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イエローさんから体育系なのか定かではない、激しい卓球の指導を受ける 

15時からクラブの卓球練習へ。股関節や座骨の調子が悪いので、悩んだのだが、ちょっとだけでもと、少し遅れて参加。

 

遅れていくと練習する相手を確保できないことがある。

体育館につくと、既にほとんど台は埋まっていた。入口付近に一人だけ練習相手がまだ確保できていないIさんがいた。私はそれまで、数回Iさんと練習をしたことがあるのだが、

「下手な癖にネットすれすれの球なんか打ってくるな!」

と、怒られたり、遊びでダブルスのペアを組まされた時も、「こんなとこに立っててもダメだろ!」と、怒鳴られたりしてひそかに涙ぐんだこともあるので、他の人が来るのを待つことにした。間もなくWさんが来た。女性でとても上手なカットマンの方。

早速練習相手をしてもらおうと、側へ向かうが、直後に見たことのない黄色いウェアのおじさんが現れた。

目が合ってしまったが、気づかない振りをして、Wさんの元へ行き、

「一緒に練習していただけたけますか?」

と、申し込んだ。

台は全て埋まっていたが、いつも私に親切に教えてくれるYさんが、クロスで半面使っていいよと、声をかけてくれた。なので、4人で一台の台でフォア側のコートを使わせて貰った。間もなくYさんは、俺は休むから…と、先ほど私がスルーした黄色いウェアのおじさんと交替し、その方(以後イエローさん)私の隣のバック側で打つことになった。

最初は普通にフォア打ちをしていたが、背後から

「全然ダメだね」

との声が聞こえた。

 

イエローさんだった。

驚いたが、適当にスルーして、練習を続けていると、

「ダメだ!ダメ、ダメ」

と、何度も私に対してのダメ出しが連発された。

その後、Wさんがドライブを打ち、私がカットをする練習をしていると、

「全然、ダメだね、そのカット」

と、何度も何度も言ってくる。そして、

「ちょっと貸してみて」

と、私のラケットを取って、自分が見本を見せ始める。

「慌てすぎなんだよ。もっと待って、打つんだ!」

「上半身、動かしすぎ」

「落ちてくるところを・・・こう!」

再度私が打ち始めると、

「ダメだ、ダメだ!」

と、またラケットを奪い取り、見本を見せる。

確かにとても上手で、言っていることはよくわかる。

 

だが・・・一体この人は誰なのだろう・・・。初対面なのだ。いきなりすぎではないか?と、困惑する。私はこの卓球クラブに出入りするようになって、まだ1年ちょっとなので、会ったことはないが、彼は他の人とは面識がある様子でもあった。

 

その後、練習を取り仕切っているリーダー格の人が、

「交代です~!台を左に一つずつズレてください」

と、号令をかけた。

曜日によって違うのだが、15分置きくらいに、場所をズレてペアを交代する練習をする日だった。だが、1台を4人で使っている場合、一つ場所をズレても、ペアは同じ人のままになる。私の練習相手のペアは次もWさんだった。

イエローさんは隣の台に移動した。

 

よかった・・・と、少しほっとした。

私は台のバックサイドの位置になったので、Wさんとツッツキという下回転でのラリーの練習をすることになった。すると、またもや

「ダメだ!ダメだ!」

の声がする。

隣の台に移動したイエローさんが、自分のラリーの相手をほったらかして、私の元へやってきて、また、見本を見せ始めた。

「右足をすぐ前に出すけど、それダメ!前に出しちゃダメなんだ」

「こう!球から距離をとって、振るないと、インパクトが足りないから、飛ばないんだよ」イエローさんが見本を見せた後、私が再度打ち出すと、

「こうだよ!こう!」

と、いきなり私の左と、右手首を背後から抱きかかえるようにつかんで来た。

 

最近、ご時世もあるし、コロナもあって、人に密着して教える・・・ということ自体が皆無になっていたのだが、いきなりガシっと抱え込まれるように、体をつかまれてびっくりする。

嘘でしょ?ギャグなの、これ?

 

しかし、教えてくれているしなぁ・・・全然頼んでいないけど・・・。

 

予期しない事態に困惑していたのは私だけではなさそうだった。私の相手をしていたWさんもイエローさんの言う通りだとしつつも、表情に困惑の色が浮かんでいた。そして、イエローさんの指摘は、いつも親切に教えてくれるYさんの指導とは真逆だった。Yさんはツッツキの時は、右足を前にするようにと、いつも私に口を酸っぱくするほど言っていたのだった。Yさんからすると、私は右足を前に出さなさすぎるのだが、イエローさんからは右足が前に出すぎ・・・と言われる。Yさんからすると私はまだ右足の出し方がまだ足りないようだったが、アドバイスのおかげで、自分としてはずいぶん右足を前に出せるようになったのは確かなのだ。だが、

「ダメだ、ダメだ!右足前に出すぎ!出すな!」

と、言われ、私の右足が急に動かなくなった。

 

気づくと、私の右足が動かないように、イエローさんが、私の右足を踏みつけていたのだ。

 

