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つけていたくもない扇風機を1時間近くなんとなく消さなかった件

 

 

朝、5時起床。リビングへ出てみると、扇風機が回っていた。

 

夜中に起きていた旦那さんが、つけたらしい。

 

「消し忘れたのね」

 

と、扇風機を止めるのが普通なのだろうが、私が扇風機を止めたのは、6時近く。

 

「あ、そうか…これ、とめていいんだよなっていうか、止めないと電気代勿体ない」

 

と、気付いたのが、その時間だったのだ。

 

普段から、あまり周りのことが気にならない性質なのだが、私よりもしっかりしてそうな旦那さんがわざわざつけて、止めないで寝たということはきっと何らかの考えがあるのだろう…。

 

部屋干しをする時にいつも扇風機を角度を替えつつ当てたり、扇風機の風の向け方に関しても私よりも深い考えがあるに違いない

 

わざわざつけたまま寝たものを私が消すのも悪い…。

 

はっきり認識していないが、漠然とそんな感覚を持っていた。

 

しかし、風が当たるのは、寒いし、次第にストレスを感じ始め、ムクムクと別の感情が湧いて出て来た。

 

「なんだよ、これ、寒いな…消しちゃだめなのかな・・・」

 

「寒い・・・消したい」

 

「あれ?そもそも深い考えがあっての事じゃなくてさ、ただの消し忘れなんじゃない?」

 

そうなると、早かった。

 

「っていうか、止めていいに決まってる!むしろ止めなきゃいけなかったんだ!」

 

そして、やっと扇風機を止めたのだった。

 

その後、

 

何故、私は50分近くの間、扇風機を止めようと思わなかったのか?

 

思い起こしてみると、薄々、ストレスに感じていたのに…これって思考停止なのでは・・・

 

消そうと思わなかった自分にダメ出しが始まった。

 

思い至ると、私の人生にはそういうことが多い。

 

薄々気付いていることに目を瞑ってしまうのだ。

 

目を瞑っている時には自分が目を瞑っていることに気付かない。

 

薄々感じ続けているストレスにも気づかないのだが、ある瞬間にずっと我慢していたことに気付くのだ。

 

たまたま扇風機だったので、まだマシなのだが、自分に本当に害が迫って耐えかねるまで思考停止してしているのだ。

 

今まで、耐えられない状況になって他人に苦情を言ったり、その原因の環境の問題を訴えたりして来た事は多々あった。

 

だが、総じて最初は気のせいかな?とか、

 

このくらいなら我慢できる

 

と、一つも不満を言っていなかった。

 

誰かが同じ不満を訴えることで自分も同じことを思っていたことに気付くこともあれば、ふとした拍子に、これは自分が限界まで我慢してい

 

たことに気付き、意を決して頑張って不満を言ったりして来た。

 

だが、総じて不満の対象、もしくは私が不満を聞いてくれた人から、

 

「そう思ったのなら、最初に言えばよかったのに」

 

「嫌だと思った時に言えばよかったのに」

 

 

と、言われるのだった。

 

それはよくわかるのだが、その時は、自分でもよくわからないのだ。変な違和感を感じていたのかもしれないが、

 

大体早くて数時間後、遅ければ数年後に気付いたりするのだ

 

つもりつもってから言うと、根が深くなってしまうのは分かっているのだが、その場で反応できないのだ。

 

 

 

旦那さんが起きてから、

 

 

 

「これ、私の人生にとって結構重大な問題だと思う」

 

と、話すと、旦那さんも

 

「そういう所があるのはよくわかる」

 

と、親身になって聞いてくれた。

 

「直したいけど、こういうのはその場で気づかないから直せないんだよね」

 

「うん。まずさ、小さな決断を毎日きちっとしていくって言うのことから始めたら?俺はそうしてる

 

「そうだね…。あの案どうしよう…とかいうことも先伸ばしにしないで、一旦決めた方がいいよね。そういうのって後にしても、結局時間なくて雑になるだけだったりするし、一旦決めるって大事かもね・・・」

 

「そうなんだよ…そういう事を練習するっていうか・・・まずはさ、ちらかったモノをどこに置くかとか、これは捨てるのか…とか、そういうことをやって行くのがいいんじゃないかな

 

「・・・ん?」

 

頷きかけて凄い違和感を覚えた。

 

 

 

え?これ、なんかちょっと論理すり替わってない?

 

これは私の人生相談に乗ると見せかけた、私の散らかし癖に関してのダメ出しなのでは?

 

 

 

ていうか、常日頃片付けられない私に対する不満が、形を変えて、今ここに?

 

 

 

「うーん、言わんとすることは凄くよくわかるんだけど・・・そこには、そうだね!って今あんまり言いたくないかな・・・」

 

 

 

というと、

 

「いや、ホント、そういうことの積み重ねなんだよ。俺はモノを捨てたり、片付ける時もその練習だと思ってやってるんだって

 

と、再度主張をしていたが、自分でも自分の真意に気付いているのか、若干ニヤニヤしていた。

 

「凄く苦労をかけているのはわかっているし、悪いなって思っているけど、なんか、そこは・・・」

 

と、旦那さんの傍から逃げ出した。

 

 

 

え~~~、この話からそこへいくのかよ~~~~!

 

 

 

味方になってもらおうと思ったのに、とんだ藪蛇だ・・・・。

 

ここぞとばかりに、苦情を言われてしまった・・・。まあ、別にアドバイスを求めているわけでもなく、

 

 

なんとなく「そうだね」と、言って欲しかっただけなのだが・・・。

 

 

 

そうだね…と言ってもらう為に、今気づいた自分の問題点を延々と話すのも、多忙な子育て家族にとってはとんだ時間泥棒ではあったかもしれない。

 

このちょっとした反省は、「そうだね」と言ってもらえたら出てこなかっただろう。

 

望む形と違うことを言われて納得がいかなかったことを、「そもそも話す必要もないことを人の時間を奪ってまで延々と話したからだ」と、自分のせいにして納得したのだ。

 

私の話から解放された旦那さんは、大音量でニュースを観ながら、片付けをはじめ、

 

それが終わると猛烈に腹筋、背筋、腕立て伏せをやっていた。

 

 

 

まあ、旦那さんが言っていたことも正しいのかもしれない…。

 

モノを捨てたり、片付けることで小さなことの決断をする練習ね・・・。

 

多分やれないと思うが、元気があったらやってみてもいいような気もしてきた。

 

 

 

筋トレと家事を終え、旦那さんは猛烈な勢いで、仕事に出かけて行った。

 

大音量のニュースは流れっぱなし。

 

これは、当然消していいんだよね・・・とこの時は、迷いなくテレビを消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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