家族が女子と男子に別れた晩
プン助と旦那さんは旦那さんの実家の滋賀県へ行く予定だった。
だが、プン助は友達と遊ぶ約束しちゃった…!と、言い出す。
「21日に行くって言ってただろ?!」
「僕は、今日だって思ってなかった。約束しちゃったんだもん」
このやりとりを20分。絶対友達と遊ぶんだ!…というプン助の強い意志が分かったので、旦那さんはプン助に、滋賀のおばあちゃんに電話をさせる。
「おばあちゃんは、お前が来るのを待ってるんだから、明日にしたいなら、ちゃんと自分で言え」
途端に及び腰になるプン助。
「もしもし、おばあば?あのね、僕、今日友達と遊ぶ約束しちゃったの・・・」
そして、黙り込む。
その先の「だから、行くのは明日にしたいんだけど」が、中々言えない。
「約束しちゃったから、無理かも~」
電話の向こうでおばあばが何やら沢山話している。
「うん・・・無理かも~、でも~」
終始気弱なやりとりだったが、10分程後、
「わかったよ~」
と、弱々しく同意するプン助。
「おじいちゃんは明日仕事でいないから、今日プン助が来るのを凄く楽しみにしているから、遅くなっても今日来て頂戴」
といったことを語っていたようだ。
遊びに行くときに、〇時までに帰らなきゃ・・・というプレッシャーがあると、思う存分遊べない・・・ということでゴネていたのだが、元々滋賀へ行くのは楽しみにしていたのだ。
結局、夕方まで遊んで、18時前に出発して、滋賀県へ向かうという結果に落ち着いた。
本当に夕方に帰って来るかハラハラしたが、なんとか帰ってきて、無事に旦那さんとプン助は出発した。
夜はニンタマと二人。
私「楽だね」
ニンタマ「静かだね」
凪いだ海のような心持ち。
私「ご飯も、ささっと済ませられるしね」
ニンタマ「テレビもうるさくないしね」
私「ニンタマと二人だったら、ママ全然家で仕事とかできるわ」
ニンタマ「私、気配あんまりないでしょ」
私「うん。プン助は、カマってカマってって来るし、パパは凄い沢山ごはん食べるし、凄い色々やってくれるんだけど、動きが一々大きいから落ち着かないんだよね」
ニンタマ「わかる~」
私「男は男同士、女は女同士って感じで普段は別々に暮らして週末だけ一緒とかだったら、楽だね~」
ニンタマ「ああ~、でもそれはそれで退屈かも」
ニンタマに退屈と言われてしまった・・・と、ちょっとしょんぼりする。
でも、ニンタマと二人もいいけれど、家族4人っていうのが、結構大変なのだなとも思った。
プン助とも二人きりだと、意外と平和に暮らせるのだ。4人になると、何故か日々嵐の中の航海みたいになってしまう。
このガチャガチャした感じが面白くもあるのだが、疲れている時は、退屈が恋しくなったりする。
夕食後、風呂なども済ませた後、ニンタマと二人で「六本木クラス」を観る。
「やっぱ、平手友梨奈、最高」
「ヤバいよね」
「かわいすぎる」
「天才」
二人で、平手友梨奈の一挙手一等足に盛り上がる。
「このいがぐり頭がかっこよく見える」
という、平手友梨奈が竹内涼真を膝枕しているモノローグに目が釘付けになった後、ニンタマと目を合わせて、大爆笑。
このぞっとするようなこそばゆい気持ちを完璧に共感する楽しさ・・・。
30代前半で、仲良し女子で集まって、「バリでの出来事」鑑賞会をやって、色々な胸キュン的なシーンや、キスをのぞき見してしまって主要登場人物の一人が首を絞められた猫のような顔で泣くところを皆で、笑ったり、キュン死の余り、ギャーっと悲鳴を上げたりしながら盛り上がった時の楽しさの片鱗を感じた。
そうだ…あの頃の私の夢は成長した娘と「SATC」を観ることだった。
まだ道のりは遠いけれど、そんな日がいつか来るといいなぁ。
そんな事を思っていると、滋賀についたプン助から電話があった。
「ママ~、ついたよ~」
「ついたの?おじいちゃんとおばあちゃんの言う事を聞いて、いい子にしてるんだよ」
「ママはいつ来るの?早く来て~」
「うん、用事が終わったら行くからね~」
「待ってる~」
プン助は電話の声が異様に可愛いのだ。
やべぇ、なんでこんなに可愛いんだよ・・・。
ちょっと距離を置くと、可愛さが増し増しになってやがる。
一緒にいると、嵐のように大変なのに。
可愛さと平和のいい感じの折り合いがつく日が来る事を祈ろう。
しかし、あっという間に声も低くなって、スネ毛とか生えるんだろうなぁ。
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