バリ日記~ノムコと最後の1日
今日でチャハヤ・デワタはお別れ。
お次はちょっと贅沢をして「アラム・インダー」という素敵なホテルへチェック・イン。
この部屋にはノムコは泊まらない。
25日の1時の飛行機でオーストラリアへ帰ってしまう。
25日というと明日の気がしていたが、今日の夜には空港へ向かわなければならない。
トランクを持ってうろうろするのも大変だ。
ここを根城に動き回ろうという寸法だ。
「いいホテルだね~。『泊まらない奴の荷物は・・・』なんてケチな事言わないよ」
と、ノムコ。
お部屋へ入って皆で「うわ~~!」と、ため息。
今までのホテルも素敵だったが、ここは段違い。
混んでいたのでダブルベッドのお部屋しか無かったが、憧れの天蓋付き。
水回りも広い。
バスタブの傍に窓があり、鬱蒼とした森を見ながら入浴できる。
そして、窓辺にはシングルベッドより大きいソファーもある。
「アタシャ、ここで十分だよ」と、寝そべるノムコ。
先ほどからユピコがソワソワしている。
ついさっきまで着ていたジャージが無いらしい。鞄を見たり、あちこち探しまわっていた。
「チェックインした時、置いて来たのかねぇ」
「チャハヤ・デワタでは忘れ物チェックしたもんねぇ」
「いや、車では着ていた」
私もユピコもあちこち探しまわる。
ノムコだけ寝そべったまま。余程居心地が良いらしい。
「どこにあるんだろうね」と、心配顔でのび太のポーズ。
するとユピコとノムコの叫び声。
ノムコがジャージを敷いて寝ていたのだ。
プンスカ怒るユピコ。
驚き過ぎて笑うしかないノムコ。
その直前に、何の気無しに寝そべるノムコを撮影したのだが、ユピコのグレーのジャージもがっちり写っていた。
あまりに素敵なホテルなので外出したくなくなるが、3人で最後のウブド。ホテルの
車で街へ繰り出す。まずはバビ・グリン(豚の丸焼き。パリパリした皮がウマいらし
い)の有名店「イブオカ」へ。シーズン真っ最中の海の家の様な風情の店。豚の丸焼
きの肉を解したものや、何かの内臓、野菜がご飯に載っている。
確かにウマい!
最早、何の肉だか分からない。
味的には北京ダックをもっとパリパリにジャンクフードにした感じ。
ソース類が長テーブルに1セットしか無いので、使いたい時は一心不乱に肉を喰らっている外国人の傍から取って来なければいけなかった。
最初にユピコが取って来てくれた。
ソースが足りなくなったので、次は自分で取りに行ってみる。
ソースの傍では人を取って喰いそうな迫力の赤ら顔の白人男性がワシャワシャ肉を喰らっていた。
立ち上がったものの、逃げたくなる。
だが、引っ込みもつかない。
恐る恐る近づき小声で「エクスキューズミー」と、言うが反応無し。
そっと手を伸ばしてソースを取ったが、全く気付かないようだ。
逃げ帰るようにソースを席へ持ち帰り、ドバドバかけて、件の白人男性の傍へ戻す。
そーっと戻した時、こちらを一瞥した。
言葉が出て来ないので頭を赤ベコの様にヘコヘコ下げながら逃げ帰る。
初めての海外旅行でも簡単にソースを取って来られる人もいるはずだ。
ソース一つでここまでビクビクしてしまうのが情けない。
トイレに行きたかったが、雑多な雰囲気にのまれてタイミングを逸する。
尿意を我慢しながらジャランジャラン。
ノムコのワンピースなどを見る。試着タイム。
私とユピコは下北沢、中野付近でとぐろを巻いてばかりなので、あまりワンピースは必要無い。
だが、暑い国へ留学しているノムコはかなり着る機会が多いらしい。
人のモノを見立てている間に自分も欲しいものが出て来てしまい、物欲と戦う。
ワンピースを見ていたお店の向かいでは良さげなヨガウェアのお店。
ユピコが試着を始める。
羨ましくなり、自分も試着。
ユピコが購入したのを見て、またもや羨ましくなり自分も購入。
スウェット地のパンツは重宝するもの、と良い気分でお店を後にする。
