私の右足を踏みつけていたのだ。

 

手首をガシっとつかまれた時以上の衝撃を受ける。

 

こんな激しい指導、高校の卓球部の時にも受けなかったよ・・・。

しかし、困惑しすぎて、不快を通り越して、面白くなってしまった。

その光景を、少し離れたところで、Yさんが困惑したように見ていた。

 

イエローさんの指導が白熱してきたので、イエローさんのラリーの相手は、他の相手を見つけて練習を始めてしまった。やばい・・・いよいよ、専属コーチみたいじゃないか・・・。

すると、そこへ少し癖が強いので、皆が練習相手をするのをやや敬遠しているSさんが遅れて体育館へやって来た。

Sさんはすぐにイエローさんに気付いて、近づいてきた。

「今、指導してらっしゃるみたいですけど、私、相手がいないんで、お相手してくださいませんか?」

Sさんは、強い口調でイエローさんに詰め寄っている。

だが、イエローさんは

「指導っていうか・・・ちょっとだけ見てるだけだよ」

と、言って、なかなか私の傍から離れようとしない。

「私相手じゃ嫌かもしれませんが、初心者の私の相手もお願いできませんか?」

と、Sさん。

Sさんは、ものすごく上手で海外の試合の審判などもしているという噂で、全然初心者などではない。だが、なぜか、やたら減り下るところがあり、私に対しても『お上手ですよね、私下手なんですけど、お相手していただけます?』と、言いつつ、『バック、ミドル、フォアの順番でコースをきっちりと振ってくれませんか』と、私にとっては難しい注文を付けて来たり、スマッシュを打ち込んできては『私は、今、打とうと思ったわけじゃなくて、回転がおかしい球をなんとか打ち返してこうなっただけなんです。よくあの人はすぐ打ち込んでくるって言われるけど、全然そんな気持ちで練習してはいないですから、そこのところわかってくださいね』と、暗にこちらが下手なせいと分からせつつ、こちらとするとどちらでもいいことを理解してもらおうとするような所があるのだった。

 

私に対しては「ダメだ、ダメだ!」「この足、動かすな!」などと足を踏んできたりするイエローさんが、Sさん相手にはタジタジと言った感じになり、二人は隣の台で練習を始めた。

私は解放されたのだが、次の交代に乗じて、イエローさんはしばらく姿をくらましてしまった。

その後、

「あの方、私と練習するの嫌みたいで、どっか行っちゃったんです」

と、Sさんは、他の方と練習していた私のところにやってきて、3人で打つことになった。

後にSさんは、私に

「いろいろな方が、あなたのところに教えに来るから大変ですよね~~。年取った男の人って、自分には教える権利があるんだって思い込んでる節があって、本当、困りますよね~~~~!あの方、うまいかもしれないけど、あんな古いタイプの卓球を教えられても、迷惑だっていうの。今は卓球も進化してるし、球もラバーの性能も変わってるのにね~~~~!」

と、イエローさんだけではなく、教え好きな人、特に男性に対して、本音というか不満をぶちまけて来た。

ここに同調すると、私が教え好きな人に迷惑している・・・と、いろいろな人に言われそうだったり、何か危険な気がしたので、曖昧にほほ笑む程度にに留めておいた。

その後、最初に自分の練習している台に入れてくれた後に、イエローさんと交替したYさん(いつも親切に教えてくれる方)からも

「俺が、あの台に呼んじゃったから、かえって悪かったね~。あの人はうまいんだけど、古い型なんだよね~、あとさ、右足前にしちゃだめだって言われたけど、あれは違うからね。右足は前にしないとだめだよ。そこだけは、絶対だからね」

と、言われ

Wさんからも

「いろいろおじさんたちに言われて、大変だね。私もいろいろ言うけどさ、全部聞かなくていいからね。全部聞いてたら大変だから。自分に合うなってやつだけ聞けばいいからね」

と、言われた。

 

家に帰って旦那さんに

「普通にレッスン料払ったら凄い高いところ、ただで教えてくれるから、ラッキーと思って、聞いてるけど、みんなバラバラなこと言うから、ちょっと大変なんだよね。ありがたいんだけどね~」

と、話すと

「教え好きな人にとっては、カモなんだろうね~。そのSさんのところには、誰も教えに行かないんでしょ?」

と、言われる。

考えてみると、子供の頃から頼んでもいないのに、やたらアドバイスをしてくる人が周囲にやってきて、ニコニコ話を聞いていると、いつの間にかいろいろ指図されるようになって、段々としんどくなって来たころに、言うことを聞かないと怒られたりする・・・ということがしばしばあった。

でも、最近は、そこまでのことはない。

いつの間にか、危険な人からは、指図をされたりする前に、逃げたり距離を置いたり、「ハイハイ」と言ってはいるが、聞いていないな・・・コイツと思われるようないい加減な聞き方ができるようになったのかもしれない。

 

だから、時折、イエローさんのような人に遭遇はしてしまうが、カモだと思われていたとしても、それは幸運だと思っている。

でも、次回イエローさんと遭遇したら、ちょっと考えようとは思う。

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53歳のヒヨッコ選手、卓球の試合に出て、あれこれ思う

卓球の試合。

朝8時45分にとある総合体育体育館へ。年代別の卓球の試合があったのだ。

昨年の6月に52歳にして、初めて試合に出て、かれこれ1年近くになる。年代別の試合も近隣の市がちょこちょこやっているので、三回目になる。

そうなると、

「あ、この前のめっちゃ強い人だ」

「掛け声がすごい人だ」

「悔しがり方がすごい人だ」

「試合中、セットとセットの間、ラケットを台に置いておかなければならないのに、私が手に持ったまま台を離れてしまったことを、本当はルール違反だからダメなのよ・・・と、注意をしながら教えてくれた人だ」

などと、なんとなく覚えている人が増えてきた。

 

試合が始まる前、同じ卓球チームの60代のお姉さま方と練習をした。ラリーが全然続かず、私が下手なせいで、相手の人の練習にならないのでは…と申し訳ない気持ちになったのだが、以前も、その申し訳なさを引きずって焦りまくって負けるメンタルのまま試合に臨んでしまったことを思い出し、ラリーが続かないのはおそらく私のせいなのだが、私のせいだけではないのだ!と、自己暗示をかけるべく頑張った。

 

私の出場する50代の選手は四十数名いて、4名ずつ11のブロックに分けられていた。ブロックごとに総当たりで試合をして、1位から4位を決め、1位と2位は上位リーグ、3位と4位は下位リーグとして、リーグ戦を行う運びらしい。

 

まずは、自分のブロックで最下位にならないことが目標。

50代の試合には三台の卓球台が振り当てられているのだが、11ブロックの全順位を決める試合を3台で行うだけでも、かなり時間がかかるなと気が遠くなった。

 

