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ぼんやりとオノロケ

最近自分が記憶障害やアルツハイマーなのでは?と、かなり心配。
2月7日頃、三鷹駅前に自転車を置いて電車に乗った。
普段は自転車で駅へは行かないのだが、急いでいたので夕方なので撤去はされないだろうとタカを括っていた。
芝居を見てぼんやり帰宅。
数日後自宅の駐輪場に自転車が無いことに気付く。

あれ?最後に乗ったのいつだっけ?

よく考えてみると駅前に置いたまま、乗って帰ってきていないような気がする。
撤去先は歩いて行くには遠い。これはバスでなければならない。
そして、帰りも漕いで帰るにはちょっと遠い。
そんな時はいつも旦那さんが行ってくれた。
今回も「俺行くよ。そっちが行くとどうせ迷うだろうし」
と、言ってくれたのだが、芝居の本番中で忙しい様子。
本番中はお酒も飲むし、出かける前ギリギリまで寝ているか、仕事。
そうこうする間に旦那さんは地方公演へ行ってしまった。

撤去先の保存期間が過ぎて取り戻せなくなっても困る。
体調の良い日にバスに乗って、取りに行く。
思ったより遠くなかった。
この自転車は2001年に買ったのだが、何度も撤去をされ、その度に取りに行ったり、駐輪している間にボコボコに破壊されていたのを修理したりですでにかなりの金額を費やしている。その間2度盗まれて出てきたりもしている。
今はもっと安くていい自転車もあるはずだが、健気に戻ってくるあのコを手放す気にはなれない。
撤去先でもみすぼらしい姿でチョコンと私を待っていた。
ごめんよ~と、となえながら乗って帰る。
一安心だ。
ところが、また駐輪場に自転車が無い。

あれ?
最後に乗ったのいつだっけ?

よく思い出せないが、「身も心も」を観にいった先週の木曜日にまた三鷹の駅前まで乗って行ったはずだ。帰りの記憶は無い。
では・・・私はまたもやあのコを置き去りにしてしまったのか・・・!
ひと月に二度も撤去されるなんて・・・ぼんやりすぎる。
「もう自転車乗るなってことだよ」
と、親友たちに言われるのだが、ここまで大事(?)にしてきたあのコを失う訳にはいかない。
また取りに行かなければ・・・。
アホすぎて撤去先に行くのも恥ずかしい。

地方へ行っている旦那さんにも流石にあきれられるだろうと思いながら電話で話すと大笑いされる。

「考えごとするとそっちに頭行っちゃうから忘れちゃうんだね~」
「っていうかアルツハイマーじゃないかと・・・」
「違うよ、ただ馬鹿なだけだから」
「え、でもこれひどくない?」
「大丈夫。昔からだから」
「そうかなぁ・・・」
「そういう所が気に入ってるんだから」(この部分ノロケ)

怒られるよりは全然気が楽だし、嬉しいのだが待てよ?と思った。
確か私のミスで新婚旅行へ行けなかった時も普通怒りそうなものだが爆笑して
「そういうところがいいところなんだから・・・」
と、言っていた。
この社会能力が欠けているところが「いいところ」のはずはないではないか。
この人大丈夫だろうか?
初めはなんて器の大きい人かしら・・・とひそかに感動していたが、疑問も残る。
普通ちょっと「気をつけろ」とか言うのではないかしら?
言われたら言われたで、
「そんなことは百も承知だ! 自分が一番分かってるよ~!」
と、腹は立てるのだが。
どうもあまりしっかりしていると「そんなはずはない」と、
心配になり失敗をすると「そうこなくっちゃ・・・」と、喜んでいるようにも見える。
この欠点は「いい」ところでも「気に入る」べきところでも無いが、細かいところで怒ったり人の欠点をあげつらう人じゃなくて良かったなぁと思った。

それにしても必ず失敗をしたり、道に迷う人間だと思われていることはちょっと不本意だ。
道にも迷わず、ミスをしない時だってたまにはあるのだ。
だが、旦那さんは私以外にも駄目な人にとても甘い。
そこそこ人並みの能力があって有能ぶっている人に対して点は辛いが、大言壮語しては酒ばかり飲んで何もしない人とか、一生懸命やっているのに失敗ばかりしている人には温かいのだ。
怒られないからいいやと思っているとヤバい気がしてきた。
まず、このぼんやり癖をなんとかしたい。
本当に脳に異常はないのだろうかもやっぱり心配。