するとまたもや素敵なお店。
あら、これステキ・・・と思ったのがまたもやスウェット地のパンツ。
気付くとやはりユピコも同じ辺りで立ち止まっていた。
微妙に形は違えど、先ほどと同じジャンルの服。
「良いジャージとの出会いは一生ものだよ」
「これは使える」
「稽古にも部屋着にもいいよね」
「いいよ、いいよ」
と、まずはユピコが試着。
またもや羨ましくなり私も試着。そして二人とも購入。
ルピーが足りなくなった私はユピコにお金を借りた。
お店を後にした時
「最初に買ったジャージ・・・返品できないかな・・・」と、ユピコが呟いた。私も同じ気持ちだった。
尿意の事は忘れていたが、私の貯水タンクは限界に近づいていた。
「トイレに行きたいからどこか入ろう」と、ユピコが言った時心底ほっとした。
クリスピーダックで有名な「ベベ・ブンギル」で、アヒルを食べずにケーキを食べる事にする。
ここではココナッツクリームケーキが有名らしい。
我先にココナッツクリームケーキを注文。
2種類のケーキを頼んで分け合って食べる事にしていた。
だが、大体そういう場合基本は自分の頼んだものをメインで食べて、相手のケーキは一口ずつになる事が多い。
ここはおいしいと評判のケーキ頂くよ!と、やる気満々だった。
ココナッツクリームケーキ以外のケーキを頼まなければならなくなったユピコはキャロットケーキ。
ノムコはビンタンビール。
何故かトイレに行きたかった事を隠していた私は「ユピコ、先にトイレ言っておいで」と、最後まで自分が行きたかったそぶりを見せなかった。
ただ、イブオカで行きそびれただけで、隠す理由は無かった。
トイレに行きたい気持ちが強過ぎて、血迷ったのかもしれない。
トイレを済ませて一安心してケーキを食べる。
ココナッツクリームケーキはカスタードクリームがとても濃厚だった。
普通のカスタードより密度が濃い。
「甘い!ウマい!」と、連呼。
ユピコもキャロットケーキを「ウマい!」と、連呼しながら食べている。
どれ?と、味見をさせてもらう。
「むむ!」
やられた。
まだほんのり暖かいケーキ。こう来るとは思わなかった。
これはキャロットの方が・・・ウマい。
おいしい方を先に注文してやれと、勇み足の私。
評判に惑わされず今の自分にとって美味しいものをきちんと見極めるユピコ。
ユピコの判断力はあっている事が多いので、いつもつられてマネをしたくなるのを忘れていた。
いつか再びバリへ来て、この店へ来る事があったら、迷う事無くキャロットケーキを食べよう。
だが、きっとその時は暖かく無かったりして
「おや?前の方が美味しかった・・・おかしいなぁ」
などと思うような気がする。
残り少ない時間の算段を立てる。
ノムコは18日にバリでストレートパーマを掛けていた。
オーストラリアより格段に安いのだ。
そこで数日以内にトリートメントパックをする様に言われていた。
まずはヘアエステをしたい。
バリでは一日一回はマッサージを受けることをノルマにしていた。
ノルマも溜まっている。
だが、ホテルでルームサービスを取ってのんびりって言うのも良いなどと、話し合う。
結局、ノムコがヘアエステしている間、ユピコと私はネットカフェへ行ったり、お店を見たりした。
マッサージは諦めてもらった。
残り少ない時間をマッパで知らない人と過ごすよりは3人で話したかったのだ。
最後の晩餐ノムコが滅多に食べられない日本食や明太子パスタのお店に行こうかと提案したのだが、「最後はバリ飯が食べたい」と、きっぱり。
それならばと、ユピコ情報で安くてウマい評判のデワ・ワルンへ。
そこでは何故か、パスタメニューがあった。
バリ飯が食べたいと言ったノムコが何故かペペロンチーノを注文。
だが、出て来たものはミーゴレン味のパスタ。
これはこれでとてもウマかったが、パスタの味わいは皆無だった。
この店は旅行者の交流の場のようでもあった。
