ヒ〜ヒ〜の二人育児
二人育児は毎日訳が解らないまま過ぎて行く。
旦那さんが、稽古へ行くと小娘のように心細い。
今日は打ち上げらしく、寝かしつけタイムまで、ピンでなんとかしなければならない。
ニンタマと昼ご飯を食べている間、息子のプン助は座布団の上に放置。食べながらも時々「あう!」
と、手足をばたつかせながら、奇声を発するプン助が気になって仕方が無い。
だが、あまりプン助にばかり気が行くと、ニンタマが不安定になる。
大泣きしない限りはニンタマに専念しなければ。
自分の食べカスや食べかけの米粒を嬉しそうに
「はい、どうぞ~」
と、私に食べさせるニンタマ。
面倒なので、
「ありがとう~」
と、食べると
「ママに食べさせちゃった~!ニンタマちゃん、食べさせちゃった~!」
と、一人で大ウケして爆笑。
なんとかご飯は平和に終わる。
DVDを見たがるニンタマに
「ママ、プン助ちゃんにおっぱいあげて、ニンタマちゃんの歯を磨いたら、コミュ二ティーセンターに行って、ニンタマちゃんにご本読んであげようと思ってるんだけど、行かない?DVDは帰ってからにしない?」
と、誘いをかける。
「行く~!」
と、大喜びするので、6キロ越えているプン助を抱っこして近所のコミュ二ティーセンターの図書室へ。
紙芝居をいくつか読んでいると、プン助が泣き始める。
読み聞かせくらいはいいが、赤子が泣き始めるとさすがに迷惑。
図書室を出て、飲食コーナーで「隣のトトロ」の本を読み聞かせる。
これではニンタマは物足りないはずなので、近所の神社へ連れて行く。
すると、砂利道に四つん這いになってはしゃぎ始めた。
砂利が飛び散って迷惑になるので、
「駄目だよ、砂利あぶないよ~」
と、注意するが全くきかない。
「あ、鳩のウンチがそこにいっぱいついてるよ~!」
と、驚いたふりをしたら、ニンタマは慌てて立ち上がった。
鳩が苦手なのだ。
その後、お参りをした。
「プン助ちゃんが大きくなりますように」
と、手をパンパン打っていた。
その後、中々神社を出てくれない。
お腹が痛いとしゃがみ込む。
イライラしながらも、3分で帰れる道のりを15分ほどかけて帰宅。
へとへと。
これからご飯を作り、風呂に入れ寝かしつけなければならないとは…。
プン助はともかく、ニンタマだけでも昼寝をさせなければ何も出来ない。嫌がるニンタマを寝そべらせながら、絵本をよんでやる。
絵本を読見終わった後、
「怖い棒を持ったおじさんが来るから寝たふりをしないと!」
と、脅して目を瞑らせる。
ニンタマは怯えながらも私の髪の毛を数本ずつ引っ張り続け、15分ほどして、やっと静かになった。
プン助を抱っこ紐に入れて、ご飯を作る。
首や肩の血液が圧迫される上、プン助の頭が邪魔で調理しにくいが、泣かれ続けるよりは精神的に楽なのだ。
寝付いたプン助をソファに降ろすと10分もしないで、泣く。
眠いのに眠れないと泣いているようだ。
眠いなら、寝ればよいのだが。
オムツを替えたり、授乳をすると1時間などあっという間に過ぎてしまう。
なんとか、ご飯を作り終えると、寝ていたはずのニンタマが奇声を発した。恐ろしい夢でも見ているようだ。
あまり長々昼寝をさせると、夜寝なくなるので起こさなければと、体を揺らすと
「怖い、怖い~」
と、号泣。
怖いおじさんの話で脅したのがいけなかったのだろうか…。
寝覚めの悪いニンタマをくすぐったりしてなんとか笑わせるが、食事の用意で本人が好きな赤い皿をわざわざ並べてあげた途端、
「ニンタマちゃん!青いお皿が良かった~!」
と号泣。
昨日までは
「赤いお皿が良かった~!」
と、泣いていたのに。
最早因縁をつけられている年か思えない。
ニンタマが大泣きすると、プン助も狂ったように泣く。
ああ、私も泣きたい。
スリングにプン助を入れて授乳をしながら、自分もご飯を食べ、
「食べさせて~!」
と、甘えるニンタマの口にもスプーンを運ぶ。
やっと食事が終わると、テーブルの下に潜るニンタマ。
私と目があっているのに
「ニンタマちゃん、ど~こだ?」
