こうして、私は円背になっていく・・・川の字で寝るのはもう限界か?
数年前から、体に異変を感じている。
出産から役者仕事をすることがほぼなくなった。
座り仕事がメインになったことと、加齢や子育てでの疲れで、日課だった運動やストレッチを怠けるようになってしまったせいなのか、肩甲骨の真ん中とみぞおちが苦しい症状が続くようになっていた。
2年ほど前、早起きして毎朝2時間ほどストレッチポールに乗って、数日間DVDを見続けたことがあった。
その時は症状が嘘のように軽くなった。
だが、今はそんな時間があったら、寝ていたい…。
人は、若者から中年になり、お年寄りになっていくが、いきなり変わるわけではない。
少しずつ少しずつ変わっていく。
一人目出産の時に、顎のラインがもたつき始め、二人目出産の後、もたつきではなく二重あごになった。
体重は大して変わらないのに、背中が分厚くなったり、ウェストが太くなったり・・・。
若い頃は、すぐに生活を改めて改善できたことが、今はできない。
以前より、衰えようとする勢いが増してきている。
その勢いに抵抗したいのだが、抗えなくなってきた。
身長も2ミリ縮んだ。
まっすぐ立つ筋力がなくなり、肩は前にせり出し、背中は丸まろう丸まろうとしている。
円背・・・という奴だ。
左右の肩甲骨が離れて、丸い背中になって行くのに伴い、脚の付け根もまっすぐ伸びなくなり、前かがみになって来ている。
見た目も年寄り臭くなるが、これを食い止めないと、歩くのも立つにも体に負担がかかるようになってしまいそう。
まっすぐの棒は、バランスさえ整えば、直立するが、あちこち曲ってしまった棒を立たせるのは困難だ。
一応、あと数十年は生きる予定なのに、その数十年、あちこち痛い思いをしながら暮らすのはしんどい。
ここで、なんとか頑張ってある程度、体をまっすくに戻しておきたい。
円背を食い止めたい!
そんな訳で、ここ数日、寝る前に10分、20分だけでもストレッチポールを縦にして乗ったり、横にして乗ったりしていたのだが、あまりの気持ちよさについつい寝落ちしてしまう。
確かに背中は伸びているのだが、すっきりするというよりはだるい痛みが伴っている。
だが感覚的には、まだまだ伸ばしたりない気がする。
ストレッチポールに乗りながら、寝落ち…を三日ほど続けた。
昨晩突然、具合が悪くなった。
かろうじて、子供ら二人を風呂に入れたが、自分がパジャマを着るのがやっとで、立ち上がれなくなった。
風呂上がりにさっさと服を着なかったり、濡れた体であちこち走りまわる子供二人。
乾燥肌なので、クリームを塗ってやり、パジャマを着せて、歯をみがいてやったり、水や牛乳を飲ませて、布団をしいて…そして、自分も歯を磨いたり、クリームを塗ったりしなければ、休めない…。
道のりが遠い…。
ニンタマは自分でパジャマを着たり、歯を磨いたりできるが、まだまだ甘えたい年頃なので、歯を自分で磨けというと機嫌が悪くなるし、仕上げはしてやらなければならない…。
考えるだけで絶望的に気力がわかない。
「ごめん、ママ、立てない…。今日は、自分でパジャマ着て、歯磨いてくれないかな・・・」
すると、いつもは頼りになるニンタマのほうが、
「え~~~!」
と、不満を漏らした。
一方、プン助は・・・まだ裸だったが、駆け寄って来た。
「オレ、大丈夫だよ!一人でやれる!」
そして、まだ水滴の残っている裸のままの姿で、
「ママがすぐ眠れるように…」
と、押入れの上の段から布団を引きずり降ろそうとし始めた。
しかも、逆の襖をあけて、そこから必死に引っ張っている。
「プンちゃん、襖逆だよ…」
というと、襖をあけなおして敷布団を3枚、無理やり引きずり降ろして、四苦八苦しながら敷いてくれたではないか!
