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新婚旅行リベンジ篇・とんでもない冒険

朝からモンキーフォレストへ散歩。
入園料を払って入ったのに、中の係の人に「チケットを買え」的なことを言われた。
「Already bought!」
通じるか分からないが「既に買った!」というつもりで言ってみた。
通じたのか、こちらのキレ方で分かったのか、それ以上何も言われなかった。

サル達がうろちょろしている。
331サル
掃除のおばさんが挨拶をしてきた。
普通に挨拶を返すと「バナナ、バナナ」と、言う。
ああ、餌のバナナを買えと言っているんだな・・・。
だが、下手にバナナなど買って、猿が寄ってきたりしたら却って危険だ。
以前鞄の中に入っていた喉スプレーまで奪いとられた事があるのだ。
猿では無いけれど、広島の宮島へ行った時もうっかり鹿せんべいを買ったばっかりに、4匹くらいの鹿に走って追いかけられ逃げ惑ったり、鹿せんべいを一瞬で奪いとられたり、安全の為か削られて短く切られた角で腹を突かれたりしたこともある。
野生の動物にのどかに餌をあげて・・・なんて幻想だ。

ところが旦那さんは、今は入園したばかりだからいらなけれど、後で買う・・・的な受け答えをしてしまう。
掃除のおばさん達は買うと勘違いしてしまってバナナを持ってこようとする。
旦那さんが「No!後で・・・」と、言うと
「チッ!」と、うらみがましい顔で離れて行った。

しばらく散歩を楽しみ、トイレに行きたくなったのでカフェでお茶をしながらハガキを書いたりした。
ここのカフェで、車の送迎や観光を勧めてきた店員に良い散歩コースを教えてもらう。

一度バンガローへ戻り、車でバビ・グリン(子豚の腹に香辛料を詰めた丸焼き)のお店へ連れて行ってもらう。
ここは去年来て、再びバリへ行くことがあったら絶対行きたいと思っていたお店。
店員さんが適当な席へ案内する。
すると、旦那さんは全然違う席を差して「あっちでもいいか」的な事を言う。
考えてみると、いつも案内される席じゃない所へ行きたがる。
単に、座りたい所に座りたいだけなのか、店員が案内する席はお店側の都合でしかないから、言われた席には行きたく無いのかはよく分からない。
だが、その席は普段客用に使っていないような雰囲気。
なんとなく店員へ賄いを食べさせたり、作業をさせたりするスペースの様に見えた。
一つだけサンバルソースが置いてあったが、他のテーブルには4種類くらいのソースが置いてある。
私はソースがたくさんあるテーブルのほうが良いなぁと思っていた。
だが、店員さんに言えば持ってきてくれるだろうと、そこへ座る。
間もなく、料理がやって来る。
331カレー
白い米の上に豚のパリパリの皮やら肉やら、内臓っぽい部分やら、香辛料やらが乗っかっている。
あまりにおいしそうで
「うへ~!」
と、叫んでしまう。店員さんに
「ソース、プリーズ」
と、言うが、「そこにあるじゃないか」的な身振りで流されてしまう。
もっとたくさんの種類のソースが欲しいのよ~!という事を説明するボキャブラリーは浮かばなかった。
旦那さんは、一種類しか無い辛いソースをかけ過ぎて滝のような汗をかいていたので心配になったが、ここの料理がかなりお気に召した様子。
毎日食べても良いと言っていた。
私も毎日食べたい。
二人でブヒブヒ子豚の丸焼きを豚の様にかっ喰らい、先ほど聞いた散歩コースへ行くことにする。

だが、このコースへ行ったばかりにとんでもないことになる。

最初はかなり気持ち良く歩いていた。
気持ちの良い日蔭の道から水田の真ん中のココナッツが生えた道。
鶏やアヒル、牛などを見ながらのんびり歩く。
農作業しているおばさんに、ココナッツの実の中に入ったジュースを勧められる。
ココナッツの実に直接ストローを入れて飲む。とても体に優しい味。

再びてくてく歩いて行く。
今度はおじさんにココナッツを勧められる。
さっき飲んだ、と断る。
旦那さんが道をまっすぐ指して「ウブド?」と、聞く。
散歩コースはウブドから田舎道へ出て、ぐるっと回って道なりへ行けばウブドへ戻るコース。
おじさんは「ウブド」と、答える。

