« 2011年8月 | トップページ | 2011年10月 »

すみませんね〜

昨晩、今のお仕事に必要な本を読んでいて、寝床へ入ったのが1時。

ニンタマがあまりに布団を蹴飛ばすので、何度も起きては布団を掛けていたせいで、朝恐ろしく疲れていた。
旦那さんが夜勤なので、登園準備を一人でやる。
普段、一人で登園準備をするときは、ニンタマが起きる前に、化粧、洗濯、食事の支度を一通り終えておくのだが、今朝はできなかった。
ニンタマがご飯を食べている間に、チョコチョコ席を立つと、途端に不機嫌になった。
お茶を取りに行くだけで
『マ〜マ〜!」
と、険しい声で叫ぶ。
手を洗う、着替える、歯を磨く、全てに難航した。
「自分で着替えられる?」
と、聞くと
「できない〜!やって〜!」
と言う割に、服を脱がそうとすると抵抗して、ゴロゴロと寝転がる。
「立って協力して〜」
というと、余計ゴロゴロ転がる。
そんな時に旦那さんから電話。
「大変?」
と、聞かれたので
「まあ」
と、答えると具体的に聞こうとするので、
「支度してるから、後で」
と、電話を切る。
旦那さんがいないのも、ニンタマの不機嫌な原因なのだ。
旦那さんが何もしないで、テレビを見ていても、いるだけで着替えや歯磨きもスムーズだったりする。
体調でも悪いのかなと心配になるが、
「保育園行く!」
と、パジャマのままの私を置いて、玄関へ向かってしまった。
慌てて着替えると、待ちきれずに叫んで怒っていた。

やっと支度を終えて、外へ出ると途端にご機嫌。
鼻歌まで歌っている。

やれやれ。
小児科へよって鼻水を吸ってもらうと、びっくりする程沢山の鼻水が溜まっていた。
布団を蹴飛ばして寒い思いをしたのだろう。

ニンタマを保育園へ送り、一度家へ戻ると、夜勤明けの旦那さんが帰っていた。
これから朝ご飯を食べて、仮眠するのだ。

私も先ほど干せなかった洗濯モノを干してから仕事。
だが、先ほど心配してかけてくれた電話を途中で切ってしまったので、
今朝のニンタマがどんなだったかを一通り話した。
親だから八つ当たりされるのは仕方が無いけどね、と言いながら
私自身が仕事が思うように進んでいないこと、資料を読んでいて寝不足になっていたこと、安定期なのにあまり散歩したり運動を出来ていないことで、私自身も不機嫌なせいもある…と、話しながら自分の状況も分かって来た。

やはり、早く寝るのが一番だ。仕事の資料だって、早く寝て朝読めばいい。朝、ストレッチや軽い運動や、支度をちゃんと出来ていれば、もう少し優しい気持ちで接することも出来る。
すんなり保育園へ連れて行ければ、仕事も明るい気持ちで取り組める。
そうすれば、もっと捗るはずだ。
自分のせいでもあるなぁと、思っていると
「いやぁ、俺もびっくりだよ。今日は仕事がメチャメチャ大変で、やっと帰って来たと思ったら、朝っぱらから早々にニンタマの悪口聞かされて」
と、旦那さん。
「悪口じゃないよ〜!電話で、具体的に聞きたそうだったから言わなきゃって思って、話しただけで、私だって、仕事前にこんな話をすると体力使うからしたい訳じゃなかったもん!」
と、私が怒ると、旦那さんは「しまった!」という顔をして
「すみませんね〜」
と、言っていた。

