舞台版「脳内ポイズンベリー」 トークショーというものに参加してきた

旦那さんと一緒に脚本参加した、舞台版「脳内ポイズンベリー」のトークショーに出演。

私のトークショーなんて、どこに需要があるんだ?と、疑問ではあったが、招かれるのは非常に光栄なことなので、お話が合った時に、これはお引き受けせねばと、身の程を考えずにお引き受けしてしまっていた。

 

だが、日にちが迫るにつれ、一体何を話せばいいのだろう?と不安になって来ていた。

例年ならば、脚本参加をしていれば、最初の顔合わせであったり、稽古であったり、何度か稽古やゲネプロなどを見ているのだが、今回はコロナ禍で一度も稽古の様子を見ていないのだ。書いたからと言って、何か深く知っている訳でもない。

現状の舞台に関しての情報はほぼ、お客さんと同じ。いや、それ以下かもしれない。

しかも、私だけなのか、皆さんそうなのか分からないのだが、脚本を書いて1,2カ月も経ってしまえば、殆ど書いていた時のことなど忘れてしまう。

語るべきことなんて、本当にあまりなかったりする。

あるのはただ、とにかく、舞台を実現することに関わった全ての人に「ありがとうございます!」ということだけなのだ。

制作に携わって、毎日頑張ってくださった制作陣、スタッフさんや、いつコロナにかかるかも?という不安と戦いながら、稽古を頑張って夢の空間を作り上げてくれている役者さん、こんな危ない世の中なのにお芝居を観に来てくださった方達へただただ、ペコペコする気持ちでいっぱいなのだ。

 

おそらくお客様は、キャストのファンの方々が殆どかと思うので、こんな知らねーおばさんとおじさん(旦那さん)が、こんな風に書きました~なんて興味ないだろうに、申し訳ないな~という思いで、劇場へ向かった。

まさに私の頭の中は脳内会議が逼迫して、新井ネガティブが「こんなおばさんの話なんて聞きたくないんだよ!早く八木さん観たいのに、こんなの聞いてちょっとでも消耗したくないよって皆思ってるに決まってる!」と言い張り、新井ポジティブが「そんなことないよ!楽しみに来ているお客さんは、もっとなんでも聞きたいって思ってるし、そんなネガティブなこと言ってないで、少しでも皆を楽しませるように頑張らないと!」と、騒いで、頭の中はワーワー状態だった。

 

控室で、当日司会をして下さる淵澤由樹さんと軽く打合せ。淵澤さんはとても親しみやすく、安心感のある方だったので、もういいや、深く考えずに、この方にお任せしよう!と、いう感じで舞台袖へむかった。

すると、前を歩いている淵澤さんがいきなり視界から消えた。どうしたのかと思ったら、床に滑ってしまったらしく、地面に突っ伏した状態で倒れていた。

どうやら足首を捻ってしまったようで、かなり痛そうだった。

でも、さすがはプロの方で、舞台へ出て歩いて行くときには何事もないかのように軽やかな足取り。私達夫婦を、リラックスさせつつ、上手に色々聞いてくださった。私はただただ、皆さんに感謝をお伝えしたい・・・と思っていたのだが、べらべら雑談のようことばかりを話してしまい、旦那さんが、真摯に皆さんへ感謝の言葉を伝えいている時に、「そうだったそうだった、私はこういうことを話したかったのだ」と、思い出し、旦那さん、ナイス!と思った。

ちょっと前まで舞台本番もあったり、やはり人前に出ている旦那さんは、地に足がついているな…と、しみじみ思った。

 

旦那さんはその日、舞台を観て行き、私は先に帰ったのだが、即座に「お疲れ様~、凄い良かったよ~、ありがとう~」と、旦那さんにLINEを打った。すぐに開演時間だったので、中々既読がつかなくても、あまり気にならなかった。

だが翌日の朝まで既読はつかず、ついた後もそれに対して、全く返信がなかった。

まあ、家で話すし、いいやってことなんだろう。

 