と、聞く。
「テーブルの下」
と、言っても
「ニンタマちゃん、ど~こだ?ニンタマちゃん探して~!」
と、言い続ける。
仕方なしに、見えない振りして
「あれ?いない。カーテンの後ろかな~?おかしいな?トイレかな?」
などと、付き合う。
食後にテーブルの下にいく時は大体ウンチをしているのだ。
「ウンチ?」
と、聞くと
「うん。」
と、答えるので
「トイレ行こうよ~」
と、言うと
「いかない!」
と、険しい顔。
次第に臭い匂いが漂ってくる。
臭い匂いを漂わせながら
「ニンタマちゃんど~こだ!」
と、言うので
「トイレかな~?ウンチしたい人はトイレにいるはずだもん」
と、トイレに探しに行くふりをしながら、食器をさげたり風呂の支度。
戻って来ると、まだテーブルの下でニヤニヤしている。
「ニンタマちゃんど~こだ?」
面倒になり、黙っていると
「トイレかな?って言って」
と、台詞を指定してくる。
「トイレかな?」
と、言うと
「ばぁ~~~!」
と、叫びながらやっとテーブルの下から出て来た。
オムツ替えを出来てほっとする。
その後、プン助を脱衣所でバウンサーに座らせ、扉を開けながらニンタマと入浴。
プン助が泣くと、手を振ったり声を掛けたり。
扉が開いていると寒くて暖まらない。
なんとか、ニンタマの風呂を済ませ、バスローブを羽織ったままニンタマにパジャマを着せ、DVDを見せる。
その間にプン助を風呂に入れる。
一人で入浴させる為、スイマーバなる首浮き輪を購入した。
これを上手に使うと、赤ちゃんを湯船に浮かべながら、自分の体を洗ったりも出来るらし
い。
首に浮き輪を装着して湯船に浮かべてみると、プン助は何の迷いもなく足で私の体を蹴って水中を漂い始めた。慣れて来ると、壁やぎりぎり届く浴槽の底を
蹴ってくるくる回ったり。
これは面白い。
お腹にいた時の感覚に近くなるのか、本来の自由を取り戻したかのように当たり前の顔で泳いでいる。
目を離さないように大急ぎで自分の体を洗って、今度はプン助の体を洗うべくスイマーバを外す。
途端に体の重みを感じて不自由そうになったプン助。
本当の俺はこんなじゃないんだ~!と、地団駄を踏むかのような動きをしがなら、泣き始めた。
体を洗った後、再びスイマーバを装着すると、
「そうそう、これこれ」
という満足げな顔。
プン助の風呂を終えると、ニンタマのDVDも終わっていた。歯を磨いてやり、寝室へ。プン助に添い寝で授乳しながら、ニンタマに絵本を読み、そのまま寝かしつけ。
「トントンして~」
と、言うので背中を叩いてやる。眠くなったニンタマが再び私の髪の毛を引っぱり始める。
痛みを堪えながら、授乳をしながら、背中をトントン。こちらも眠くなる。
そのまま眠りかけると、手が止まるらしく
「トントンしてよ~~~~!」
と、ニンタマに怒られる。
プン助とニンタマが静かになり、そっと寝室を抜け出す。
食事の後片付けもしないで、風呂に入っているので部屋はとんでもないことになっている。なんとか食器をさげ、散乱した衣類を片付け、ニンタマの保育園に提出する保育ノートにある程度の書き込みをする。
皿を洗おうとすると、寝室からプン助の荒い鼻息が聞こえて来た。
「おいおい、さっき飲んだばかりだろ…」
と思いながらも再び授乳。
いつになったら皿が洗えるのだろう・・・。
意識が途切れた頃、旦那さんが帰って来た。
「俺が洗うよ」
と、旦那さんが食器を洗ってくれた。
凄く助かったのだが、眠りかけては起きているので、お風呂に入って食器を洗った旦那さんが熟睡してからも、夜更けまで眠れなくなってしまった。
ああ、明日も朝6時40分には起きなければならないというのに。
疲れているから、寝なければと焦れば焦る程、目は爛々としてしまう。
寝不足でスタートする明日は、辛い一日になりそうだ。
眠いのに眠れないと泣くプン助の気持ちが解る気がした。大人だから泣かないけど。
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