ものすごい久しぶりの声のお仕事

ずっとやりたいな、ツテがないかな~と思いながら、チャンスがなかったのだが、ものすごい久しぶりに声のお仕事を頂けたのだった。

 

どのくらい久しぶりかというと、今、13歳のニンタマがお腹にいた時にラジオCMのお仕事をしたのが最後だった。

 

自分でヴォイスサンプルなどを作ればよかったのだが、子育て疲れを言い訳にして、エントリーするのも怠っていたので仕方がない。

 

だが、凄い久しぶりな昔舞台でご一緒して、今はかなり大活躍している人になっているお友達から連絡が来て、なんだろう?と思っていたら、そのお友達に事務所の方から、声のお仕事の紹介をしていただけたのだ。

 

不思議なこともあるものだ・・・と思いつつ、声の仕事は大好きだったので、ホクホクしながら、しかし十数年ぶりなので、若干気後れしながらスタジオに向かったのだった。

 

現場には、私が先日今年の夏頃に観たお芝居で素晴らしい演技をされていた素敵な役者さんがいることもわかっていた。

その役者さんは、私の旦那さんの劇団SYOMIN'Sの公演を観に来てくださっていて、お芝居自体を凄い褒めて下さっていたと旦那さんから聞いていたが、その公演も2019年と3年も前のことで、恐らく覚えていらっしゃらないであろう。

 

待合室でその役者さんを発見して、ご挨拶したが、非常に丁寧な対応をしてくださったが、覚えていらっしゃらないと確信した。ちゃんと覚えて頂けるような、印象的な演技をできていないとダメだなぁ、自分。

 

そして、収録。

その役者さん以外にもプロの声優さんが数人。ディレクターさんともご挨拶。すると、そのディレクターさんが、十数年前にお仕事をご一緒したことがあり、その経緯で今回、人づてに私にお仕事を依頼してくださったことが分かった。

恐らく、あの仕事かな・・・?と、おぼろげには覚えているのだが、当時同じ事務所にいた他の役者数人と一緒に出ていて、他の役者が何をやっていたかはなんとなく思い出せるも、自分が何をやったかが全く思い出せない。

そして、そのディレクターさんは、とても感じが良くて素敵な人だった。こんなに素敵な人なら、絶対覚えているはずなのに・・・と、自分の頭の耄碌ぶりにも驚いた。

しかし、なんとありがたいことだろう。

とはいえ、他の人は皆プロで、私は十数年ぶりなので、最早本当に色々衰えてわからなくなっているはず。しかし、卑屈になっている場合ではない。シレっと堂々とするのだぞ!と自分に言い聞かせる。

 

プロの皆さんの声は凄い。普通に話しているのに、声の情報量が凄く、深みが半端ない。温かみや、十数年一緒に過ごして来た情みたいなものなどが、すーっと伝わる。「凄いなぁ」

と、感心しつつも、自分もなるべくそこに近づけるべく、頑張る。

とはいえ、結局、いわゆるいい声で勝負はできないので、台本に書かれた内容に集中。ディレクターさんは明らかに褒めて伸ばすタイプの方で、委縮しないでのびのび読むことが出来た。

 

休憩中、ご一緒している役者さんに、先日観たお芝居の、あの役が本当に素晴らしかった・・・、その前に観たお芝居も凄く面白かった・・・ことなどをお伝えすると、

「え?お芝居やられてる方なんですか?」

と、聞かれたので、

「はい。宝船という劇団をやってます。でも、夫も劇団『SYOMIN'S』

っていう劇団をやっていて、そこに出たりもしてます」

と、話してみる。

「え?それ、僕観てますよ!あれ、面白かったですね~~~」

「あ、ありがとうございます!」

よかった、観たことはちゃんと覚えて頂けてたんだ!

「えっと、アナタは…それには出てらっしゃらないですよね~」

「あ…出てます。主人公の奥さん役で…あ、でもわからないと思います~」

「あ…大変失礼しました」

「いえいえ、全然!」

と、やはり覚えていらっしゃらなかったのだが、それ以降会話が弾み、休憩あけた後はとても楽しくやれたのだった。

 

収録が終わると、ディレクターさんもクライアントさんも、収録がうまくいったことをとても喜んでいただけた様子で、心底ホッとした。

 

私も、今後お仕事をご一緒した方のことを忘れないようにしなければ。

そして、ご一緒した方にも覚えて頂けるようにしなければ。

覚えていただけてなくても、しゅんとしたり心を閉ざしたりしないで、思い出してもらう努力もせねば…なのだ。

 

今日は、そういう意味では、良くできた方だった。お仕事が楽しかったからだろう。

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まねきねこの日、そしてトランクの行方

朝からやるべきことをやらねば・・・と、カラオケボックス「まねきねこ」へ。

よし!今日のノルマにかかるぞ!と、思った瞬間に、母から電話。

小一時間、話してしまう。

お金払って、場所台まで支払って電話をするのは勿体ないことではあるが、実は家ではおちおち電話もできない。

静かな時もあるのだが、電話をかけてようがなんだろうが、どこでもかしこでも、大きな声で歌うニンタマ。

「水を入れて」「パンを焼いて」と、自分で出来そうな用事を好きな時間に言ってくるプン助。

デュオリンゴという英語学習アプリにハマっているので、最近は「スーツケースって何?」という質問に、「エス、ユーアイ、ティー、シー、エー、エス、イー」と、色々な単語に対してスペルで答えないといけないノルマも課されている。

旦那さんは旦那さんで、大きな声でセリフの練習をしていたりする。

ウチの人間は皆、悪気はないのだが、私のような周囲が気になる人種には、落ち着かない環境なのだ。

母との電話は長くなるので、いつも「ちょっとしか話せないよ」と、言ってしまうのだが、話しているとこちらも、昨日ニンタマのトランクを選んでいたら、可愛い服があった…みたいな話もしたくなってしまい、母がもう切るよと言っても私が話続けてしまい、長くなってしまうのだった。

 

しかし、ニンタマの服が可愛かったけど、全部買う訳にも行かないし・・・みたいな話をしていたら、母が「私、もうそんなに海外行けるかわかんないし、ウチのトランク送ろうか?」と、言ってくれた。

前のニンタマの赤いトランクも母から貰ったものだった。ニンタマなりに、今度は黄色がいい!などと夢を見ているうようでもあったが、実際素敵なトランクを持つよりも、(母のトランクもニンタマ好みではないかもしれないが、十分素敵なのだが)服の方が日常的に着用するし、優先度が高いのではないだろうか?