今まで、大概の試合には強い人もいるが、とりあえず経験してみたい・・・という私のようなヒヨッコ選手も数名紛れ込んでいる印象があった。なので、運が良ければ、私ど同レベルのヒヨッコ選手と対戦して、一回くらい勝てたらいいな・・・という淡い期待もあった。

だが、皆の練習している姿を見る限り、私のように体に軸がない感じにふひゃふにゃしたり、球を追いかけては追いつかずに、バタバタしたりしている選手は見当たらない。これは困ったことになった・・・。

だが、一人だけ、先月の年代別の試合で目撃したちょっと特殊な選手がいた。彼女は岩のようにドカっと立っていて、ほぼ動かない。サーブも、フォア、ミドル、バックと出す位置は変えるけど、一種類のサーブしか出さない。大概の選手は、ツッツキという下回転のレシーブを使ったりするのだが、彼女はツッツキもしない。ちょっとだけ曲がるけれど、上でも下でもない強めな打球ですべてを返球する。一見下手に見えるのだが、彼女のサーブのレシーブも、意外と癖があって返し辛そうなのだ。

「私が唯一勝てる可能性があるのは、彼女だけだろう…」

だが、高校時代も、その手の選手にあたって、ボロ負けした記憶がある。勝てそうだと、勝手に思い込んだ挙句に負けてしまい、苦い気持ちになるあのパターン。

どうせ負けるなら、圧倒的に強い相手に負けたい。勝てるかも…という相手に負けるほど、敗北感や悔しさは増し増しになるのだ。

ゼッケンで名前を見て、調べると、彼女は私と同じブロックだった。1試合目Wさん、2試合目Fさん、3試合目が彼女、Kさんだった。

WさんとFさんは、初めてみる顔で、顔だけ見ると、いかにも強そう…というオーラはなかった。あんまり強くないといいな…負けるにしても、1セットくらい取れたらいいな・・・。

そんな気持ちで、1試合目のWさんと臨む。だが、練習のフォア打ちを始めた瞬間に球の圧が強く、自分より段違いに上手いことがわかった。

そして、1セット目。なんと、11―0で取られてしまった。

私が弱すぎるのか、相手が強すぎるのかわからないが、0点で負けたのは初めてで、衝撃を受ける。2セット目と3セット目はなんとか1点ずつとれたが、どちらも相手のスマッシュミス。お話にならない負け方をしてしまった。ここ2週間ほど、自分としては随分練習したのだが・・・。きっとWさんは私の随分頑張った2週間の練習の数倍の練習を10年、20年単位でやってるのだろうなぁ・・・。試合が終わった後、お互いのラケットラケットを合わせて、「ありがとうございました」と、挨拶をする慣わしがあるようなのだが、Wさんの私に対する挨拶は、本当にそこらへんの虫に対するような、決して見下げるわけでもなく、存在としてカウントしてさえいない・・・という感じであった。

 

Fさんとの2試合目も、3-0でストレート負け。だが、こちらは11―6,11―3、11-5という、レベルは違うけれども、最低限、試合の体はなしていた気がした。サーブも、下回転のキレているサーブの後、無回転のロングサーブを出して、ミスを誘う・・・という試みがうまく行った瞬間もあった。それでも、やはり相手のスマッシュミスで得た得点が多かった。でも、ずうずうしいことを言わせてもらえば、自分がこの先頑張って少し強くなるとしたら、手の届く範囲内のような気もした。

 

そして、とうとうKさんとの3試合目になった。前回、Kさんを目撃していたことが、今日のこの試合のために伏線のようにさえ思えて来た。

ここをどう乗り切るかが、今後の卓球人生?いや、今後の人生にもかかわってくるような気もして来た。

実は、この試合の前に、KさんとFさんの試合を見て、その後、KさんとWさんの試合は、審判もやっていた。

Kさんは、Fさん相手には1セット目と2セット目は7点と、私よりも取っていたが、3セット目は2点で、ストレート負けしていた。そして、Wさん相手の試合でもストレート負けではあるものの、1セット目と3セットめは1点、2セット目では2点と、私よりも点を取っているのだった。

Wさんとの試合の最中、彼女は

「こんなのいつもの私じゃない!」

「球が見えてないんだよ!」

「ああ~、まけちゃうよ!やばいよやばいよ!」

と、ぶつぶつ呟いていた。

「いつもの私」という言葉がすごく気になった。

Kさんの「いつもの私」とはどのような状態なのだろう。彼女が私との試合で「いつもの私」になったら、私は負けてしまうのかもしれない。

 

Kさんとの試合の前に、3回フォア打ちの練習をする。やはり、Kさんの球は打ちにくい。普通に打つと、オーバーしてしまう。回転があまりかかっていないのに、勢いが強いので、こちらも余計な回転をかけずに、それなりに強く押し出すように打つか、いいタイミングをとらえて、きちんと下回転をかけて返すのがよいだろう・・・と、戦法を立てた。

ジャンケンで負けて、Kさんが最初にサーブ権を取った。カット(下回転)でレシーブしようとしたが、二本ともレシーブを失敗し、一気に二点取られてしまう。彼女のサーブはやはり返しづらい。私は下回転の短めのサーブを出す。彼女も二本ともネットに引っ掛け、レシーブミスをした。次の彼女のサーブもカットをしようとしたが、失敗したので、次は普通にはじくように打ってみると入った。だが、彼女も打ち返してくる。なんだかよくわからないラリーがだらだら続くようになった。強く打つとKさんは、結構な確率で打ち返してくるので、中途半端な強さでラリーを続けるほうが、私の得点になることがわかった。1セット目は11―8でなんとか私が取ることができた。

大体彼女の傾向が分かったつもりになり、次はもっと点を押さえて取ろうと思ったのだが、2セット目は、7-11で私は負けてしまった。やばい・・・このまま、負けてしまうパターンになってしまうかもしれない。冷静になって考えてみると、私は勝ち急ごうとして、いつの間にかだらだらラリーを続ける戦法をやめてしまっていた。そして、打たれたら、こちらも躍起になって打ち返していた。焦った気持ちのまま打ち返していたせいか、いつもだったら入るような球も全然返せなくなっていた。ここは、根気よくゆるい球を丁寧に返してだらだらラリーを続けようと、再度心に決めた。最初はKさんがリードしていたが、丁寧に緩い球を返し続けたら、彼女の方が焦って打ち込んでミスをするようになった。それでも、こちらがリードすると、彼女は追い上げてきた。3セット目はなんとか絶対に負けたくない!勝ちたい…という思いだけで、11―9で逃げ切るように3セット目を取ることができた。4セット目も油断できない・・・と、思っていたが、彼女は急に勝つ気がなくなったのか、ここはあっさり11―5で取れたのだった。