手首をガシっとつかまれた時以上の衝撃を受ける。

 

こんな激しい指導、高校の卓球部の時にも受けなかったよ・・・。

しかし、困惑しすぎて、不快を通り越して、面白くなってしまった。

その光景を、少し離れたところで、Yさんが困惑したように見ていた。

 

イエローさんの指導が白熱してきたので、イエローさんのラリーの相手は、他の相手を見つけて練習を始めてしまった。やばい・・・いよいよ、専属コーチみたいじゃないか・・・。

すると、そこへ少し癖が強いので、皆が練習相手をするのをやや敬遠しているSさんが遅れて体育館へやって来た。

Sさんはすぐにイエローさんに気付いて、近づいてきた。

「今、指導してらっしゃるみたいですけど、私、相手がいないんで、お相手してくださいませんか?」

Sさんは、強い口調でイエローさんに詰め寄っている。

だが、イエローさんは

「指導っていうか・・・ちょっとだけ見てるだけだよ」

と、言って、なかなか私の傍から離れようとしない。

「私相手じゃ嫌かもしれませんが、初心者の私の相手もお願いできませんか?」

と、Sさん。

Sさんは、ものすごく上手で海外の試合の審判などもしているという噂で、全然初心者などではない。だが、なぜか、やたら減り下るところがあり、私に対しても『お上手ですよね、私下手なんですけど、お相手していただけます?』と、言いつつ、『バック、ミドル、フォアの順番でコースをきっちりと振ってくれませんか』と、私にとっては難しい注文を付けて来たり、スマッシュを打ち込んできては『私は、今、打とうと思ったわけじゃなくて、回転がおかしい球をなんとか打ち返してこうなっただけなんです。よくあの人はすぐ打ち込んでくるって言われるけど、全然そんな気持ちで練習してはいないですから、そこのところわかってくださいね』と、暗にこちらが下手なせいと分からせつつ、こちらとするとどちらでもいいことを理解してもらおうとするような所があるのだった。

 

私に対しては「ダメだ、ダメだ!」「この足、動かすな!」などと足を踏んできたりするイエローさんが、Sさん相手にはタジタジと言った感じになり、二人は隣の台で練習を始めた。

私は解放されたのだが、次の交代に乗じて、イエローさんはしばらく姿をくらましてしまった。

その後、

「あの方、私と練習するの嫌みたいで、どっか行っちゃったんです」

と、Sさんは、他の方と練習していた私のところにやってきて、3人で打つことになった。

後にSさんは、私に

「いろいろな方が、あなたのところに教えに来るから大変ですよね~~。年取った男の人って、自分には教える権利があるんだって思い込んでる節があって、本当、困りますよね~~~~!あの方、うまいかもしれないけど、あんな古いタイプの卓球を教えられても、迷惑だっていうの。今は卓球も進化してるし、球もラバーの性能も変わってるのにね~~~~!」

と、イエローさんだけではなく、教え好きな人、特に男性に対して、本音というか不満をぶちまけて来た。

ここに同調すると、私が教え好きな人に迷惑している・・・と、いろいろな人に言われそうだったり、何か危険な気がしたので、曖昧にほほ笑む程度にに留めておいた。

その後、最初に自分の練習している台に入れてくれた後に、イエローさんと交替したYさん(いつも親切に教えてくれる方)からも

「俺が、あの台に呼んじゃったから、かえって悪かったね~。あの人はうまいんだけど、古い型なんだよね~、あとさ、右足前にしちゃだめだって言われたけど、あれは違うからね。右足は前にしないとだめだよ。そこだけは、絶対だからね」

と、言われ

Wさんからも

「いろいろおじさんたちに言われて、大変だね。私もいろいろ言うけどさ、全部聞かなくていいからね。全部聞いてたら大変だから。自分に合うなってやつだけ聞けばいいからね」

と、言われた。

 

家に帰って旦那さんに

「普通にレッスン料払ったら凄い高いところ、ただで教えてくれるから、ラッキーと思って、聞いてるけど、みんなバラバラなこと言うから、ちょっと大変なんだよね。ありがたいんだけどね~」

と、話すと

「教え好きな人にとっては、カモなんだろうね~。そのSさんのところには、誰も教えに行かないんでしょ?」

と、言われる。

考えてみると、子供の頃から頼んでもいないのに、やたらアドバイスをしてくる人が周囲にやってきて、ニコニコ話を聞いていると、いつの間にかいろいろ指図されるようになって、段々としんどくなって来たころに、言うことを聞かないと怒られたりする・・・ということがしばしばあった。

でも、最近は、そこまでのことはない。

いつの間にか、危険な人からは、指図をされたりする前に、逃げたり距離を置いたり、「ハイハイ」と言ってはいるが、聞いていないな・・・コイツと思われるようないい加減な聞き方ができるようになったのかもしれない。

 

だから、時折、イエローさんのような人に遭遇はしてしまうが、カモだと思われていたとしても、それは幸運だと思っている。

でも、次回イエローさんと遭遇したら、ちょっと考えようとは思う。

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