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伊勢丹への愛憎

月曜日にマリッジリングを買いに行った時、うっかり伊勢丹のIカードの入会を申し込んでいた。
だが、結局その日審査が通らず「一週間後位に書面でお知らせします」というようなことを言われていた。
こちらとしては、当日にカードを作って買い物が出来ないならば、必要無かった。
だから、その時点で
「あ、じゃあいりません」
と、言いたい気持ちもあった。
だが、腹も立っていたのと、ダメージを受けていたせいもあって言えなかった。後手に回ってしまった。
旦那さんでさえ「じゃあ、今断ろうか・・・」
と、言っていたのだ。
だが、感情にかられて短気に行動するのも大人げないかと思ったのと、カードを作るために小一時間が掛っていたので、その時間をあっさり無にする度胸が無かった。

だが、昨日伊勢丹から薄い手紙が届いた。封をあける前から分かった。
「ああ、審査落ちだ」

一週間と言っていたのに、こんなに早く通知が来るのは、あの時点ですでに審査落ちは決まっていたのだ。
まどろっこしいことしやがって・・・。
堂々とあの場で角を立てて「審査落ちしました」と、言えばいいのに。
なんて、いやらしいのだ。

自分のお金ではないが、学生時代私がどれだけ伊勢丹で買い物をしてきたと思っているのだ!
と、没落貴族のように憤慨する。
以前生活に困ると伊勢丹のファミリーカードで買い物をして、服やら食材を買っていた。
学生の頃、辛抱も足らずに物欲に耐えられずに、買い物をしまくっていた時期があった。
だが、買い方を知らない馬鹿だったので、サイズが合わないのに勧められるままに買っていたり、マメでは無いのでクリーニングに出さないまま服をダメにしたりしていた。
そして、演劇の界隈に関わり始めだんだん必要のないものを買わないようになっていった。
見てしまうと物欲が抑えられなくなることを身を持って知ったので、買い物にも行かなくなった。
買い物に行かなければ、何年でも毛玉のついたセーターやらと穴のあいた服を着ていても気にしない方なのだ。何ならジャージで電車にも乗る。
本来なら、商品を見ても自分には必要ないと抑えられる理性があればいいのだが、それが無いのも、嫌というほど自覚している。
10数年、ゲームはやらない、麻雀には手を出さない、ギャンブルはしない、デパートには近づかないという鉄則を持って生きてきた。
一度何かにはまると、依存しやすい危うい性格なので、ちょっとだけ・・・というのも禁物なのだ。
それで平穏だった。
なのに、うっかりデパートに行ってしまったのが悪かった。
あの時点でこちらから願い下げだ!と、毅然と言い捨ててくれば良かった。それだけが悔やまれる。

長年通っていて行きつけ気分が残る伊勢丹にされた仕打ちは許しがたい。
買い物をして下さいとお願いする立場で、Iカードを作らせたら何がしかポイントアップでもあるのか分からないが、是非に・・・と、勧められておだてに乗ったらこのザマだ。
上げて下げるくらなら、いっそ下げっぱなしにしてくれ。
そして、下げるのならいっそ堂々と下げてくれ。
事を荒立てたくないからか、落ちると決まっているのにわざわざ上品ぶって「書面にて・・・」などと、言わずにちゃんと泥をかぶって「落ちました」と、言って欲しい。
下層階級は被害妄想も強く、プライドだけは人一倍なのだ。
社会的に保障されている人間よりもナメた扱いに関しては、小うるさいのだ。
そして、泥をかぶらない卑怯な態度も許しがたい。
先方にとっては痛くも痒くも無いが、許さないと決めた会社リストに伊勢丹も入れなければならなくなってしまった。
知り合いが勤めていたり、最近従妹が結婚したお相手が伊勢丹の人だったりでほかのデパートよりもずっと愛着があったのに、残念だ。
あ!最寄りの三鷹の駅中に出来たおいしいお惣菜やケーキを販売しているコーナーも実は伊勢丹の傘下だった!
うぬぅ・・・、あれだけは伊勢丹とカウントしないでおきたいなぁ・・・。
だって、おいしいんだもん。