でも、既読のついたまま放置されているLINEのトーク画面を見ると、ちょっとしょんぼりする。LINEが沢山ありすぎて、返事しそびれていることすら忘れてしまうということは、自分もやってるんだけどね。

出遅れて入りそびれてしまったグループLINEなどにもなるべくちゃんと参加したり、即レスを心がけよう…と三日坊主のようなことを思った。

そして、ただ書いただけなのに、トークショーという場ではあるけれど、明治座の舞台に立てた…ということに後々気付いて、感慨深い気持ちになった。

舞台版「脳内ポイズンベリー」に関わった全ての方々、お客様、本当にありがとうございました!

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スタンダップコメディ・フェスティバル初日観てきました

スペース雑遊にて、スタンダップコメディ・フェスティバル「憂国ナイト」「いま日本のメディアどうなってるの?!ナイト」続けて、観て来た。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000102913.html

今日はフェス初日。30代半ば頃「スペース雑遊」で女性4人芝居に出演したことがあったのだが、すっかり場所も忘れてしまい、迷いながらたどり着く。

 

たどり着いてすぐ、入口付近でスタンダップコメディ協会会長の清水宏さんを発見。本番前、しかも初日だ。楽屋で気持ちを整えたりするのでは?と思っていたので、ちょっとびっくり。さすが清水さん、場数が違う…などと思っていたら、どんなお客さんが来てるのか、ちょっと様子を観に来ていたとのことだった。

そうか・・・。清水さんは、いつも「右でも左でもない」「上か下かで行ったら、下でしょ?」と、下翼としての連帯をお話してはいるのだが、この「憂国ナイト」の出演者としては、居島一平さんを招いていて、ゲストは一水会の木村三浩さん・・・。明らかに右寄りのお客さんが多そう。

 

私自身は普通に、右でも左でもなく自分の中で最も普通で凡庸な思考をしているつもり。でも、なんとなくTwitterなどに出現している人の中で、明らかに失礼で暴力的に切りかかって来るのは、右よりの人の方が多い気がしている。そうか・・・そっち系の方もいらしているのかもしれないのだな・・・。

普通にワクワクしながら観に来ていたが、ちょっと緊張して来た。言われてみると、いつもの清水さんの催しよりも、強面の男性率が高いような・・・。

 

しかし、さすがは清水さん。最初の登場から、「ぜってーに笑わねーぞ」みたいな雰囲気を醸し出していた人の胸にも、飛び込んでいくようなスタンスで語り掛け、客席の緊張は幾分やわらかい雰囲気に。そして、居島一平さんのネタが始まった。お笑いにあまり興味がなく、この方のことは清水さんのYouTubeで名前を聞くくらいしか存知あげなかったのだが、異様すぎるほど貫禄があって、めちゃめちゃ面白かった。他の日にも出演されるので、細かくは触れられないが、ジェンダー平等や、SDGsに関しての切り込み方など、幅広い思想の人も楽しめる話し方をしていて、人としてのエネルギー量も凄かった。

ゲストの一水会の木村さんも、この人が本当にいわゆる右翼なの?!・・・と拍子抜けするほど優し気で、もしもこの方が学校の先生だったら、大好きになっちゃうな・・・というような可愛げのある素敵な人だった。右翼と言ったら、ちょっと反論した途端に「この非国民!」「貴様ごときが何をいうか!」と、威圧的に相手を封じ込めるイメージを持っていたが、話すことは至極真っ当で、聞いていも「わかるわかる!」と、思う事ばかり。

 

人の話を聞かない、すぐ怒って、異を唱える人を否定するのが右翼・・・というイメージが強かったのだが、そのイメージは見事に裏切られた。私は右翼に偏見を持っていたようだ。たまたま、人の話を聞かずに、辻斬りみたいに襲い掛かって来るTwitter民にありがちな人を右翼だと思い込んでいたけれど、あれは一部の人だったのだ。そういう人は時折左翼っぽい人にも見受けられて、思想が違うののに、めっちゃそっくりだなと思う時もある。