ちょっと申し訳なくなる。

|

居心地の悪いカフェ

旦那さんにニンタマを託し、カフェでお仕事。
仕事を始めてすぐ、私の隣の席に、数日前から時々目撃する、やたら人に話しかけるおばさんが来てしまった。
足が悪いらしく、
「すみません」
と、言って、自分のテーブルと私のテーブルの隙間を広げて通れるスペースを作って欲しいアピールをする。
だが、私の逆隣は赤ちゃん連れの母親。そのテーブルと私のテーブルはほぼくっついている。
スペース的な余裕は無い。
しかも、うっかり話してしまったら、ベラベラ話されてしまうだろう。
前見た時も、隣に座った人に
「雨が降り始めましたね〜」
と、声をかけその人が返事をしたが、最後べらべら話し続けていた。
その人が出て行き、次にその席に座ったのはカップル。
彼氏が彼女の分まで水を取りに行くと、残された彼女に
「優しい彼ね」
と、話しかけ、相手がニコニコ返事をすると、ずっと話し続けるのだ。
土日や休日は旦那さんか、ファミリーサポートの人にニンタマを数時間見てもらって、仕事に来ている。
見ず知らずの人と天気の話くらい話す心の余裕が無いっていうのも、心が狭いかもしれないが、子育て中には仕事が出来る時間は買ってでもつくらなければならない。
悠長におしゃべるする気にはなれない。
話しかけるなオーラを全開にする。
すると、おばさんは私に覆いかぶさるようにして、私の逆隣の赤ちゃんに
「可愛いね」
「パン、おいちい?」
などと、声を掛ける。
その間、ずっと私のテーブルに手を着いている。赤ちゃんのお母さんが会釈すると、私の体越しにべらべら話し始めた。
鬱陶しいと思ったのか、親子はすぐにいなくなる。すると、今度は私のPCを覗き込んで来た。
書いている文章を見られるのは恥ずかしい。反射的に角度をつけた上に手で隠すと、
「全然、見えないから。」
と、笑う。見えないから、大丈夫だとでも言うのだろうか?偶々見えなかっただけではないか。見えたら、何と言うつもりなのだろう。
「年取ると全然見えなくなるの。嫌ねぇ〜」
そんなことを言われてもどうして良いか分からない。
うっかり
「そうですか〜」
などと、返事をしたら私のお腹を見て
「何ヶ月?」
などと、聞いて来るのは目に見えていた。
決して目を見ないようにして、
「あ、仕事してるんで」
と、小声でぼそっと言い、無視をした。
その後も、別の隣の人に
「今日は涼しいわね〜」
などと、話しかけたり、また私のPCを覗き込んだりしていた。場所を変えても良いのだが、新しい場所を確保して、仕事を始めると、結局20分程掛かってしまう。
イライラしながらも、その席に座り続けた。

すると、少し離れた席で水が溢れたとか、掛かったなどという騒ぎが起きた。
よく分からないが、おじいさんが
服や靴が濡れたと、怒っていた。
女子店員が、謝って、床を必死で拭いてもしつこく怒っていた。
その傍に、別のおじいさんが困ったように立っていた。(以後おじいさんB)
良くわからないが、そのおじいさんBが、席の近くを通り、避けようとした女子店員が、座っていたおじいさんにぶつかって、水の入ったコップを落としてしまったようだ。
おじいさんBは自分が原因で、トラブルが起きたことに申し訳なく思ったようだ。
遠目でわからなかったが、五千円か1万円札をクリーニング代のつもりなのか、他の店員に渡そうとしては、
「いいです」
と、返されていた。
水をかけられたおじいさんは、ずっと女子店員に文句を付けていた。
床に水が残っていると騒ぐので、(見た目、綺麗に拭けているように見えたが)女子店員は床に這いつくばって、おじいさんの足下を拭いていた。
おじいさんは尚も「ここ、ここ」
と、しつこく拭かせていた。
よく見るとそのおじいさんは見覚えがあった。
いつも帰り際に
「(コップや皿は)ここに置いておいていいんですか?」
などと大声で尋ね、女子店員を呼びつけては必ず、肩や背中をポンポン触って
「じゃ、明日また来るから」
と、帰って行く常連のおじいさんだった。
密かに、コーヒーを飲みにじゃなくて、女子店員を触りに来てるのでは?と、思っていた。

おじいさんBはいたたまれない様子。何度か、常連じいさんにお金を渡そうとしたりしていたが、悪いのは店員さんだからみたいなやりとりがあって、お金を渡せずにいた。
別なお客さんも「あんなに怒らなくても」「面倒くさいね」などと、噂していた。
そのやりとりをじっと見ているのが、隣のおばさんにバレると、共通の話題が出来たと話かけられそうだったので、見ていないそぶりで顔を手で覆って隙間から見なければならなかった。
おじいさんBは食事が終わり、帰り際に、常連じいさんに声を掛けたが、無視された。
今度は五千円だか、一万円のお札を渡そうとする。
やっと常連じいさんが、顔を上げ断りつつ店員が悪いのだから…みたいなやりとり。
すると急におじいさんBが
「いい加減にしろよ!どうしろっていうんだ!」
と、常連じいさんに怒鳴った。この年齢の人が頭を下げ続けるのは、かなり屈辱的だったに違いない。私は密かに、おじいさんBにエールを送った。
きっと、他の客も同じ気持ちだっただろう。

