ウルトラマンXとおしっこに祟られた一日
今日は、プン助を朝早く起こす約束をしていた。
前の晩にAmazonプライムでウルトラマンXを見たいと騒いでいたのだが、お風呂から出た時点で、既に9時半だった。
「もう寝る時間だよ」 と、説得したが、
「観たい!観たい!お願い、お願いお願い」
と、お願いポーズを連発して、しつこいプン助を
「明日早く起きて、見せてあげるから」
と、寝かしつけたので、朝6時20分に起こすことになっていたのだ。
「ほら、エックス観たいんでしょ?」
と、丸太のように転がっているプン助を起こす。
だが、笑顔なのに、プン助は何故かきまり悪そうにしている。
何やら不吉な予感・・・
「漏らしちゃった・・・えへへ」
えへへじゃね〜よ!えへへじゃ・・・!
最近トイレを失敗しがちなので、前の晩に、オムツを履くように言ったのに・・・。
「ちゃんとトイレに行くから!」
と、オムツを拒否したのは、誰だ・・・!
私は用事が溜まっていて4時半に起きて、その日の洗濯を済ませていた。
これで、もう洗濯は終わったと一つノルマをこなしたつもりだったのに・・・。
毛布、シーツ、プン助のパジャマやらを再び洗濯しなければならないのか・・・!
ただでさえ、冬はあまり洗濯物がパリっと乾かないのに・・・。
布団もつまみ洗いして、干さなければならない。
一日の始まりだというのに、どっと疲れが出る。
だが、怒ったところで、漏らしグセが治るわけでもない。
気を取り直して、プン助をシャワーで洗ってやり、ウルトラマンXを観せてやることにした。
せめて 一日の初めくらは、怒らずに過ごしたい。
プン助が一話観終わった頃を見計らって、
「さ、じゃあご飯だよ〜」
と、ご飯を出す。
だが、プン助は、動かない。
「もう一話観たい!お願いお願いお願い!」
両手を合わせて、手をうねうねさせる懇願ポーズのプン助は、びっくりする程不細工。
それは少しだけ、可愛くもあったのだが、
「調子に乗っちゃ駄目!」
と、願いを却下。
その途端、プン助は泣き叫び始めた。
フォローしても、お願いの嵐は収まらないのは分っている。
仕方なしに放置しながら、おしっこの処理や支度をするが、3分程泣かれると耐えられなくなってしまい根負け。
「しょうがないなぁ・・・7時35分までに、ご飯食べ終わって着替えて、歯も磨けたらもう一話だけ、観せてあげるよ」
大喜びのプン助。
だが、ニンタマと遊びながら食べていて、全然7時35分に間に食べ終わりそうにない。
「ちゃんと食べな!遊んでる時間ないよ!」
と、私がカッカして怒鳴ると、慌てて席に戻るが、すぐにそこらをフラフラうろついたり、ニンタマにちょっかいを出しに行く。
結局、7時35分になっても、ご飯は半分以上残っている。
「チャンスをあげたのに、仕方ないよね。もう今日は観ないってことで・・・」
告げると、自分が目的の為に一切努力しなかったことを棚に上げ、
「嫌だ嫌だ!観たい、観たい!ママひどい!」
と、被害者みたいに私を責め始めた。
こんな風にゴネたままだと、全ての支度に3倍の時間が掛かるのは経験上身に染みている。
本人の為には全くよくないのだが、親の刹那的な気持ちとしては、Xを観せてご機嫌になってもらったほうがいっそ楽だったりする。
ああ、面倒だ!
いっそ、観せるか?!
イヤ、駄目だ!
Xを観る為に何一つ頑張っていないプン助に、今ここで、親の毅然とした姿を示さなければ、これからもどんどん要求がエスカレートしてしまう。
私は、スプーンをとりだし、高く掲げる。
「とにかく、ご飯を食べなさい。」
スプーンで、ご飯を掬って、プン助の口に突っ込む。
「全部食べたら、5分おまけして観せてあげるから」
これが、毅然とした姿なのか?いいのか、こんなんで・・・と思いつつ、プン助に食べさせようとする。このくらい難易度を下げてやれば、プン助だって少しは乗って来るはず・・・。
だが、プン助は口をつぐんで、食べようとしない。
「僕、お腹いっぱいなんだもん〜」
普段は、「オレが」「オレが」と、イキガっている癖に、こんな時だけ「僕」などと言って可哀想アピール。
自分のノルマを減らすことにだけは、天才的な勘があるようだ。
ろくに食べていないのに、お腹いっぱいだなんてありえない。
「駄目!食べるの!やりたいことをする為には、何かを頑張らないといけないんだよ!それが人生ってものだ!」
何故か追いつめられた私は訳のわからない説教を垂れてしまい、とりあえず迫力を出すために、怖い顔をして見せたのだが・・・
「僕〜、お腹こわしちゃう・・・」
真に迫った様子で、お腹が苦しそうな顔で対抗してくるプン助。
ダメだ!この顔に騙されてはならない。
結局、断固として食べるのを拒否するプン助に 、私が無理矢理スプーンでご飯を食べさせるハメになってしまった。
最後は、私の手からスプーンをブン取り、自分で飯を口にかっこんで、ヤレヤレという表情を見せたプン助。
大幅にオマケをしてやり
なんとかウルトラマンXの続きを観せる。
なんて甘い親なのだ・・・と、落ち込む私を尻目にご満悦なプン助。
放っておくとまた次の話も観たいと言い出すに違いない。
「一話だけだよ」
と、念を押してはいたものの、話が終わった途端に、動画を止めたら案の定
「終わりの歌も聞きたかったなぁ〜〜〜」
と、未練タラタラな様子。
あぶないあぶない。
エンディングデーマなんかうっかり聞かせてしまったら、すぐ予告が始まり、その後、すぐに次の話が始まってしまう。
断固拒否すると、プン助は席を立ち上がり
「聞きたかったのに〜」
と、フラフラ廊下を歩き始めた。
トイレに向かっているようだ。
「おしっこなの?」
と、声をかけると、廊下で不穏な水音。
そして、目を疑う光景。
トイレに辿り付くまで我慢できなかったプン助が、
その場でパンツを降ろし、放尿していた。
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
家中に私の悲鳴が響き渡った。
その間も、ジョボロローっと、放尿は続いていた・・・。
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