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川の流れのように

一昨日の晩からの水下痢が今朝になっても一向に収まらない。
今日は旦那さんの出ているお芝居を観に行く予定なのに、困ったものだ。
だるいので何か食べたいが、食べると大変なことになる。
ガムを噛んだだけでも、エライことになりそう。
旦那のお芝居を見ながら、水下痢を洩らす・・・などという恐ろしい自体になったらどうしよう。

ずっと便秘だったのに、どういうことなのだろう。
だるいし気持ち悪いし、どうしたものかわからない。
寝てればたいていの病気は治ると思うのだが、夜中に何度もトイレに起きているので、全然眠れない。

なんだか、すっかり体の弱い人みたいだ。養生するのにはもう飽き飽きだ。
大分体をいたわってるつもりなのに、腹立たしい。
いたわってやらなきゃと思いながらも、我ながら自分の体を「ウジウジ言ってめんどくさい女」みたいに思えてきた。
面倒臭い女の言い分は無視していても結局きかないとより大変なことになる。
我慢して体の調子や言い分に耳を傾けなきゃ。

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怒濤の妊婦生活

数人の人には言っていたのだけど、実は妊娠中。
ただいま、3か月の半ば。
まだ完全に安定期では無いので、予断は許さないのだが、大分体調も落ち着いて来た。

今のところ全くつわりもなく、ただちょっと疲れやすかったり、肩コリが激しかったり便秘気味だったりだけなのだけれど、明らかに体に異変が起こっている感じで、毎日ハラハラしている。
ホルモンバランスのせいか、凄い機嫌が良かったかと思ったら、凄く鬱気味になったり上がり下がりが激しくて、あまり動いていないのに疲れる。
走ったり暴れたり出来ないので「イーッ!」と、発狂したくなったり、
やったことも無いバンジージャンプまでやりたくなったり、
ヘッドバンキングしたくなったり、
サウナで滝のような汗をかきたくなったり・・・。
世の中のお母さん達は、皆そういう衝動を我慢して出産したのかと思うと、それだけで「凄いなぁ・・」と、尊敬の念を抱いてしまう。
いつか夢と勘違いして、酒をガブ飲みしてしまったり、ジャンクなものをドカ食いしたりしてしまいそうで、心配。

初期のころ出血が激しかったので、親からトイレと食事以外は布団にいるように・・・と、厳命されていたせいで、すっかり体力が落ちてしまった。
やっと、仕事先へちょっと復活したら、免疫が落ちていたのか、風邪をひく。
薬も飲めないで、ただじっとしているしか無く、ストレスがたまるので歌とか歌いたくなるも、喉が痛すぎるし、声を出すと咳が出るし・・・。
早く安定期に入って、マタニティビクスとかスイミングとか、何でも良いので暴れたいなぁ。
実際、やっと動けるようになったとたんに熱を出したので、何もしないで横になってばかり。
子供が産まれたら、ゆっくり寝ていられないのだろうなぁと思うと、何故かどんどん無気力になってしまって、すっかり駄目妊婦。
こんなぐうたらで大丈夫なのだろうか・・・。

っていうか、寝なきゃ・・・。

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マリッジリング熱

昨日マリッジリングを買った。
結婚して半年経って、特に必要とも思わなかった。
旦那さんのご両親に
「指輪買ってもらいなさい」と言われた時にも女の人はきっと指輪くらい欲しいだろうに・・・と気を遣って頂いてることをありがたいと思ったものの、本当にいらないんだよなぁと思った。

私はつくづく指輪に縁が無い類の人間のようなのだ。
気に入って、好んで身につけた貴金属に限って無くしてきた。

大して気に入っていないものだけが残っている。
今の旦那さんとお付き合い始める前、二人で街を歩いていて、外人の露天商が売っているアクセサリーを見ていた。
カップルだと勘違いした外人さんが、銀のイルカ模様のリングをペアなら安く売ってくれる・・・と、言いはじめ、なおかつ旦那さんがその外人さんとじゃんけんして勝ったら、もっと負けてくれるということになった。
どっちが勝ったのか忘れてしまったが、結局結構負けてもらって二人でペアのリングをすることになった。