おじいさんBが帰った後、常連じいさんは気不味いのか周囲の人に自分の靴やズボンを差して、自分は水をかけられた被害者なんですけど…、うすら笑いでアピールしていた。
そして、帰り際、先ほど床下を這いつくばらせていた女子店員が、頭を下げると、肩をポンポン叩いて、
「今回は仕方が無いけど気をつけなさい」
的な事を言って、帰って行った。
後で間近から女子店員を見たら、非常に可愛かった。
いつも話しかけたり、触ったりしている常連じいさんは、ただ彼女と仲良くしたいだけだったのだろう。毎日通って、声を掛けたり触ったりしている割に、上客扱いされていないと、逆切れしていたのかもしれない。
だから、今回のことで鬼の首を取ったように騒いでいたのではないだろうか?
原因になった、おじいさんBのことはどうでも良かったのだ。
おじいさんBは自分が原因で、女子店員がしつこく怒られたり、床を這いつくばって水を 拭いても怒鳴られているのに責任を感じて、常連じいさんの怒りを沈めようとしていたが、常連じいさんにとっては、その行為はただ邪魔だったのだ。
おじいさんBは、謝っているにもかかわらず、女子店員を執拗に虐めているので、ワケが分からなかったに違いない。
カフェは書き仕事をするには良い場所なのだが、どこに言ってもやたら話したがる人や、常連ヅラしたり、些細な権力を振るおうとする人がいる。
隣の足の悪いおばさんもセルフサービスの店だが、足が悪いからと、店員を呼びつけて席でドリンクを頼んで持って来させている。
それならば、セルフの店ではなく普通の喫茶店へ行けば良いのでは?と思うのだが、特別扱いをして欲しいのだろう。
そんなに飲みきれるのか?と、思うくらい、短時間に紅茶やコーラを注文しては、店員を呼びつけて、喋っている。
おばさんに話しかけるなオーラを出しつつ、常連じいさんを観察していたせいで、お仕事は全然捗らなかった。
こんなことなら、さっさと場所を変えればよかった。
「こんなことに負けない」と、
変な負けず嫌い精神を発揮してしまう。
だが、いつも後で後悔するのだ。

|

祝!ウンチ!

今日は旦那さんは観劇で夜は私とニンタマ二人きり。
二人きりだと、寂しいのか、やたら甘える。
案の定、食事の途中に
「お膝にすわる〜」
と、始まった。
膝に乗せると
「食べさせて〜」
と、言うので、食べさせる。
今度は旦那さんの椅子を差して、
「ここ座る〜」 と、私の膝から降りる。
旦那さんの椅子に座らせ食べさせていると、また
「お膝に座る」
と、戻って来る。
暫くすると、旦那さんの椅子を差して
「お膝にすわる」 と言う。
その間、サラダのトマトの中身だけ食べて、皮を吐き出し続けている。
何度も
「皮食べてね」
「トマトさん可哀相」
「皮食べた方が可愛くなるよ」
などと食べさせようとするが、ニヤニヤ笑って
「やだ〜」
と吐き出し、私の口に入れようとしたりする。
それが一時間続き、急に面倒臭くなる。
「そんな食べ方すんならご飯全部下げるよ」
「いつまでだらだら食べてんの」
「あっちに座ったりこっちに座ったり、アンタ何したいの!いい加減にしなさい。お母さん疲れた!」
などど怒鳴ると
「お腹痛い」
と、哀れっぽい口調で訴える。
食後すぐにどうかと思ったが、9時近くなっていたので気を取り直して風呂に入る事にした。
湯船で暫く遊び、 私が髪を洗っていると
「抱っこして〜」
と泣き始めた。
泡だらけで不可能なので、待たせていると号泣し始めた。
面倒くせぇなぁと思いながらも、怒ると余計泣くのは分かっていたので、努めて優しく抱きしめて宥める。
落ち着いて来たので
「身体洗う?」
と、聞くと断固拒否。
抱っこしても泣き続ける。
イライラしそうになるのを抑えていると、臭いニオイが立ち込めた。
ハッとして湯船にウンチをしてないか確かめた。
何もなかった。
安心して、

