« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »

ユーミンの世界

先日チェリーボンバーズの稽古に河原君が演出に来た。
その時、いつものごとくノートブックから音楽をかけていた。
懐かしい曲が沢山あった。
偶々ユーミンが耳に残っていたので、CDレンタルした。
今日聞いてみた。動けなくなった。
高校生の頃からユーミンはラブソングの女王だった。
だが、お付き合いもピンと来ない身としては、普通に耳障りの良い歌としか思わなかった。
スキー場が大好きなので、スキーに焦がれる気持ちが起きて切なくなったりはした。
ところが、今聞くと大変なのだ。
ユーミンを好きだった同級生達は私と違う現実を生きていたのだな、と思った。
歌詞にあるような恋愛もしてこなかった。
何かを手に入れたと思った事も無い。
でも、いつの間にか何かを手に入れ、失って来たのだと分かった。

世界にはいつも膜が張っていた。
最近やっと視界がはっきりして実感が湧くようになった。
だからと言って何が変わる訳でもない。

| | トラックバック (0)

宝船ふたたび出航

朝10時半明大前のトーキョースタイルへ。
宝船チラシの撮影なのだ。
途中で宮古に寄る。小泉君の結婚式二次会は宮古なのだ。
そこで、ムーチョを発見。
今日の撮影にムーチョは欠かせないので、起こす。
宝船スタッフの本多さん、望月さんにも助っ人に来てもらう。
カメラマンは浦島君。
役者さん達も続々と集合。
トーキョースタイルのインテリアがとても素敵なので、皆到着した途端に感心する。
私も写真に映るので、メイクやセットをしなければならない。
だが、早めにやり過ぎると崩れて最悪になる。
合間を見てやろうとしたが、撮影にも立ち合うためほぼ時間が無い。
一度に数人に質問をされる状況。
ああ、去年も宝船の稽古中はこんなだったと、思い出す。

役者さんの雰囲気も良さそうだった。
撮影はなんとか時間通りに終えた。
ノムミと浦島君と宮古へ。
カメラマンの労をねぎらうはずだったが、バカ話に終始。
私はバイクなので、一杯だけ飲んであとはカルピス。
さくっと帰り、イランイランの香りに包まれて爆睡。

| | トラックバック (0)

疲れていない人などいない

朝一番にタワー制作さんに咽喉の腫れ物を見せる。
昨晩の恐怖を訴えると少し楽になる。
間もなくやって来たムーチョに午前中30分だけ抜けて病院に行きたいと訴える。
何せ、隣が病院なのだ。
消化器系だが、行かないより余程良い。
直美ちゃんの撮影をしている間に抜ける。
待合室には風采の上がらない無気力そうな人が4人いた。
私が一番悲壮感に満ちた顔をしていた。
20分ほど待って、診察してもらう。
先生は私の咽喉を見て「確かに腫れてますね~」と、体温計を差しだした。
計ってみると微熱があった。
「以前も咽喉を痛めてますね。あまり強く無いのでしょう。恐らく扁桃腺炎ですね。
過労で免疫力が落ちているので、しばらく安静にして下さい。
運動をしないで涼しい部屋でじっとしていて下さい。」と言われる。

「あの・・・変な形なので。てっきり腫瘍とか・・・癌かと思ったのですが・・・」
「そういうものじゃないと思いますよ。癌だったら熱は出ません。
もし・・・今日出す薬で治らないようなら、耳鼻咽喉科へ行ってみて下さい」 

昨夜から夢ならいいのに・・・と苦しんだ割にすっきりしない。
ほっとした筈なのだ。
制作さんが病院にやってきた。
「癌じゃないらしい。私は8割方恐怖から開放されたよ」と、報告。
部屋に戻って皆にも伝える。何故か笑われた。
何かしっくりしない。あんな異様な形に腫れるものなのだろうか。
見るだけで気持ち悪いのだ。
取り合えず、耳鼻科にも行って見よう。完ぺきに安心したい。
大体私は怠け者なのに、過労とはどういう事だ。
確かに足ツボやリフレクソロジー、整体のどこに言っても「疲れてますね~」と、言われる。
だが、「元気ですね~、どこも悪くない」などと言われる人がいる訳が無い。
社交辞令のサービスだと思っていた。
私が過労なら、殆どの人が過労の筈だ。
ただ、体力が無いのは確か。人と同じ事をしたら、すぐ壊れる。
欠陥商品みたいなモノだ。
過労では無くて性能が悪いと言われれば、納得できる。