「ちょっとニンタマに相談してみるね」

と、いうことになり、その後、しばらく作業。

カラオケボックスで仕事をする時には、休憩に1,2曲歌う時もあるのだが、この日は歌わずに作業をした。

 

帰宅後、母から送られたトランクの写メを見せた。

喜ぶかと思いきや、最初は「やだ!」と、拒絶反応を見せたニンタマ。

「でもさ、新しいトランクを買うと、服は買えないよ?このトランク、モノは多分今日見ていたトランクよりいいトランクみたいなんだけど・・・」

と、言い終わらないウチに

「じゃ、それで!」

と、即決した。

 

きっと、欲しいトランクの事だ頭を駆け巡っていたのだろう。その夢をぶった切られたきがして、拒絶したが、服の話が出た途端、「じゃ、服!」と、なったのだろう。

判断の早いニンタマに、感心する。

52年生きて来た私より、13年しか生きていないニンタマの決断の速さに感動。

 

一方プン助は、今日は、昨日遊べなかった●●君と遊べたらしい。

「△△君は大丈夫だった?」と、聞くと、

「うん、どうしても無理なんだ~って繰り返したら、大丈夫だった」

とのことだった。

「どうしても無理って繰り返すと、家の用事か何かだって思うみたいだね~、ああ、遊び過ぎて、筋肉痛だよ~」

ちゃんと断れたのか・・・良かった、良かった。

 

子供らは二人とも、私が小学生の頃より、今の私の基準では立派な気がする。

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娘とデート

長女ニンタマとデート。

7日に誕生日だったニンタマが、誕生日プレゼントはトランクが欲しいと言っていたので、吉祥寺へトランクを見に行くことにしていた。

どうせなら、映画も観る?というと、「ジュラシックワールドが観たい!」

とのことだったので、11時20分の回を観に行った後、トランク探しをしようということに。

ジュラシックパークやジュラシックワールドはプン助も大好きなので、誘ってみたが、

「友達と遊ぶ約束をしているから・・・」

と、断られた。

 

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」は2時間27分もあったが、これがシリーズラストだと思うと、まだ終わらないで・・・と願うほどで、全く長さを感じなかった。

恐ろしいシーンになると、ニンタマと手を握り合ったりして、娘と同じ映画を観る幸福感を満喫。

一応、シリーズを全て見て入るのだが、系統立てて理解をしていないので、誰が誰だったか、誰と誰は知り合いだったかなど、色々うろ覚えだったが、十分楽しめた。

1993年にジュラシックパークが公開された時には、こんな風にシリーズラストを観る未来を全く想像していなかった。面白いとは思っていたが、好みの映画でもなかった。

だが、子供が観たがる度に観ていたおかげで、すっかりこのシリーズが大好きになっていた。

プン助のお土産として、パンフレットも買う。

 

その後、ちょっとしたスイーツを食べ、ヨドバシカメラのスーツケース売り場へ。

昔、安いからとネットで8,000円くらいのトランクを買ったことがあるのだが、中身が段ボールでヘナヘナだった。

そんなこともあり、そこそこちゃんとしたモノを買った方がいいと思ったのだが、今一つ相場がわからない。

「ウチは貧乏」と、言い過ぎていたので、ニンタマが値段に臆して好きだと思うものを言えないとまずいと、

「まずは値段は見ないでいいから、どんなのが好きかで選んで?」

と、伝えた。

元々おばあちゃんから貰っていた赤い可愛いトランクがあったのだが、それがニンタマのスキーブーツを入れるには少し小さすぎるということと、ちょっと中の布が破れたり、取っ手がぐらつき始めたので、新しいのが欲しくなったらしい。

 

大体、50ℓ~70ℓのもので、売り場に置いてあるものは19,000円35,000円位のものが多かった。

「黄色がいいと思ったけど、このサーモンピンクも可愛いな」「ああ、でもこういう方がいいかな(シャンパンゴールド)?」「これ、凄い、めっちゃ持ちやすい!軽いよ!」と、テンションが上がっているニンタマ。

値段を気にするな・・・と言ってみたものの、やはり6万円を超えているようなものに関しては、気に入った反応を見せた瞬間に、しまったというような顔をして引っ込めていた。

私も、その時は「そうね、それはさすがにね」

みたいな顔で無言の圧をかけてしまった。

 

どれでも良さそうではあったが、それほど急ぐわけでもないので、アトレと東急デパートでも探してみることに。

アトレにあるのは素敵だったが、品数も少なく一番安いものでも3万超えだったので、サラっと流して、東急へ。

だが、東急はヨドバシのように沢山のトランクが雑多に並んでいる感じではなく、美しい店舗に大層美しく陳列されていた。

「なんか、場違いな感じ・・・」

と、ニンタマが尻込みしている。

可哀そうに、そんな尻込みする必要なんかないのに…と、本当は私も若干尻込みしていたのだが、

「大丈夫大丈夫」

と、マダム面をして店舗へ入っていった。

オススメされたのは、66,000円のトランク。

美しい・・・。

やっぱ、モノが違うな・・・。

「凄い、可愛い~持ちやすい~、ストッパーがついてる・・・」

と、頬を昂揚させているニンタマ。

「いいわね。凄い、いい!」

 

こういうものは中途半端に臨時収入なんかがあったら、その場の雰囲気に飲まれて一瞬気が狂ってしまって、買ってしまったりする時があるんだよな。

 

時折、そんな風に気が狂ってものを買っては後悔することがあるので、買い物に行くこと自体を減らすようにしているのだが、今日はニンタマも一緒にいるから冷静。

 

「自分の持ってるトランクの大きさとちゃんと吟味したほうがいいから、家でサイズ計ってからがいいね。ちょっと写真撮らせてください」

 

「こっちのトランクも持ってみて」

と、何枚か写真を撮って、

「いいねぇ。ちょっと考えよっか」

と、マダムモードを崩さないまま、売り場を後にした。

 

それほど頻繁に旅行をするわけでもないので、こんな高級品は必要ないのだが、美しいものに触れるのは、いいなぁ。

 

でも、私のいかにも買いそうな態度に、ニンタマが「もしかしして、これ買えるのかな?」と、期待させてしまうかもしれず、即座に

「あれはさすがに高すぎだね、でも可愛かったね」

と、言う。

「うん、素敵だった~」

高そうなお店だから入れない・・・という卑屈な気持ちには、させたくなかった。

買えなくても、ちゃんと見て慣れておかないと本当にちょっとお高いものを買う時に、舞い上がっておかしな買い方をするようになってしまう。

 

その後も、色々な食器や調理品などを見て、じゃあソフトクリームでも食べてから帰ろうということになり、二人でソフトクリームを食べていると、視線の先に、普段だったら全く目に止めない、黒いデニムのシャツが目に入った。

 

この服、自分だったら、買いたいと思わないけど、ニンタマに似合いそう・・・。

 

ニンタマより先に食べ終わったので、その服を見に行ってしまう。

傍で見てもやはり可愛い。

食べ終わったニンタマは

「黒は可愛いけど、私が普段きるんだったら、ブルーの方が合わせやすい」

と言う。確かにそれはそうだ・・・。そして、その流れで何故か、グリーンのストレートのデニムも試着させたくなり、

「これ、着て観なよ!」

と、薦めてしまい、ニンタマが試着している間に、インディゴブルーのワンピースシャツも見初めてしまい、

「これも二人で一緒に着れそうだし、着てみて!」

と、試着させる。

一応私も羽織るものだけは試着。

どれもニンタマの方がよく似合う。

が、私も着れなくもなさそうだった。

 

やばい・・・可愛い。

 