でも、勝利を喜ぶ気持ちには全然なれなかった。負けなくてよかった・・・という思いだけだった。よくわからないのだけれど、卓球だけではなく、あの局面で踏ん張れるかどうか・・・が、人生全般に関わっているような気がしたのだった。そこで踏ん張れない自分に会わないですんで、本当に良かった。

Kさんも「いつもの私」になれずに意気消沈しているかもしれないが、私にとっては、なぜなのか、理由は全くわからないが、今後の自分の存続に関わる局面になってしまっていた。

「助かった・・・」

下位リーグは、時間短縮のため、2セット先取した方が勝ち・・・というルールで進み、アッという間にストレート負けをした。相手のTさんは、その前に別のAさんという選手と対戦してぼろ負けするのを見ていた選手だった。Aさんとは、私も昨年の10月に一度試合をしたことがあった。本当に強い選手で、私はどのゲームも1、2点しか取ることができなかった。当時の印象では、近隣の市の50代の中では1,2位を争う強さだと思っていた。そのAさんにぼろ負けしていたTさんではあったが、明らかに私よりベテランなのはわかった。それでも、1セット目では4点しかとれなかったのが、2セット目では9点も取れた。自分としてはまあ、健闘したのではないだろうか。

 

そして、Tさんに勝って上位リーグに進んだAさんは、リーグの一戦目で私が今日一番最初に試合をしたWさんと対戦していた。そして、Wさんにストレート負けをしたのだった。Wさん、最初は全然強そうに見えなかったのだが、私が最強と思っていたAさんより、圧倒的に強かったのだ。後で結果発表を見て知ったのだが、Wさんは50代女子の部門で優勝していたのだった。

「そりゃ・・・0点とか1点とかしか取れないわけだよな・・・」

 

試合後、Wさんと挨拶をした時のことを再度思い出した。目の前にいるのに、一切視界にはいっていないかのような表情だった。

なるほど・・・戦国の世なら、武将が足軽の死体を見るような感じだったのだろう。

10月に試合をしたWさんは、挨拶の時には目を合わせてとりあえずは微笑んでくれたのだが・・・。

 

自分の試合を待っている間、他の選手の試合で飛んできた球を拾って渡すことが多々あるのだが、そういう時に、凄く丁寧にお礼を言う選手と、とりあえずお礼だけは言ってるけど、大分心無い選手と、お礼をいうどころか、こちらを見もしないで球だけ無言で受け取る選手がいる。

絶対とは言えないが、見もしないで無言で球を受け取る選手は、大体すごく強い。

礼儀のある無しではなく、それだけ集中しているのだろう。

私など、お礼を言うなと言われても、言わないことに耐えられずぺこぺこ頭を下げてしまう人間なので、逆に一切お礼など言わない人の方が清々しくてカッコいいようにも思えてしまった。本当に強かったり力があったら、とりあえずいい人に思われようとすることに余計なエネルギーを使わなくなれるのかもしれない・・・なんてことを考えた。

 

それにしても試合は練習よりも、動くわけではないのに、かなり疲れる。

ここ2週間、真面目に練習をしたせいで、股関節や座骨の調子が悪くなっていたのだが、帰りは普通に歩くのもままならなくなっていた。足を引きずりながら帰る。

来週は、少しメンテナンスをしよう。強くなることより、やり続けられる体でいることが、やはり一番だ。

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土砂降りの中卓球へ…

雨の中、卓球へ行く。運動不足のニンタマが、散歩のついでに体育館へついてきた。

 

卓球をするわけでもない娘を連れて行く…というのは、ちょっと恥ずかしいけれど、何かウキウキもする。

「うちの娘なんです~」

「中一なんです~」

「13歳なんです~」

「私よりも大きくて~」

と、誰にも聞かれもしないのに、べらべら話してしまう。

 

プライベートの話など殆どしたことがない人達に、いきなりそんな話をされても困るだろうとはわかりつつも、止められない。

 

「大きいですね」「何歳ですか?」「高校生くらい?」などと、聞かれることを想定して、聞かれる前から、べらべら話してしまうので、皆さんはもうコメントをすることもできず、

「あ~」

「大きい・・・ですよね」

と、言う事しかできないのも無理はない。

 

そんなことにぼやぼやしていたら、一緒に練習する相手や台の確保も遅れてしまい、しばらくただ壁際で、練習できる人が来るまで待つ。

 

今日が初めてという、韓国から来た方と練習をすることが決まった途端、いつも練習しているAさんが来た。

 

今練習している人達に台の半分を使わせて下さいと頼んで、韓国の人とAさんと私で練習をすることに。

私はハーフで台を使って練習をするのが、とても苦手。ぶつかるのでは?と、怯えすぎて、動き回ることもできず、オタオタしてしまう。

ニンタマにいい所を見せたいのに、これでは

「ママ、下手くそ…ダサ…」

と思われてしまう。

まあ、下手くそでダサいのは事実なので、仕方がないのだが実力よりも上に見せたい気持ちが働いてしまう。

 

そうこうするうつにニンタマは

「つまらないから、帰るね」

と帰ってしまった。

 

ニンタマが来ていることにウキウキしていたが、実力よりも上に見せようという邪念が消えたので、急にのびのびした気持ちにもなった。

 

韓国の人に

「私、ちょっとだけ韓国語勉強したりしてるんです」

と、アピってみるものの、薄い微笑みを浮かべられたのみ。

韓国人だと話した途端に、そんなことを言う日本人には頻繁に会うであろうし、

だからと言って、話すこともないのだ。

雑魚キャラしか話さない薄っぺらいことばかり話すなぁ、私。

 

しかし、いいのだ。雑魚も生きているのだ。

などと思いながら、黙々と練習。

 

すると、ちょっと危ういな…と思っていた股関節がちょっとイヤな感じになって来た。

今週は気温が急に下がった影響もあるのか、週の初め頃、やたらと肩甲骨が固くなってしまい、どんなにストレッチをしても、息苦しい感じが抜けなかった。

そのまま頑張ってストレッチを続けていたら、水曜日頃には肩甲骨はマシになったのだが、腰というか、尻の横が縮こまってどんなに伸ばしても、固さが取れなくなった。

ヤバいと思って、近所のマッサージに行ったが、ほぐれて気持ちが良かったものの、何か股関節のハマりがおかしな感じになってしまったのだった。

騙し騙し動かして良くなることもなるので、あまり気にせずにいたが、転がった球を拾う動きをする度に、ピリッと左の股関節に痛みが走る。

雑に球を拾おうとせずに、ちゃんとスクワットというか四股を踏むように丁寧に腰を落として球を拾うと大丈夫なのだが、ちょっと危うい。

 