おじさんと別れてすぐ、道が二つに分かれる。
広い方の道は真っ直ぐだが、用水路の様な感じ。
もう一つはほぼ直角に曲がる、水田の中の道。
なんとなく私道のようにも見える。
そのまま真っ直ぐの用水路沿いの道へ進むと、森に入ってしまう。
「これ、散歩コース?」
「いや、トレッキングだよ」
と、もはやちょっとした登山の趣。
やっと広めの道へ出てしばらくしたところで、畑のど真ん中に小さなアートギャラリーがあった。
旦那さんが再び「ウブド?」と、尋ねると
「No!」
と、言われる。びっくりする。
旦那さんは英語はほとんど使わないが全く物おじしないので、安心だ。
私だったら、物おじして、聞かずに進んで延々と何時間も間違った道を進みかねない。
とりあえず、ウブドは逆方向らしい。
ギャラリーの人に「絵を見ていかないか」と、言われるが
「Sorry, tired・・・」
と、断って再びずんずん歩く。

しばらくすると鬱蒼とした茂みに唐突に売店が現れた。
なんか買って行けと勧められたので、水を買う。
売店の人の趣味か目の前の木にはお手製のブランコ。
ブランコに座って記念撮影をして道を確認して出発。
331ブランコのり

しばらくすると今度はまた、小さなアートギャラリー。
だが、誰もいない。
何か買えと言われる心配がないので安心する。
アートギャラリーを通り過ぎると、茂みに、働いているのかぼんやりしているのか遊んでいるのか分からない男性が声を掛けてきた。
旦那さんがしつこく「ウブド?」と、道を聞くと、正しいはずの道なのに「No!」と言われる。
今までさんざんこちらだと言われてきた道が「No」なのか?
我々はちょっと慌てる。
男性はちょっと舛添要一似。
こっちだと指し示すのは明らかに私有地の様な畑の道。
「This way・・・go straight・・・down・・・river up・・・イバホテル」
イバホテルは聞いたことがある。
ここに出られるのなら、安心だ。
よくわからないけれど、ついて行く。
舛添似はアートギャラリーの人でもあったようだ。
絵を見ていかないか・・・と言われるが、また、疲れている・・・と断る。
そのまま明らかに個人の家の敷地内を通る。
犬に吠えられたりしながらどんどん下って行く。
通り過ぎた家を差して
「My house」
と、言ったり犬をいさめたりしながら、いつの間にやら大変な山道へ来てしまう。
彼は私達に名前を聞き、自分は「ムラー」と、名乗った。
旦那さんは彼のことを、先輩で私も1、2度会ったことのある村川さんに似ていると思っていたらしく「ムラー」と、聞いて吹きだしそうになったそうだ。
ムラーは下り坂を降りる時に私に手を差し出した。
困惑する。一応新婚旅行なのに、他の男性に手をひかれるのはいかがなものか?
しかも初対面で、 こちらも握りたいわけでも無い。
だが、差し出した手を拒否するのも失礼に当たるかも・・・
葛藤の末、「thank you」では無く、「sorry」と言って手をひいて貰った。
度々ムラーが手を差し出すから困っていると途中から旦那さんが間に割って入って、手を引いてくれるようになった。ちょっと安心。
旦那さんとムラーが同時に手を差し出した場合は旦那さんの手を掴むが、本当に危険な場所になると旦那さんも降りるのに必死だったりする。
そんな時にムラーが手を差し出す。
「ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダイジョウブ」
と、連呼しながら、手を引いたり危ない道を教えたり、この切り株を手に持って、足はここへ置け・・・と指示したり。
私はさっき疲れている・・・と言ったはずだが・・・
なぜこんなハードなコースへ来る羽目になってしまったのだろう。
今までのバリに限らず、どんな旅行でもここまで危険な道を歩く羽目にはならなかった。
意味が分からないが、絶対に転ぶわけにはいかない。
転んだらただ転げ落ちるだけのような斜面だ。
そこをムラーは裸足でずんずん歩く。
あまりに危険な道になると、私におぶさるようにジェスチャーし始めた。
これは・・・おんぶして貰ってよいのだろうか・・・。
だが、こんなところ自力では降りられない。
体力も使いたくない。
初対面の人に密着するのは嫌だが背に腹は変えられない。
ムラーに他意があるのか、全くの親切心なのかもよくわからない。
変に嫌がるのも失礼かも・・・。
しかし、生理的には抵抗がある。
ムラーは相当足腰が強靭なようで、おんぶが異常に上手い。
大体どんな力持ちの人でも持ち上げられたりおんぶをされると、こちらの方もどこか に負担がかかったり、ずり落ちそうになったり不自由なものだ。
だが、ムラーのおんぶは、背負われている方に何の負担もかからない。
毎日この斜面を裸足で駆 下りたり登ったりしているからだろうか。
インナーマッスルが強靭なのだろう。
外側の筋肉ばかり強い人は頑丈そうに見えても色々負担がかかっているのだ。
そういえばボイストレーナーの先生も登山が一番鍛えられるような事を言っていた。

