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公演を終えて

宝船第6回公演「愛の躯」が無事に終了して、3日目。
これまでの、どの公演のこともちゃんと覚えているが、やはり一番忘れられない公演になった。
今までは、ただ作品や稽古の進行、スタッフや役者さん とのコミュニケーションの心配だけだったが、今回は出演者やスタッフ、家族の命に関わる心配があった。
やれないかもしれない・・・やってはいけないのかも しれない・・・などと考えれば考える程、やりたい気持ちが明確になって行った。

久しぶりの公演で大幅な赤字を覚悟していた。普通はお仕事を頑張れば報酬がある。ニンタマに寂しい思いをさせて頑張っても出費ばかり増え、報われ ない・・・ということを切なく思っていた。
そんな思いまでして公演をやるのはどうなのだろう?というジレンマもあった。そんな時に地震が起きた。

この状況で公演を行っても、更なる赤字は明確。途端に生活苦に陥るかもしれない。でも、元々今後二度とやれないかもしれない、最後になるかもしれ ないと覚悟して臨んだ公演。今やらなかったら、次は無いかもしれない。
そんな気持ちで恐る恐る稽古を再開した。そんな悲壮な気持ちだったが、稽古場ではす ぐ忘れた。
役者さん達の演技が面白く、その時だけは本当に何もかも忘れていた。
ギャグで始めた座長だったが、演出家という立場で毎日この人達の演技を間 近で見られるのがとても幸せだった。
自分が適当にねつ造した世界を、予想を遥かに上回る現実にして貰えるということが、これほど幸せなことだとは・・・ と、改めて感じた。

本番直前のゲネプロ中に地震があり、楽日を終えたバラしの最中にも結構強い地震があった。
舞台監督の翼君が、「このくらいの地震が本番中にあったら止めてたかも」と言っていた。微妙な所で運が良かったのかもしれない。

いつも公演が終わると、しばらく失恋したような状態になるが、今回ももうなくなってしまった何かが頭や体に残っている。
ニンタマのオムツを変えながら、風呂に入れながら、自転車に乗せながら、時々ぼんやりしてしまう。
15日には引越。いつまでもぼんやりしてはいられない。

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