その後、別の方と練習。久しぶりに練習に訪れたお友達とそれなりに楽しく練習をやる。

今日はとりあえず、騙し騙し練習をして、戻ってから股関節周りのメンテナンスをしっかりやろうと思っていた。

だが、いつも教えてくれるありがたい先輩が、

「なんでそんなに下手なの?ちょっと見てあげる」

と、練習を見て下さることになってしまう。

見て頂けるのはありがたいのだが、今は心が守りに入ってしまい、アドバイスを前向きに実践することが出来ず、ろくにお礼も言えないまま、言い訳をいいまくって練習を終える。

 

来週の火曜日は遊びでだが、ダブルスの試合なのだ。あまり無理をする訳にもいかない。

 

土砂降りの中、帰宅。

「ママ、思ったより上手だった」

と、ニンタマに言われ、予想外のコメントにホクホクする。

 

なんとしても日曜日、月曜日の間に股関節を治したい。

ダブルスも大事だが、今は稽古中でもある。

ちゃんと直さないと、常に足を引きずった設定のキャラになってしまう。

しかし、いつも良い状態が続くと、もう治った…と思ってしまうのだが、基本的には治るということは無いということを忘れてはいけない。

 

数年前に両臼蓋形成不全という、股関節のハマりが浅い状態であることが判明したが、これは治るものではない。

若い頃は筋肉の支えがあったので、なんとかなっていただけなのだ。

デスクワーク中心の生活になって、筋力が落ちてしまってから、本格的に痛み始めた。

筋力が落ちたことで、反り腰が悪化し、軽い脊椎管狭窄症にもなってしまい、メンテナンスを怠ると、あちこち痛くなってしまう。

 

お仕事や遊びや怠けたい願望に気を取られたり、ちょっとさぼっても、体の調子がよい時期が続くと、すぐに「もう、大丈夫」って思ってしまうのだが、お手入れというかリハビリはちゃんとしないといけない。

 

痛みがひと段落するまでは禁酒だな・・・。

早くよくならないと、飲めないので、飲めるようになるためにも頑張らねば。

しかし、このメンテナンス的な筋トレは本当にやった感のない、面白くない動きばかりなのだ。

根性で沢山動き回ればいいのならば、むしろ楽なのだが、それはむしろ体を痛めてしまう。

つまらなさや地味さに耐えるのは、結構な苦行だったりする。

このつまらなさや地味さの面白さを見出せるようになったら、きっと勝ったも同然なのだ。

だが、一体何に勝つのかは、さっぱりわからない。

 

 

 

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卓球の試合に出た!

卓球の市民大会。

朝、9時から集合。

予想では適当に組まされて、負けたら敗退で終わり。

その後、ちょっとした敗者復活戦などがあったりするかもしれない…みたいなイメージだったが、全然違った。

 

参加者がAからLの12チームに振り分けられ、チームごとに団体戦という形をとることになっていた。

1チーム4人のチームと5人のチームがあった。一つの試合が5人の個人戦で、3人以上勝ったチームが勝ち。

4人のチームは、誰かが2回試合をすることになる。

今年は、参加者が多いらしく、12チームを籤引きで二つに分けて、その中で総当たり戦をするという。

私はKチームだった。メンバーはなんとなく顔を知っているという方が二人、初対面の方が一人。

団体戦で殆どよく知らない人と組むことになるとは、思いもよらなかった。

 

その方式に異存はないのだが、困った事情があった。

実は一昨年、入会しないかと言われて、一度入会する流れになっていたとある卓球クラブがあり、練習に参加しようとすると、いつも主宰の人の体調が悪いとか、家族の体調が悪いなどの事情で、その日は無理…と断られていたのだった。そして、一度も練習をさせて貰っていないのに、試合に出る為に登録料を支払う必要があるなどと言われ、不審に思っていたところ、今の卓球クラブに拾って貰った経緯があったのだが、結果的に入らなかったクラブの主宰の人が、今日の大会に来る聞いていたのだ。

仮にその主宰の人をXさんとするが、そのXさんは、色々な人を勧誘してそういうトラブルになっているらしい。私が入会したクラブにも同じような思いをした人が何人もいたのだった。

一昨年、一度入会するお話がありましたが、お断りさせてください…というメールを出したのだが、なんどやめたいと伝えても、

「保留にしましょう」

「とりあえず一旦休会と言う形に」

といった返信が来た。

「保留ではなくやめたい」

「休会ではなく、練習もしていないので入ったつもりもない」

と、返したりしていたのだが、そのまま返信が途絶えたかと思うと、しばらくして、また

「他のクラブに入らないという約束をしてくれたら、やめることも検討します」

「会って話をしてから、他のクラブに入らな約束をとりつけなければ認めない」

みたいな連絡た来たりもして、その都度恐怖を感じていた。

「他のクラブに入るか入らないかはそちらとは無関係のことです」

「会って話をする時間を取るつもりは一切ありません」

と、返信をしても、

「体調が悪い」

「迷惑メールフォルダーに入っていて、気付かなかったけれど、何か返信をしましたか?」

みたいな内容の返信が来たりして、それ以降、こちもXさんのメールをブロックしていた。

そのXさんが来ることは事前に聞いていたが、Xさんは男性だし、そもそも試合で当たると思っていなかったのだ。

だが、当日、試合は団体戦で男女混合だと判明。

 

運よくXさんと同じチームになることは免れた。

だが、Xさんのいるチームと当たる可能性があるのか・・・。

 

というか、個人戦でXさんと当たる可能性もあるではないか?!

当たらなかったとしても、Xさんが出ている試合の審判をする可能性もある。試合に出ると言っても、ルールもまだあまり理解していないのに…。

 

やばい…怖い怖い怖い怖い。

 

12チームを二つに分けて、総当たり戦になると聞いた時、せめて別々なブロックに別れるようにと祈ったのだが、抽選の結果、まんまと同じチームになってしまった。

ガーン!

 

その後の試合予定が発表される。

全部で五回、団体戦をするのだが、その四回戦目にXさんのチームと当たることが判明。

 

団体戦は普通、最初に強い人が来る。私のような下手くそは4番目、5番目になることが多いので、強いXさんとは一緒にはならないのでは?と思ったが、我がKチームのリーダーは公平な方で、ジャンケンでチーム内で1番から4番までの順番を決めた後、最初の試合での1番は次の試合では5番に、2番は次の試合では1番になるように・・・といったローテーションを組んで、強かろうが、弱かろうが平等に出場することになったのだった。私は4番だった。

 

四回戦目で、Xさんと試合で対戦してしまうかもしれないぞ。

 

しかし、別に何も後ろ暗い事はしていないので、当たったとしても、ビビる必要はないではないか…と、何度も自分に言い聞かせるも、ドキドキするやら、不安やらで落ち着かない。

 

まあ、死ぬ訳じゃないし、なんとかなるだろう。

 

とりあえず、四回戦目までは、気にせず粛々と試合をするのだ!