隣に座った人達は初対面で打ち解けて一緒に飲んでいた。
すると後ろの席にいた日本人のおじさん二人組が話しかけて来た。
「お姉ちゃん達、どこから来たの?」
定年退職して年に6回はバリに来ている人だった。
普通の旅行ならそういう人のお話を聞くのも興味深い。
だが、我々には時間が無い。
ついつい愛想の無い態度になってしまう。
折角旅行に来たのに、仲間とばかりつるんで、何しに来たのか。
モノを分からない可哀想な奴らだと思われたかもしれない。
まだまだ話し足りなかったので、知らない人と話す余裕は無かった。
とても良い店だったが、親密な話をしたい時には不向きだったかも。
だが、3人で飲んで食べて1100円程度。
もし、ウブドに長期滞在するなら常用したいお店だ。
飲食している間にどっぷりと日が暮れてしまった。
この日も夕暮れが綺麗だった。
ホテルに戻ると、もう迎えのドライバーさんが来ていた。
約束の時間まで30分以上あるのにと、焦る。
我々が帰った途端にスコールがやってきた。
ノムコはシャワーを浴びたり帰り支度。
「さすが、良いホテルだね。お湯の出がばっちりだよ」とのこと。
お湯がちゃんと出るホテルは初めてだ。ちょっと張り込んで良かった。
空港まで行くノムコを送りに行く。
我々が出発する時刻を見計らったかの様に雨は止んでいた。
車の中でもフルタイムで話し続ける。
空港へは瞬く間に着いてしまった。
1時間30分位あるはずなのだが、こういう時間は短い。
我々は空港の中までは入れない。
ドライバーさんを待たせて名残を惜しむ。
自動ドアの外からノムコの姿が見えなくなるまで凝視していた。
「あ~あ、見えなくなっちゃったね・・・」
トボトボ車へ乗り込み、アラム・インダーへ戻る。
一人減っただけだが、車内がとても広かった。
その晩は天蓋ベッドでユピコと二人で眠る。
お次はちょっと贅沢をして「アラム・インダー」という素敵なホテルへチェック・イン。
この部屋にはノムコは泊まらない。
25日の1時の飛行機でオーストラリアへ帰ってしまう。
25日というと明日の気がしていたが、今日の夜には空港へ向かわなければならない。
トランクを持ってうろうろするのも大変だ。
ここを根城に動き回ろうという寸法だ。
「いいホテルだね~。『泊まらない奴の荷物は・・・』なんてケチな事言わないよ」
と、ノムコ。
お部屋へ入って皆で「うわ~~!」と、ため息。
今までのホテルも素敵だったが、ここは段違い。
混んでいたのでダブルベッドのお部屋しか無かったが、憧れの天蓋付き。
水回りも広い。
バスタブの傍に窓があり、鬱蒼とした森を見ながら入浴できる。
そして、窓辺にはシングルベッドより大きいソファーもある。
「アタシャ、ここで十分だよ」と、寝そべるノムコ。
先ほどからユピコがソワソワしている。
ついさっきまで着ていたジャージが無いらしい。鞄を見たり、あちこち探しまわっていた。
「チェックインした時、置いて来たのかねぇ」
「チャハヤ・デワタでは忘れ物チェックしたもんねぇ」
「いや、車では着ていた」
私もユピコもあちこち探しまわる。
ノムコだけ寝そべったまま。余程居心地が良いらしい。
「どこにあるんだろうね」と、心配顔でのび太のポーズ。
するとユピコとノムコの叫び声。
ノムコがジャージを敷いて寝ていたのだ。
プンスカ怒るユピコ。
驚き過ぎて笑うしかないノムコ。
その直前に、何の気無しに寝そべるノムコを撮影したのだが、ユピコのグレーのジャージもがっちり写っていた。
あまりに素敵なホテルなので外出したくなくなるが、3人で最後のウブド。ホテルの
車で街へ繰り出す。まずはバビ・グリン(豚の丸焼き。パリパリした皮がウマいらし
い)の有名店「イブオカ」へ。シーズン真っ最中の海の家の様な風情の店。豚の丸焼
きの肉を解したものや、何かの内臓、野菜がご飯に載っている。
確かにウマい!
