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迷えるカットマンへの道

3月末から、参加させて貰っている卓球練習会へ。

 

卓球をする場所を求めてあちこちに出没したり、初心者講習で知り合い、成り行きでナンパしたご婦人と卓球台を解放している日に、練習したりしているうちに、ひょんな事から、その練習会へ呼んで貰えたのだ。

 

練習会を開催している日で来られる時に参加すればいい…という緩い感じなのが、子育て労働者の私にとって、とても好都合。

 

卓球部だった高校時代、下回転をかける守備型のカットマンであったが、今はカットのやり方もすっかり忘れてしまっていた。

だが、過去カットマンだったということで、毎回その日に来ているカットマンの方に紹介されては、ちょこちょこ指導して貰うことになった。

 

参加費は300円で、教えてもらえるなんて…と、凄いお得ではないか!

 

最初に教えてくれた女性は、昔はフォアカットする時は、右足を後ろに下げていたけれど、今は違う。

開いた両足をほぼ平行な体勢で構え、カットする時に少しだけ右足を下げて、すぐに両足平行のスタンスに戻る。肘は下まで延ば仕切らず円を描くように元の位置へ戻す。

 

と教えてくれた。

その私のカットを見て、なんでこんなにぐにゃぐにゃしてるんだろう…、ピョコピョコしすぎているし、力が入りすぎだし、カットする時にそんなに左足をあげたら、体勢が崩れて、次の球に対応できなくなる…と、どう教えたらいいか困惑した様子だった。

 

でも、その後の自主練でなんとなく、その女性の言わんとしたことが分かって来たような気がした。

 

別の日。

軽やかな蝶のようなプレーをする60代くらいのナイスミドルに教えて貰えることになった。

 

前日の女性とは違い、足は両足平行ではダメ。右足は前。

 

昔は、右足を下げてフォアカットを打っていたけれど、そうすると、バックを打とうとした時にすぐに戻れない。でも、右足を後ろに引いていたら、そのままバックカットも出来る。そして、手は下に振るんじゃない。左だ。左に振っても、ちゃんと球には下回転がかかるんだ。

 

と、力説。

 

前日の女性の教えの癖がつき始めていたので、その軽やかな蝶のようなナイスミドルの教えには若干面食らった。

だが、ごまかして自分のやりやすい方法で打とうとすると、すぐにプレーを止められる。

「右足前!」

「手は左!」

これは、ごまかせない。

 

観念して、ナイスミドルの言う通りにやり始めた。

やりにくい…と、最初は思ったのだが、何度かやっているウチに、急にいい球が打てるようになってきた。

 

「あれ?これ、凄いやりやすいかも…!」

 

すると、それまで私のカットを心配していた先輩方も、

 

「おお!いいじゃない!」

「全然違うよ!」

「〇〇さんに教わってよかったね!」

 

と、誉めそやしてくれた。

そうか・・・右足前、手は左ね!

掴んだ…!

この感覚忘れないようにしなきゃ・・・!

 

高校時代と今のカットは大分違うのか・・・でも、今のカットもやれる気がしてきた。

 

そして、今日。

 

前回のナイスミドルと、仲良さそうにプレーをしていたドライブマンの村松利文さん似で花柄のウェアーを着ていた紳士が相手をしてくれた。

 

「あのね、右足前はダメ!右足はちょっと下げるの」

 

開口一番、そういわれ、またまた面食らう。

 

「手、左にやっちゃダメ。下だよ、下」

 

またまたまた面食らう。

 

ナイスミドルの助言と真逆じゃないか・・・。

 

どうせ見えないだろうと、右足前で打つと、すぐに叱責が飛んでくる。

 

「右足は後ろ!」

 

だめだ、バレる・・・。

 

「あのね~、フォアカット、左にふると、横回転かかっちゃうんだ。下手の人相手ならそれでも効くけど、ちゃんと下に振って下回転かけないと、上手い人には勝てないよ!この間、左にって言われてたでしょ?あれ、だめなんだよ。うまくなんない」

 

ナイスミドルと花柄紳士、仲良しに見えたのに、プレーに関しては思う所があったのだろうか…。

 

花柄紳士の言う通りに打とうとしてみるが、すごくやりにくい。そこまでレベル高くならなくていいから打ちやすいようにやりたいな・・・。今は、言う事を聞いておいて、後でナイスミドルに教わったやり方に戻そうかな・・・と思った途端、

 

「あのね、色々な人に教わると思うけど、僕が言ってるコレ、絶対間違ってないから。右足後ろ、手は下!ね!」

 

と、花柄紳士。

 

ああ、どうすればいいんだ・・・。

 

教えて貰えるのは、有難いのだけど、訳わからなくなってきた。

 

旦那さんに、その話を告げると、

 

「全部できるようにして、その相手ごとに、使い分けたら?それができたら、凄いうまくなるんじゃない?」

 

と、笑っていた。

 

でも、まあ、そうだな・・・。

 

今はどのやり方とか考えずに、毎回アドバイスに従っているウチに、なんとなく自分にしっくりくる道が見えてくるのかもしれない。

 

しかし、教えて貰えるのはありがたい…と、思っていたが、考えものだ。

 

カット以外にも、打ち合った相手全員に「ラケットを押すな」「ラケットをもっと押した方がいい」「ラケットを寝かせるな」「ラケット、もっと寝かせて」などと、アドバイスをされまくった。

うーん、ワケわかめだよ。

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