「私的には、緑のデニム、ワンピース、デニムのシャツという順番」

と、ニンタマ。

 

ああ、気が大きかったら、「全部買います!」って言ってしまう。

しかし、

「じゃあデニム取り置きにしてください。他の二点は、追々考えます」

と、言って、とりあえず買わずに帰って来た。

その日は何も買わずに帰って来たにも関わらず、ニンタマは

「今日、プン助が来なくてよかった~、アイツいたら、絶対こんな風に色々観られなかったもん~」

と、楽しかった様子。

ニンタマには今まで素敵なお下がりをくれる親戚のお姉ちゃんがいたのだが、今ではそのお姉ちゃんよりも大きくなってしまって、お下がりがあまり頂けなくしまった。

 

素敵なお下がり達は、かなり上質な服も多かったが、ウチで自腹で買ってあげる服は、最近専ら、ユニクロ、GU、ギャップ、ザラ、時々メルカリ・・・という具合。

 

デパートという夢の国で服を見ること自体がキラキラしていて楽しかったようだ。

 

しかし、当たり前かもしれないが、ちょっとお高いものは、ニンタマの器量までアップさせてしまう。

ああ、着飾らせたい!

可愛い服着せたい!可愛いバッグを持たせたい!

 

そんな自分の中の暴れ馬をどうどうと宥めるのがちょっと大変だった。

 

夜プン助が、

「あ~あ、僕も映画行けばよかった。午前中は●●君と遊んだんだけど、午後も本当は●●君と遊びたかったけど、別の△△君から電話かかってきて、遊ぼうって言われて、●●君と遊べなかったんだよ~、こんなことなら、ジュラシックワールドに行けばよかった~~~」

と、漏らしていた。

プン助は●●君が大好きなのだが、一人の人としか遊ばないと、その子が忙しくて遊べない時に困るから、手持ちの遊べる友達を確保したいらしいのだが、今度はその子達に誘われると、断れずに大好きな●●君と遊べなくなる・・・という悩みがあるらしい。

●●君は、少人数で遊ぶのが好きらしく、プン助も●●くんとは極力二人で遊びたいとのこと。

他の人が混ざると、どうも●●君テンション低くて、自分もどうしていいかわからなくなるという。

「遊べない時は、断っていいんだよ」

「でも、なんで?え~いいじゃんって言って、断っても△△君は来ちゃいそうなんだもん」

確かに△△クンはぐいぐい来るタイプの子だ。                                                                

ああいう子はああいう子で面白いのだが、私も、子供の時も、今も全然断れない人間なので、気持ちはよく分かる。

 

大人になった時に、私よりはガツンと断れる人間になれればいいのだが・・・。

 

しかし、今日はニンタマとデートが出来てよかった。

プン助ともデートしてくれるウチにデートをしたいのだが、遊び命だからしてくれるかなぁ。

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2年ぶりに琵琶湖で遊ぶ

旦那さんは、26日まで滞在予定だったが、オーディションがあるとのことで、朝、東京へ戻って行った。

お義父さんに車で琵琶湖へ連れて行ってもらう。

2年ぶりの琵琶湖だ。

 

子供らは準備運動もそこそこでどんどん沖へ(琵琶湖は広いので、しょっぱくない海感覚)行ってしまった。二人とも一応浮き輪を持って行っているが、浮き輪から離れて頻繁に潜るので、極力至近距離で見守っていないと不安。

 

浮き輪は二つあり、一つはハイビスカスの花柄、もう一つはミニオンズのキャラクターもの。適当に買っただけで、買った当初は子供らはミニオンズの存在を知らず、何の問題もなかったのだが、今は二人ともミニオンズが大好き。

なので、深い所へ行ってしまう危険度プラス、ミニオンズの浮き輪の奪い合いのバトルも起きて、中々大変。

基本的に子供らが浮き輪を使い、私が適当に側を遊泳し、子供らが潜っている間に、遠くに流された浮き輪を回収したり、潜っている間はどの辺りにいるかを見張ったり、疲れたら浮き輪につかまらせて貰うスタイルに落ち着いた。

 

プールだと、泳いだり、追いかけっこをしたり、潜ってジャンケンをしたり・・・ぐらいの楽しみしかないが、琵琶湖は潜って、水中を眺めているだけでも、面白く、いつまででも湖内に居続けられてしまう。

 

以前ライフジャケットの購入も切実に考えていたのだが、ライフジャケットは潜れないので、絶対に来て貰えないと、結局購入を見合わせた。

1cmに満たないような魚から、10cm前後の魚が数匹泳いでいるのを見かけては、

「魚!魚!」

と、皆で潜って眺めたり、前方や後方にぐるぐる回転したり、横にもぐるぐる回転したり。

 

泳ぐのが目的ではなく、ただの手段になる。

 

ニンタマは、数か月だけ市民プールで水泳講習を受けたことがあるが、プン助は特に習ってはいない。なので、水泳のフォーム的には、ニンタマの方がきちんとしている。

だが、湖の中のプン助は、泳いでいるというよりも、クラゲなどががあちこち自在に動くような様子で好きな方向へ移動している。

 

鬼ごっこなどでは、やたらとすばしっこいのに、50メートル走になると、全然早く走れない。ただ走るとか、ただ泳ぐ…とかには楽しさや目的が見いだせないのではないかと思う。

 

私自身も、一時期健康の為にプールに通っていたことがあったが、断然琵琶湖の方が楽しい。

子供の見張りと称して、付き添っているが、よく2年も琵琶湖に来ないでいられたな・・・と、思うほど、気持ちが良く楽しい。

ああ、この炎天下に泳ぎまくったら、またシミが濃くなってしまうだろうな・・・。

 

しかし、1時間半ほど湖に使っていると、さすがに少し体が冷えて来る。

ぷかぷか浮いているだけでは、体が温まらない・・・と、激しくクロールをしてみたり、体内を自家発電しようと試みるが、ニンタマに

「ママ、大丈夫?唇が紫だよ」

と、言われてしまう。

「大丈夫、まだそんなに寒くないよ」

と、答えたものの、次第に指先がしびれて来た。

 

唇が紫色になっていると聞いた途端、魔法にかかったようにどんどん冷えて来る。

「戻ろうか」

 

心底冷え切ったからか、暖かいシャワーに使っても、その後、数時間、温まらなかった。

暑い国で水風呂に入るのは、理にかなっているのだな・・・と実感した。

 

 

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久々に充実のフル稼働…そして、2年ぶりの帰省

午前中、フル稼働。

洗濯やら、掃除やらをガンガンやる。

久々だ・・・こんなにフル稼働する自分。

いつも疲れ果てていて、掃除や家事が苦痛で仕方がなかったのだが、今日は全然辛くない。

 

そうか・・・プン助と旦那さんが帰省していて、二日ほど、ニンタマと二人きりの晩を過ごし、リフレッシュしたから大分元気が回復したのかもしれない。

そして、誰にも作業を中断されずに思うがままに家事がやれているからかもしれない。

今日の自分、まるで有能な人みたい・・・。

 

そして昼に卓球へ。練習は3時間あるのだが、1時間半だけやって帰り、旦那さんの実家の滋賀へ向かう。

 

