人生の瞬発力
長い一日だった。
仕事で3時間睡眠しか出来ず、起床。
ヴォイストレーニングへ。
股関節や鎖骨骨折でボロボロの体がやっと普通に戻って来たと言われる。
だが、重心が真っすぐ取れず、何度も注意をされる。
仲間の生徒さんのお母様手作りおから入りクッキーを頂く。ウマい。
自転車で新宿へ。
疲れたので、お店に入る。
ドトールとヴェローチェと迷い、ヴェローチェへ。
それが運の尽きだった。
ヴェローチェ前には区に登録した人向けの駐輪コーナーがある。
小一時間だからと、そこに駐輪。
店内は混んでいたのではじめは窓際のカウンター席だったが、後に奥のテーブル席に移動。
これも失敗だった。
せっせと語学の勉強。
店を出ると自転車が無い。
盗まれたか、撤去か・・・。
カウンター席だったら、自転車の目の前だったのだ。
呆然としていたが、整体の時間が迫っている。
治療院へ急ぐ。
そこへ自転車を沢山積んだトラックが現れた。
荷台の側面に「放置自転車撤去中」と、書いてあった。
そこには、私の可愛いあのコが乗っていた。
トラックの窓をノックしようか迷う。
ここで状況を説明して自転車を降ろしてもらったら、間違いなく遅刻だ。
それに、断られるかもしれない。
混乱して思考がストップしていたら、トラックはそのまま走り去ってしまった。
ああ、あのコはどこへ連れて行かれるのだろう・・・。
衝撃を受けたまま治療院へ。
すると治療院は混んでいて、10分程待つ事に・・・。
これなら、トラックから自転車を降ろしても先生を待たせる事にはならなかった。
やはり、トラックを止めれば良かった。
打ちひしがれながら、先生に状況を説明する。
先生も「何故、トラックを止めなかったの?遅刻なんていいのに」と、言っていた。
そして、人が拾った自転車に乗っていてお巡りさんに注意されたにも関わらず、お巡りさんにお説教までして却って「凄いですね」と、驚かれた話をされる。
先生はエリート、私は落ちこぼれ・・・のような気持ちになった。
先生は同情してくれて、撤去先を一緒に調べてくれた。
意外と近くに保管所がある事が判明。
気を取り直して向かう。
すると、そこには私と同じように、ちょっとした隙に撤去されたおじさんがいた。
「あなたもですか!本当困っちゃうよね!ほんの少しの間にさ・・・」
と、話しかけられた。
どうやら私とタッグを組んで、係員に抗議したい様子。
しかし、私にその元気は無かった。
「目の前で持って行かれたので、あるのは確かです・・」
と、ほんの少し被害者面するのが精一杯。
3000円徴収される。
一週間経てばこのダメージの事は忘れられる・・・
だから、今は抵抗しないでしのごう・・・
という精神状態だった。
「トラックを止めれば良かった。ああいう状況でトラックを止められないから、人生負けっぱなしなのだ・・・なんとかトラックを止められる側の人間になりたいと願い続けて来たのに、人間性の根本は変わらないのだろうか・・・。でも、こんな事を考えて憂鬱になっているのは時間の無駄だ、切り替えていこう・・・」
などと自問自答しながら、保管所を出る。
すると、四方が階段に囲まれていて自転車では道に出られない事が判明。
担いで階段を降りる。
青梅街道に出ようと、自転車でうろうろしていると地下道にたどり着いた。
自転車を降りて、引いて入るとおじさん二人組に犯罪者のように怒られた。
両手を上げて
「ここは進入禁止だからね!最近はうるさいんだよ!」
「はい、出てって出てって!」
と、まくしたてられる。
道が分からなかっただけで、不正を働くつもりなど毛頭ない。
大体うるさいのはそっちではないか。
何故、「あ、ここ自転車だめですよ~」と、明るく言えないのだろう。
顔を見ると一人は、沢田亜矢子が一時期結婚していた松野とかいう変な人物に良く似ていて、目の下に脂肪の塊がいくつかある、濁った目の人だった。
もう一人は黒ずんだ握りこぶしみたいな小さいおじさん。
このような容貌をした人に、些細な権力を振るわれるいわれは無い。
新井「入っちゃいけないなんて知りませんよ。道に迷ってたんです。だったら、道教えて下さい。青梅街道に出たいんです。」
脂肪「青梅街道?」(脅し口調で)
こぶし「あっち行って、左だよ」
私の土地勘ではどう考えても左ではない気がする。
新井「え、右じゃないんですか?」
脂肪「とにかくあっちだよ」
新井「あの、鉄橋は越えるんですか?」
こぶし「こえねぇよ!」
新井「見た所鉄橋の手前には右にも左にも道は無いみたいですが」
