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ルーティンと化した学校行く行かないの騒動と、謎の背面の痛み②

「プン助!ごはん!とりあえず、ごはん食べな。行く行かないは食べてからにしよう」

気持ちの切り替えが難しいプン助だが、水を飲ませたり、食い物を与えたり、10分離れるなどでパっと切り替えられる時がある。

 

今日は親戚が送ってくれた大層おいしいメロンがある!朝食に食べさせてみよう!

プン助はのそのそ、布団から出てきた。

 

もそもそメロンを食べ始め、そのまま味噌汁もごはんも食べた。

 

元気が出て気分が変わると良いのだが…。

 

心なしか顔つきが柔らかくなって来た。

「居残りが嫌ならさ、先生に言ったら?家でやってくるから、居残りは嫌だって」

「ママ、言ってくれる?」

「自分で言いなよ」

「ママが言ってよ~」

「言う隙があれば、言うけどさ、授業中断してまで先生にそれ、話せないもん。ママが言えなかったら、先生に言うんだよ」

しめしめ、行く前提に話が進んでいる。

 

ちょっと休んで、11時頃、学校に行く雰囲気を作り出すことに成功。

私もプン助に付き添うつもりで一緒に玄関へ。

だが、その時、つい余計なことを言ってしまった。

「プン助もさ、毎日毎日遅刻してるのに、友達とプールはちゃんと毎日行くんだもんね」

「まあ、プールはね」

「それも変だよね。これからさ、あんま8時半までとかだったらいいけどさ、それ以上遅刻したら、プール無しにしよう」

軽い気持ちで言ったのだが、これがマズかった。

 

プン助は、履いていた靴を脱いで、部屋へ逆戻り。

「やっぱ行かない」

 

ああ、私のバカ!何故、行きそうになっていたというのに、プール無しとか持ち出してしまったのだろう…!

「ちょっと待って!プールの話したからって行かないっていうのはおかしくない?大体、ママが気に入らないことを言ったとしても、それと学校行く行かないは関係ないじゃん!」

ソファに寝そべり、むくれているプン助。

「理由なんてどうでもいいんだよ。コイツは学校へ行きたくないんだよ」

と、旦那さん。

「学校はママの為に行くわけじゃないでしょ?どうしても行きたくない理由があるなら、それを言えばいいじゃん。それを言わないで、ママのせいにして行かないのは、おかしいよ!なんで行きたくないの?」

「理由なんかない!ママ、嫌い!あっちへ行け」
「人が真面目に話してるのに、あっちに行けとか失礼だよ!好きな時だけ水持ってこいとか、ママをこき使って、あっちへ行けとかひどくない。」

「ひどいのはママだ!」

「ひどのはプンだ」

「行かないなら、ちゃんとママを説得してよ!」

「それは僕が決める!ママに言う必要なんかない!」

「必要はある!水一つ自分で持って来ない癖に、権利ばっかり言うのはさぁ」

「うるさい!」

プン助は私を遮り、私の顔めがけて勢いよくクッションを投げつけて来た。

 

その途端、私はブチ切れてしまった。

 

「ふざけてんじゃねーぞ!下手に出てたら付けあがりやがって!もういいよ!学校なんてやめればいいじゃねーか!!!やめるって言ってきてやんよ!その替わり、偉そうにぐうたらしねーで、役に立つことしやがれってんだよ!自分で飲む水も、自分で持って来ねーで、人にさせやがって偉そうにすんじゃね-ぞ!15、6歳までは家においてやっから、その後はてめーでなんとかしろや!」

 

マンション中に響くような野太い自分の声を人の声のように聴いていた。

近所の人はこの声を誰の声だと思っているのだろうな。いつも気弱にへらへら笑っている印象に違いない私の声だとわかるのだろうか?

いくら野太いとは言え、旦那さんの声には聞こえないだろうし、子供の声にも聞こえないだろう。消去法で、やっぱり私だと思われるのだろうか・・・?

 

「おめーは、自分のことを頭いいとか思ってるかもしれないけど、結局、何もやらないで、いやだいやだっていっているウチに、時間が過ぎて一番無駄な時間を過ごしてんだぞ!」

「頭いいとか思ってないよ!」

「動けるのに、理由つけて動かないのは頭いいんじゃなくて、怠け者なんだよ!怠けている間に、一生終わるぞ!こらぁぁあ!」

プン助にそう言いつつ、このセリフは正に私が自分に思っていることだった。プン助はまだ9歳だけど、私は51歳。うかうかしていると本当に一生が終わる。

だが、不思議なことに怒鳴っている時には、血の巡りでも良くなるのか、背面の痛みを感じなかった。特殊なアドレナリンでも出ているのだろうか?

旦那さん、ドン引きしているだろうな・・・。100年の恋も冷めるような感じじゃないかしら?100年の恋をしていたらの話だが・・・。

旦那さんはともかく、今怒鳴られているこの状況、プン助の記憶として一生残るだろう。

いつかあの時のことは一生許せないと思った…とか言われてしまうのだろうか?

怒鳴りながらも、どうしてこんな怒鳴るハメになってしまったのだろう・・・と、早くも途方に暮れる。

キレる時は、ちょっと幽体離脱をしているような感じで、自分が他人みたいに感じられる。

 

段々怒鳴るネタが無くなってきて、離脱していた私の何かと怒鳴っていた体が一緒になってきて、今起きている事態を持て余す感じになって来た。

プン助の顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。

やっぱり、傷ついているのだろうか?

俄かに罪悪感を覚える。

とりあえず、ティッシュで鼻水と涙を拭いて、水を飲ませると、私もどっと疲れが出てきて、頭と背中の痛みが酷くなって来た。

自分の気持ちも切り替える為に、学校へ電話する。

「宿題をやってこなかった人が居残りになることになって、それが嫌で行かないって言っているんです。今、説得中ですが、後で行くかもしれませんし、行かないかもしれないです…すみません」

学校側も、プン助のことはなんとなく承知しているので、担任に伝えます・・・と、あっさり終わった。

ロキソニンを口に放りこみ、畳の部屋へ倒れこむ。

最初は全然効かないと思ったが、30分ほどすると、嘘のように痛みが引いて来た。

痛みが引くと、気持ちも落ち着いて来た。

 

1時間後、何事もなかったかのように二人で昼ご飯を食べる。

 

「さっきママが怒鳴ってるの見て、どう思った?」

「俺の方が正しいと思った」

「何言ってるんだろう、この人とか思った?」

「うん」

「ちょっとは悲しい気持ちになった?」

「そりゃーね」

「怒りすぎて、ごめんね」

「まあ、俺も、ごめんね」

 

喧嘩を長く続ける根性は私にもプン助にもなかった。

結局プン助は6時間目に登校した。

6時間目なら、行かない方がいいのでは?と思ったりもするが、学校に顔だけでも出しておかないと、放課後友達とも遊びにくいので、そのためだけに登校したのだろう。

プン助は、元気に帰ってきて、「遊びに行ってきまーす」と、プールの支度を持って、飛び出して行った。

「宿題をしてなかった人は居残らないといけないせいで、学校へ行きたくない」

 

、と言っていたことが先生に伝わったからか、結局居残りはしないでいいと言われたらしい。

 

平和に暮らすのってどうしてこんなに難しいのだろう…。

キレてしまうのは、自分にとって難しすぎる問題が次から次へと振ってきて、それに対処できないのに、対処できているふりをしようとしたり、子育ての道として正しいと言われている寄せ集めの知識を駆使して、遠隔操作のような感覚で勝負をしているからなのかなぁ…と、ぼんやり思った。

 

 

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