「新幹線では、ママの膝枕で寝るからね」

と、ニンタマ。

ニンタマは最早私よりも身長は6cmも大きく、体重もそれなりに成長。さすがに膝枕は無理なのでは?と思ったが、座席に座るや否や、ひざの上にゴロンとされた。

ニンタマは大分背中を曲げる感じになっていて、それでも私の膝からゴロンと落ちそうなほど、頭をはみ出していたが、何故か落ちることなく不思議なバランスを保って眠っていた。東京駅から名古屋まで、互いにちょっとずつ、微調整をしながら、この体勢を保つ。

かなり重かったが、私の方もギリギリな感じでなんとか持ちこたえることが出来た。

これ以上ニンタマが大きくなったら、座席での膝枕は不可能だろう。

 

この苦行には、まだ25%程度の幸福感があった。なので、積極的にやりたいわけではないけれど、できなくなると思うと、ちょっと寂しい。

 

京都で乗り換え、最寄りの駅に到着。

「プン助、迎えに来てると思う?」

「思う」

何も約束はしていないが、何時の電車に乗ったなどの連絡はいれていた。

改札へ着くと、案の定プン助は来ていた。

旦那さんも一緒。

プン助は、丸見えなのに即座に何かの看板に身を隠す。

 

家でも、毎日隠れるので最早「どこかな?どこかな?」などと、探すフリなどもせず、スルーしているのだが、飽きもせずに必ずこういう時には隠れるのだった。

 

「ありがとね、迎えに来てくれて」

と、言うと

「しくった!見つかったか!」

と、悔しそう。

 

旦那さんの実家へ到着。お義母さんが出迎えてくれた。

今は、スマホで顔を見ながら会話ができるので、あまり久々感はないのだが、リアルに顔を合わせるのは、ほぼ2年ぶり。

 

畑で収穫したキュウリやトマト、オクラ、パプリカ・・・と、獲れたての夏野菜が食べ放題のような夕食を頂きながら、近況を語り合う。

 

普段は、乾麺やパスタや炭水化物ばかりで、腹を満たしていて、それほど不快に思っていたわけではなかったのだが、久々の野菜尽くしの食卓が異様に、うまくて・・・というか、明らかに体が「これだよ!これが欲しかったんだよ!」と、大はしゃぎしているような状態になった。

ただでさえ、物価高で野菜をそれほど買えない中、なけなしの野菜を冷蔵庫で数日保管しながら、ちびちび料理に使っていたが、最近、偏食傾向が増した子供らは「野菜嫌い~」と、殆ど手をつけなくなっていた。だが、ここでは

「おいしい、家ではキュウリ食べないんだけど」

などと言って、バカスカ食べていた。

 

獲れたての野菜は、勢いとかエネルギーの類がまるで違う。

美味しいとか、そういうこと以外に何某かの力が働いているのか、もっと食べたい・・・と、どんどん食べ続けてしまう。

 

何かが、生き返るような感覚。

 

あと数年経っていたら、こういう感覚は感じなくなっていたかもしれない。

 

 

こっちに来てから、プン助はびっくりするほどいい子にしている・・・と聞いていたが、いつも通り、誰の言う事も聞かずに、ゴネていた。

 

琵琶湖で泳いで遊び疲れたのではないか・・・とのことだった。

遊ばないと欲求不満で、不機嫌になるのだが、楽しくて遊び過ぎると、やはり不機嫌になるのだ。

久々に、琵琶湖へ行って楽しくてたまらなかったのだろう。

コンスタントに疲れすぎないように遊べると良いのだが、楽しくなると、自分が疲れていることに気付かず、遊び続けて不機嫌になるので、その匙加減が中々難しい。

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面談尽くしの晩…私はモンペ?

午前は中学の三者面談。

午後はプン助の小学校の面談。

と、面談尽くしのスケジュール。

面談と面談の合間に抗原検査とPCRの無料検査。

 

三者面談は初めての体験。

担任の先生が一頻り、ニンタマの今困っていることなどを聞いて、話が落ち着いた後、兼ねてから家でニンタマが訴えていた3点を、親の立場として伝えることにした。

①生活指導の先生がストレス

②授業中やテスト中に、貧乏ゆすり的についつい小さくダンスを踊ってしまうことを先生に怒られることが辛い。

③殆ど使わない教科書なのに、持って行かないと忘れ物として、カウントされてしまうものがあるので、その為だけに、重い荷物を毎日持って行っていて地獄。

①に関しては、

「小学校と違って、厳しい雰囲気っていうか、生活指導の先生がいつも怒鳴っている声がするのが、自分が怒られている時じゃなくても、苦痛みたいで、この子なりに頑張っているようなんですけど、疲れて体調崩したり、頭痛くなったりお腹痛くなったりするのも、そういう厳しい雰囲気とかがストレスだったりするののかな・・・と思っています。まあ、やんちゃな生徒さんもいたりで、怖い先生がいることで、抑えられてるところもあるのかな?・・・とも思うんですけど、その指導が怖かったりストレスに感じる生徒もいるのかな・・・って。小学校の時は、そんな風に休むこともなかったですし・・・。なんか、姿勢崩していいぞってその先生が言ったのを聞いて、生徒が姿勢を崩したら、急に崩しすぎだろ!って怒りだしてびっくりしたみたいなことを言っていまして・・・。それにしたって、いきなり怒鳴るんじゃなくて、普通に話して伝わることじゃないかなって思うんですねよね~」

・・・という感じで伝えると、先生はニンタマに

「そうなの?」

と聞いた。

「なんか、〇〇先生、急に怒鳴ったりするから、びっくりするし、何に怒るかわからないので、緊張するし、怖いです…」

とニンタマ。

先生は何やら、メモをして、困ったような表情をしつつ、「わかりました」と、だけ答えた。

②に関しては

「私もびっくりするんですけど、この子いつも家でも、何していても突然踊ったり体をゆすったりしていて、最初は聞いてないんじゃないか?って腹を立てて怒ったこともあったんですけど、聞いていない訳ではないみたいで、じっとしろって言われる方が辛いみたいなんです。貧乏ゆすりをする人とか、体動かしていないとリラックスできないみたいな所があると思うんです。確かに気になる人は凄く気になると思うので、難しいなって思うんですけど、悪気はないってことだけご理解頂けたら、ありがたいなぁって…」

この点については、本当は理解してもらうのは無理だとは思っているのだが、ただ落ち着きがないと注意されてしまうよりは、そういう性質があるらしい・・・と認識してもらえたら・・・注意する時にもちょっと違うのではないかと思ったのだが、そこは先生も引き下がらなかった。

「それに関しては、分かってはいますが、やはり直していかないと、例えば入試とか就職試験とかで、踊っている人と踊っていない人とどちらを選ぶかって言ったら、それは明らかですよね。今からでも少しずつ動かなくてもリラックスする方法を見つけて・・・例えば何かムニュムニュするボールを握りしめるとか、まぁ入試とかでは持てませんが、何か方法を見つけていかないと将来困ることになるって思うので、ね!そこは頑張って行かないと」