 

一回戦目。Dチームとの試合。

私の対戦相手はよく練習で一緒になる、凄い上手なNさんだった。

「うそ!Nさん相手か…終わった・・・!」

市民大会って、初心者も嬉し恥ずかしって感じで参加する、もっとのどかなものだと思っていた…。

案の定、3ゲームでストレート負け。

だが・・・

13―11、13―11、12―10

という、どれもジュースに持ち込んで負けたのだった。

実は、1セット、2セットは、6-9くらいで勝っていたのだった。自分が9点を取って、「もしかして勝てるかも?」

という気持ちになった後、そこから必ずNさんに持ちなおされての負けだったのだ。

あんな上手なNさんにここまで競るとは思わなかった。

でも、9点まで取ってから、負ける・・・ということに、凄く大きな意味を感じた。

Nさんの方が圧倒的に上手いのだが、これは勝てる可能性があったのだ。その可能性をつぶしたのは、自分なのだな・・・と思った。

 

二回戦目。Aチームとの試合。

 

11-2、11-5、11-6のストレート負け。

対戦相手は10代の男の子。

部活でガンガン頑張っている世代であり、圧倒的な実力差。相手がかけているサーブの回転も何もわからなかった。勝てる見込みは全くなく必然的な負け。

でも、1セットから3セット目まで、得点をちょっとずつ上げられたのでヨシ!

 

三回戦目。Gチームとの試合。

8-11、11-9、9-11、11-6、9-11で、なんと3セット取得して勝ってしまった。

対戦相手は明らかに私よりも上手な人で左利きだった。あーまたうまい人に当たってしまった…と思ったのだが、まさかの勝利。

「嘘でしょ?」

と、全く腑に落ちなかったが、めちゃめちゃ嬉しい。上手な人でも、相性というものがあるようで、相手の人にとって、私はやりにくいタイプだったようだ。

その人は、凄くいい人そうだった。家族や仕事場でもなんとなく嘗められてしまうような印象だった。

 

休憩中、観覧席でまだ試合をしている人達を見ながら、ごはんを食べた。

その時、私が恐怖を感じていたXさんが、最初に試合をしたDチームの中の20代の若者と試合をしてていた。

Xさんはメールでは「足が痛い、膝の手術をしなければならないのだけど…」みたいなことを執拗に書いていたのだが、ものすごい力強い踏み込みで、バンバン打ち込んでいる。卓球講習会みたいな会場で数回練習をしたことはあったのだが、その時は足も引きずっていたし、卓球歴は長いもののそこまで強そうに見えなかった。だが、今日のXさんは凄い。

会場の中でも群を抜く上手さで、凄まじく強い。膝が悪そうには全く見えない俊敏な動き。

しかし、相手の若者(以後Mさん)も、ものすごく強かった。

ついついMさんを応援してしまう。

観覧席は皆その試合に釘付け。

「Xさんも指導者だから、負ける訳にはいかないわよね」

「M君に勝って欲しい~」

そして、接戦ではあったが、Mさんが勝ったのだった。

Xさん、屈辱だろうな・・・。

 

次に対戦する人、可哀想だなぁ・・・。

 

ん?

次に対戦するチームは私のいるKチームだ

さる筋からの情報によると、Xさんのチームは4人なので、Xさんは毎回1番目5番目に出ているという。ウチのチームのようにローテーションで順番を変えていないのだ。

ん?

私は一回戦目の時は4番目だったのだが、次の試合は4回戦目。1番目は私だった。ウチのチームも4人しかいないので、必然的に私は1番目であり5番目でもあるのだ。

 

やばい…。

Xさんと2回も当たってしまう!!!!

怖すぎる。

Kチームのリーダーに事情を説明すると、試合の一回は回避させてあげられるけれど、2回とも回避は難しいそう。

結局私は1番目と4番目の試合に出ることになり、5番目の試合はリーダーの人が変わってくれた。

観念して一度は試合をするしかない。

四回戦目。Lチームとの試合。

とりあえず、それまでの経緯については一言も話さず、初対面のようにふるまう事にした。ちょっと練習をしてから、普通に試合をした。

結果。

11-1、11-1,11-2

のストレート負け。

しかし、かなりラリーは続いた。Xさんも、私の甘い球はスマッシュをしてきたが、下手くそ相手に、意地の悪い凄いサーブを出したりはしなかった。ともすれば11-0で負けそうなところを絶対一点だけでも取ってやると、喰らいついてやっとこさという感じ。ビビって実力以下の試合をした訳ではないので、ここはよく頑張った気がする。

噂では、Xさんが登録料を巡って揉めた相手を捕まえては、長々話をする・・・と聞いていたが、そんな気配もなかった。

 

その後、4番手として、Tさんとも試合。Tさんは、初めての試合に出場した6月には、チームメイトだった人で、70代なのに、ビックリするほど上手で強い人。

勝てる訳ないじゃんと思いつつ、対戦。

11-6,12-10、9-11、11-13、11-6

2セット取ったけれど3セット取られて負けてしまった。

まさか、Tさん相手に、2セットもゲームを取れると思っていなかったのだが、それでも、勝てる道筋がないわけではなかった気がした。

実力差では明らかに負けているのだが、精神状態で勝ちに行くエネルギーが欠けているというか…。

 

五回戦目。Iチームとの試合。

いつも練習を一緒にしているKさんが対戦相手。Kさんは、重いドライブをかけて来るタイプでいつもフォア打ち練習では撃ち負けている。なのだが・・・

3-11、7-11、4-11

で、ストレート勝ちをしてしまった。

我ながら、びっくり。

Kさんはいつも、腰が低くとてもいい人であり、

「カットマンですか~」

「カットマンは皆、やりづらいって思いますよ」

と、よく私に話していた。

本来のKさんは、攻撃力も強く実力は私よりずっと上手なのだ。勝てた理由としては、カットマンへの苦手意識が強すぎて、様子を探るような返し方をしているウチに、Kさんがペースを崩してしまった・・・ということにあるのかもしれない。

 

これで総当たり戦は終わり、試合終了かと思いきや、下位のリーグ戦、上位のリーグ戦もあるとのことで、この後も試合をすることに。

 

六回戦目。Hチームとの試合。

なんと市の卓球連盟の会長さんと対戦することになってしまった。開会の挨拶などをしていた、重鎮の人。

重鎮とはいえ、負けるに決まっていると決めつけず、落ち着いて頑張るしかない。

そして、11-5,11-4、11-5でストレート負け。

でも、会長さんもカットマンだったので、一番長くラリーを続けられた。

「もっと攻撃したほうがいいよ」

と、アドバイスを頂く。

七回戦目。

1回戦目で対戦したDチームと再度当たってしまった。

対戦相手は昼休みに目撃していた、先ほど、Xさん相手に勝ったMさん。

「嘘でしょ~~~~Xさんに勝った人と~~~」

と、ビビりまくる。Mさんは見るからに、動きが普通の人とは違う。上手い人オーラが半端ないのだ。

ところが・・・11-7,11-6、11-6と、ストレート負けではあるが、Xさんとの試合よりは大分点が取れていた。

嬉しい。

 