その数か月後にちゃんとお付き合いすることになり、まだ乙女チックな気持ちが残っていた私も指輪を大事にしていた。
だが、いつの間にか指輪は無くなってしまった。
そして、再び私の誕生日に旦那さんがペアの指輪を買ってくれた。
それもとても大事にしていたのだが、私の指輪だけ細工が壊れてしまった。
その後、初めに買ってもらった銀の指輪がユニットバスの排水溝から出てきたが、綺麗に磨いたのち、再び消えてしまった。
旦那さんはどちらの指輪もちゃんと持っている。
大事に思っているのにどうして無くなってしまうのだろう。

そもそも私は、幼稚園の頃、母の婚約指輪をなくしていた。
園児達の中で馬鹿にされて立場の低い位置にいることが多かった私は母の宝石箱から指輪を持ちだして、遊んで注目を浴びようとしたのだった。
母の婚約指輪のダイヤの指輪は、当時私も欲しくて仕方が無かった。
まだ30代前半の母に
「お母さんが死んだら、これ私にちょうだいね!」
と、非常識なお願いまでしていた。
それでも「それまで待てないなぁ・・・」と、じりじりするほど欲しかったのだ。
なのに何故か、Yちゃんと言う子にその指輪を貸してあげた。
その子があまりに嬉しそうだったのでつい「それ、あげるよ」と、口走ってしまった。
Yちゃんはとても喜んだ。
私が欲しかった指輪だし、このことが母にばれたら私はどれだけ怒られるか・・・と、心配になり、数時間後「やっぱりあの指輪返して」と、言いに行った。
だが、「ああ、あれはね、大村君にあげちゃった」と、当時ちょっと乱暴者の怖い男のコの名前を出された。
大村君にはとても、「指輪を返して」とは言えない。 結局、黙っていた。
その後、「あんたお母さんの指輪知らない?」と、母に聞かれ
「知らない」と、嘘をついた。
それでやめればよかったのに、再び母の指輪を持ちだして遊びに行こうとした。
ある雨の日私のレインコートから母の他の指輪がバラバラと落ちて、私の所業が発覚した。
「あのダイヤの指輪もあんたでしょ」と、言われた。
Yちゃんにあげたとは言えなかった。
「裏の芝生で遊んでいたら落とした」と、嘘をついた。
「見つけてくるまで家に入れない」と、家を追い出され、裏の芝生で無い指輪を探し続けた。
不思議なことに絶対にないはずなのに、一生懸命探していたら出てくるんじゃないか・・・という気持ちになって、何時間も探し続けた。
近所をパトカーが走っていた。
「ああ、私を捕まえにきたんだ」と、牢屋に入る恐怖に打ち震えた。

結局牢屋には入れられなかった。
数年後「実はあの指輪はYちゃんにあげたら、Yちゃんに大村君にあげたって言われた」と、白状した。
母は大村君の親に聞いたらしいが、知らないと言われたらしい。
私が、当日、もしくは悪事が発覚した日にちゃんと自白をしていたら、あるいは出てきたかもしれない。
それから数年後自分は泥棒だから死んだら地獄へ行く・・・と思い悩んだ。
「大きくなったら、あのダイヤよりも立派な猫目石の指輪を買ってあげるから許してほしい」と、母と約束をした。

未だに貧乏暮らしの私は指輪を買ってあげられていない。
それどころか、貰いものばかりしている。
そして、両親が離婚して私が大学を卒業する年に母からもらったトルコ石の指輪も、凄く気に入っていたのに無くした。
婚約指輪では無く、プラチナの結婚指輪ももういらないでしょうと貰っていた。
当時未婚の私は「縁起の悪い離婚の指輪だよ~ぎゃはは!」と、言い振らかし周りを困らせていた。
だが、その指輪も無くした。
どの指輪にも愛着はあったのだ。
ことごとく指輪をなくすのはダイヤの指輪を盗んだタタリかもしれない。