先生の話は最もだったが、直す・・・という言葉がどうしても引っかかってしまう。貧乏ゆすりをする人の脳波を調べると、じっとしている時より、動いている時の方が活発に活動している・・・というデータもあるという。動いている人間がいると癇に障る・・・という人に迷惑をかけないように、矯正して活発な思考ができなくなってしまうことだってあるかもしれない。

どちらかと言うと、私こそニンタマに話しかけても、いつも聞いていないかのように踊ることに関して、一番イライラするタイプの人間だったりする。それでも、踊るな・・・とは言いたくない。踊るな・・・と押さえつけることで、失ってしまうことの方が多いように思えるのだ。

「テストの時だけ、ちょっと離れた後ろの席に移動とかは難しいですか?」

「それは難しいです。別室で対応・・・という方法はあるかもしれませんが、そういうことを望まれますか?」

そこまで大ごとに考えていたワケではないのだが・・・。第一、別室でテストを受ける生徒の為の人手などあるようにも思えない。でも、そんな提案をしてくるというのは、そういう前例があるということなのだろうか?

「この場では、何とも言えないので娘と相談します」

と言って、幕引きにした。

③に関しては

「荷物が毎日重すぎるっていうのは、保護者会でも言われていたかと思うのですが、滅多に使わない教材に関しても、一応持って行かないと、忘れ物にカウントされる・・・っていうので、そういう教材はロッカーに置いて行けば?って言ったのですが、ロッカーには入りきらないって言っていて、そういう教材を毎度忘れ物にカウントするのってどうなのかな・・・って思ったり?もう、毎日リュックが重すぎて可哀そうで・・・」

と、切り出すと、あっさり

「ロッカーに入るでしょ?」

と、言われてしまう。

「そんなに入りません」

と、ニンタマ。

「え~、入ると思うけどな~」

「教材とリュックをしまったら、もうスペースありません。本も持って行きたいですし・・・」

え?本?

本の話は聞いていなかった。確かに図書館から、いつも沢山の本を借りている。

「本、何冊くらい持って行ってるの?」

「5冊くらいは毎日持って行ってます」

本、5冊かぁ・・・。

「じゃあ、本は机の横に手提げにでも入れてかけなよ。」

と、先生。

「いいんですか?」

「いいよ。床に引きずったりする鞄じゃなきゃ、大丈夫だよ」

「わかりました」

なんとあっさり解決した。

 

面談から無料検査所へ向かう途中、面談についてニンタマと語り合う。

「私さすがに、就職試験とかでは踊らないよ。・・・さすがに、そんなワケないじゃん」

「そうだよね。就職試験では踊れって言われても、踊らないよね確かに」

就職試験の話が出た時には、確かに私も、いきなりそんな先の話されてもな…と、困惑していた。

「動かないようにしようと思えば、出来るし」

「え?そうなの?なんか、じっとしてられない、どうしても踊っちゃうって言ってたから・・・」

家で、真面目な話をしている最中にも、常に踊っているのを、この子は踊らないと辛いのだから・・・と、我慢していたのだが、状況に応じて使い分けられる程度の癖だったということなのだろうか?

ムニュムニュするボールを握りしめて、リラックスする練習とか、別室でテスト・・・とかにまで話が及んでしまったのは、ニンタマにとっては、何のこっちゃ?とういことだったのだろうか?

言いたい事を言えなさそうな我が娘の言いたいことは私が…!と、しゃしゃり出すぎてしまったのかもしれない。

真剣な悩みと、ガス抜き程度の愚痴の区別がつかなかった・・・。いや、ニンタマにとっても、区別はついていなかったのかもしれない。

先走る母を見て、気付くこともあったと信じたい・・・。

 

抗原検査は今回も二人とも陰性。

 

昼も気楽にパスタで済ます。

余力があったら、文の面談までの間、卓球の練習に行こうかとも思ったが、やることが色々溜まりすぎていたので断念。

そして、やることは殆ど何もできないまま、プン助の面談の時間に。

 

先生からは日々、電話が掛かって来たりでよく話しているので、面談だからと言って、特段新ネタはない。

「最近はプン助君は毎日午後から来るようになっちゃってますけど、4月は割と早くこられてたじゃないですか・・・。あれ、凄いよかったなって・・・。今も、遅れて来てますが、ずっと休み続けるってことはないですし、進歩してると思います。」

「はい、おかげさまで・・・。なんか行かないなら行かないで最早私は全然構わないのですが、行かなきゃって思って、行けなくて落ち込んだり精神状態が悪くなっちゃうのが、よくないなって思ってるんです。行かないなら、読書したり絵描いたり、楽しく過ごしてくれればいいのだけど、楽しく過ごすこともできずに、うーんって、悩んでいる時間が、親にとってもプン助にとっても、よくない過ごしかたになっていて・・・」

「そうですよね・・・。なんとか楽しさを見出して欲しいですし、そういう声がけをしつつ、やらなきゃいけないことはやらなっきゃいけないって、伝えていきたいです」

会話のやりとりとして、本当は何も成立していないのだが、それでも何か意思疎通を図り続けることに意義があるのでは?・・・と、思いながら面談を終える。

 

肉体的に疲れる作業ははしていないのだが、気力を消耗し、スーパーで美味しいアイスを買って帰る。

信号待ちで、プン助の友達の●●君と、●●君のお母さんに遭遇した。

●●君とは、先日熱を出していて、プン助がお見舞いにカルピスウォーターを届けに行った経緯があるのだが、元気そうにニコニコこちらを見ている。

「●●君!もう元気になったんですね!」

「ええ、おかげさまで。プン助ちゃんには、カルピスウォーター届けてもらって、ありがとうございます」

「いえいえ、●●君、カルピスウォーター好きなんだよなぁって、届けに行きたいって、袋にも入れずにそのまま持って行っちゃって・・・」

「プン助君、遊びに誘いに来てくれて、最初に●●、熱があるのって、モニター越しにお話ししたら、凄い心配してくれて、『お大事にしてください』って、画面越しに頭を下げてきて・・・もう、感動しちゃって。大人だって、そんなこと言えない人が沢山いるのに、こんな子いるの~って、ね!●●!」

●●君もにこにこ頷く。

それは、本当にウチのプン助ですか?