脂肪「だから、ここは全部地下なんだよ。上に上がらなきゃさ」
新井「え、どうやったら上に上がるんですか?」
こぶし「だから、向こうだよ!」
脂肪「だから、真っすぐ行って右だ!」
新井「え?右なんですか?左なんですか?」
二人の「わからねぇ奴だな~!」と、苛ついた心の声も聞こえる。
こぶし「あっちだよ!」
新井「ああ、じゃあとりあえずあっちに行けば分かるんですね・・・」
こぶし「だからね、左に行くのが一番分かりやすいんだ」
これ以上説明能力も親切心も皆無な人と話しても、仕方が無いのであきらめる。
嫌がらせの為にお礼を言ってやろうかとも思ったが、伝わらない上に、後に余計に自分を屈辱的な気持ちに陥れる事が予想出来たので、止めた。
二人から遠ざかった後、あんな失礼な態度の人間には文句を言ってやるべきだったと、腹が立って来た。
どこの管轄か聞いて、苦情を言う事だって出来たはずなのだ。
トラックを止められなかった事、失礼な態度に怒れなかった事・・・
瞬発力の無さは私の人生の大きな障害だ。
いつも、時間差で腹を立てるので、事態がややこしくなる。
その場で対処できれば、ずっとシンプルなのだ。
人間関係でも翌日になってから腹を立てたりする事が多い。
だから、怒っても「その時言って欲しい、後になって言われても」と、言われる。
この性格を直さなければ、人生が全て上手く行かない気持ちになる。
そして、青梅街道はただ真っすぐ行ったらついた。
彼らの説明は何だったのだろう?
2度目のダメージに打ちひしがれて、自転車を漕ぎながら泣いてしまう。
すると、前方から泣きながらヨロヨロ歩いている女の人が歩いて来た。
目は腫れて、鼻は真っ赤だ。
その人を見たら何故かほっとして、少し元気になった。
その後、韓国語学校へ。
テストを受けるかは別として、韓国語能力試験の対策作文講座を申し込んでいた。
今日は2回目。
宿題が難しい上に膨大。
授業の内容も難しく、頭がフリーズ。
生徒さん達も口々に「大変なことになった」と、軽い衝撃を受けている。
落ち込んだ事は最早どうでも良くなってしまった。
昔から、悩み事が解消したことなど無かった。
大体、新たな悩みのせいで前の悩みがどうでも良くなるだけなのだ。
仕事で3時間睡眠しか出来ず、起床。
ヴォイストレーニングへ。
股関節や鎖骨骨折でボロボロの体がやっと普通に戻って来たと言われる。
だが、重心が真っすぐ取れず、何度も注意をされる。
仲間の生徒さんのお母様手作りおから入りクッキーを頂く。ウマい。
自転車で新宿へ。
疲れたので、お店に入る。
ドトールとヴェローチェと迷い、ヴェローチェへ。
それが運の尽きだった。
ヴェローチェ前には区に登録した人向けの駐輪コーナーがある。
小一時間だからと、そこに駐輪。
店内は混んでいたのではじめは窓際のカウンター席だったが、後に奥のテーブル席に移動。
これも失敗だった。
せっせと語学の勉強。
店を出ると自転車が無い。
盗まれたか、撤去か・・・。
カウンター席だったら、自転車の目の前だったのだ。
呆然としていたが、整体の時間が迫っている。
治療院へ急ぐ。
そこへ自転車を沢山積んだトラックが現れた。
荷台の側面に「放置自転車撤去中」と、書いてあった。
そこには、私の可愛いあのコが乗っていた。
トラックの窓をノックしようか迷う。
ここで状況を説明して自転車を降ろしてもらったら、間違いなく遅刻だ。
それに、断られるかもしれない。
混乱して思考がストップしていたら、トラックはそのまま走り去ってしまった。
ああ、あのコはどこへ連れて行かれるのだろう・・・。
衝撃を受けたまま治療院へ。
すると治療院は混んでいて、10分程待つ事に・・・。
これなら、トラックから自転車を降ろしても先生を待たせる事にはならなかった。
やはり、トラックを止めれば良かった。
打ちひしがれながら、先生に状況を説明する。
先生も「何故、トラックを止めなかったの?遅刻なんていいのに」と、言っていた。
そして、人が拾った自転車に乗っていてお巡りさんに注意されたにも関わらず、お巡りさんにお説教までして却って「凄いですね」と、驚かれた話をされる。
先生はエリート、私は落ちこぼれ・・・のような気持ちになった。
先生は同情してくれて、撤去先を一緒に調べてくれた。
意外と近くに保管所がある事が判明。
気を取り直して向かう。
すると、そこには私と同じように、ちょっとした隙に撤去されたおじさんがいた。
「あなたもですか!本当困っちゃうよね!ほんの少しの間にさ・・・」
と、話しかけられた。