もしくはただだらしがないからかもしれない。

ところが、一応旦那さんの実家で親戚だけの小さな式をすることになった。
ってことは便宜上指輪がいる。

もう、大事なものをなくすのはこりごりだ。
無くなるたびに自分が悪いとは言え、凹み辛い気持ちになっていた。
とりあえず、ネットでマリッジリングを探してみた。
よくわからないが、38000円くらいから、10数万円の指輪があった。
38000円の指輪は田中貴金属が大量生産しているものらしく、エンゲージリングとマリッジリングの3点セットで21万円なのだが、マリッジ単品だと男性用、女性用で38000円ずつらしい。
大量生産しているパターンなので、お安くなっているようだ。

そこで適当に眺めているとちょうど65000円位の指輪で可愛い指輪があった。
よくわからないから見に行ってみよう。

その前に周囲の既婚者にいろいろ聞いてみた。
一人目。ペアで12~13万円。デパートで5分即決。
ニ人目。やはり一人6、7万円の指輪をデパートで即決。
三人目。一人2、3万円位。
皆もっとあのブランドでこれがいい!って言うようなこだわりがあるのかと思ったら、意外といい加減なので安心する。

とりあえず、新宿の田中貴金属へ。
6、7万円の指輪と38000円の指輪を見せてもらう。
旦那さんのサイズが分からないので調べて下さいと言ったが、
「19位じゃないですか?ちゃんとおつくりする場合は測ります」とのこと。
旦那さんの指のサイズは大き過ぎておいていないようだったので注文するとひと月かかるようだ。
一応式にはギリギリ間に合う。
とりあえず、即決はしないでお茶をしに行こうと外へ出る。
他の店を見ると頭が混乱するから別に見る気はなかったのだが旦那さんに「一応デパートとかも見てみよう」と、言われ伊勢丹へ。

よくわからないながら、足を止めたのは「組曲」のアクセサリー売り場。
組曲にはそれほどいい思い出が無かったが、とりあえずサイズを調べて貰おうと聞いてみた。
すると田中貴金属では測ってくれなかったのに、すぐに測ってもらえた。
お勧めされたリングは8万位のプラチナ。
若い店員さんが他の指輪よりも妙に押してくる指輪は素敵なのだが、いまいち気持ちが揺れない。
すると、奥にいた60歳くらいのエース級の店員さんが出てきた。
その店員さんに別の指輪を見せてもらう。
プラチナで唐草模様。
指輪の内側にブルーダイヤと刻印も入れてくれるという。
旦那さんも「これ、いいねぇ!」と、気に入っている様子。
値段を見てみてら、一本10万円程度。

「高い・・・」

そう思ったが、旦那さんのテンションも一番高い。
そこへエース店員がたたみかける。
「マリッジリングっていうのは男性が気に入らないとダメですよ。結局男性は気に入らないとつけないですから」
「ただいまIカードに入会頂き、なおかつブライダルクラブへ入っていただいたらお二人で18万程度までお値下げできます」と、見積もりも出される。
カードは1時間くらいで出来るらしいので、一応入会だけすることに。
その後旦那さんとお茶をする。
「どれにする?」
と、聞かれ頭を抱えた。
指輪はいらない!・・・そう思っていたが、久しぶりに熱病のような物欲に取りつかれてしまった。
1日、2日頭を冷やすとほとぼりが冷めるのだが、注文するには猶予が無い。
最初は高くて範疇外だった、唐草模様の10万円の指輪が欲しくてたまらなくなる。
だが、貴金属の値段ほど馬鹿らしいものは無い。
買う時は高いくせに実質的な金銭的価値はないのだ。
絵と着物と貴金属に金を掛けるのは本当の金持ちしか許されない。
金持ちでも無いのにブランド名にひかれて高い金を出すのは馬鹿だ・・・とかねがね思っているのだ。

それなのに・・・私は今、踊らされている。
旦那さんが「高いな・・・」と一笑していたら、欲しいと思わなかったのに、「え、これアリ?」と思った瞬間に病にかかってしまった。
でも・・・きっと無くす。
こんなものに金を出すのは分不相応だし、そんなことをしたら自分を馬鹿だと思うと分かっている。
なのに欲しくて欲しくてたまらない。
そして、今は無くさない・・・と言い張って買ったとして・・・、それでもその指輪を無くした時を考えるとおそろしい。