最早、何の肉だか分からない。
味的には北京ダックをもっとパリパリにジャンクフードにした感じ。
ソース類が長テーブルに1セットしか無いので、使いたい時は一心不乱に肉を喰らっている外国人の傍から取って来なければいけなかった。
最初にユピコが取って来てくれた。
ソースが足りなくなったので、次は自分で取りに行ってみる。
ソースの傍では人を取って喰いそうな迫力の赤ら顔の白人男性がワシャワシャ肉を喰らっていた。
立ち上がったものの、逃げたくなる。
だが、引っ込みもつかない。
恐る恐る近づき小声で「エクスキューズミー」と、言うが反応無し。
そっと手を伸ばしてソースを取ったが、全く気付かないようだ。
逃げ帰るようにソースを席へ持ち帰り、ドバドバかけて、件の白人男性の傍へ戻す。
そーっと戻した時、こちらを一瞥した。
言葉が出て来ないので頭を赤ベコの様にヘコヘコ下げながら逃げ帰る。
初めての海外旅行でも簡単にソースを取って来られる人もいるはずだ。
ソース一つでここまでビクビクしてしまうのが情けない。
トイレに行きたかったが、雑多な雰囲気にのまれてタイミングを逸する。
尿意を我慢しながらジャランジャラン。
ノムコのワンピースなどを見る。試着タイム。
私とユピコは下北沢、中野付近でとぐろを巻いてばかりなので、あまりワンピースは必要無い。
だが、暑い国へ留学しているノムコはかなり着る機会が多いらしい。
人のモノを見立てている間に自分も欲しいものが出て来てしまい、物欲と戦う。
ワンピースを見ていたお店の向かいでは良さげなヨガウェアのお店。
ユピコが試着を始める。
羨ましくなり、自分も試着。
ユピコが購入したのを見て、またもや羨ましくなり自分も購入。
スウェット地のパンツは重宝するもの、と良い気分でお店を後にする。
するとまたもや素敵なお店。
あら、これステキ・・・と思ったのがまたもやスウェット地のパンツ。
気付くとやはりユピコも同じ辺りで立ち止まっていた。
微妙に形は違えど、先ほどと同じジャンルの服。
「良いジャージとの出会いは一生ものだよ」
「これは使える」
「稽古にも部屋着にもいいよね」
「いいよ、いいよ」
と、まずはユピコが試着。
またもや羨ましくなり私も試着。そして二人とも購入。
ルピーが足りなくなった私はユピコにお金を借りた。
お店を後にした時
「最初に買ったジャージ・・・返品できないかな・・・」と、ユピコが呟いた。私も同じ気持ちだった。
尿意の事は忘れていたが、私の貯水タンクは限界に近づいていた。
「トイレに行きたいからどこか入ろう」と、ユピコが言った時心底ほっとした。
クリスピーダックで有名な「ベベ・ブンギル」で、アヒルを食べずにケーキを食べる事にする。
ここではココナッツクリームケーキが有名らしい。
我先にココナッツクリームケーキを注文。
2種類のケーキを頼んで分け合って食べる事にしていた。
だが、大体そういう場合基本は自分の頼んだものをメインで食べて、相手のケーキは一口ずつになる事が多い。
ここはおいしいと評判のケーキ頂くよ!と、やる気満々だった。
ココナッツクリームケーキ以外のケーキを頼まなければならなくなったユピコはキャロットケーキ。
ノムコはビンタンビール。
何故かトイレに行きたかった事を隠していた私は「ユピコ、先にトイレ言っておいで」と、最後まで自分が行きたかったそぶりを見せなかった。
ただ、イブオカで行きそびれただけで、隠す理由は無かった。
トイレに行きたい気持ちが強過ぎて、血迷ったのかもしれない。
トイレを済ませて一安心してケーキを食べる。
ココナッツクリームケーキはカスタードクリームがとても濃厚だった。
普通のカスタードより密度が濃い。
「甘い!ウマい!」と、連呼。
ユピコもキャロットケーキを「ウマい!」と、連呼しながら食べている。
どれ?と、味見をさせてもらう。
