シマウマのお嫁さん
プン助は動物が好きらしく、カバ、ゾウ、ワニ、ライオンが特にお気に入りな様子。
最近では、恐竜も好きになり、「ヴェロキラプトル」の画像を出してくれなどと、親も知らない恐竜について調べさせられたりする。
ある時、姉のニンタマと結婚について話していた。
「ニンタマはねぇ、結婚なんかしないよ。だって、好きなことできなくて面倒くさそう」
ニンタマの6歳にしては夢のない発言にぎょっとしつつも、
「あら~?でも○○君が好きって言ってたじゃない。○○君が結婚したいって言ってくれても、しないの?」
と、言ってみると、悩んだ顔をして
「う~ん、だったらしてもいいんだけど」
などと、顔を赤らめるニンタマ。
そのそばでずっとティラノサウルスの真似をしていたプン助に、
「プンちゃんは、誰が好き?誰と結婚したい?」
と、聞いてみた。
すると、プン助はガオガオ叫ぶのをやめ、
「シマウマ!」
と、答えた。
「シマウマ?」
こちらとしては、保育園おお友達の名前とか、お姉ちゃんとか、はたまたママ!なんて言われちゃったら、どうしよう…などと、思っていたのだが・・・シマウマとは…。
質問の意味を聞き間違えたのかも?と
「え?ママ、誰と結婚したいって聞いたんだよ?」
と、聞きなおしてみたが、
「オレ、シマウマと結婚するんだ」
と、一転の曇りもない瞳で言い放つプン助。
「え?だってあなた、今までシマウマ好きなんていったことないじゃない。ゾウとかワニが好きだって。え、シマウマ好きなの?」
「好きじゃない!」
「でも、シマウマと結婚するの?」
「シマウマと結婚する」
恐竜や、ゾウやカバやワニと結婚したいというのなら、理解できるのだが、好きでもないシマウマと結婚したいって、結婚と恋愛は別って奴なのだろうか?いやいや、さすがにまだ3才だし・・・。
頭がぐるぐるしてくる。
「そうなんだ~、素敵だね。でもね、このおうちでは犬も飼っちゃだめみたいだから、お嫁さんになってくれてもこの家に呼べないね~。それに、お隣に住む人もシマウマがいたらびっくりするから、シマウマが住めるような広くて、お隣さんも遠いところに家を建てないとね」
と、遠まわしに賛成ではないことを伝えてみたのだが、さっぱり通じていないようだった。
それからも「シマウマと結婚したら、プンちゃんの子供は縞模様になるんだね」と、言ってみたり、
お姉ちゃんをなぐりつけたりした時に、「そんなことするようじゃ、シマウマに好きなってもらえないよ!」と、言ってみたり、「シマウマはたくさん草を食べるから、プンちゃんは一日中草を探してあげないといけないね」「シマウマは、怒りっぽいみたいだからそんなことしたら、すぐ蹴られちゃうよ!」と、言ってみたりしているが、気持ちはますます強固になっているようで、
それから数ヶ月経っても「シマウマと結婚する」と、言い続けている。
「なんでシマウマと結婚したいの?」
という質問に答えてくれたことはない。
もしかすると、私が暗に反対だといい続けているのを感じていて、ますますシマウマへと結婚する気持ちが強くなっているのかもしれない。
これから、しばらくシマウマの話題をするのをやめてみよう…と、思いつつ、我慢できずについついシマウマのことを聞いてしまうのだった。
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