慣れ親しんだオタオタする人生
稽古前に、早めに家を出て、カフェなどで仕事をする予定だったが、いざ家を出ようとしたら、PCの充電がゼロ。
私が作業をしているテーブルの下がプン助の巣のようになっていて、そこでYouTubeを観たり、漫画を読んだり、なんなら食事までしてしまうのだが、その時プン助の足が私のPCの電源コードに当たって、抜けてしまうということがよくあるのだ。
仕方なく、稽古前ギリギリまで、家で作業。
早めに稽古に行くつもりが、またまたギリギリになってしまう。
稽古場へもうすぐ着く…という時に、今度はプン助の担任の先生から電話。
「学校や授業に積極的になれない感じがある中、毎日少しでも登校頑張ってくれてありがとうございます」
先生のお礼がもう、無理やりいい所を拾ってくださってる感じで、本当に申し訳ない。
プン助は、登校をしても算数以外は、殆ど授業に参加していないらしく、時々人の注意を引くために、誰かのシャーペンなどを取っては追いかけっこになっている…とのこと。
「それは、欲しくて取るっていう感じなのですか?それとも、ちょっかいって感じなのですか?」
「ちょっかいですね」
欲しくて取る…というのではないところで、少々安心しつつも、ちょっかいで人のものをとるのも困りものだ。
「生徒達から、何度か報告を受けていて…」
何度も、報告を…。わかってはいたが、本当にクラスの問題児なのだな…。
学校がつまらないのだろうが、退屈さは一人で耐えて欲しいところでもある。
「学習面も、前はドリルとかやって来てくれたのですが、最近はそれも全然やらなくなっていて」
「学校のものが全て嫌みたいなので、家でも別のドリルを渡したりしていたのですが…」
「別のドリルでもいいです。別のドリルを持ってきて学校でやってもいいので、ちょっとずつ学習をして行けないでしょうか?」
え?別のドリル持って行っていいの?先生、どこまで譲歩してくれるのだろうか。しかし、プン助は載ってくれるのだろうか…。
気持ちを切りかえて、稽古。
始めての本立ち。
この本立ちが一番苦手。相手を見たり、また本を見たりをやると、一体どこを読んでいたのか分からなくなったり、何かとても不自由なのだ。
とっとと、セリフを入れなければならないのだが、うろ覚えで立って迷惑をかけるのも心配で、スタンスが定まらない。早く口から勝手に出るような状態にしたいのだが、最近ちょっと認知に自信がない面もあるので、30代のころのように体に染みる状態になるのか、ちょっと心配。
まあ、心配するくらいならやれよという話だ。
作業しようと思ったら、PCの電源が足りず、家でやっていたら、遅刻しそうになり、慌てているところに、先生からの電話、そしてもう少し準備してから臨もうと思っていた稽古でも、オタオタ…。
若い頃は、何かが整えばもう少しちゃんとやれるはず…と思っていたが、もう少し整うことがないままの人生なのだろうなぁ。
一々オタオタしない人間になりたいと思っていた。
でも、もう慣れ親しんだオタオタなので、いつものことだ…とオタオタしながらも、自己嫌悪を引きずらなくなって来た。
これが、いいことなのか悪い事なのかはわからないが、残り時間が少なくなっていく中、無駄に凹むのも効率悪いっていうことなのだろう。
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