いや、でも確かに外では、妙に妙に礼儀正しかったりする面もある。

普段はママ~!パパ~!なのだが、外では「母が」「父が」と、話しているのをこっそり影から見たことがあった。

そういえば面談でも先生が、授業では寝ていたり、うろうろしたりするけれど、掃除や給食当番を一生懸命やっている・・・と、話していた。

家では、「クソ野郎」とか汚い言葉も使うし、掃除も中々しないのだが・・・。

 

家でニンタマにその話を伝える。

「アイツ、外ヅラいいからなぁ」

「でも、内ヅラも悪くて、外ヅラも悪いよりは外ヅラいい方がいいよね」

「まあね」

「家でも、外ヅラにして欲しいね~」

「それな!」

 

そして、プン助の写真やキャンディキャンディの主題歌を歌っている動画などを眺めたりしながら、ひとしきりプン助の噂話で盛り上がった。

いると、プン助の対処に追われ、ヒーヒーするのに、いなくてもプン助の話ばかりしてしまう。

10年前にはいなかった生き物にこんなに身も心も浸食されてしまうとは、全く想定していなかったなぁ。

今晩はとにかく、つかの間の平和の夜を、ニンタマと二人きりの夜を満喫しよう。

 

夜、母に電話で三者面談で、先生に、色々話したことを告げると、

「あんた、親として大分マイナスだって思われたんじゃない?この親じゃあって内申に響いたりすると思う」

と、ドン引きされてしまった。

そうなのか?いや、今はそんな時代じゃないはずだよと思いつつ、余計なことやどうでもいいことを言い過ぎたのかもしれない…と、ちょっと不安になる。

でも、もう言ってしまった。

こんな風に無意識にモンスターペアレンツになってしまうのかもしれないなぁ…。

でも、先生方もおびただしい数のモンペを見て来ただろうから、せいぜい「あちゃ~、ヤバめの親来ちゃったわ~、いるいるこういの」程度のはずだ。モンペとしても、まだまだ雑魚程度だ…大丈夫、大丈夫…と自分を慰める。

 

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読み書き障害の学習会へ参加して、自分の認知症を疑う。

特別支援学級の保護者会。

 

今回は、ディスレクシア(読み書きの障害)についての勉強会。

プン助は読みは出来るし、普通に字も書けるのだが、絶対に連絡帳に次の日の持ち物や宿題を書いて来なかったり、ある時期から、漢字の練習を拒否するようになった。

 

計算問題を解く時も、ちょっとしたメモや式を書くのを嫌がる。時々、絵を描いたりもするのだが、得意な方ではない。

考えてみると、私も自慢ではないが、どこに行っても字の汚さには定評があった。

小学生の頃からずっと、「字が汚い」「もっと丁寧に」「誤字脱字が多い」と、言われ続けて来た。予備校生の時も小論文の先生に、書いた内容についてアドバイスを受けようと思ったら、「もっと字を綺麗に、あと誤字脱字を気を付けてからです」と、辛辣に言われてしまった。

ワープロで文字を打つようになってから、随分楽になった面もある。私とプン助の症状のタイプは違うが、字を書くのが面倒くさい…という点は一致しているように思える。

 

最初はスルーしようかと思っていた学習会だが、もしかして何か分かるかもしれない…と、参加する。

 

 

学習会で聞いたお話は、なるほど・・・と参考になることも多く、参考になる本も沢山紹介して貰えた。

質問する時間があったので、講師の先生に子供が楽しみながら覚えられるキーボード操作について、質問すると、

「ゲームでチャットをやりながら、覚える子が多いのです」

とのこと。

「ゲームはないんですよね。約束をクリアしたら、switch買ってあげるって話して、もうソフトも買ってあるのに、まだ約束をクリアしていないので、買えてなくて」

と、言い訳めいたことを話すと、

「別にゲームを推奨しているわけではないですし、調べればそういうアプリとかは、沢山ありますよ」

と、慰めるように、先生は語ってくれた。

調べればわかる・・・だろうことはわかっていた。だが、調べても、いつもよくわからなくなって、混乱して決められないので、何がオススメかが知りたかったのだが、はい、頑張って自分で調べます・・・。

 

その後、数人の保護者に話しかけられる。

「まだ、約束クリアしてなかったんですね~」

「ウチ、switch買って凄くよかったですよ。早く買えるといいですね」

「前もお話しましたけど、上のお子さんも下のお子さんも、学年一緒なんですよ。ニンタマちゃんとプン助君ですよね」

等々。

そうだった・・・。私は、4月の保護者会の自己紹介で、

「ドリルを二冊やったら、switch買ってあげることになっているのだけど、まだ買えていないんですよ~!クリスマスプレゼントで、ソフトだけは買っているんですけどね~」

みたいな話を皆の前でしていたのだった。

その時、何人かの人と打ち解けて談笑したりしていた。子供が二人学年一緒だったという人に至っては前回、隣の席に座っていた人ではないか・・・。そして、そんな話をしていてた。その人のお子さんの名前も聞いていた。

なんか、見たことある気がするけど、気のせいだよな・・・と思っていたけれど。

 

発達障害についての学習会に行っているけれど、ちょっとそれどころじゃない。私の頭の方が大丈夫なのだろうか?

 

大分不安ではあるが、悩んでもどうにもならない。まずは、子供が嫌にならないで覚えられるキーボード操作について、近日中に調べる・・・ということを忘れないようにしなければ。

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カルピスウォーターの行く末と、ニンタマからのテストとPCR検査

 

昨日、●●君へお見舞いの差し入れに、凍らせたカルピスウォーターを届けに行った件で、●●君のお母さんからメールが来た。

「頂いて、早速頂きました。●●が嬉しそうにしていて、私(●●君のお母さん)まで嬉しくなりました。プン助君、いつもありがとう」・・・というような内容だった。

 

良かった・・・。どうやら喜んでもらえたらしい。

 

家族4人で近所の無料検査所へ抗原検査とPCR検査を受けに行く途中。ニンタマに

その話をした。

 

「●●君のウチで喜んでくれてよかったよ~」

「アイツ、あのまんま持って行ってたもんね。ありえなくない?」(袋にも入れずに剥き出しで)

「子供だからね~。でもあのカルピスウォーター、何度もお見舞いに持って行きたいんだよね~、あ~でも、僕も飲みたいんだよな~、あ~、どうしよう~って、凄い悩んでたんだよ」

「あのさ、それ・・・意味わかないの?」

「意味?え?なんかあんの?」

「それはさぁ~、ママにカルピスウォーターもう一個買ってくれっていう意味じゃん」

「え!!!そうなの?」

「どう考えてもそうじゃん~~~」

 

まさか・・・そんな計算をするなんて・・・と思いながら30分くらいどうしようかと悩んでいたプン助の顔つきなどを思い起こす。

 

あり得る。確かに一人で悩めばいいものの、執拗に私に訴えていた。

それって、そういうことなのか?!!

 

「うそ・・・じゃあ、まんまとママは乗せられてしまったということなの?」

「そうだよ~!ママ、まんまとアイツに乗せられたんだよ~」

「そうか~、ええ~、優しいなぁって思ってたのに・・・」

「ていうか、なんで私の分のカルピスウォーターも買って来てくれたなったの?」

 

ドキっとする。実は、一瞬ニンタマの分も買おうと思ったのだが、荷物も重かったし、その日は普通にオヤツを上げていたので、瞬時に却下したのだった。

 

「まあ、ニンタマの分はそのうちかってあげるから」

「絶対だよ。そこはまんまと乗せられて欲しいポイントだよ」

「わかったよ。でも、あれ66円だよ。普通にお小遣いとかで買えるじゃん」(近所のスーパーで66円で売っていた)

「うん、でも買って」

「はいはい」

 

66円とか、安いとか、値段の問題じゃないらしい。プン助の為に買った時、自分を思い出さなかったの?というテストっぽい感じ。

こういうのを、日常に埋没させて忘れてしまうと、ただ66円のカルピスウォータを買い忘れたということ以上に、大きい失望を招いてしまう。

「所詮、その程度の人間なのね」「私の言う事なんて、適当に聞いてるんでしょ」「期待した私がバカだった」

時折、ニンタマはそんな目で私を見ることがある。

私は、今まで何度かこういうテストに落ちているので、ここはなんとしても落とすわけにはいかない。

 

カルピスウォーター絶対買わねば!!!忘れずに買わねば…!!!