「むむ!」
やられた。
まだほんのり暖かいケーキ。こう来るとは思わなかった。
これはキャロットの方が・・・ウマい。
おいしい方を先に注文してやれと、勇み足の私。
評判に惑わされず今の自分にとって美味しいものをきちんと見極めるユピコ。
ユピコの判断力はあっている事が多いので、いつもつられてマネをしたくなるのを忘れていた。
いつか再びバリへ来て、この店へ来る事があったら、迷う事無くキャロットケーキを食べよう。
だが、きっとその時は暖かく無かったりして
「おや?前の方が美味しかった・・・おかしいなぁ」
などと思うような気がする。
残り少ない時間の算段を立てる。
ノムコは18日にバリでストレートパーマを掛けていた。
オーストラリアより格段に安いのだ。
そこで数日以内にトリートメントパックをする様に言われていた。
まずはヘアエステをしたい。
バリでは一日一回はマッサージを受けることをノルマにしていた。
ノルマも溜まっている。
だが、ホテルでルームサービスを取ってのんびりって言うのも良いなどと、話し合う。
結局、ノムコがヘアエステしている間、ユピコと私はネットカフェへ行ったり、お店を見たりした。
マッサージは諦めてもらった。
残り少ない時間をマッパで知らない人と過ごすよりは3人で話したかったのだ。
最後の晩餐ノムコが滅多に食べられない日本食や明太子パスタのお店に行こうかと提案したのだが、「最後はバリ飯が食べたい」と、きっぱり。
それならばと、ユピコ情報で安くてウマい評判のデワ・ワルンへ。
そこでは何故か、パスタメニューがあった。
バリ飯が食べたいと言ったノムコが何故かペペロンチーノを注文。
だが、出て来たものはミーゴレン味のパスタ。
これはこれでとてもウマかったが、パスタの味わいは皆無だった。
この店は旅行者の交流の場のようでもあった。
隣に座った人達は初対面で打ち解けて一緒に飲んでいた。
すると後ろの席にいた日本人のおじさん二人組が話しかけて来た。
「お姉ちゃん達、どこから来たの?」
定年退職して年に6回はバリに来ている人だった。
普通の旅行ならそういう人のお話を聞くのも興味深い。
だが、我々には時間が無い。
ついつい愛想の無い態度になってしまう。
折角旅行に来たのに、仲間とばかりつるんで、何しに来たのか。
モノを分からない可哀想な奴らだと思われたかもしれない。
まだまだ話し足りなかったので、知らない人と話す余裕は無かった。
とても良い店だったが、親密な話をしたい時には不向きだったかも。
だが、3人で飲んで食べて1100円程度。
もし、ウブドに長期滞在するなら常用したいお店だ。
飲食している間にどっぷりと日が暮れてしまった。
この日も夕暮れが綺麗だった。
ホテルに戻ると、もう迎えのドライバーさんが来ていた。
約束の時間まで30分以上あるのにと、焦る。
我々が帰った途端にスコールがやってきた。
ノムコはシャワーを浴びたり帰り支度。
「さすが、良いホテルだね。お湯の出がばっちりだよ」とのこと。
お湯がちゃんと出るホテルは初めてだ。ちょっと張り込んで良かった。
空港まで行くノムコを送りに行く。
我々が出発する時刻を見計らったかの様に雨は止んでいた。
車の中でもフルタイムで話し続ける。
空港へは瞬く間に着いてしまった。
1時間30分位あるはずなのだが、こういう時間は短い。
我々は空港の中までは入れない。
ドライバーさんを待たせて名残を惜しむ。
自動ドアの外からノムコの姿が見えなくなるまで凝視していた。
「あ~あ、見えなくなっちゃったね・・・」
トボトボ車へ乗り込み、アラム・インダーへ戻る。
一人減っただけだが、車内がとても広かった。
その晩は天蓋ベッドでユピコと二人で眠る。
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