絶対に買わない方がいい。

分不相応な馬鹿なことをした挙句に、予定通り無くしたら自分ながら目も当てられない。
買わない方がいいのだ。

でも、欲しくて欲しくて欲しくて堪らない。

「うぉ~~~~!苦しい~!」と、イタトマで吠える。
旦那さんが皆はどのくらいのもの買っているの?と、聞いてきた。
本当の値段を言ったら、「じゃあ、あれはやめよう」って言うのは分かっていた。
だが、嘘もつけず本当の値段を言った。
「なんだ、10万位でもまだ安い方なのかと思ったら皆そんなもんなんだ~」
「・・・まあね。演劇畑だから、世間の相場とは違うんじゃないかな」
と、何にもならない理屈を言って唐草模様を却下させないように悪あがき。
「ただ、心配なのは・・・私が無くすんじゃないかってことなんだよね。今は絶対無くさないって思ってるけど・・・」
と、ついまた余計なことを言ってしまう。
今まで無くした指輪はもっとずっと安モノだったのだ。
だが、10万単位のモノを無くした場合、かなりショックを与えるだろうから、前もって危険性を言っておいて少しでもフォローしておきたい気持ちも働いてしまったのだ。
自分でも買いたいのか止めてもらいたいのか分からない。

「あ~~!絶対無くすよな。じゃあさっきの38000円のでいいじゃん」
ああ、やっぱりこう来たか・・・。
「でもね、私は・・・あの38000円のものは全く欲しくないの。あの中では安いって言ったって38000円あったらさ、ちょっと旅行とかできちゃうんだよ?欲しくないものに38000円×2で76000も出すのはちょっと・・・・」
「え、でもさ~あっちは18万だよ?だったら・・・・」
「なら、まだ65000円の奴の方がいい。あれならちょっと欲しいって思ったもん。でも、10万のを見ちゃったら、結局色あせて見えるんだけど」
「まあ、なくすって分かってた上で馬鹿なことをやるって分かってそれでも10万の指輪にしたいって言うならそれでもいいんじゃない・・・」

これで10万の指輪にしたら今後間違いなく欲しいものをこらえられないダメ嫁だと思われるなぁ。
倹約家でしっかりしたいい嫁と思われるより、多少ダメ嫁だと分かってもらった方がいいかもしれないが・・・数か月後に「ああ、熱病に浮かされて商業主義に踊らされた挙句、なくしちゃった」という自分に耐えられるか・・・・。
もだえ苦しむ。
ああ、今私の胸に吹き荒れる嵐よ・・・頼むから、おさまってくれ・・・・。

とりあえず、伊勢丹のIカードカウンターへカードを受け取りに行く。
そこで一気に問題解決する。
「お客様のカードの審査に時間がかかり、今日は発行できないことになりました。一週間ほどお時間がかかります」
「え?指輪を買いに来て、値引きしてくれるって言うのでカードを作ることになったのですが、では今日は値引き価格で買えないっていうことなんですか?」
「はい、申し訳ございません・・・」

「今日、買えないならいらねぇんだよ!バ~カ!一年目は年会費無料って言ってたけど、2年目からは2100円だろ?アタシャ、デパートの5パーセント引きのために2100円払っても得をするほど買い物なんかしね~んだよ!沢山くどくどとアホみたいな説明や、何度も名前や住所や電話番号を書かせた時間を返しやがれ、このウンコ!」
と、怒鳴りたくなったが、やめた。

物欲に踊らされて、オメオメと入会手続きまでしてしまったのが屈辱的だ。
入会してくれとお願いするように説得されたから、重い腰をあげたというのに、それで上から目線で審査に時間がなどと言われるなんて、なんて失礼なのだ。
そんな屈辱に耐えて割引にもならず20万円も出して、無くす指輪など買うものか・・・!
と、憤るも脳裏には指輪の残像が消せない恋のようにチラついていた。

