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電気の自転車

ニンタマとプン助の両方と保育園で同じクラスのママのMさんに電動自転車を試し乗りさせて貰った。

そもそも、私が今乗っているママチャリ、アンジジェリーノを購入したのも、Mさんの影響だった。
普通の自転車の後ろにリアタイプの子供乗せシートを装着して、ニンタマを乗せた所、あまりにバランス悪く、結局全く使わずオンブで保育園に通っていた。
子供乗せ専用の自転車なら、こんなに怖くないのだろうか…と思いつつ、子供乗せる時期なんて、短い期間だし…と、迷っていた時、彼女がアンジェリーノを購入した。
「楽だよ~。三鷹はあんま坂とか無いし、電動とかじゃなくても十分だし、これにした」
と、スイスイ自転車を漕いでいる姿をみて、
「買っていいんだ!」
と、背中を押された気持ちになった。
そして、同じ店で色違いのアンジェリーノを購入。
確かにとっても快適だった。
最近の自転車は凄い!…と感動したものだった。

子供が上のクラスに上がってしばらくして、Mさんも私も二人目を妊娠した。

その頃から、
「二人乗せるって分かってたら、電動にすればよかった」
と、Mさんが漏らすようになった。
私は、大きいお腹で子供を抱っこすることがしんどくなり、今の26インチより最近頻繁に見かけるようになった重心の低い20インチの自転車だったら、子供を乗せるのも少しは楽なんだろうな…と、思うようになっていた。

次第に、二人目が産まれたら、電動の20インチの自転車買った方がよくない?
という話ばかりするようになっていた。

でも、実際お値段も高いし、毎日漕いでいれば脚力もついて意外と大丈夫かもしれないと、なかなか決断できずにいた。
ニンタマは20キロを越え、プン助も12キロを越えるようになり、非力の私にとって、漕ぎ始めのフラツキは日に日にきつくなって行った。
今まで転ばなかったのは奇跡なんじゃないだろうか?
ってほど、毎日危機一髪だった。
何度も支えきれない!と、倒れそうになったのだが、どういう訳かその瞬間にバカ力が出て、なんとかなってきた。
だが、これは偶々ラッキーだっただけな気がしていた。
あと、2年半は前と後ろに乗せる日々が続くのだ。
2年半、転ばない自信は全く無い。
何度も、もう買ってしまおう!と、思いつつ、値段の高さに躊躇。

そんな時、Mさんが購入したのだった。

本当に自主性が無いのだが、
「あ…!買っていいんだ!」
と、またもや背中を押された気持ちになった。

そもそも、危ないから欲しいっていうのは自分への言い訳なのではないだろうか?
本当はただの物欲なのに、正当化しているだけなのじゃないかしら?

どんなに、電動自転車の有用性を理解していても、どこか自分を信用できなかった。

実を言うと今でも全く信用していない。

本来なら、初めから電動自転車を買うべきだったのだが、先見の明がなかったのは自分。
そのせいで、しんどい思いをするようになったとしても、それは自分のせいだ。

どんなにしんどくても、安くはない自転車を買ったのだから、これで頑張らなければならない…それが人のあるべき姿ではないか!

そう思っていたのだが、ほぼ同じ状況で電動自転車を買い直している人を間近で見て、やっと、
「物欲だっていいじゃん!買った人もいるし、実際あぶないんだし」
と、思えるようになった。

だが、今度はどの自転車を買うか?
という問題に突き当たった。

ブリジストンのアンジェリーノプチ、パナソニックのギュットミニ、ヤマハのパスキス。

近所の店舗にはヤマハだけは置いていなかった。

子供がいない状態で、アンジェリーノとギュットミニを試乗させてもらったが、
アンジェリーノに乗ると、アンジェリーノがよく思え、ギュットミニを乗るとギュットミニがよく思えた。

○アンジェリーノの前のチャイルドシートの方が、幅も広ければ足も長く伸ばせそう。
○アンジェリーノの方が、ギュットミニより車輪が太い。
○ギュットミニは最初のアシストが突然って感じで、少し驚くけれど楽かも?
○アンジェリーノのアシストは自然。
○ギュットミニのギアの方が、アンジェリーノより固い。
○アンジェリーノのフロントのチャイルドシートはハンドルロックだけど、ギュットミニ
 はスタンドを立てたら、自動でロック。
○アンジェリーノは暗くなったら、勝手にライトが点くけれど、ギュットミニは手動。