Xさん相手には11-1、11-2などで負けまくっていたのに。Mさんも非常にいい人そうな雰囲気だった。

 

7試合中、2試合しか勝てなかったのだが、上手だから勝てる訳でもなく、相性やら、色々複合的な理由があるのだなと思った。

 

高校の部活で卓球をやっていた時、自分より弱い相手に負けること、自分より強い相手に勝ててしまうことについて、よく考えていた。

すっかり忘れていたが、最初の一年間は明らかに自分よりも実力的に下手そうな相手にも負けていた。それが、1年間登校時は毎日1時間早く登校して朝練、早弁して昼休みにも昼練・・・という生活をした後、明らかに下手な相手に負けることはなくなった。自分より凄い強い相手には勝てないが、ちょっと上手でちょっと強い相手には、勝てるようになった。多分、試合時のメンタルが鍛えられたのだ。

それでも、ジャンケンのグーチョキパーのように、相性はあって、自分がいつも負けてしまう相手といつも勝てる相手同士が試合をしても、いつも負けてしまう、私にとっては強い相手の方が私にとって弱い相手に負けてしまったりする…ということもある。

 

グダグダ述べてしまったが、試合は面白い。

卓球を再開した頃は、運動が定期的にできればいい、試合みたいに精神が疲れることはしたくない…と思っていて、クラブ内で遊びの試合をやったりするのもちょっと苦手だった。だが、今年6月に初めて試合に出て、今日で二度目。苦手なのは相変わらずだが、ものすごい快感を味わえる瞬間が何度かあった。

強くなりたい・・・。

そういう気持ちがちょっとだけ芽生えてしまった。

 

しかし、仕事が大変な時や、子供問題にヘトヘトな時もあり、この思いを育てていくのは中々難しい。

高校生の頃のように頑張ることは絶対にできない。

 

無理をすると続かない。細々とでいいので、最低限の練習を続けられるといいな。

 

後で聞いたが、指導者などをやっている人は皆試合には、ちょっとだけ出る…というスタンスを取っていた。

Xさんのチームは結局優勝したのだが、一人で全試合2回も出るのは異様なことだったらしい。

確かに私が対戦した市の連盟の会長さんは、ちょっとしか試合に出ていなかった。

私のチームのリーダーさんも、チームの中では一番強い人だったが、一人で何度も出る・・・ということはしていなかった。

「あの人は、全く周りが見えてないのよ。今日の様子を見て、凄い練習をしてきてるな…とは思ったけど、毎回自分が2回も出たら、勝つに決まってるじゃない」

と、周囲の人はドン引きしていた。

 

とはいえ、今日Xさんが来ることを覚悟の上で、試合に出ることにしたのだが、逃げずに参加して良かったなと思った。

一日中、Xさんをそれとなく避け続け、対戦した時も、初対面のようにふるまい、Xさんから、「まだやめたと認めていない」「他のクラブに所属することも認めない」などと言われる隙を見せないように過ごした。例え、声をかけられたとしても、「そんなことを言われる覚えはない」と、対峙する覚悟もしていた。

 

結果何も言われず、ホッとしたものの、もしかするとXさんはこちらのことは最早すっかり忘れていたのかもしれない・・・とも思った。色々な人に声をかけていて、最早記憶にもないか、記憶はあったとしても、最後に直接顔を合わせたのは1年以上前なので、顔など覚えていなかったかもしれない。

 

そうだとしたら、相当の覚悟で試合に臨んだり、一日ハラハラドキドキしていたのはただの無駄だったということだ。

 

私が自意識過剰に大騒ぎしていただけなのかもしれない。

とにもかくにも、怯えず試合に参加して、ちょっと世界が広がった。良かった良かった…ということにしよう。

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小学生卓球講習とカルピスウォーターの行方

プン助を小学生、中学生を無料で教えてくれると言う卓球講習へ連れて行く。

本当は、お友達の●●君と一緒に参加だったのだが、●●君はまだ体調が戻らず、お休み。●●君が来られないなら行かないと言い出さないか不安だったが、ちゃんと参加した。受付を済ませた後、体育館の上の休憩室からレッスンの様子を覗いてみた。

皆で準備体操。プン助は時折立ち歩いたりして、やや挙動不審。皆でランニングを始めると、列から外れて、前方転回をしたりしている。

「うわ」

休憩室で思わず、声を漏らしてしまう。

口を押させて、なおも覗き込む。

プン助の突然の前方転回に、周囲の誰も大して注目もしている様子はなかった。凄いとか言われたかったのか、ただ急に回転したくなったのかは謎だが、せめて周りを見て、危なくない範囲でやってくれと祈りながら見守る。

ラケットを持っての練習に入る。台に2,3人の子供、一人の先生…という体制になる。一人に何球かずつ、先生が球を出して、フォア打ちの練習。プン助の番になる。プン助は普通に当てれば良い所を、身体傾けてまで猛スマッシュ。先生がそんなに大振りにしないで、このくらいのフリで打ってと説明している様子。その後プン助は一応、小ぶりにやって見せるが、球が来ると、どうしても猛スマッシュをしてしまう。殆ど空振り。ローテーションでコーチも変わっていくのだが、バックで打つ時にも、大振りで猛烈に強い打球を打とうとしては殆ど失敗していた。同じようにもっと小ぶりで・・・とアドバイスをされている様子だが、球が来ると、全力で打つのはやめられない様子。

自分が打つ場面じゃない時は虫取り網のような網で球を拾い集めるのだが、球が転がって来るたびに猛ダッシュで拾いに行く。球出ししている先生にもぶつかりに行きそうな勢い。聞こえないけれども、「周り観て、周り観て」と、呟いてしまう。

球を集めて、元入れたったカゴに返す際、勢い余って、球がバラバラと転がってしまう。

「溜めすぎなんだよ。あ~あ」

私も、休憩室でブツブツ話している怪しい人になってしまっている。ずっとそんな風でいるのも、なんなので観るのもそこそこにして体育館を後にする。

前日、カルピスウォーターを●●君にあげたいと話していたことを思い出し、そんなに悩むなら、買ってやろうと、買って帰る。

 

帰宅したプン助は、カルピスウォーターを観て、大喜び。

あげに行く。

袋にも入れずに裸で持って行こうとするので、せめてちょっと小奇麗な袋にいれなよ!と、止めようとしたが、既に家を飛び出していた。

 