撮影はハードだった。
空調を切ると、玉の汗が吹きだす。
しかもほぼ寝ていない。
癌だと思い詰めたせいでやつれ果てている。
動物電気のコバケンや森戸君の芝居を間近で見る。新鮮。
特に森戸君は面白過ぎて、監督のムーチョが撮影中吹きだす。
三脚がなくても手振れしないグッチ君まで震えた。
彼を相手にして全く吹きださないナオミィに感心する。
「ツボに嵌まったらおしまいだと思って気をつけてるの。微妙に目を外したりしてた」との事。

その後のイクマ君もエライ事になっていた。
手伝いに来ているバラリロガンガンベガスの理系君が隣で口を押えて、
目をバッテンにして震えていた。
カットが掛かった瞬間に目が合って吹きだしてしまった。
イクマ君も長年一緒にいるのに、見た事の無い顔が沢山あるようだ。
イクマ君が「ヨン様」と名付けた顔は全く似ていなかったが、ただ事ならない顔だった。   

本日も炊き出しを食べ過ぎた。
美味しい匂いが漂っていると、カロリー消費をしていなくても空腹になるのだと思い知る。
撮影は深夜に及ぶ。
一応私の住み家なので、心配になる。
最後までやると朝までかかりそう。
しかも大声を出す必要があるシーンが残っている。
ハラハラして、芝居どころでは無くなってくる。
苦情が来たらどうしよう・・・。そう思っていると、
「取りこぼしたシーンは後日改めて撮るので、今日はここで終了」と、言われる。
ほっとする。
だが、大家さんにもう一日お願いします、と言って許可が降りるか少々心配。
早めにお願いしてみよう。
ここまで撮ったら、何としても最後までやりたい。
二日続けてロクに寝ていないという最悪のコンディションだったので、
周りに全てお任せしてしまった。
皆に負担をかけたのでは、と心配。

私の部屋から運び出された私物は、次の撮影が終るまで戻らない。
しばらくモノが無い状態で暮らすと、戻ってくるのがイヤになりそう。
これを機会にまた、お部屋を改善したい。

今日は良く眠れそう。

| | トラックバック (0)

ドラマティックな妄想

昨晩、皆が帰ってからもゴソゴソ拭き掃除。そして料理。
これではちょっとしか眠れない。
布団に入っても、寝つけない。明るくなる。
少し気を失うが、すぐ目覚ましが鳴る。
朝、8時前にムーチョ、翼君、グッチ君、タワー制作陣到着。
ウチの近所には配達してくれる弁当屋が無かった。
制作さんが、炊き出しをしてくれることになった。
朝からおにぎりを頂く。美味い。

少しずつ役者も揃い、明日の撮影に備えてリハーサル。
台本を書いたものの、後はムーチョにお任せ。
大家さんと隣の部屋の人に
「今日、明日、自主制作映画の人達がウチで撮影するので
人の出入りが激しくなりますが、二日間だけなので宜しくお願いします」と、挨拶。
隣の人は寝ていたらしい。
会うのは先日のストーカー事件以来。
悪かったと気にしてくれていたらしく、快く承諾してくれた。

お昼の炊き出しは鳥の手羽、大根、玉子の煮付け、ピーマンと茄子の炒め煮。
朝ご飯を食べたばかりなのに、何故かお腹が減り食べ過ぎる。
夜は私が作ったラムチョップ、トマトとマッシュルームという2種類のソースでパスタ。
冷房を最大に効かせても10人以上人がいるので、全く効かない。暑い。
ほぼ休みなくリハーサル。
こういう状況だと覚えているのは食べ物の事ばかり。
私の書いた台本は実現が難しい箇所も多く、リハーサルで試行錯誤しながら決める。
ムーチョの提案が面白過ぎて驚く事も多かったが、ほぼ順調。
22時半に終了。明日の分のコーヒーとお茶を大量に作っておく。
風呂に入る前に体重計に乗る。一日部屋にいたのに、食べ過ぎたせいか太っていた。
汗で500グラム落とそうと長風呂。
その後、サプリメントを摂取。
口一杯にクロレラやら、コンドロイチンをほお張り、水で流し込む。
何かが咽喉に張り付いている感触。
沢山水を飲んでも、異物感が消えない。しかも痛い。
咽喉に明かりを照らして鏡をのぞき込む。
そこには衝撃的なモノが映っていた。
ノドチンコの付近が元々ぼこぼこしているのは知っていた。
初めて見た時は気持ち悪かったが、誰でもそのようになっているらしいので気にしていなかった。
だが、明らかにいつもと違う。
不ぞろいで異様な形をした出来物がある。
右側は酷く盛り上がっている。
これは・・・腫瘍というものだろうか?
パソコンで体の症状から病名を検索してみる。
ノドチンコの側壁のでき物、咽喉の異物感、痛み、声がれ・・・
で当てはまるのは「中咽頭癌」という病名。
馬鹿な・・・!恐怖で全身びっしょりになる。
原因は「深酒」「喫煙」「刺激物の摂取」。
喫煙は止めていたが、思い当たる事ばかり。
何度も声を潰して注射を打って本番に臨んだりもした。
声を出す度に激痛がしたり、出血したりもした。
よくある事だし、咽喉の弱い役者なら皆やっている事だ。
だが、最近皮膚や粘膜のトラブルが多発していた。
ちょっとした化粧にもかぶれる。
熱いトウモロコシを食べただけで、口が爛れた。
股関節は治らない。
もしや私の体はボロボロなのだろうか?
そういう信号を無視していたせいで、「中咽頭癌」になってしまったのだろうか?
動悸が酷くなる。
罰が当った、何故、こんな事になるまで気付かなかったのだろう。
もし、「中咽頭癌」だとしたらどのくらい生きられるのだろうか?
癌には4段階あるらしい。
大きさも小さく転移も無ければ、まだ初期だ。
初期段階での5年生存率は90%。
だが、中咽頭癌の場合、食道や頸のリンパなどに転移している場合もあるようだ。
そうなると生存率は格段に下る。
そういう人でも今はゴルフをしながら日焼けして
元気に暮らしている人もいるというレポートも読む。
だが、5年生存率ってなんだろう。
10年だったらどうなるのだろう?
病気にならなければ普通にあと40年位生きられるはずなのだ。
癌なんだから5年生きられるだけで有り難く思えという事なのか?
もし、手術、入院などという事になったら、今年、来年の舞台はどうなるのか?
私がやらなくてもなんとかなるだろう。
だが、誰かに迷惑はかかる。そろそろ健康診断を受けよう。
ちょっとした病気があっても困らないように、何か保険に入っておかなければ、
と考えて数年ほったらかしにしていた。
もし、今入院という事になってもお金が払えない。
ああ!保険に加入していれば良かった!

