卓球の試合に出た!
卓球の市民大会。
朝、9時から集合。
予想では適当に組まされて、負けたら敗退で終わり。
その後、ちょっとした敗者復活戦などがあったりするかもしれない…みたいなイメージだったが、全然違った。
参加者がAからLの12チームに振り分けられ、チームごとに団体戦という形をとることになっていた。
1チーム4人のチームと5人のチームがあった。一つの試合が5人の個人戦で、3人以上勝ったチームが勝ち。
4人のチームは、誰かが2回試合をすることになる。
今年は、参加者が多いらしく、12チームを籤引きで二つに分けて、その中で総当たり戦をするという。
私はKチームだった。メンバーはなんとなく顔を知っているという方が二人、初対面の方が一人。
団体戦で殆どよく知らない人と組むことになるとは、思いもよらなかった。
その方式に異存はないのだが、困った事情があった。
実は一昨年、入会しないかと言われて、一度入会する流れになっていたとある卓球クラブがあり、練習に参加しようとすると、いつも主宰の人の体調が悪いとか、家族の体調が悪いなどの事情で、その日は無理…と断られていたのだった。そして、一度も練習をさせて貰っていないのに、試合に出る為に登録料を支払う必要があるなどと言われ、不審に思っていたところ、今の卓球クラブに拾って貰った経緯があったのだが、結果的に入らなかったクラブの主宰の人が、今日の大会に来る聞いていたのだ。
仮にその主宰の人をXさんとするが、そのXさんは、色々な人を勧誘してそういうトラブルになっているらしい。私が入会したクラブにも同じような思いをした人が何人もいたのだった。
一昨年、一度入会するお話がありましたが、お断りさせてください…というメールを出したのだが、なんどやめたいと伝えても、
「保留にしましょう」
「とりあえず一旦休会と言う形に」
といった返信が来た。
「保留ではなくやめたい」
「休会ではなく、練習もしていないので入ったつもりもない」
と、返したりしていたのだが、そのまま返信が途絶えたかと思うと、しばらくして、また
「他のクラブに入らないという約束をしてくれたら、やめることも検討します」
「会って話をしてから、他のクラブに入らな約束をとりつけなければ認めない」
みたいな連絡た来たりもして、その都度恐怖を感じていた。
「他のクラブに入るか入らないかはそちらとは無関係のことです」
「会って話をする時間を取るつもりは一切ありません」
と、返信をしても、
「体調が悪い」
「迷惑メールフォルダーに入っていて、気付かなかったけれど、何か返信をしましたか?」
みたいな内容の返信が来たりして、それ以降、こちもXさんのメールをブロックしていた。
そのXさんが来ることは事前に聞いていたが、Xさんは男性だし、そもそも試合で当たると思っていなかったのだ。
だが、当日、試合は団体戦で男女混合だと判明。
運よくXさんと同じチームになることは免れた。
だが、Xさんのいるチームと当たる可能性があるのか・・・。
というか、個人戦でXさんと当たる可能性もあるではないか?!
当たらなかったとしても、Xさんが出ている試合の審判をする可能性もある。試合に出ると言っても、ルールもまだあまり理解していないのに…。
やばい…怖い怖い怖い怖い。
12チームを二つに分けて、総当たり戦になると聞いた時、せめて別々なブロックに別れるようにと祈ったのだが、抽選の結果、まんまと同じチームになってしまった。
ガーン!
その後の試合予定が発表される。
全部で五回、団体戦をするのだが、その四回戦目にXさんのチームと当たることが判明。
団体戦は普通、最初に強い人が来る。私のような下手くそは4番目、5番目になることが多いので、強いXさんとは一緒にはならないのでは?と思ったが、我がKチームのリーダーは公平な方で、ジャンケンでチーム内で1番から4番までの順番を決めた後、最初の試合での1番は次の試合では5番に、2番は次の試合では1番になるように・・・といったローテーションを組んで、強かろうが、弱かろうが平等に出場することになったのだった。私は4番だった。
四回戦目で、Xさんと試合で対戦してしまうかもしれないぞ。
しかし、別に何も後ろ暗い事はしていないので、当たったとしても、ビビる必要はないではないか…と、何度も自分に言い聞かせるも、ドキドキするやら、不安やらで落ち着かない。
まあ、死ぬ訳じゃないし、なんとかなるだろう。
とりあえず、四回戦目までは、気にせず粛々と試合をするのだ!
