空手やめるのか?!
急いで16時前に帰宅。
先週の金曜日は間に合う時間にいったにもかかわらず、遅刻して怒られたらいやだと空手をすっぽかしたプン助を、道場まで送り届け、その後、イボの治療のためにニンタマを皮膚科に連れて行かなければならない。
皮膚科は17時過ぎると、激混みになるので、一刻も早く連れて行かなければ。
中々慌ただしい。
プン助の空手の胴着や防具の準備をして待っていると、遠くからプン助の叫び声が。
プン助はいつも奇声をあげながら、走って帰って来るので、100メートルくらい先から帰って来るのが分かるのだ。
準備を万全に整えていると、ドアを開けるや嫌な
「空手行かない!」
と、叫ぶプン助。
この土日に、空手を辞めてサッカーをやりたいと、言い出していたのだが、一応けじめとして5月中はちゃんと通って、ちゃんと挨拶をしてやめようと、話していたのだ。
とはいうものの、たまたま私の勘違いなどで、空手に行く日を間違えたり、ゴールデンウィークもあり、空手に通わない日が続いてしまった。
しばらく行かないでいると、なんとなく乗り遅れた気持ちになり、行きたくない気持ちになったりもするものだ。
本当にやめたいのか、なんとなくの気後れなのか、こちらもちゃんと見定めたいと思っていた。
「もう、辞める!行ったとしても、今日辞める挨拶するんじゃなきゃ、嫌だ!」
こんな時ほどどっしり構えるべきなのは、わかっているが、私は小者の親なので、
皮膚科に行かなきゃならないというタイミングで、プン助の主張に全く耳を傾ける余裕がなかった。
「うん、うん、ま、とりあえず行こう!」
「挨拶するんじゃなきゃいかない!」
「うん、まあ、行きながら考えよう!」
「そうだね、うんうんとにかく、行こう!」
なんとか、プン助の口に小さめのアイスなどを突っ込んで宥めすかしたりしながら、なんとか空手に連れて行く。
道すがら、「やめるから!」と、何度も叫ぶプン助。
しばらく行くと、前方に胴着を来た少年達がいた。
プン助に気付き、
「あ!プンだ!」
「プン!」
と、プン助に呼びかけてくる。
すると、途端に照れくさそうだが、嬉しそうに笑うプン助。
私のことを放って、少年達と嬉しそうに道場へ走って行ってしまった。
急いで、家へ戻り、今度はニンタマを皮膚科へ。
皮膚科はかなり混んでいた。
50分ほど待たされた後、治療。
液体窒素で、手と足にできたイボを火傷させて、イボの菌を消滅させる治療。
かなり痛いらしく、液体窒素でじゅーっと焼かれるたびに、私にしがみつくニンタマ。
可哀そうに・・・と、思いつつ、空手の迎えに間に合わないのでは?と、冷や冷や。
治療を終えてから、再び空手の道場へ向かうと、すでにレッスンは終わっていたが、プン助は友達とじゃれ合っていた。
先生は、私を見て、
「プン!お母さんが迎えに来たぞ~」
と、プン助を呼んでくれる。
先生の顔はなんとなく、意味深に見えた。
プン助はもう、辞めるなどと言ったのかもしれない。
側に来たプン助に
「どうする?」
と聞くと、
「5月の間は行く!」
と、明るい顔。
やっぱり、やってみたら楽しかったのか・・・。
帰り道に、先生にやめる話をしたのか?と、聞くと、何も言っていないけど、知ってるみたいだったと、答へ、なんでだろう?と、不思議そうなプン助。
おそらく、中々来ないと思ったら、微妙な顔で現れたので、経験上何かわかるものなのだろう。
空手は楽しそうだったが、週2回行くのがやっとだった。
最近はあれほど好きだった学童も早く帰りたがり、公園に行ってサッカーやったり、誰かと遊ぶのが楽しくて仕方がないらしい。
サッカーを習いたいと言っても、やっぱ今日は遊びたいとか気楽に休んだりすると思うので、ちゃんと通えるんじゃないと、中々習わせられないよと伝えたら、
「だったら、習わなくていいや!」
とのことだった。
遊ぶのが一番・・・だとは思う。
だが、プン助を無防備に野に放つのも少々覚悟がいる。
週末や、学童から帰った後のわずかな時間に公園に遊びに行ったりしている程度でも、ブロックを投げた、仙川の柵によじのぼって、降りようとしていた、近所の子供らに、寄ってたかって落ち葉や砂をかけられていた・・・など、ハラハラする情報が入って来ている。
人に危害を加えるのも心配だが、寄ってたかって落ち葉や砂をかけられていたというのも心が痛んだ。
構われるのが好きなので、最初は「やめろよ~」と、言いながら、喜んだり「もっとかけろよ、俺、平気だぜ」などと煽ったりしている姿が目に浮かぶ。
嫌がらないと、面白くないと、他の子供達も「平気なんだってさぁ~」と掛けに行き、どんどんエスカレートしていき、本当はもう嫌だと思っても嫌だと言うのが悔しくて、「平気平気~」と、煽り続け、周りの子供も嫌だと言わせるまでムキになってしまったのだろう。
幸い、その時は、義母が目撃し
「こら~~~~!」
と、相手の子供ら一喝し、
「あんた達にもかけてあげようか!?かけられたら、どんな風に思うかわかるでしょ!」
と、言ってくれて収まったらしい。
私がその場にいても、とてもそんなことはできなかったと思う。まずい!と思っても、プン助が嫌がった態度をとっていなければ、何も言えなった気がする。もしくは、
「ちょっとちょっと、ね・・・やめようか・・・ね・・・」
と、恐る恐る曖昧な薄ら笑いで言うのが関の山だろう。
色々なことを乗り越えて、人間関係を学ぶと言われているが、私自身色々学んでも、全く人間関係が上手になってはいない。
そんな私に、学校や学童から、プン助君が〇〇しました・・・プン助君、もう少し生活面がちゃんとできるようにならないと…という類の電話がジャンジャンかかってっ来る。
つまり私の心配ごとは、プン助の心配も勿論あるのだが、自分のことだけでもオタオタしているのに、すいません、すいませんと謝ったり、言い訳したりしなければならない事態が増えてしまう…という、自分の都合も多々あるのだった。
大人になって、自分のしたことじゃないことにペコペコ謝りまくらなければならないのは、一般知識として知ってはいたが、実際になると結構ショッキングだった。
まあ、なるようになると、深く考えないことにしよう…今は。
| 固定リンク