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スキー旅行六日目

朝早くから荷造り。

部屋の荷物をまとめた後、地下にある乾燥室へ行き、スキー板やブーツをスノボのケースに入れに行く。

スノボのケースだとブーツや他の衣類なども入れられるので、いつもスキーケースではなくスノボケースに入れていた。

ニンタマのスキーをまとめた後、自分のスキー板をしまおうとして、愕然とする。

どうしてもスキーが収まらないのだ。

このケースに入れて宿に送ったはずなのだ。それまでこのケースに入れるのに、困ったことは全くない。

 

たった5日でスキー板が成長したのか?

いや、そんな馬鹿な…。

 

怪我をしてからというもの、妙に板を重く感じたことを思い出す。

宿の送迎バスで板を積んでもらう時、今まで普通に横向きに乗せていた板を、宿の人がある時から

「おや、長いな…」

という感じに持て余し、縦にして座席の下に入れ込んでいたこともあった。

スクールの先生が私の板を、凝視していたこともあった。

何度かビンディングの色、こんなだっけ?と思ったこともあった。

板に書いてあるアルファベットの文字もこんなだったっけ?と、違和感を感じてもいたが、全体的に赤っぽい板だったというざっくりとした印象はクリアしていた。

 

そして、深く考える前に大騒ぎしている子供達に気を取られて、すっかり忘れてしまっていたのだった。

 

だが、もはや事態は明らかだ。

 

 

いつの間にか、どこかで違う板と入れ替わったのだ。

誰かが私の板を間違えて持って行った可能性もあるが、それは考えにくかった。

 

こんな間違いをやらかすのはおそらく私に違いない。

繁々と板を名が見えていると、パッと見では気づかない箇所にマジックで〇〇〇と、名前が書かれていた。当然、私の名前ではない。

 

「ごめんなさい!○〇〇さん…!」

 

受付のおばあさんに2日から今日までの間に〇〇〇さんという人が泊まっていなかったか、聞いてみる。

「お調べしますね」

2日、3日は何を聞いても話しかけるなオーラ全開だったおばあさんだが、4日以降客が減ったせいか、親切に応対してくれた。

 

その間、スキー場にも電話をして調べて貰った。

私は自分の板のメーカーは覚えていたが、どんな種類の板だったか、ビンディングのメーカーも失念していた。店員さんに勧められるまま、そこそこお買い得の板を買っただけだったのだ。

 

某国産メーカーの名前と身長より低い板(おそらく150センチ)買ったのだが、この板に書かれているサイズは170センチで、〇〇〇さんと名前が書いてあることを伝えた。

スキー場の係のKさんという女性は非常に感じがよく、手掛かりの少ない私の話根気よく聞いてくれた。

 

170センチの〇〇〇さんの板は、宿泊している宿に置いておいてくれたら、取りに来てくれることになり、私の150センチの板に関しては、冬休みなどの忙しい時期が終わった時点で忘れらえている板を集めた中から探し、あってもなくても連絡をくれる…ということになった。

 

宿のおばあさんから連絡があり、受付に行く。

 

「宿泊者の中に〇〇〇さんって方はいなかったですね~。もう、その板を持って帰ってお使いになったらいいんじゃないですか?ずっとそれで滑れてたんでしょ?

 

確かに板の長さが20センチも違うのに、全然滑れていた。

むしろ、安定感も増していたくらいだ。

 

帰り際に重すぎて苦痛に思う以外に、違和感を感じなかった程だ。

 

「いえ、さっきスキー場にも電話したら、落とし物として取りにきてもらうことになったんです」

「あら、そうですか…。でも、あなたの板は届いてないんでしょ?板、なくなっちゃうわね…」

 

そうなのだ。私の板が届けられなかったら、当分板を買う訳にも行かない。レンタル代も馬鹿にならないと板を買ったはずなのに…。

しかし、かといってこの板を持ち帰ったら、それはネコババになってしまう。

〇〇〇さんも名前を書いているくらいだから、さぞかしこの板を大事にしていたはずだ。

烈火のごとく怒っているかもしれない。

自分だったら、絶対怒る。

 

取り違えた板が無事に持ち主の元へ届くように、願いつつ荷造りを終え、宿を後にした。

 

日帰りセンターで越後湯沢行のバスを待つ間、トイレに行きたがらないプン助にトイレに行くように説得する過程で、大ゲンカになったり、その替わりにおやつを買ってくれと言われたりしつつなんとか、越後湯沢へ。

雪国では寒い寒いと大騒ぎしていたプン助だが、東京についた途端、半そでになり、上着を着てくれなくなった。

実際の寒さよりも、ビジュアルイメージで暑さ寒さを感じているのかもしれない。

着ろ着ろと言い続けるのにも疲れ、諦めた。

 

帰宅後、冬休みの宿題が終わっていない!と、言いつつテレビばかり見ていた子供らだったが、寝る前になって大泣きしながら、宿題をやっていた。

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