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タニタちゃん

8月に体重計が壊れた。

新しい体重計をポチったら、翌日には届いた。

タニタの体重計。

生年月日と体重と身長を登録しておくと、体脂肪やBMIや筋肉量や体年齢を表示してくれるタイプの物なのだが、これがなんと三千円台。昔と比べ、安くなったものだ。

プン助と、旦那さんは、一足先に滋賀に帰省していたので、母と私とニンタマの3人分の数値を登録した。便宜的に私が1、ニンタマが2、後々3と4に旦那さんとプン助を入力するとして、母は5で入力。

 

しかも便利な事にと「乗るピタ機能」いうのが、ついている。

昔のタイプだと、電源をいれて番号を押して、0の数値が出てから乗って図るのだが、新しい体重計は、中々気が利いていて、電源を入れたり、番号を押さずとも、乗れば

 

「あら、1番の人ね!はいはい、わかってますよ」

 

という感じに推測してくれて、体脂肪やBMI、筋肉量、体年齢を出してくれるのだ。

なんと、賢い奴なのだろう。

 

早速試してみる。

 

最近、運動不足で体力も落ちているので、ヤバイだろうな・・・と、恐る恐る数値を見てみる。

 

体重は伏せておくが、BMI20・9、体脂肪26、筋肉量36・1、体年齢41・・・

 

え?体年齢41歳!!!

 

やだ~~~8歳も若い~~~!

ウソでしょ?と思いつつ、満更でもない気分。

 

続いて母が乗ると、母は私よりも若干体脂肪は多めではあったが、大体似たような数値で、体年齢は62歳!

77歳の母が62歳と、15歳も若いのだった。

なんだ、若いのは私だけではなかった・・・母の方が実年齢よりもずっと若いのか・・・と、思いつつ、二人で大笑い。

「じゃあ、ニンタマも!」

と、9歳のニンタマが乗ると、慎重は私よりも10センチ以上小さいのに、筋肉力はほぼ一緒。

さすが、若い。

 

さて、体年齢は…?と、見てみるが、体年齢は表示されない?

 

まさか、実年齢よりも9歳以上わかくて、0歳よりも若くなってしまったのか?

と、非科学的な事を考えたが、取説を読むと、10歳以下は表示されないらしい。

たしかに、9歳なのに、1歳とか5歳などと出たら、若いとか喜んでいる場合ではない。

 

「なんか、この体重計、ちょっとお世辞使ってんじゃない」

などと、言いつつ、

 

「今日は何歳かしら?」

 

などと、乗るのが楽しみになっていた。

 

そして、8月も終わりのある日。

体重計に乗るといつものようにBMI、体脂肪、筋肉量が出て、

「ああ、あんまり変わり映えしないわね」

と、思いながら、体年齢ば表示されるのを待った。

そして、表示された数値を見て、目を疑った。

 

62・・・!

驚きのあまり、もう一度乗ってみるのだが、今度は64!

 

「嘘、あんた、お世辞使いのゴマすりッコじゃなかったの?!このお世辞使いに64とか言われた日には、私、どうしたらいいの!」

と、慌てふためいていたが、ハッとした。

よく見ると登録番号が「5」だったのだ!

 

そうか・・・!このタニタちゃんは、私と、母を間違えて、ゴマをすったのね!

なんだ、そっか…と、思いつつ、何度乗っても、5番の63とか62とか出てしまう。

母は最近少し背が縮んだが、元々私と同じような身長で、最近は体重もほぼ同じくらいなのだ。

 

仕方がない。

ちゃんと、電源を入れて番号1を入力して、測るか…。

 

すると、いつも通りの感じで、42歳と表示された。

良かった・・・。

でも、なんで、母と私を間違えたのだろう…。

というか、私と母の違いってなんなのだろう・・・。

 

そして、今日・・・。

 

脱衣所から

 

ぎゃ~~~!

という悲鳴が聞こえて来た。

 

「お母さん、私、40歳だって~~~~!」

 

と、叫びながらニンタマが飛び出してきた。

 

身長も体重も私より12ほど少ない数値が出ているのに、まさかの40歳。

 

登録番号は1だった。

 

タニタちゃん、3のニンタマと1の私を間違えたのだった。

身長、体重が似たような感じの母と私は分かるのだが、こんなに体格差のある、私とニンタマを間違えるかね・・・。

取説を見て見る。

 

「乗るだけでスイッチオン!」「登録番号2番の人だ!」「ピタリ!」「しゃがんだりボタンを押したりしなくていいから簡単です」

などの言葉が、述べてある大分下の方に、

 

乗るピタ機能は、誤認識することがあります・・・

 

と記されていた。

まあ、そうだよね・・・。そりゃそうだよね・・・。タニタちゃんからしたら、重さと足の裏から伝わるなにがしかの情報と、入力してある数値だけが頼りなんだものね。

わかんないよね・・・。

乏しい情報を頼りに、一生懸命お世辞まで使ってくれてるのに、不満なんて持つわけがない。

正確にドヤ顔で数値を訴えて来るヤツより、よほど親しみが持てる。

ただの白と銀の体重計なのに、誤作動するようになってから、見た目からも愛らしいフォルムに見えるようになってきた。

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