その後ムラーは、我々を河のほとりへ連れて行く。
そして我々にこの河は凄い力が沸くから泳ぐように勧めた。
旦那さんも私も愕然とする。
水着も無い、そして、さっき疲れている・・・って・・・言ったはずなのに・・・。
「No, swim」
と、言うときょとんとしている。
泳がないなんて信じられないという顔だ。
それなら顔だけでも洗えと、勧めてきた。
仕方なく顔を洗うと私のメガネが河へ落ちてしまう。
反射的につかむことが出来たが、危ないところだった。

本当に泳がないのか?的なことを言って、河を去ることに。
すると驚くことに先ほど下った道を上り始めた。

え?あの危険な斜面は河を案内したかったからで、ウブドへ向かう道の途中じゃなかったの?

ただ疲れるだけだから、こんな斜面降りないでくれればよかったのに・・・。
だが、そういうニュアンスを伝えるすべは無い。

ムラーは相変わらず「ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダウジィウブ」と、繰り返している。
多い時はダイジョウブを9回リフレインしていた。
今度は竹が6本分の細さの、いつ壊れてもおかしくないような橋を渡る。
ムラーについて行った旦那さんが「ここは踏んじゃダメだ!」と、凄い勢いでムラーに怒られていた。
どうやら、踏んでは壊れてしまうような場所がある橋のようだ。
慎重に綺麗な竹を選んで歩く。
そこからまた昇りだ。
ショックが強くて、却って気持ちがしっかりする。
今怪我をしたら、ただの馬鹿になってしまう。
これをオモシロにするには絶対に怪我をしないことだ、と普段とは別人のようなしっかりした気持ちが芽生えてきた。
ともすればフラフラしそうな足取りも、確実に一歩一歩足場を確認して滑らない確信を持ってから進んだ。
ムラーは唐突に山道の上りの途中で
「アトは・・・30m up・・・ go left・・・ rice view ・・・straight・・・ イバホテル」
と言って、我々を置いて行こうとし始めた。
びっくりする私達。
別にムラーと一緒にいたいわけではないが、こんな山の中腹のようなところに置いていかれても・・・。
不服そうな顔をすると、また少し斜面を登って案内していたが、もう自分は帰るというそぶりを始める。
そしてやはり
「30m up・・・ go left・・・ rice view・・・straight・・・ イバホテル」
と、繰り返した。
先程からずいぶん上ったけれど15mとかになってないんだなぁと不思議に思う。
ムラーは「シガレット?」と、煙草をほしそうな様子。
だが、我々は煙草は止めているので持っていない。
5000ルピーを渡してみる。
それでも「シガレット?」と、繰り返すのでもう5000ルピーと、 よくわからなくなって手持ちの紙幣を渡すと「これでタバコが買える」的な事を言って凄く喜んでいる様子だった。
旦那さんに握手を求め、私には手を差し出して、握手をしようとしてから、戸惑ったように止めた。
そして、キョロキョロしてから胸元で両手を合わせてお祈りをするように、手をこすり合わせていた。

ムラーと別れて道は分からないが、ほっともする。
30メートルどころでは無い距離を登りやっと道に出た。
その後、最初に会った人に旦那さんが道を聞くと、ムラーよりもっと細かく教えてくれた。
それにしても近そうに聞こえたイバホテルはどこなのだろう・・・。
素晴らしい景色は広がっている。
我々が歩いている道の両脇が谷底。
前方にはまだなんの建物も見つからない。