そうか・・・・真剣に国を憂いている人と、今世の中が大変なのは●●が悪いからだ!と、誰かのせいにして、一方的に憎む人は全く違うのだな・・・と感じた。誰かを否定したりするために理論武装している人は右であろうと左であろうと、対話はできない。

清水さんと、居島さんががっちり握手をする姿、木村さんと真剣に国に対する思いを話す姿は、客席にも不思議な一体感を生み出し「右とか左とか関係ねーよな」「俺らわかりあえるのかもな!」・・・みたいな暖かい空気を生み出していた。

なんとなく奇跡的な瞬間に立ち会えた気持ちになり、凝り固まっていた自分の意識もフワっとほぐれた思いだった。この連帯にちょっと感動。

 

次の回の「いまの日本のメディアどうなってるのナイト」も、凄かった。「憂国ナイト」でお腹一杯になっていて、続けて観る体力あるだろうか・・・と心配していたが、始まってみると、全然大丈夫だった。

 

選挙の応援でやったネタが炎上中・・・と言われていたぜんじろうさんのスタンダップコメディ。拡散された一部分だけを観て、よく状況がわからないまま批判する方も多かったかと思うが、もしかするとその怒りをぶつけに来たお客さんもいるかもしれないと、観ている方もちょっと緊張した。でも、そこに関して、ちゃんと丁寧に説明をしつつ、色々悩みもしたけれど、これからも頑張っていく旨を、プロならではの面白を盛り込みながら伝えていて、さすがだった。

申し訳ないのだが、元々ぜんじろうさんのネタは個人的にちょっと苦手だった。その理由が、切り込まなくてもいいスレスレのところに切り込んで来て、私的には「No」のエリアに来ることも多かったからなのだ。だが、最近では身内に一人いる親戚のおじさん的な愛着も湧いて来てしまい、「あぶない!そっち行っちゃダメだって!」「ああ、やっちゃったか~、もう~」みたいな感じで、そこに切り込むのが、ぜんじろうさんで、もしも切り込まなくなったら、ちょっと残念かもしれない・・・と思うようになって来てしまった。

 

その後の古谷経衡さんのスタンダップコメディーにもびっくり。最初ネタをやる予定じゃなかったらしいのに、やりたいと言ってネタを作ってきたとのことだった。元々露出しなれている方とは言え、ネタをやるのはまた別ものだろうと思っていたら、その垣根が全くないスタンスで、実に堂々と、そして面白く、自分がネトウヨだった時の話や友達の描写を語っていて、感じ入ってしまった。

 

清水宏さんは、同じ日に二回別のネタをやっているだけでも凄いのだが、それがどれも面白いという、もう奇跡のような状態。

 

後半のゲストとして、古谷経衡さんとモーリー・ロバートソンさんと清水さんのトーク。

古谷さんも、モーリー・ロバ―トソンさんも、いいのか?と、観ている方が心配するくらいぶっちゃけてなんでも話してくれていたが、本当に知性が高くて、地に足がついていて、揺らぎない自信がある人というのは、何に対しての委縮もないのだな・・・と、眩しい思いになった。ああいう揺らぎの無さには、本当に憧れてしまう。

頭の回転が早すぎて、理解が及ばないところもあったが、総じてすべての瞬間が面白く、心地よかった。

 

このような企画をして、場を設けて、なおかつ自分でも発信しまくっている清水宏さんは、本当に、凄い。いつも凄いなと思っているけれど、その思いは毎度毎度更新されていく。

これからも、体力が許すかぎり、目撃し続けて行きたい。

しかし、さすがにお腹いっぱい。

 

ずぶ濡れになりながら、帰宅すると、チビギャングのプン助が待ち構えていて、中々寝てくれなかった。

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