「ウンチしたいの?」

と、聞くと、頷くニンタマ。
いつも、ウンチしそうな顔の時に
「トイレ行く?」
と聞くと、頑なに拒否するので、
「トイレ行く?それとも、ここ(お風呂場)でする?」
と、尋ねると
「トイレ行く」
と、言うではないか。
どうせしないのだろうと思いつつ、二人とも全裸でずぶ濡れのままトイレへ。
子供用の便座も無しのまま抱っこで支えながら、大人と同じ便座に座らせた。
私が 「う〜ん」 と力む真似をすると、ギュッとしがみついて来た。
ヤバい。可愛いじゃねぇか…とキュンキュンして来たら、ポチャンと音がした。

「出た!」

やや小ぶりだが、ウンチが出た。
だが、普段のニンタマのウンチの実力はこんなものでは無い。
大人も顔負けのドデカいのをする。
ニンタマもまだ私にしがみついて便座から降りようとはしない。
1、2分後再び、ポチャン、ポチャンと音がした。
お、これで最後かな?と思うが、まだニンタマは私にギュッとしがみついている。
再び長い時間が過ぎる。
ニンタマが身震い。
チョロチョロと言う音。
すわ!オシッコもかい?!

すっかり感激して

「オシッコまで、凄い凄い!」

と、叫ぶ。
ニンタマの体からやっと力が抜け、ふぅ ふぅと息を漏らし、
「オシッコも出た」
と、微笑んだ。
裸で抱き合いながら、喜び合う。
なんだか、処女喪失の生娘を抱いた男のような気持ち。
先程までのイライラは消え、すっかり目出たい気分になったのだった。

多分、またすっかり忘れたみたいに、トイレに行きたがらなかったり、断固拒否したり、オムツが取れるにはまだまだ長い道のりになるだろう。
でも、とりあえず前進。

|

オオカミ少年癖

9月7日のニンタマの誕生日を祝う為に、母がプレゼントを持ってやって来た。
リュックサックだった。ニンタマは嬉しそうに、早速背負っていた。
「これ、誰がくれたのかな?」
と、私が言うと
「おばあちゃん」
と、答えるが
「誰のリュックかな?」
と言うと
「ママの?」
と、私に尋ねて来た。
既に自分で背負っているので、自分のリュックサックだと分かっているはずなのだが、変な所に遠慮深いようだ。

誕生日ケーキを用意していたが、食べる前に
「ごちそうさま」
「ぽんぽん痛い」
などと、泣きはじめた。
最近、そういっては自分の椅子から降りて、
「お膝に座る〜」
と、言っては私や旦那さんの膝に座るのが癖になっていた。
そして、膝に座ると結局、まだ食べ続けるのだ。
抱っこをして欲しいので、適当な口実を言ったり、泣き真似をするようになったようだ。
「お腹いっぱいなの?じゃあ、ケーキは食べられないね。ママ達だけで食べるけど、一応、ニンタマちゃんの誕生日ケーキだから、ロウソクだけふーふーしてね」
と、言ってケーキを見せると、まだ火を付けていないロウソクにケーキのクリームをくっつけては舐めはじめた。
慌てて、やめさせて、なんとかハッピーバーバースデーの歌を歌う。
旦那さんが手伝って、ロウソクの火も消すことができた。
その後、当然の様な顔をして、誰よりも沢山ケーキを食べてた。
それにしても、毎日どこかが痛いと言っては、泣いては、抱っこを要求したり、嫌な事から逃げようとする癖が着いてしまった。

2歳というのは随分と知恵が回るようになるなぁと感心するものの、本当に痛かったりする時にも、こちらは本当だとわからなくなりそう。

旦那さんが昔、汲取式の便所に落ちたと騒いで、周りを驚かして遊んでいたらしい。
そのせいで、本当に落ちた時に、いくら助けを求めても、しばらく、誰も助け来なかったという。
オオカミ少年気質も遺伝するようだ。
ちょっと心配。

|

女のコかな?あれ?何か見えた?