雷が鳴り始め、小雨もパラついてくる。
サーッと風が吹いた。間違いなく大雨が来る。
こんなところでずぶ濡れになりたくない。急ぐ。
ムラーと別れてから30分以上歩いて、イバホテルを忘れたころにようやくイバホテル前に着いた。
あんな近そうに聞こえたけれど、こんなに遠かったとは・・・。
というか そもそもムラーに会わなければもっと安全な道でのんびり帰って来られたのではないだろうか・・・。
ムラーはちらっと、自分が教えた道の方がロスが無い・・・と言っていた気がする。
ムラーにとっては平坦な道をのんびり行くより急斜面駆け昇ったり駆け下りたりする方が近いのかもしれないが・・・。

とりあえず、大通りに出られチャンプアン橋というどの地図にも出ている場所へ出たので安心する。
すでに雨に打たれていたが、急いで休めるお店を探す。
その途中で地獄の番人のような老人に地の底から聞こえるような声で
「ヘロ~~~!」
と、叫ばれ、手を差し伸べられた。
何か見てはいけない気がしたが顔が大変なことになっているようだった。
旦那さんに聞いたら顔に腫瘍のようなものがぼこっとぶら下がっていたらしい。
命からがら人里へ戻ったと安心したばかりの身にはハードコア過ぎた。

やっと、落ち着けるカフェを見つけ、休養する。

その後、再びハードコアな老人の前を通ってビンタン・スーパーへ。

車を拾って帰って休む。
ちょっとだけプールへ入り、明太子カルボナーラを食べに「アンカサ」へ。
この間の鈴木亜久里似の店員はいなかった。
感じの良い、日本語も少し話せる店員さんで、疲れた我々はほっとした。
明太子が上手いと言っているのにあまのじゃくな旦那さんはボロネーズを頼んでいた。
やはり私が頼んだ明太子カルボナーラの方がおいしかったが、旦那さんも満足しているようで安心した。
だが、去年あまりにもパスタのうまさに感激していたせいで、今回は前ほどの興奮はなかった。
おいしいと思って二度めに来ると、最初の時よりおいしいと思わないことが多い。
妄想や期待で実際の味よりおいしかった記憶になってしまうのだろうか?

旦那さんがパスタがおいしいからピザも頼みたいと、言う。
頼んでみると、これが・・・美味い。

ヴィラへ帰って再びチャングムを見るが、私は途中で寝てしまう。
やはり疲れたようだ。

またもや悪夢を見た。
詳しくは覚えていないが、旦那さんに、本当は結婚するつもりなどなかっただの、嵌められただの言われて、あまりの晴天の霹靂ぶりにギャグかと思って、
「でも、あの時、こう言ってたじゃない」
などと、それまでの良い出来事や旦那さんが前向きに語っていたことなどを羅列してみるが、冷たい顔で全部理詰めで返答されてしまう。
いよいよこれはギャグではないんだ、本当なんだ・・・と、思ったもののあまりの事態を自分で受け入れることができず、壁にゴンゴン頭を打ちつけるのだが、旦那さんは冷たい顔をして止める気配もなく、私は痛いのに頭を打ち続ける・・・という夢。

自分の「うわ~ん!」と、言う声で目が覚め、またまた旦那さんを起こしてしまう。旦那さんは親切に
「どうしたの?」
と、聞いてくれたのだが、夢での仕打ちで混乱していて疑心暗鬼。
こんな夢を見た!と、おいおい泣きながら話すと
「そういう夢は言うといいんだよ、言わないと本当になっちゃうからね・・・」
と、旦那さん。
おいおい、本当になる・・・って、そんな他人ごとみたいに・・・アナタのことですよ?と、軽くツッコミ気味な気持ちになるが、一応落ち着き、再び眠る。

それにしても、お芝居の台本でよく恋愛でエキセントリックになる女性を出してきたが、現実に自分が頭を打ち付けたりしたことは無かった。
前回も握りこぶしを床に打ちつける女性を出していたし、感情を移入したり想像して理解できると思ってはいたものの、自分でも「うわ、怖・・・」などと思いながら 作っていた。
でも、実際追い詰められた精神状態になったら、そういう言動をしてしまうんだなぁ・・・と実感した。

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