ああ、必要でもない指輪を何故買わなければならないのだ・・・。
買うには今日しか日にちが無い。
旦那さんに「丸井でも入ってみる?」と、言われ、ぼんやり入店する。
マリッジではないが安いペアリングが沢山売っていた。
だが、嵌めてみると指当たりが悪くごつごつしている。
「けっ!こんな安物か・・・。こんなもんなら欲しくも無いやい!」
荒んだ私の気持ちは手がつけられない。
そこへ、店員さんが「こちらの指輪はステンレスで、耐久性もあるんですよ~」と、声を掛けて来た。
ステンレス・・・。
私はステンレスの鍋が大好き。鍋ではないが、ちょっと心が躍る。
値段は・・・9800円!
安!
いや、決して安くはないけれど、今までとケタが違う。
いいんじゃない、これで?
ただ、ステンレスは堅いので繊細な細工は出来ないようだ。
ちょっと可愛い指輪は皆ホワイトゴールドで、毎日はめるには不向きと言われた。
店員さんにいろいろサイズを出してもらおうと声をかけると他の客の接客中で待たされる。
旦那さんに「俺、ここにいるから他の売り場見て来なよ」と、言われたのでよその売り場に行く。
すると・・・若干可愛い唐草模様の指輪が3万円程度であった。
「可愛い・・・」
でも、眺めてみるとホワイトゴールド。
「同じタイプでプラチナもございます」と、見せられる。
やはり6、7万はする。
すると、その売り場に、私が以前無くした母の結婚指輪と良く似ていて、もっと垢抜けたしたプラチナとピンクゴールとのコンビの指輪があった。
値段は6万円。旦那さんのサイズを作る場合、一か月かかり、6万3千円になるらしい。
私が無くした指輪にそっくり。
これならむしろさっきの10万の指輪より好きかも・・・。

私が戻ってこないので旦那さんがこちらの売り場へ来る。
旦那さんはいったん9800円の指輪になると思っていたからか、テンションは低い。
再び、この指輪が欲しい~という小さい嵐が吹き荒れる。
検討しますと、その売り場を立ち去り、再び安いステンレス指輪の売り場へ。
先ほどの店員は私たちが戻ってこないからか、すでにこちらをシカト。
別の店員さんが接客してくれた
「あの~、このステンレス、あまりわからない人がみたらうっかりプラチナって勘違いしますかね?」と、何度も尋ね、苦笑いされる。
あまりにしつこく聞くので旦那さんに「いいじゃん、プラチナに見えなくても」と、たしなめられる。

結局9800円のステンレスにした。
旦那さんに「この指輪5年間無くさなかったら、もっといい指輪買えばいいじゃん」と、言われた。
「う~ん、一年!一年無くさなかった、あのさっきの指輪買ってもいい?」
「じゃ、そうしよう」
ということになったが、本当は分かっている。
多分一年後にはあの指輪のことは忘れている。
きっと、別にいらないという気持ちに戻っているのだ。

そんな指輪を買うくらいなら旅行へ行ったりする方が方がいいのだ。
っていうか、3月に昨年11月に行けなかった新婚旅行リベンジをするつもりだ。
その気持ちがあったので、かろうじて物欲をなんとか抑えることが出来たのかもしれない。
旦那さんは謎に「お金が浮いたから、ごちそうを買おう」と言っていたが、実際浮いたわけでは無い。むしろ出費はしている。
ごちそうは却下・・・と思ったが、近所のスーパーで1000円で「ホタテの刺身」「イカの刺身」 「岩ガキ」「明太子」「ししゃもより大きめの干物5匹」がセットで売っていたので、購入。
適当に白菜と鶏肉と豆腐で鍋をつくり、刺身と鍋を食べる。

そして、今日ネットでステンレスの指輪を調べたら、もっと安い3500円位の指輪があった。
ああ、別にこんなんで全然十分だったなぁ。
9800円って言っても二つで2万弱だ。
やっぱり高い。
昨日の熱病時とは打って変わってケチ気分になっていた。

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極太恵方巻

昨日、左の脇の下に変なできものが出来ていた。
小さいふくらみをよく見てみると、なんだか乳輪のようにも見える。
「ま、まさか・・・副乳?」
しかし、ちょっと痒いような気もする。
ネットで調べてみると副乳の可能性もあるけれど、稀に乳がんの場合も・・・などと怖いことが書いてある。
風邪が少し良くなったら産婦人科へ行くつもりだったので、思いきって行ってみることにした。
ネットで評判が良いおじいちゃんがやっている病院。
びっくりする位レトロな外観の病院だったが、安心できる雰囲気の先生だった。
左脇のできものの話をすると「副乳かもしれないな・・・」
と、言っていたのだが、見せると
「あ、これはただのニキビみたいなもんです」と、一言。
私も安心して「あ・・・・にきびですか・・・・」と、笑ってしまった。
つぶしたくてうずうずしていたのだが、万が一変なモノだったり、副乳だったらマズイし・・・と、我慢していた。
ニキビだからと言って、つぶしていいワケではないが、我慢できなくなったら、つまんだり中身を絞ったりできるかと思うと安心した。