どうやら私とタッグを組んで、係員に抗議したい様子。
しかし、私にその元気は無かった。
「目の前で持って行かれたので、あるのは確かです・・」
と、ほんの少し被害者面するのが精一杯。
3000円徴収される。
一週間経てばこのダメージの事は忘れられる・・・
だから、今は抵抗しないでしのごう・・・
という精神状態だった。
「トラックを止めれば良かった。ああいう状況でトラックを止められないから、人生負けっぱなしなのだ・・・なんとかトラックを止められる側の人間になりたいと願い続けて来たのに、人間性の根本は変わらないのだろうか・・・。でも、こんな事を考えて憂鬱になっているのは時間の無駄だ、切り替えていこう・・・」
などと自問自答しながら、保管所を出る。
すると、四方が階段に囲まれていて自転車では道に出られない事が判明。
担いで階段を降りる。
青梅街道に出ようと、自転車でうろうろしていると地下道にたどり着いた。
自転車を降りて、引いて入るとおじさん二人組に犯罪者のように怒られた。
両手を上げて
「ここは進入禁止だからね!最近はうるさいんだよ!」
「はい、出てって出てって!」
と、まくしたてられる。
道が分からなかっただけで、不正を働くつもりなど毛頭ない。
大体うるさいのはそっちではないか。
何故、「あ、ここ自転車だめですよ~」と、明るく言えないのだろう。
顔を見ると一人は、沢田亜矢子が一時期結婚していた松野とかいう変な人物に良く似ていて、目の下に脂肪の塊がいくつかある、濁った目の人だった。
もう一人は黒ずんだ握りこぶしみたいな小さいおじさん。
このような容貌をした人に、些細な権力を振るわれるいわれは無い。
新井「入っちゃいけないなんて知りませんよ。道に迷ってたんです。だったら、道教えて下さい。青梅街道に出たいんです。」
脂肪「青梅街道?」(脅し口調で)
こぶし「あっち行って、左だよ」
私の土地勘ではどう考えても左ではない気がする。
新井「え、右じゃないんですか?」
脂肪「とにかくあっちだよ」
新井「あの、鉄橋は越えるんですか?」
こぶし「こえねぇよ!」
新井「見た所鉄橋の手前には右にも左にも道は無いみたいですが」
脂肪「だから、ここは全部地下なんだよ。上に上がらなきゃさ」
新井「え、どうやったら上に上がるんですか?」
こぶし「だから、向こうだよ!」
脂肪「だから、真っすぐ行って右だ!」
新井「え?右なんですか?左なんですか?」
二人の「わからねぇ奴だな~!」と、苛ついた心の声も聞こえる。
こぶし「あっちだよ!」
新井「ああ、じゃあとりあえずあっちに行けば分かるんですね・・・」
こぶし「だからね、左に行くのが一番分かりやすいんだ」
これ以上説明能力も親切心も皆無な人と話しても、仕方が無いのであきらめる。
嫌がらせの為にお礼を言ってやろうかとも思ったが、伝わらない上に、後に余計に自分を屈辱的な気持ちに陥れる事が予想出来たので、止めた。
二人から遠ざかった後、あんな失礼な態度の人間には文句を言ってやるべきだったと、腹が立って来た。
どこの管轄か聞いて、苦情を言う事だって出来たはずなのだ。
トラックを止められなかった事、失礼な態度に怒れなかった事・・・
瞬発力の無さは私の人生の大きな障害だ。
いつも、時間差で腹を立てるので、事態がややこしくなる。
その場で対処できれば、ずっとシンプルなのだ。
人間関係でも翌日になってから腹を立てたりする事が多い。
だから、怒っても「その時言って欲しい、後になって言われても」と、言われる。
この性格を直さなければ、人生が全て上手く行かない気持ちになる。
そして、青梅街道はただ真っすぐ行ったらついた。
彼らの説明は何だったのだろう?
2度目のダメージに打ちひしがれて、自転車を漕ぎながら泣いてしまう。
すると、前方から泣きながらヨロヨロ歩いている女の人が歩いて来た。
目は腫れて、鼻は真っ赤だ。
その人を見たら何故かほっとして、少し元気になった。
その後、韓国語学校へ。
テストを受けるかは別として、韓国語能力試験の対策作文講座を申し込んでいた。
今日は2回目。
宿題が難しい上に膨大。
授業の内容も難しく、頭がフリーズ。
生徒さん達も口々に「大変なことになった」と、軽い衝撃を受けている。
落ち込んだ事は最早どうでも良くなってしまった。
昔から、悩み事が解消したことなど無かった。
大体、新たな悩みのせいで前の悩みがどうでも良くなるだけなのだ。
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