友達がいないのは遺伝
「あのさぁ、先生たちが今日、保育園お休みだって言ってたよ~」と、シレっとした顔で言っている。
「え?どの先生が言ってた?プンちゃん、先生たちからいつ聞いたの?」
と、尋ねると、どこかへ行ってしまった。
26日からずっとお休みしていたので、休みたくて仕方がないらしい。
「僕さぁ、保育園嫌いなの。だって、友達二人しかいないんだもん。みんなプンちゃんと遊んでくれないんだもん」
と、プン助が言うと、ニンタマは
「ウチは一人しかいない。あ、いや、今はゼロ…。前はいたけど、一人になっちゃった」
と、勝ち誇ったような顔で言うではないか。
おい、大丈夫なのか?
と、心配になりつつ、自分も割と仲間はずれになりがちだった気もする。
旦那さんも、どちらかというと、仲間と楽し気に遊ぶタイプでもない。
遺伝なのだろう。
自分をさておき、子供らに友達とうまくやれなどとおこがましいことは言えない。
そして、そんな人間でも、大人になれば仲良くできる人も見つけて、なんとかやっている。
「可愛くないといわれる」「臭いって言われる」
などとよく言っているニンタマに
「ママもねぇ、なぜかいつも鼻水を垂らしていたから、ハナミズって言われてたんだよ」
小学生のころ、将来の夢というタイトルで、「僕は総理大臣」とか、「僕は駅長」「私はお花屋さん」みたいな作文を書かされた時、女優に憧れていた私は「私は女ゆう」(優という字をまだ知らなかった)とうタイトルで作文を書いたのだった 。
誰の好意か、はたまた悪意だったのかわからないが、それが全学年が読む文集に乗ってしまい、私は上級生からも
小学校から高校まで同じ学校だったので、中学になっても高校になっても忘れて貰えなかった。
「全然面白くない…まさか、面白いつもり?」
などと逆襲して、机をけられたりもしていた。
中学に進学してからは、友達作りに出遅れて2年ほど、弁当を食べる相手もいなければ、誰とも話す相手がいない時代もあった。
その間に自分を支えてくれたのは、ピアノと少女漫画やお絵描きだった。
ニンタマは友達ゼロとは言いながら、誰かに誘われると
人付き合いを練習する気持ちは折れていないようなところは、親として安心かもしれない。
子供とはいえ、所詮別の人間なので親がしてやれることは限られている。
忘れがちが、鼻くそチェックなど小まめにしてやったり(取ろうとしてもなかなか取らせてくれない)、生きていく支えになる好きそうなことを一緒に探してやることくらいだ。
そんなこんなで、初保育園のお迎え。
最近、トイレを失敗しがちなプン助が、足をブルブルしているので、
「おしっこでしょ?!トイレ行こう!」と
トイレに連れて行こうとすると、
「おしっこじゃない!」
と、頑なに拒否。
面倒くさくなり、保育園の荷物の仕度をしていると
「ぼく、うんちおしっこ!」と、叫びながら、トイレに走って行った。
うんちおしっこというが、ほんとはおしっこだけなのだ。
私がおしっこでしょ?と、言ったからちょっとでも違うという事を示したくて頭にうんちをつけて言って見せているのだ。
面倒くさいプライドでも、大事にしてやらないといけないらしいので、
「はいはい、うんちおしっこね…」
と、一緒に走り、トイレの前でズボンをおろしてやったのだが、間に合わず、床におしっこをぶちまけるプン助。
自分でも意図しない低い
「あーーーー!」
という叫び声をあげてしまう。
さっき、職員の方が掃除したばかりの床に…。
必死に、おしっこを拭き、先生に謝っている間に、プン助がいなくなっている。
あいつ!フリチンのまま、どこへ?
すると、一番遠くの教室の前で、お迎えに来たお母さんやおばあさんがザワザワしている。
あそこか?!
子供のように廊下をダッシュしてかけつけると、プン助の教室でもなくニンタマの教室でもない教室の椅子の下から何やらプリプリしたものが…。
プン助が椅子の下の潜り込んで、亀のような体勢で尻を振っていた…。
「うわ~~~~なんで、こんなところに…」
捕まえようとすると椅子からすり抜け、恐竜の図鑑をもってきて私に読め!と、指図してきた。
どうやら、その図鑑を目当てでその教室に来たらしい。
「ちょっとだけ読んであげるから、パンツとズボン履いて!履かなきゃ読んであげないよ…!」
と、脅すと、いつもは履けないと親に履かせるズボンもすんなり履いた。
それから、長いこと図鑑を読まされた。
明日も続きを読めと言われる。
どうやら、毎日図鑑を読まされそうだ。
いっそ買ってしまおうか・・・?
いや、買ってしまったら一日中読まされてしまう。
でも、それも一年後、いや二年後にはいい思い出になるかも…?
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