オンライン学校公開 教室を練り歩く我が子をちょっとだけ参観
今日は土曜日だが、学校公開の道徳の授業があり、プン助は登校せねばならなかった。プン助の授業は11時からリモートで親が見られる予定になっていた。
だが、7時半に起こし、8時半に起こし…をしていたが、中々起きない。
9時頃やっと起きたが、英語のゲームアプリのデュオリンゴをやり始め、のんびりしている。
「行かないの?」
「行くよ~、今、Xブースト来ちゃったんだよ!」
(得点が15分間だけ2倍になる時間帯)
「じゃあ、それ終わったら行きなね」
「わかった」
だが、終わった後も、メロンを食べたり、キウイを食べたり、ポテチを味見したいと言った後、またデュオリンゴを始める。
「デュオちゃんもいいけど、どうせ行かないならさ、公文とかの宿題やったら?」
「行くよ!わからず屋だなぁ、ママは!」
「ママ、今日は12時から卓球だから、11時から支度始めるし、10時くらいまでしか学校送れないからね」
「わかってる!」
私が、はっぱをかけても、経験上何一ついいことはないことを実感しているので、後は片付けやら、洗濯物干しやらをやり、自分の作業をしていた。
11時過ぎになり、私は自分の卓球の準備を始めた。もうリモートも始まっているが、プン助がまだ家にいるので、下手にオンラインを繋げてしまうと、プン助が面白がって授業に参加する側ではなく、眺める側に回りそうなので、繋げずにおいたのだった。
すると急に、登校する気になったプン助が「じゃあ行ってくるね」と、家を出て行った。身支度を一通りした後、タブレットでミーティングルームに入ると、まさに教室にプン助が入って来るところだった。
なんと、一番カメラが近い席だった。
「アイツ、今来たよ!」
と、ニンタマと旦那さんと、ついコメディをみているかのようにゲラゲラ笑ってしまう。
まるで主役のように一番大きく姿が映っている。到着するなり、ランドセルを置くために後ろのロッカーへ行くのだが、やたらゆっくり、机の間をフラフラと練り歩き、時々掲示板を眺めたりしながら、やっとランドセルを置いたら、また違うコースを練り歩きながら、戻って来た。
「授業の準備してるよ!凄いゆっくりだよ!」
と、ニンタマはすっかり面白がっていた。私も最初は面白かったのだが、段々不安になってきた。
これ、他の親御さんも皆見ているわけだよね・・・。一番目立つところに、このような生徒がいるのを見たら、びっくりするのでは?
そして、こんな生徒に殆どきつい注意をできない先生も、とても可哀想・・・。(昔が良い訳ではないが、昔だったらゲンコツを喰らっている)
面白くはあったのだが、観ているのが、ちょっと辛くなってきた。
卓球にも遅れてしまうので、ニンタマに「授業終わったら、退出してね」
と、言って体育館へ向かった。
猛烈しごき教室のような卓球の練習を終え、戻って来たらニンタマが
「ママが行ってからまた凄かったんだよ~~~!」
と報告してくれた。
プン助は、ランドセルを置きに行った後も、フラッと立ち上がって歩き回り、掲示板を眺めたりしていたのだが、その後急に、練り消し制作に勤しみ始めたらしい。
日々、鉛筆で塗りつぶした紙を消しゴムで消して、その消しカスを集めては丸める…を繰り返し、育てて来た割と大き目な練り消しを、授業中にもまた育てていたのだが、しばらくして、近くの生徒にそれを差し出して見せ、その生徒が困惑していると、また自分の席に戻り、今度はその練り消しを机に置いて、バン!と叩いて平たくしたりしていたと言う。
「タブレットからもバン!って凄い音聞こえたから、びっくりしたよ~~ヤバいってあれ~~」
ヤバいといいながら、妙に嬉しそうなニンタマ。
大丈夫かな・・・。私は最早、慣れてしまっていて、それほど気にならないのだが、これを見た他の親御さんから苦情とか来たりしないだろうか・・・。
5年生なので、お受験を考えているご家庭の親御さんなどは、うちの子の勉強の妨げになる・・・と思ったりしないだろうか・・・。
何故、このような言動をしているのに、野放しにしているのだ…などと言われないだろうか?
私も、お子さんをもっとなんとかして欲しいと、言われてしまう事態になったりはしないだろうか・・・。
言われてしまっても、そこをなんとかする自信は全くない。私じゃない親であればできるのかもしれない。でも、私なりに無理強いしたり怒ったり闘ったり諫めたりを数年やってきた結果の今だったりする。
プン助の精神状態は、ここ数年の中で今はかなり安定している方なのだ。
ほぼ不登校の昨年からすると、本当に休むのは二週間に一日くらいになり、どんなに遅刻をしても6時間目の30分だけでも、とりあえず形だけでも登校するようになっている。こちらから、行け行けと言わなくても最後の30分だけでも行った方が、どうやら自分にとって生きやすいことが分かってきているのかな?と思う。
遊ぶのが命のプン助なのだが、妙に律儀なところもあり、学校を休んだ日に遊びに行くことはできないらしく、遊びに行くためだけにでも学校へ行くようなのだ。
これも一緒に遊んでくれる友達がいるお陰なのだ。
そういうお友達がいてくれるのは、本当にありがたい。そして、こんな状態のプン助を怒りすぎないでくれている先生も本当にありがたいのだ。
来週あたり、お詫びの電話を入れなければなぁ・・・。
遊びから帰って来たプン助に、授業中、何故彷徨い歩いたり、練り消しを作ったり、授業に殆ど参加していないのかを聞いた。
「だって、退屈じゃん学校って」
とのことだった。
うん、わかるよ。わかるんだけどね・・・。私も退屈だった。一生懸命聞いても、気が付くとぼーっとしてしまったりして、いつの間にか何の話をしているのかわからなくなって、早く時間過ぎないかと、ずっとずっと我慢していた。
辛かった。
辛いので、先生に見つからないように、漫画や絵を描いていた。
私が我慢したからと言って、我慢しろというのが正しい訳でもない。私が絵を描いて気を紛らわしていたのと同じような意味で、教室を練り歩いたり、練り消しを作っているのだろう。
私の心の中には、プン助に出来れば我慢をして欲しい、そして気を紛らわすことをするなら、先生に見つからないように上手く胡麻化してやって欲しい・・・という気持ちがあるのかもしれない。
でも、それは言いたくない。
自分がした我慢を正当化して人に押し付ける人間にだけはなりたくないのだ。
だからと言って、このままでいいのかもわからない。
迷うことばかりだ。
オンライン参観、最後まで見続けなくてよかった。
そんな状態の子供を見続けないなんて、怠けていると思われようと、最後まで見続けていたら、きっと悩み過ぎて、へこたれしまったり、怒りすぎてしまったりで、プン助を傷つけてしまったりしてしまったかもしれない。
他の人に迷惑をかけていたら、申し訳ないのだが、気にし過ぎない程度に気に掛けて、本人が楽しそうならよしとしようと思っているのだが、今後どうなっていくのかはさっぱりわからない。
なるようにしかならない…というのは逃げなのだろうか。
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