« ぶっちゃける保護者たち | トップページ | 美人来訪 »

赤子考

勝手に生んでおいてなんだが、赤ちゃんというのは本当にずうずうしい生き物だ。
基本、養ってもらって当然、面倒見て貰って当然と思っている。
自分で何も出来ないから仕方ないのだが、全ての世話をしてもらっておきながら感謝もしない。
どんなブサイクな赤ん坊でも、赤ちゃんだと言うだけで多少かわいらしい。
さわり心地もいい。
その魅力と引き換えに大人を顎で使う。
親に対してだけなら、仕方が無いが人様に対しても甘え放題だ。
若い女のコというだけで、何の取り柄もないのに奢ってもらって当然・・・と、思っているような人間は大嫌いなのだが、赤ちゃんはもっと性質が悪い。
若い女のコは、もしかしたら、やらせてくれるかも・・・という幻想を抱かせてくれるのかもしれないが、赤ちゃんはどんなに可愛がっても、そのことは覚えてさえくれない。
泣いて「抱っこしろ〜」と、アピールしてるのかと思い、抱っこすると「降ろせ〜」と、言わんばかりに反り返ったり、ニコニコして、鋭い爪で頬をつかんだりする。
一体、いつ人にしてもらって当然ではない・・・ということを学ぶのだろう。

私自身小学生低学年の時と高学年の時の世間からの扱いの違いに戸惑った記憶がある。
登下校の途中に駅員さんや交番のおまわりさんの所に行ってはちょっかいを出したり、遊んでもらったりしていたのだが、低学年の時はニコヤカだったのに、高学年になったら次第に邪険に扱われるようになった。
考えてみたら当たり前だ。向こうは勤務中なのだ。
小さいコなら、無下にもしづらいだろうが、高学年のコなどただの邪魔でしかない。
小さい時は調子に乗った言動をしても、周りは親切な目で見てくれたが、次第に親切で優しい目が減っていくのに気付き、子供じゃなくなるのを残念に思った。
それでも母が作るご飯などを平気で「おいしくない」などと悪態をついていた。
実際自分で料理を作るようになって、なんと酷いことを言っていたのだろうと、悔やまれる。
今なら、どんなに不味い料理を出されてもそんなことは言えない。

そんな感謝のカケラも持たない赤子のニンタマだが、最近どうやら私のことが好きらしい。
ちょっとでも私の姿が見えないと泣いたり、騒いだり。
近づくと、嬉しそうに身をよじって笑う。
そんなことをされると確かに可愛い。
だが、そばを離れると、責めるかのように泣くので、かなり心労だ。
「こんなに好かれて、母親の醍醐味よね」 などと、母に言われる。
だが、どこの子供でも母親を好きになるらしいので、別に私の手柄では無い。
こんな無条件に愛されるのは子供だけ、とか、子供が母親に寄せる愛は無償の愛・・・・とか、ドラマなどでも言われている。
でも、子供が生きて行く上で必要だから、頼りきっているだけであって、それほど美しいものや醍醐味とも思えない。
時々どうしても母親を好きにならない子供・・・とかはいないのだろうか?
母親が世話をする中心だから、母親を好きになるわけなので、世話をする中心が別の人ならどうなるのだろう。

ニンタマは生まれて3カ月位からは色々な人に見て貰っていた。
母やお義母さん、パートさん、従妹のお姉ちゃん、そして旦那さん。
今年の2月前半までは、私よりも旦那さんの方が、見ている時間は長かった。
その時は旦那さんの方が好きそうにも見えたが、まだ赤ちゃん過ぎて、人を認知する能力はなさそうだった。
2月後半〜から3月一杯は、旦那さんが忙しかったので、私はお仕事が殆ど出来ず、フルでニンタマにべったりしていた。
ちょうどその頃から人の認知が出来る時期に差し掛かったようだ。
旦那さんは長いスパンで見ると、私よりずっと面倒を見ていたのだが、たまたま月齢が5、6カ月になるころに沢山面倒を見ていた私を、世話する中心人物だと思ってしまったようだ。
私よりずっと一緒にいたのに、ちょっと可哀そうだ。

今、凄くニンタマに懐かれているが、「どうせ、大きくなったらこんなことをすっかり忘れて、冷たくされたりするんだろうな」などと、愛されていると調子に乗らないように自分を戒めている。
だが、若い女子だったころ、「おお、19歳か〜〜〜〜!」などと、ちやほやされても「これはたまたま19歳だからであって、私の手がらではない」と、思っていたことを、調子に乗れる機会なんてそうそう無いのだからあの時、せいぜい調子に乗っていれば良かった悔やんでもいる。
調子に乗らないでいたことで良いことなど、一つも無かったのだ。

そう思うと、一過性のものではあるが、ニンタマにやたら好かれてることも、もっと謳歌した方がいいのかもしれない。
ちょっと不満なのは、私は自分の子供ということもあるが、毎日ニンタマを見ていて、寝返りの練習をしたり、全く移動出来なかったのに一生けん命自主トレなどをして、ハイハイやつかまり立ちが出来るようになっていく様を見て、なんとストイックなのだろう・・・!と感心して好きになっていっているのだ。
初めは泣いてばかりだったのが、手を叩いたりしては、こちらにほほ笑んだりする瞬間に「う!可愛いぞ!」と、くらくらして愛情を深めている。
だが、ニンタマからしたら、偶々世話をしてくれているとう理由だけなのだ。
なんとなく片思いのようで、面白くない。

しかし、何故、生まれてまだ一年にもならない子供に、一々ムキになってしまうのだろう。
世話をしてくれるという理由ではなく、私の特性を理解して好きになってほしいと願うのは度台無理な話なのだ。
40歳なのに、大人気ないことだ。

|

« ぶっちゃける保護者たち | トップページ | 美人来訪 »