人からモノを頂く時、大抵小奇麗な袋に入っていたりメッセージが入っていたりすることが多いのだが、実際自分がそれをやろうとすると、本当にその気遣いとかが、自分にとっては苦行で、現物でお渡し出来たらどんなにハードルが下がるだろう・・・と思っていた。

心遣いや気遣いが身について、本当に素敵な袋に入れたり、メッセージを入れたくてたまらない人もいるらしい。でも、私にとってはとりあえず人並の常識があっておかしな人に見えないように頑張るノルマのようになってしまっている。

あんな風にむき出しのカルピスウォーターをそのまま渡しに行けるプン助が羨ましい・・・。大人が剥きだしのまま、持って行ったら、ちょっと変だと思われるが、私が下手にキレイな袋に入れさせたり、メッセージを入れさせたりしたら、プン助のあげたいという思いの純度が幾分濁ってしまっただろう。

「え、何、剥きだしで?」「どういう教育を受けているのかしら」

などと思うご家庭もあるかと思うが、どうかすんなり、気持ちが届きますように。

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卓球と意図しないデジタル断ちでメンタル調整

「明日、2時間目から来られる?」

と、担任の先生に言われたというプン助。

2時間目から行くのだろうか?と、見守っていたが、行く気配なし。

チャーハンを作ったりしている。

ああ、もう3時間目始まったよ…。

今日は13時から、卓球なので、家事や事務的な用事などをしていると、母から電話。

北海道に住む友人の具合が悪いのだが、膝の手術をしたばかりで、お見舞いに行けないことを気にしていた。私が付き添えば、札幌に行けるかどうか・・・などを話して電話を切った直後、

「安倍さん襲われたって速報が出てる」

と、旦那さん。

その時点でテレビを付けたが、意識があるのかないのかも、まだわからない状態だった。胸と首に傷を負っている・・・と、聞くだけで、不穏な感じ。

 

自民党に心を寄せたことは、人生で一度も無いのだが、思った以上にショックを受け、卓球どころではない気持ちになった。

「今日は卓球お休みしようか・・・」

と、いう気持ちになった直後、

「こういう時こそ、絶対に卓球をした方がいい」

と、打ち消すような気持ちが湧いて来た。

 

この日の練習場には冷房がなく、蒸し風呂のようだったが、ここでは誰も、襲撃の話をしていなかった。

 

高校生の頃、憂鬱でこれ以上ないと思うほど落ち込むことがあった時、部活の練習どころじゃないよ!と思っていたのに、卓球をすると、自分でもびっくりするくらい、元気になったことがあった。卓球に限らず、スポーツにはそんな効能がある気がする。

もしかすると、他の方達も今日は、そんな気持ちで練習に来たのかもしれない。

勝手な推測だが。

 

スマホでいつも歩数を図っているので、練習中もポケットにスマホを入れている。平均一日8千歩を目指しているのだが、8千歩は普通に暮らしているだけでは中々クリアできない。日常生活のみでは、せいぜい5千歩行くかどうかで、意識的にプラス3千歩歩くようにしているのだが、卓球をする日は、1万2千歩くらいになる。

卓球をする日は歩数の稼ぎ時でもあるのだ。

いつもは、休憩の時に何歩稼いだかな…と、気になってスマホの歩数計を観たりするのだが、この日は安倍さんの件で新しい情報が入るのも恐ろしく、スマホを見ないようにしていた。

卓球が終わり、恐る恐るスマホを見ると、「iPhoneを削除しますか?」という文字が表示されていた。

どうやら、ポケットの中で、間違ったパスコード番号などが押されたことになって、41分間後まで、使えなくなってしまっていた。

 

今まで、そんなことは一度もなかったのに・・・。

41分後という中途半端な分数も何なのだろう。

 

リュックやポケットに入れて、また布が触れてしまったりしたら、今度は何時間も使えなくなってしまう。細心の注意を払って、スマホに余計なものが触れないようにしまい、帰宅した。

 

なんとなく、今は新たな情報に触れない方がいい・・・ということなのだろうと、帰宅後アイスを食べたり、洗濯物を取り込んだり、畳んだりして、テレビを付けないようにしていた。

数十分後、スマホの画面から不穏な表示は消え、平常画面に戻っていた。普通に番号を入力したら、表紙抜けするほど、あっさり使えたのだった。

ニュースで、状況の進捗を見ると、私が卓球に行く前とあまり変わっていなかった。

心配停止と報じられて、回復した人を今まで見たことはない。でも、これだけ長い間、治療をしているということは、最高の医療を施して何か良い兆候が現れたりしているのかもしれない。

もしくは、いつ、どのように発表するのか方針が定まっていなくて、それが決まるまではとにかく治療を続けているのかもしれない。

 

全然好きではなかったけれど、こうなると実はちょっと好きだったのかな…という気さえして来てしまう。

なんとか回復してくれないものだろうか。

でも、小池都知事や岸田総理、弟の岸信夫さんなどが、マスコミに応対している表情を見ていると、全てを分かっていて黙っているようにも見えてしまう。

 

昭恵さんが病院へ到着する様など、流さないであげて欲しいなと思って間もなく、訃報のニュースが流れてしまった。

 

こんなに悲しい、憂鬱な気持ちになるとは思わなかった。

思ったより、メンタルがやられてしまっている。

来週は、体が許す限り卓球をしなければ。デジタルからも少し離れよう。

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35年ぶりに出場した卓球の試合

プン助、合宿。

私は卓球の試合。

ニンタマは一日中ダンス。

 

朝5時に起きて、私とプン助とニンタマの分の弁当を作る。

合宿の集合は朝6時半に小学校の校庭。プン助が間に合うよう行けるのか、不安だったが、旦那さんが自分のお仕事ついでに送ってくれ、

一安心。

あとは、自分のことだけやればいい。今日は、参加させて貰っている卓球のチームのメンバーとして、団体戦に出場することになっていた。

試合に出るのは高校生以来。ルールも昔とはかなり変わっていて、ろくに把握もしていない。大丈夫なのだろうか。かなり心配。

今日出場するメンバー達と、分倍河原駅で待ち合わせて、バスで府中の体育館へ。

Kさん、Fさんとはよく一緒に練習しているのだが、他のHさん、Tさんとは殆ど話したことさえない。

Tさんとは、過去2度程練習相手になって貰ったことがあったが、明らかに70代を超えて、お元気だな・・・という印象くらい。試合に出まくってるとは聞いていたけれど、正直それほど強いとは思っていなかった。

Hさんとは、打ち合ったことも無いので恐らく上手なのだろう・・・程度の認識。

どのみち、一番下手なの私…ということだけは確実なので、酷すぎる負け方だけはしないように、頑張らねば。

と、最早、負ける気満々。

 