あんた・・・そんなこと出来たの?今までそんな実力発揮したこと無かったじゃない・・・!
私が驚いていると、
なぜか、また襖を逆に開けてかけ布団を下ろそうとしているので、
「逆だよ、逆、逆」
と伝えてやると、また襖を開け直して、かけ布団も掛けてくれた。
掛け方が乱れているところは、ニンタマが直してくれたが、ほぼプン助が一人で、家族全員分の蒲団を敷いたのだった。
「ほら、ママ、布団に入って!」
その日プン助は、保育園から全く帰ろうとせず、小さい女の子の大事にしている工作を奪い取り、
「戦いしようぜ」
と、戦いを挑んだりして泣かせていたので、私は激怒していたのだった。
「強くて大きいお兄ちゃんに戦い挑むんなら、まだいいけど、小さい子が大事にしているもの、取ったり、戦いごっこで泣かせて、お前はそんなかっこ悪いやつなのか!」
と、言っても、自分は悪くないと言い張ったので、
「だったら、かっこ悪いことしてもいいよ!っていう、お母さんのいるおうちの子供になりな!荷物まとめてやるから、出て行け!」
と、自分でも引っ込みがつかない程逆上し、プン助もそんな私に一歩も引かず、殴りかかって来たので、
「そんななめ腐った態度を取る奴はおやつ抜きだ!」
と、おやつ抜きにしていた。
もっと上手な方法で子供に接する親もいるだろうに、なぜ自分はこんなに逆上してしまうのだろう・・・と、落ち込みつつ、なし崩しに仲直りはしていたのだが、その同じ日に、プン助のいい奴ぶりを見せつけられ、ホロリとする。
「ごめんねぇ、ママ、どうしたんだろうね…、すごく疲れちゃったみたいで、背中とお腹が苦しくて…」
と、洩らすと、やさしくヨシヨシと頭をなでてくれるプン助。
その横で、
「それは、私も同じ。私もすごく疲れてるし、背中もおなかも痛い」
と、アピールするニンタマ。
「ママ、もう寝ていいからね。俺、自分で歯も磨けるし」
と、私を寝かしつけようとするプン助と、
「そうだね、明日は元気になってもらわないとだもんね。」
と、なんとなく無言のプレッシャーをかけるニンタマ。
ニンタマは損な性分だ。普段はプン助の100倍、助けてくれたり手伝ってくれたり、人の気持ちを読むのに、こういう時に間が悪い。普段頑張っている分、わかってもらおうとして、アピールしているのに逆効果になっている。
一方、プン助は、得な性分なのかも。
普段あまりにも何もやらなかったり、一々親に苦労をかける分、たまに何かをするだけで、こちらも異業を成し遂げたように感動してしまう。
とりあえず、3人で布団へ。
背中の痛みとみぞおちの痛みの原因はストレッチポールに乗りすぎだと思いながらも、乗ると気持ちいいので、この日もついついポールに乗りながら寝落ち。
夜中、息苦しさを覚え、目を覚ます。
ストレッチポールから降りようとするも、 私のお腹を枕にニンタマが寝て、足を枕にプン助が寝ているので、身動きが取れない。
一緒に川の字で寝ている限り、安眠はできない。 体をまっすぐにして眠ることもできない。 座り仕事のせいもあるが、寝ている時に常に、子供らが乗っかって来ておかしな体制で寝ているのも、具合が悪い原因に違いない。
健康のためにも体の老化を防ぐためにも、そろそろ子供と離れて寝たほうがいいのだ。
わかっているのに、どうしてこんな苦しい思いをして、一緒に寝ているのだろう。
別に寝ると言ったら、最初は子供も嫌がるだろう。
でも、子供はすぐに子供だけで寝るのに慣れるはずだ。
多分、離れられないのは子供ではなくて、私の方なのだ。
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