一回戦目。Dチームとの試合。
私の対戦相手はよく練習で一緒になる、凄い上手なNさんだった。
「うそ!Nさん相手か…終わった・・・!」
市民大会って、初心者も嬉し恥ずかしって感じで参加する、もっとのどかなものだと思っていた…。
案の定、3ゲームでストレート負け。
だが・・・
13―11、13―11、12―10
という、どれもジュースに持ち込んで負けたのだった。
実は、1セット、2セットは、6-9くらいで勝っていたのだった。自分が9点を取って、「もしかして勝てるかも?」
という気持ちになった後、そこから必ずNさんに持ちなおされての負けだったのだ。
あんな上手なNさんにここまで競るとは思わなかった。
でも、9点まで取ってから、負ける・・・ということに、凄く大きな意味を感じた。
Nさんの方が圧倒的に上手いのだが、これは勝てる可能性があったのだ。その可能性をつぶしたのは、自分なのだな・・・と思った。
二回戦目。Aチームとの試合。
11-2、11-5、11-6のストレート負け。
対戦相手は10代の男の子。
部活でガンガン頑張っている世代であり、圧倒的な実力差。相手がかけているサーブの回転も何もわからなかった。勝てる見込みは全くなく必然的な負け。
でも、1セットから3セット目まで、得点をちょっとずつ上げられたのでヨシ!
三回戦目。Gチームとの試合。
8-11、11-9、9-11、11-6、9-11で、なんと3セット取得して勝ってしまった。
対戦相手は明らかに私よりも上手な人で左利きだった。あーまたうまい人に当たってしまった…と思ったのだが、まさかの勝利。
「嘘でしょ?」
と、全く腑に落ちなかったが、めちゃめちゃ嬉しい。上手な人でも、相性というものがあるようで、相手の人にとって、私はやりにくいタイプだったようだ。
その人は、凄くいい人そうだった。家族や仕事場でもなんとなく嘗められてしまうような印象だった。
休憩中、観覧席でまだ試合をしている人達を見ながら、ごはんを食べた。
その時、私が恐怖を感じていたXさんが、最初に試合をしたDチームの中の20代の若者と試合をしてていた。
Xさんはメールでは「足が痛い、膝の手術をしなければならないのだけど…」みたいなことを執拗に書いていたのだが、ものすごい力強い踏み込みで、バンバン打ち込んでいる。卓球講習会みたいな会場で数回練習をしたことはあったのだが、その時は足も引きずっていたし、卓球歴は長いもののそこまで強そうに見えなかった。だが、今日のXさんは凄い。
会場の中でも群を抜く上手さで、凄まじく強い。膝が悪そうには全く見えない俊敏な動き。
しかし、相手の若者(以後Mさん)も、ものすごく強かった。
ついついMさんを応援してしまう。
観覧席は皆その試合に釘付け。
「Xさんも指導者だから、負ける訳にはいかないわよね」
「M君に勝って欲しい~」
そして、接戦ではあったが、Mさんが勝ったのだった。
Xさん、屈辱だろうな・・・。
次に対戦する人、可哀想だなぁ・・・。
ん?
次に対戦するチームは私のいるKチームだ
さる筋からの情報によると、Xさんのチームは4人なので、Xさんは毎回1番目5番目に出ているという。ウチのチームのようにローテーションで順番を変えていないのだ。
ん?
私は一回戦目の時は4番目だったのだが、次の試合は4回戦目。1番目は私だった。ウチのチームも4人しかいないので、必然的に私は1番目であり5番目でもあるのだ。
やばい…。
Xさんと2回も当たってしまう!!!!
怖すぎる。
Kチームのリーダーに事情を説明すると、試合の一回は回避させてあげられるけれど、2回とも回避は難しいそう。
結局私は1番目と4番目の試合に出ることになり、5番目の試合はリーダーの人が変わってくれた。
観念して一度は試合をするしかない。
四回戦目。Lチームとの試合。
とりあえず、それまでの経緯については一言も話さず、初対面のようにふるまう事にした。ちょっと練習をしてから、普通に試合をした。
結果。
11-1、11-1,11-2
のストレート負け。
しかし、かなりラリーは続いた。Xさんも、私の甘い球はスマッシュをしてきたが、下手くそ相手に、意地の悪い凄いサーブを出したりはしなかった。ともすれば11-0で負けそうなところを絶対一点だけでも取ってやると、喰らいついてやっとこさという感じ。ビビって実力以下の試合をした訳ではないので、ここはよく頑張った気がする。
噂では、Xさんが登録料を巡って揉めた相手を捕まえては、長々話をする・・・と聞いていたが、そんな気配もなかった。
その後、4番手として、Tさんとも試合。Tさんは、初めての試合に出場した6月には、チームメイトだった人で、70代なのに、ビックリするほど上手で強い人。
勝てる訳ないじゃんと思いつつ、対戦。
11-6,12-10、9-11、11-13、11-6
2セット取ったけれど3セット取られて負けてしまった。
まさか、Tさん相手に、2セットもゲームを取れると思っていなかったのだが、それでも、勝てる道筋がないわけではなかった気がした。
実力差では明らかに負けているのだが、精神状態で勝ちに行くエネルギーが欠けているというか…。
五回戦目。Iチームとの試合。
いつも練習を一緒にしているKさんが対戦相手。Kさんは、重いドライブをかけて来るタイプでいつもフォア打ち練習では撃ち負けている。なのだが・・・