 

しかし、この時ニンタマの分だけ買ったのをプン助に見つかったら、また面倒くさいことになるんだろうな…。

こっそり、渡しても、ニンタマはわざとプン助にひけらかしたりするんだよなぁ。

 

 

無料抗原検査は全員陰性だった。

PCR検査の結果は21日の朝に分かるらしい。

 

カルピスウォーターニンタマの分だけ買うと面倒なので、またプン助にも買うか?

いや、それではただの子供の顔色をうかがう親じゃないか。

 

まあ、日々子供の顔色に振り回されている日々ではあるが・・・。

今は、判断できないので、買いに行ったときの荷物の重さで考えることにしよう。

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小学生卓球講習とカルピスウォーターの行方

プン助を小学生、中学生を無料で教えてくれると言う卓球講習へ連れて行く。

本当は、お友達の●●君と一緒に参加だったのだが、●●君はまだ体調が戻らず、お休み。●●君が来られないなら行かないと言い出さないか不安だったが、ちゃんと参加した。受付を済ませた後、体育館の上の休憩室からレッスンの様子を覗いてみた。

皆で準備体操。プン助は時折立ち歩いたりして、やや挙動不審。皆でランニングを始めると、列から外れて、前方転回をしたりしている。

「うわ」

休憩室で思わず、声を漏らしてしまう。

口を押させて、なおも覗き込む。

プン助の突然の前方転回に、周囲の誰も大して注目もしている様子はなかった。凄いとか言われたかったのか、ただ急に回転したくなったのかは謎だが、せめて周りを見て、危なくない範囲でやってくれと祈りながら見守る。

ラケットを持っての練習に入る。台に2,3人の子供、一人の先生…という体制になる。一人に何球かずつ、先生が球を出して、フォア打ちの練習。プン助の番になる。プン助は普通に当てれば良い所を、身体傾けてまで猛スマッシュ。先生がそんなに大振りにしないで、このくらいのフリで打ってと説明している様子。その後プン助は一応、小ぶりにやって見せるが、球が来ると、どうしても猛スマッシュをしてしまう。殆ど空振り。ローテーションでコーチも変わっていくのだが、バックで打つ時にも、大振りで猛烈に強い打球を打とうとしては殆ど失敗していた。同じようにもっと小ぶりで・・・とアドバイスをされている様子だが、球が来ると、全力で打つのはやめられない様子。

自分が打つ場面じゃない時は虫取り網のような網で球を拾い集めるのだが、球が転がって来るたびに猛ダッシュで拾いに行く。球出ししている先生にもぶつかりに行きそうな勢い。聞こえないけれども、「周り観て、周り観て」と、呟いてしまう。

球を集めて、元入れたったカゴに返す際、勢い余って、球がバラバラと転がってしまう。

「溜めすぎなんだよ。あ~あ」

私も、休憩室でブツブツ話している怪しい人になってしまっている。ずっとそんな風でいるのも、なんなので観るのもそこそこにして体育館を後にする。

前日、カルピスウォーターを●●君にあげたいと話していたことを思い出し、そんなに悩むなら、買ってやろうと、買って帰る。

 

帰宅したプン助は、カルピスウォーターを観て、大喜び。

あげに行く。

袋にも入れずに裸で持って行こうとするので、せめてちょっと小奇麗な袋にいれなよ!と、止めようとしたが、既に家を飛び出していた。

 

人からモノを頂く時、大抵小奇麗な袋に入っていたりメッセージが入っていたりすることが多いのだが、実際自分がそれをやろうとすると、本当にその気遣いとかが、自分にとっては苦行で、現物でお渡し出来たらどんなにハードルが下がるだろう・・・と思っていた。

心遣いや気遣いが身について、本当に素敵な袋に入れたり、メッセージを入れたくてたまらない人もいるらしい。でも、私にとってはとりあえず人並の常識があっておかしな人に見えないように頑張るノルマのようになってしまっている。

あんな風にむき出しのカルピスウォーターをそのまま渡しに行けるプン助が羨ましい・・・。大人が剥きだしのまま、持って行ったら、ちょっと変だと思われるが、私が下手にキレイな袋に入れさせたり、メッセージを入れさせたりしたら、プン助のあげたいという思いの純度が幾分濁ってしまっただろう。

「え、何、剥きだしで?」「どういう教育を受けているのかしら」

などと思うご家庭もあるかと思うが、どうかすんなり、気持ちが届きますように。

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スタンダップコメディ・フェスティバルと近藤サトとカルピスウォーター

この日も、スタンダップコメディフェスティバルへ馳せ参じた。

1996年に舞台でご一緒したことのある長井秀和さんが出ていた。

マダムゴールドデュオで活躍されていた頃は、不思議可愛い系の印象だったけれど、その後ちょっと違うイメージでテレビで活躍され、今は大分印象が変わっているけれど、今の姿の方が本来の長井さんなのかなぁと、思った。お元気そうな姿を観られ、感慨深かった。

この日は、笑いの手練れが多く、スリリングというより、安心して楽しめる回だった。なんと間口の広い催しなのだろう。

連日の公演でお疲れのはずの清水さんは、この日もパワー全開だった。命を削るような公演を1000本ノックのようにやっていると、どんなに疲れていても、スイッチを入れると、全開モードに突入するようになっているのかもしれない・・・と、思ったら笑顔を観ただけで、ちょっと涙ぐみそうになった。

 

同じ回に、高木珠里ちゃんが来ていた。公演が始まる前に気付いて、「ジュリちゃん!」と声をかけたが、「誰この人」と、不審そうな顔で観られ、「私だよ、私、あらい!」と、言ったら3秒くらい

「え?」

という顔をした後、

「ああ!新井さん!」

と、気付いてくれた。

考えてみると、コロナ禍になってから、ほんの数回しか顔を合わせていない。私は舞台上のジュリちゃんは観ているが、ジュリちゃんは私を目撃することもなかっただろう。色々老け込んでいてびっくりしたのやもしれない。

終演後、開口一番

「新井さんは絶対髪を染めたりしないと思っていたから」

と、気付かなかった理由を説明をしてくれた。(私の今現在の髪型はショートの茶髪)

何と答えてよいかわからず、なんとなく

「ああ、私別に近藤サトを目指してたりはしないから・・・」

と、答えてしまう。

ジュリちゃんはキョトンとしていた。

 

最近、こういう事が多い。人に会って話をする機会が少ないからだろう。自分の狭くなった世界のことを、他の人も共有しているはず、そして同じような気持ちを感じているはず…と、思ってしまう。なので、さわりを話せば伝わるだろう・・・と、全ての説明をすっとばしてしまうのだ。