帰りに恵方巻きを買ってしまった。
朝、テレビで
「昔花柳界で芸者さん達が旦那さんのイチモツに見立てて、食べたのがルーツ」
などと聞いて
「最悪だ!そんなもの絶対食べたくない!」
と、憤慨していたのだが、大変に巨大な恵方巻きを買ってしまった。
ウマそうだったのだ。
私の前にも恵方巻きをカウンターに差し出して会計している女性がいた。
すると、急に現れた老婆がその恵方巻きを持っていこうとしたので店員さんが思わず握りしめていた。
驚いた老婆が「何?これもう売り切れ?」と、尋ねた。
「あ・・・これはこちらのお客様がお買い上げのモノなので・・・。まだまだあちらに沢山ございます」
と、陳列棚の方を差して案内していた。
老婆は謝りもせずに去って行った。
店員さんが、私の目の前のお客さんに「申し訳ございません」と、謝っていた。
年を取っているせいで、ボケてきて非常識になっているのか元々非常識なタイプの人なのかわからなかったが、ボケてもこんな風にはなりたくないな・・・と思った。

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風邪に栄養

最近読んだ本で、風邪ひいて食欲が無い時に無理に食べるのは良くない・・・というようなものがあった。
風邪で食欲が無いのには理由があるらしい。
そういうときに無理に食べると風邪菌の方に栄養が行ってしまうとか。
よくわからないながら、次第に自分なりに曲解して病気の時には口当たりのいいつるっとしたものや食べたいものしか食べなくなっていた。
うっかり栄養のあるものなんか食べたら、風邪の奴に栄養を与えてしまう。
とはいえ、韓国好きな友だちからニンニクパワーの話をされると、俄然ニンニク丸焼きや辛いスープが飲みたくなる。

旦那さんと近所の韓国料理屋へ行ってみる。
レバ刺し、ニンニクホイル焼き、テグタンスープ、チャプチェを頼む。
レバ刺しなんて消化に悪そうと思っていたのだが、おいしくてしょうがない。
これは体が求めているとしか思えない。ツマの大根も残らず食べる。
帰りにスーパーへ寄って、パイナップルとブルーベリーを買う。
以前差し入れで頂いたブルーベリーが大層おいしかったので、買ってみたのだが、味は比べ物にならないほど悪かった。
フルーツってこれほど味が違うのか・・・とびっくりしながらも完食。

前日までは風邪で体重が落ちていたのだが、一気に太った。
この栄養が体調にどう作用するかしら?と、思いながら寝た。
苦労してやっと寝ついたと思ったらせき込んで目が覚める。
トイレに行きたくなった。
だが、トイレに行くと確実に体が冷えてまた目が覚めてしまう。
行かない方がいいのでは・・・と考えている間に再び朦朧としてきたので、そのまま寝る。
次に目を覚ました時、喉の腫れや痛みが今までの半分以下になっていた。
おお!
何が効いたのだろう?
レバ刺し?ニンニク?スープ?フルーツ?全部?
でも、きっと夜中にトイレに立っていたら、治らなかった気がする。

まだ頭痛や鼻づまりや咳や節々の痛みはあるので、あと1、2回はがっつり寝ないと治らないような気がするが、昨日も一昨日もお風呂にも入れたし、大分楽になり始めた。
あと、一息頑張って根気よくじっとしていなくては・・・。

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眠れない夜が続く

風邪が治らない。

鼻づまりと咳のせいで眠れないからだ。
寝ようと努力をして、おそらく4時間くらいはただじっと耐えている。

これが毎晩なので、とにかく苦しい。
喉の痛みと咳、鼻水、微熱・・・・。

今週はインフルエンザ流行のピークらしい。
もし、風邪が良くなったしてものこのこ出歩いたら、今の私は一発でやられそう。

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