3-11、7-11、4-11
で、ストレート勝ちをしてしまった。
我ながら、びっくり。
Kさんはいつも、腰が低くとてもいい人であり、
「カットマンですか~」
「カットマンは皆、やりづらいって思いますよ」
と、よく私に話していた。
本来のKさんは、攻撃力も強く実力は私よりずっと上手なのだ。勝てた理由としては、カットマンへの苦手意識が強すぎて、様子を探るような返し方をしているウチに、Kさんがペースを崩してしまった・・・ということにあるのかもしれない。
これで総当たり戦は終わり、試合終了かと思いきや、下位のリーグ戦、上位のリーグ戦もあるとのことで、この後も試合をすることに。
六回戦目。Hチームとの試合。
なんと市の卓球連盟の会長さんと対戦することになってしまった。開会の挨拶などをしていた、重鎮の人。
重鎮とはいえ、負けるに決まっていると決めつけず、落ち着いて頑張るしかない。
そして、11-5,11-4、11-5でストレート負け。
でも、会長さんもカットマンだったので、一番長くラリーを続けられた。
「もっと攻撃したほうがいいよ」
と、アドバイスを頂く。
七回戦目。
1回戦目で対戦したDチームと再度当たってしまった。
対戦相手は昼休みに目撃していた、先ほど、Xさん相手に勝ったMさん。
「嘘でしょ~~~~Xさんに勝った人と~~~」
と、ビビりまくる。Mさんは見るからに、動きが普通の人とは違う。上手い人オーラが半端ないのだ。
ところが・・・11-7,11-6、11-6と、ストレート負けではあるが、Xさんとの試合よりは大分点が取れていた。
嬉しい。
Xさん相手には11-1、11-2などで負けまくっていたのに。Mさんも非常にいい人そうな雰囲気だった。
7試合中、2試合しか勝てなかったのだが、上手だから勝てる訳でもなく、相性やら、色々複合的な理由があるのだなと思った。
高校の部活で卓球をやっていた時、自分より弱い相手に負けること、自分より強い相手に勝ててしまうことについて、よく考えていた。
すっかり忘れていたが、最初の一年間は明らかに自分よりも実力的に下手そうな相手にも負けていた。それが、1年間登校時は毎日1時間早く登校して朝練、早弁して昼休みにも昼練・・・という生活をした後、明らかに下手な相手に負けることはなくなった。自分より凄い強い相手には勝てないが、ちょっと上手でちょっと強い相手には、勝てるようになった。多分、試合時のメンタルが鍛えられたのだ。
それでも、ジャンケンのグーチョキパーのように、相性はあって、自分がいつも負けてしまう相手といつも勝てる相手同士が試合をしても、いつも負けてしまう、私にとっては強い相手の方が私にとって弱い相手に負けてしまったりする…ということもある。
グダグダ述べてしまったが、試合は面白い。
卓球を再開した頃は、運動が定期的にできればいい、試合みたいに精神が疲れることはしたくない…と思っていて、クラブ内で遊びの試合をやったりするのもちょっと苦手だった。だが、今年6月に初めて試合に出て、今日で二度目。苦手なのは相変わらずだが、ものすごい快感を味わえる瞬間が何度かあった。
強くなりたい・・・。
そういう気持ちがちょっとだけ芽生えてしまった。
しかし、仕事が大変な時や、子供問題にヘトヘトな時もあり、この思いを育てていくのは中々難しい。
高校生の頃のように頑張ることは絶対にできない。
無理をすると続かない。細々とでいいので、最低限の練習を続けられるといいな。
後で聞いたが、指導者などをやっている人は皆試合には、ちょっとだけ出る…というスタンスを取っていた。
Xさんのチームは結局優勝したのだが、一人で全試合2回も出るのは異様なことだったらしい。
確かに私が対戦した市の連盟の会長さんは、ちょっとしか試合に出ていなかった。
私のチームのリーダーさんも、チームの中では一番強い人だったが、一人で何度も出る・・・ということはしていなかった。
「あの人は、全く周りが見えてないのよ。今日の様子を見て、凄い練習をしてきてるな…とは思ったけど、毎回自分が2回も出たら、勝つに決まってるじゃない」
と、周囲の人はドン引きしていた。
とはいえ、今日Xさんが来ることを覚悟の上で、試合に出ることにしたのだが、逃げずに参加して良かったなと思った。
一日中、Xさんをそれとなく避け続け、対戦した時も、初対面のようにふるまい、Xさんから、「まだやめたと認めていない」「他のクラブに所属することも認めない」などと言われる隙を見せないように過ごした。例え、声をかけられたとしても、「そんなことを言われる覚えはない」と、対峙する覚悟もしていた。
結果何も言われず、ホッとしたものの、もしかするとXさんはこちらのことは最早すっかり忘れていたのかもしれない・・・とも思った。色々な人に声をかけていて、最早記憶にもないか、記憶はあったとしても、最後に直接顔を合わせたのは1年以上前なので、顔など覚えていなかったかもしれない。
そうだとしたら、相当の覚悟で試合に臨んだり、一日ハラハラドキドキしていたのはただの無駄だったということだ。
私が自意識過剰に大騒ぎしていただけなのかもしれない。
とにもかくにも、怯えず試合に参加して、ちょっと世界が広がった。良かった良かった…ということにしよう。
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