ウチの子供は大柄だし、どう考えてもアンジェリーノだろう。
そう思いつつ、それとは無関係に、3人乗りが許可されているママチャリの見た目のダサさにちょっとゲンナリしたりもした。

3人乗りじゃなければ、子供が大きくなってチャイルドシートを取り外してからも、すっきりしたものを選べるのに…。
3人乗りが許可された自転車は、どうにも見た目がゴツすぎる。

何度も、3人乗せ推奨ではない自転車に無理矢理前後にチャイルドシートをとりつけては?
などと、考えた。
だが、その度に
「いやいや、危ないから買おうって言ってるのに、お洒落重視にしたら、本末転倒じゃない!」
と、その考えを打ち消した。

ああでもないこうでもないと悩みまくり、結局、またもやMさんと一緒のギュットミニの色違いにしたのだった。

ギュットミニより、アンジェリーノの方が、うちの大柄な子供らには向いていると思ったのだが、マンションの駐輪場の車輪の幅のサイズが狭く、アンジェリーノでは入らないのでは?
という懸念があったのと、アンジェリーノに好きな色がなかったのだった。

やっと注文した翌日にばったりMさんに会ったので、子供を乗せた状態で試し乗りさせてもらった。

その際、今乗っていた自転車からプン助を降ろして、Mさんの自転車に乗せようとしたら、血相を変え、ギャン泣きして仰け反って抵抗された。
なんとか、座席に座らせるもベルトを装着しようとすると立ち上がったり大暴れ。
なんとか無理矢理、ベルトに固定。ニンタマは興味津々に後部座席へ。
走り始めると、プン助はぴたりと泣き止んだ。

そして、そこらを一周。
子供を乗せているとは思えない程、軽い。
「電気の自転車、楽しいね~」
「でんき、でんき」
と、皆上機嫌。
試乗を終わらせ、元の自転車の元へ。
プン助をMさん自転車から降ろそうとすると、またもや大暴れ。
「あっち~!あっち~!」
と、Mさんの自転車が自分のモノかのように戻りたがり、ベルトで固定するまで、大変なことになってしまった。

単純に新しいのが素敵に思えたのか、プン助にとってもかなり快適だったのかはわからない。

でも、注文した自転車が来るのが、かなり楽しみになってきた。

しかし、自転車屋でずっと「アンジェリーノ」のことを「アンジェリーナ」と、言い続けていたことに後で気付いて、今猛烈にはずかしい。
いつも言い間違えるから気をつけようと、気をつけたつもりで間違え続けていた。
二人いた店員さん(凄く感じがいい)は、全く訂正してくれなかった。

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爪しか可愛くない

2週間程前、約半年ぶりに美容院へ行き、同時にネイルもやってもらった。

爪を見たニンタマが

「わぁ〜〜〜〜!綺麗〜!」

と、言うとプン助も

「わぁ、きえい〜〜!」

と、目を輝かせていた。

満更でも無い気持ちになったが、即座にこうも言われた。


「ママは爪しか可愛くないね〜!髪も短いし!ママなんか、全然可愛くない!」

プリキュアみたいな長い髪に憧れているニンタマに、ショートカットはかなり不評。

自分も、子供の頃、同級生のお母さんは髪のが長い人ほど美人だと思っていた。

実際の顔立ちや年齢や毛の痛みはあまり問題ではなかった。


「ママ、可愛くない〜〜〜!」

プン助もオウム返しで

「ママ!いくない〜〜〜!」

と、二人でシュプレヒコール。

爪だけでも可愛いと言って貰えて本当に良かった。これからも時間見つけて、ネイル頑張ろう。

毛も少しだけ伸ばしてみるか…。

毛だけでも伸ばしたら、どんな老けたお母さんでも可愛いと思ってもらえるなら安いものだ。

でも、大人の評判は断然ショートの方がいい。

元々毛量少なめでボリューム不足なので、伸ばすとぺったりしてしまう。分け目も貧相なことになる。

もうじき白髪も出て来るだろうし。

そう思ってショートにしたのだ。

うーん、普通に見る目のある周りの大人の目を取るか、全く見る目の無い子供達のウケを狙うか、悩ましい。

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