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ものすごい久しぶりの声のお仕事

ずっとやりたいな、ツテがないかな~と思いながら、チャンスがなかったのだが、ものすごい久しぶりに声のお仕事を頂けたのだった。

 

どのくらい久しぶりかというと、今、13歳のニンタマがお腹にいた時にラジオCMのお仕事をしたのが最後だった。

 

自分でヴォイスサンプルなどを作ればよかったのだが、子育て疲れを言い訳にして、エントリーするのも怠っていたので仕方がない。

 

だが、凄い久しぶりな昔舞台でご一緒して、今はかなり大活躍している人になっているお友達から連絡が来て、なんだろう?と思っていたら、そのお友達に事務所の方から、声のお仕事の紹介をしていただけたのだ。

 

不思議なこともあるものだ・・・と思いつつ、声の仕事は大好きだったので、ホクホクしながら、しかし十数年ぶりなので、若干気後れしながらスタジオに向かったのだった。

 

現場には、私が先日今年の夏頃に観たお芝居で素晴らしい演技をされていた素敵な役者さんがいることもわかっていた。

その役者さんは、私の旦那さんの劇団SYOMIN'Sの公演を観に来てくださっていて、お芝居自体を凄い褒めて下さっていたと旦那さんから聞いていたが、その公演も2019年と3年も前のことで、恐らく覚えていらっしゃらないであろう。

 

待合室でその役者さんを発見して、ご挨拶したが、非常に丁寧な対応をしてくださったが、覚えていらっしゃらないと確信した。ちゃんと覚えて頂けるような、印象的な演技をできていないとダメだなぁ、自分。

 

そして、収録。

その役者さん以外にもプロの声優さんが数人。ディレクターさんともご挨拶。すると、そのディレクターさんが、十数年前にお仕事をご一緒したことがあり、その経緯で今回、人づてに私にお仕事を依頼してくださったことが分かった。

恐らく、あの仕事かな・・・?と、おぼろげには覚えているのだが、当時同じ事務所にいた他の役者数人と一緒に出ていて、他の役者が何をやっていたかはなんとなく思い出せるも、自分が何をやったかが全く思い出せない。

そして、そのディレクターさんは、とても感じが良くて素敵な人だった。こんなに素敵な人なら、絶対覚えているはずなのに・・・と、自分の頭の耄碌ぶりにも驚いた。

しかし、なんとありがたいことだろう。

とはいえ、他の人は皆プロで、私は十数年ぶりなので、最早本当に色々衰えてわからなくなっているはず。しかし、卑屈になっている場合ではない。シレっと堂々とするのだぞ!と自分に言い聞かせる。

 

プロの皆さんの声は凄い。普通に話しているのに、声の情報量が凄く、深みが半端ない。温かみや、十数年一緒に過ごして来た情みたいなものなどが、すーっと伝わる。「凄いなぁ」

と、感心しつつも、自分もなるべくそこに近づけるべく、頑張る。

とはいえ、結局、いわゆるいい声で勝負はできないので、台本に書かれた内容に集中。ディレクターさんは明らかに褒めて伸ばすタイプの方で、委縮しないでのびのび読むことが出来た。

 

休憩中、ご一緒している役者さんに、先日観たお芝居の、あの役が本当に素晴らしかった・・・、その前に観たお芝居も凄く面白かった・・・ことなどをお伝えすると、

「え?お芝居やられてる方なんですか?」

と、聞かれたので、

「はい。宝船という劇団をやってます。でも、夫も劇団『SYOMIN'S』

っていう劇団をやっていて、そこに出たりもしてます」

と、話してみる。

「え?それ、僕観てますよ!あれ、面白かったですね~~~」

「あ、ありがとうございます!」

よかった、観たことはちゃんと覚えて頂けてたんだ!

「えっと、アナタは…それには出てらっしゃらないですよね~」

「あ…出てます。主人公の奥さん役で…あ、でもわからないと思います~」

「あ…大変失礼しました」

「いえいえ、全然!」

と、やはり覚えていらっしゃらなかったのだが、それ以降会話が弾み、休憩あけた後はとても楽しくやれたのだった。

 

収録が終わると、ディレクターさんもクライアントさんも、収録がうまくいったことをとても喜んでいただけた様子で、心底ホッとした。

 

私も、今後お仕事をご一緒した方のことを忘れないようにしなければ。

そして、ご一緒した方にも覚えて頂けるようにしなければ。

覚えていただけてなくても、しゅんとしたり心を閉ざしたりしないで、思い出してもらう努力もせねば…なのだ。

 

今日は、そういう意味では、良くできた方だった。お仕事が楽しかったからだろう。

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