 

私の狭い世界の説明をすると、私はここ数年着物にハマっている・・・というのが前提になってしまう。着物を着る人の中には、色々はタイプがいて、私の勝手な分類では、

1、豪華に、或いは品よく盛るタイプ

2、素材が良く派手過ぎない着物(紬系)を品よく、貧相にならないように着こなすタイプ

3、着物って言ったって、ただの服じゃん、気楽に着ようよ!タイプ

4、古臭い概念をすっとばして、好きに着るけれど、今風にデコるタイプ・・・(和洋折衷コーデとか、結ばない帯結び等)

 

 

私自身は、3の、どちらかというとただの服じゃん、気楽に着ようよ!タイプなのだが、着物民じゃない人からすると、どれも区別がつかない。

最近よく着物界隈の雑誌やイベントに出没している近藤サトさんは、知性的でセンスの良い人が多い2のタイプだと、私は勝手に分類している。

そして、何故かその界隈にはグレイヘアにしている人が多い。

白髪になっていくことを美と相反することとはとらえず、それも美、それも一つの素材として、調和させていきましょう・・・的なことなのだろうか?

しかし、それが可能な人は凄く限られている。

お手入れにお金と時間を掛けられ、几帳面な人…こういう人に限って、「私って本当に面倒臭がりなんです」…みたいなことをいうので、本当に面倒くさがりな私は、そんな何の気ない発言に「おめーみたいに雑な人間なんかゴミクズカスなんだよ」と、言われているような被害妄想に陥ってしまうのだ。(もちろんそんなことは思っていない筈なのですが)

本当に上質な物をきちんと使いこなし、自分も上質でいられる人間だけが目指せる道。もしくは、髪が白くなろうがなるまいが、私の内なる輝きを損なうことはない・・・という絶大な自信を持っている人か・・・。

私は、自信なんか皆無だが、とにかくただ着物を着たいだけ。でも、着物を着るのはやはり面倒なので、あれこれ難しいことは端折って、なるべくハードルを下げて、気楽に気楽に着るようにしている。ダサくても着崩れていても、「私は洋服でも、裏表間違えますし、ボタンもよく掛け間違えてます!なので、着物だからと言って、きちんとなんか着ません!」と、言う謎の逆ギレ精神を奮い立たせて着るようにしている。

 

短くまとめると、私はグレイヘアにして着物を着るような上質な人間に対して、卑屈な気持ちや、やっかみの精神を根深く持っているのだ。

 

「髪を染めないと思った」=「近藤サト系」と、私の価値観で脊髄反射をしてしまい、

「いえいえ、近藤サトさまを目指すなんて、無理無理、私はもっと下層民です」

という意識があるのだが、なんとなく認めるのも悔しくて

「ああ、私別に近藤サトを目指してたりはしないから・・・」

という言葉が口から出てしまったのだった。

 

しかし、よくよく考えると、ジュリちゃんが(というか大体の人が)グレイヘアの近藤サトさんを私ほど気にしているかは疑わしい。

私は着物民なので、普通の人よりも、最近着物で出没している近藤サトさんに、目が行ってしまう。

そして「髪を染めない人だと思っていた」というのも、白髪染めだけではなく、若い頃からのカラーリングの意味合いもあったのかもしれない。

最近白髪が増えて来たので、つい「白髪を染めない人だと思った」に変換されてしまったのだ。だが、白髪に悩んでいない年代だったら、普通に黒髪好きでカラーリングを好まないタイプだと思っただけなのかもしれないのだ。

実際冷静になって考えてみると、白髪になっても白髪染めをしない人というより、元々オシャレで茶髪などにしないタイプだと思っていた…という解釈が一番近いのだと思う。

 

「絶対髪を染めなさそう」に見えていた理由はわからないが、数年前までは腰まで髪を伸ばしていたのもあるかもしれない。

近藤サトさんについてはそれ以上深堀りをしなかったけれど、小一時間お茶をした。最近起きた事件についての見解は、ほぼ一致していて、久しぶりに人と話した充実感を得た。

 

夕方には地域の人が主宰してくれているプン助の小学校での花火の催し。保護者が一緒じゃないと参加できないので私も付き添う。

何度も確認して、「参加する」と、言っていたプン助だったが、学校のイベントだと認識していなかったらしく、「俺、舞台を観に行くんだと思っていた。学校のイベントだったら行かないって言ったよ~」

と、終始不機嫌。

「何度も確認したよ」

「プリント見せて説明してくれたら、よかったのに~!ママのせいだ~!」

「はいはい、いいよ、ママのせいで」

などと言い合いながら、受付へ。

受付にはボランティアの保護者と、中学生たち。

 

ニンタマにもボランティアの募集が来ていたが、「絶対行かない」と、即答されていた。小学生のイベントを手伝ってあげようという心優しい中学生たちがこんなに沢山いるのか・・・と、尊敬の念を抱いていると、

「俺、本当は参加したくなかったんだよね~、しくった~」

と、プン助がわざわざボランティアの人に説明し始めた。

 

なぜ、わざわざそんな説明をするのだ・・・?

 

この保護者や、中学生たちは、おそらく小学生の喜ぶ笑顔を見たい!という善意でわざわざ来てくれているというのに。参加したくなかったと心で思う分にはいいけれど、わざわざ報告するなんて・・・。

 

思わず他人のフリをしたくなるが、薄ら笑いでごまかす。

 

数人の友達と会って、軽くじゃれたりした後、ノルマをこなすような感じではあるが、数本の花火をやっている。

「帰りにカルピスウォーター貰えるんだって」

という友達の呼びかけで、猛ダッシュでカルピスウォーターを貰いに行く。

 

「ほら、よかったじゃない参加して」

私が声を掛けると、

「カルピスウォーター、●●(友達の名前)が大好きなんだよな」

と、今熱を出して休んでいるお友達のことを言い始めた。

「これは、お見舞いであげないとだよね~、でも、僕ちんも好きなんだよね~、ああ~、どうしよう~」

「どっちでもいいよ。あげたいと思ったらあげなよ。でも、惜しかったって悩むなら、自分で飲んだら?」

「ああ~、凍らして飲むとおいしいんだよなぁ~、よし、凍らせるぞ」

自分で飲むことにしたのかな?と思っていると

「やっぱり、これはお見舞いであげないとだね。よし!お見舞いで持って行こう」

 

こんなカルピスウォーター一つが大したお見舞いになるのかはわからないが、●●君のことが本当に大好きなのだなぁ・・・と、ほっこりした気持ちになった。

2,3年前までは誰と仲がいいの?とか、好きなお友達はいる?と聞いても、「誰が好きとかない。全員同じ」と、頑なに言い続けていたことを思うと、各段の違いだ。

ほぼ毎日、給食後くらいに登校しているのに、一応普通に登校していた時よりも、好きなお友達と仲良く付き合えていて、その点は良かったなと思っていた。

だが、その後30分以上、カルピスウォーターをあげるあげないで悩んで、どうしようどうしよう・・・と言っているのには、さすがにちょっと辟易した。

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