妊婦検診に行く。今週で18週目。
20週以降は、分娩を決めたY助産院に検診に行く事になっている。なので、近所のT産婦人科の検診は今日で最後。
だが、その旨を伝えていなかった。
「うちで産みますか?」
と、聞かれれば、
「いいえ、Y助産院で産もうと思っているで、それまでの18周までの検診をお願いします」
と、言うつもりだったが、何も聞かれなかったので言いそびれてしまっていた。
その上、謎の出血や歯が痛んだ時に電話した時、休みなのに病院をあけてくれたりという経緯もあり、中々言い出し辛くなった。
評判も良く、お産に先 生なりのポリシーや蘊蓄がかなりありそうな先生。
何となく、「他の産院で産みます」と、言うと、気分を害してしまうのでは?という気がして、言い辛かっ た。
しかし、そんな事はよくあるだろうから、気にしないのでは?とも思っていた。
助産院には提携している病院もあり、そこは結構遠い。
何かあった時には近所のこの産院に行きたい…そういう気持ちもあった。

18週ともなると、早ければエコーで男女の区別もつく時期。
それも聞いておきたかった。
先に転院することを言って、気分を害してしまった場合、じっくり見る気持ちが失せられてしまうかもしれない。そんな思惑もあり、初めは黙っていた。
「いい位地にいるんだけど、わかんないなぁ〜」
エコーの画像を念入りに診てくれる先生。
私もじっくり見てみたが、お尻と足の付け根の度アップを見ても、足の間のモノが女のコのシンボルを示す、木の葉状のモノなのか、はたまたカマキリの玉子のように見える睾丸らしき物体なのか分からなかった。

「う〜ん、どちらかと言うと、女のコっぽいかな」

頭ではどちらでもいいと思いながら、女のコが好きな私は
「そうですか。周りの人達には『お腹が突き出てるから男じゃないか?』
って言われてたんですけど…。別に女のコでもいいんですけどね」
と、微妙に男児希望のような事を言ってしまう。
だが、密かに喜んでいた。
その時、
「あれ?!」
と、先生が素っ頓狂な声を上げた。

「あ…一瞬男のコみたいなモノが見えたけど…やっぱわかんないや」

と、不穏なことを言う。
そう言われてみると、何となく男子っぽくも見えた。
本当は少しがっかりしたのだが、
「やっぱり男の子かなぁ」
と、嬉しそうな振りまでしてしまった。
どうも既に、女のコがいるというのに、更に女児希望の自分に罪悪感を持っているらしく、誰にも意味をなさない見栄を張ってしまうようだ。
無事であれば、男児でも構わないのだ。
数年後に
「いやぁ、女のコがいいって思ってたけど、男のコで良かった〜!男のコは半端なく可愛いね」
 などと、自分でもびっくりするような発言をするようになったほうが人生面白いに決まっている。
とりあえず、今回はどちらとも言えない。
そして、先生と楽し気に世間話をした後
「実は…Y助産院で分娩をするので、今日で最後なのですが…、何かあった時にはまたこちらに来てもいいでしょうか?」
と、頑張って、切り出した。
 先生の顔から笑顔が消えた気がした。
「そうですか。ああ…。いや、やっぱり、助産院の提携してる病院に行った方がいいですよ〜。色々難しいんですよ〜」
そう言って、先生が市の無料検診用紙を捲ろうとした拍子に、ビリっと音を立てて、用紙が破けた。
「あの…データを頂くようにって言われたんですけど…」
「データ?別にそんなもの、無いんだけど」
無いと言われてしまえば、それまでだ。
「分かりました。ありがとうございました」
「はい」
私が部屋を出るまで、先生は全く視線を合わせてくれなかった。

ああ、やっぱり初めて検診に来た時に言い辛くても伝えておけば良かった。

先生の愛想が無く見える態度は、気の弱い私がビクビクしているせいで、感じただけで、本当はなんとも思っていなかったのかもしれない。
だが、自分がビクビクしない為にも、やはり早めに伝えておけば良かった。
お世話になったのだが、何となく後味が悪いことになってしまった。

|

« 2011年8月 | トップページ | 2011年10月 »