体育館へ行くと、皆凄い勢いで卓球台を取り、練習を始めていて、私達のチームは台を取りそびれてしまった。かろうじて、他のチームに半面を借りる形で練習をする。

 

どうやら今日は3チームと対戦するらしい。

団体戦では一試合目、二試合目、四試合目、五試合目はシングルス。三試合目のみダブルス。三試合を先に取ったほうが、勝ち…というルール。

なので、三試合目までで、勝負がついてしまえば、四試合目、五試合目は無しということになる。

最初の試合では私は五試合目のシングルスに出ることになったので、勝負がついてしまっていれば、試合に出なくて済む。

出てみたい気持ちもあったが、出ないで済みますように…!と、こっそり願ってしまう気持ちもあった。

最初の対戦相手との一試合目は70代のTさん。

最初の1,2点は取られていたが、その後、すぐに調子が出てきて12―10で1ゲーム先取。その後は、11-2、11―5と軽く下してびっくり。こんなに強い人だったのか…。小柄であまり動いているようにも見えないのに、漲る闘志。ビシバシ決まる攻撃。そうか・・・打たれたり、コースを振られたりする前に、攻撃で決めてしまうのか・・・。カッコいい!点を取る度に拍手する手に力が入り、手がジンジンして来てしまう。

しめしめ…!この分だったら、私の五試合目に行かずして勝てるのでは?

だが、二試合目にHさんが、破れてしまう。対戦相手の方が、強かったりうまかったりしたわけではないのだが、ちょっとした調子やミスで、破れてしまったのだ。何かはっきりとした要因を探そうとすれば、執着心と闘志の差なのかもしれない。

 

三試合目。ダブルス。こちらは2セット取って、相手チームも2セット取って、最後の試合ジュースで有利な展開になっていたので、勝てる!と思ったのだが、相手が盛り返してきて負けてしまった。

今回は執着心と闘志の違いもあるけれど、場数がものを言うのかな・・・と思った。ダブルスに出ていた、KさんとFさんは、私よりはちょっと先輩だが、グループの中では若手で、とても上手ではあるけれどまだ試合慣れはしていない感じがした。

 

四試合目はダブルスにも出ていたFさんが出ることになり、私は応援する気満々だったが、隣のコートに空きが出たのか、私の試合も並行して行うことになってしまった。

 

なんと・・・出ないで済むと思っていたけれど、出ることになってしまった。

 

1セット4-11、2セット7-11、3セット6-11・・・。

当然のようにボロ負けしてしまった。ただ、もっとボロ負けすると思っていたので、マシなボロ負けではあった。

 

そして、言わなくてもいいのに、わざわざ

「今日、試合でるの初めてだったんです!勉強になりました!ありがとうございます!」

と、言いに行った。

初めてが負けた言い訳には全くならないし、言わない方が人間としては断然スマートなのだが、この言い訳は今日しか使えない。わざわざ言いに行くのはみっともないけれども、言った方が自分がスッキリする。色々葛藤の末、みっともないけれど、気が済む方を選んだ。

 

「いやいや、危なかったっすよ」

 

と、対戦相手は、笑顔で返してくれた。全然危なくなかったのだが、いい人だ。

四試合目のFさんは、勝っていたのだが、私が負けてしまったので、団体としては3―2で負けになってしまった。

 

2チーム目との試合も、私は五試合目。

 

Tさんは、凄まじい気迫で勝ち、ダブルスも勝ったのだが、二試合目は負けてしまい、私はまたもや五試合目に出場することに。この試合、最初の1ゲームは落としたのだが、何故か2ゲーム目は取れてしまったのだった!奇跡か?!この波に乗るぞ!と、調子に乗って3ゲーム目に臨んだものの、負けが濃厚になって来た頃、四試合目のHさんが勝ったので、私の試合は中断という運びになった。

1セット取れたのはびっくりだ。

 

3チーム目の対戦相手は勝ち目のないほど強いチームだったようだ。色々経験したほうがいいからと、今後は五試合目ではなく、二試合目に出ることになってしまった。

この試合では、連勝していたTさんが、初めて負けてしまった。でも、1ゲーム、2ゲーム落とした後、戦略を変えて、3ゲーム、4ゲームを取り、5ゲームはジュースに持ち込むという、凄い接戦だった。

Tさんも対戦相手も、MAXで楽しそうだった。打たれているのに、「うまいな…!」と、言いながらニヤリとしたり、2セットとられた後、形勢逆転している際には、「これが卓球よ」と、目キラキラさせたり。試合を通じていつの間にか仲良くなり、セットの合間にはきゃぴきゃぴ盛り上がったり。なんて素敵な二人。。。

二人の良い試合を見た後、二試合目の私。

相手は、上手な人ではあったのだが、何故かサービスが打てない・・・という謎の病にかかっていた。私が何もしないのに、2点連続ミスサーブをしてくれたりするのだが、たまに入って来るサーブが、本人にも予測不可能な位置に落ちて来るので、異様にやりづらい。しかも、レシーブは普通にとてもうまく、こちらがスマッシュをしても、ほぼほぼ打ち返されてしまう。

結局1セットは取れたのだが、3セット取られて負けてしまった。

「ごめんなさい」

と、チームメイトたちに謝ると、

「楽しんだらいいの!謝っちゃダメ」

と、Tさん。

やべぇ、かっこいい。

その後、皆で弁当を食べ、府中の物産展で野菜を買ったり、お菓子を買ったりして、府中を満喫した。

 

試合になんかでなくても、軽く卓球で運動できれば・・・と思っていたのだが、やはり出ると、ちょっと火がついてしまう。

 

下手なら下手なりに、作戦を立てるべきだった。下手なりの方法でベストを尽くすべきだった。

今までは、練習の為の練習をしてきた気がする。試合の為の練習もしなければ、試合でベストを尽くすのも無茶な話だ。

練習のための練習しかしていないので、ミスをするとつい謝る癖がついていた。今日も、試合で相手の得点になる局面で、なんども「すみません」と、謝ってしまった。高校の卓球部時代では、試合中に相手に点を取られているのに、謝るみたいなことはしたことがなかったのだが、頭がバカになっているのだろうか?

これを直すには、普段の練習で、謝るのをやめるのが一番なのだが、失敗して自分よりも年上の人にボールを拾いに行かせているのに、謝らないでいるのも、中々心苦しい。

どうしたものか…。

練習の前に、一々相手に

「私、試合で謝る癖があるのを直したいので、失敗しても謝らないことにしょうと思ってるんですが、本当は、悪いと思ってますし、先に謝っておきますね。すみません」

とでも、言えばいいのだろうか?

いや、それは凄い変な人みたいだ。

何か良い方法を考えなければ…。

色々悩ましい。

 

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