恐怖のあまり、深夜に親族や親しい人にメールを打つ。
とりあえず、明日は撮影。
少しでも眠らなければ。眠れなくても休まなければ。
奇跡的に睡魔が訪れる。だが、電話で目が覚める。
「病院に行く前に余計な心配しても始まらない。
検査して結果出てから、悩めばいいじゃないか。さっさと病院に行け。
うじうじしてたら治るものも治らないぞ!」というお叱りの内容。
全てもっともだった。
だが、奇跡的に訪れた睡魔はどこかに行ってしまった。
これほど恐怖に打ち震えた夜は無かった。
だが、あまりにも騒ぎ過ぎて何ともないかもしれない。そうあって欲しい。
考え事をすると、興奮するので無心になる努力をする。
ただ、息を深く吸って吐く物体になろうと心掛けるが、いつの間にか
「怠けてばかりの人生だった・・・。健康にももっと気を使えば良かった」
「もし、病気だとしてもこれは私にとって、生活態度を改めるいい機会なのでは無いだろうか?」
「罰が当った!」
「飲みたくも無いお酒のせいでこんな事に!」
「病人になったら、うっとうしい病人になる自信しか無い!
毎日不安を人にぶつけて嫌われ、死んだらほっとされたりするのであろう!」
と、膨大な妄想で一杯になってしまう。
妄想に疲れ果てて、少し眠くなり、いいぞ!と思っていると咳込んで目が冴えてしまったり。
再び「中咽頭癌」について検索したり、を繰り返す。
朝から撮影だから、検査に行けるのは月曜日。
だが、明日の土曜の午前中なら、隣の内科でも簡単に見てもらう事は出来る。
耳鼻咽喉科ではなくても異様だったら分かるだろう。
変だと思えば、専門の病院に紹介文を書いてくれるかもしれない。
とりあえず、ムーチョとタワーの制作さんに合間に病院に行かせて欲しいとお願いしよう。
こんな不安を抱えて、一日中馬鹿馬鹿しい芝居をやったりは出来ない。
病院は何時からだろう。多分9時からだが、確認してみよう。
ドアを開けると、先発隊の制作陣が我が家へ到着した所だった。
いきなり鉢合わせて、お互い驚く。
ああ、朝だ。

| | トラックバック (0)

大掃除

夏が終った。悲しい。

いつもより細かい所を掃除。
15時頃ムーチョがウチに来る。
ムーチョはモノがすっきりすればいいので、ふき掃除などはいいと言われる。
だが、ふき掃除ばかりに夢中になり、ワックスまでかけてしまう。
タワー制作の二人もやって来る。
とにかく部屋を広くするために、沢山のものを段ボールに詰め込んで運ぶ。
休憩中には皆が、自分だったらこの部屋をどうするかなど語ってくれる。
モノが無くなると、とてもすっきり。本気で部屋のモノを処分したくなる。
明日は15人以上が我が家へ。どうなることやら。

| | トラックバック (0)

« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »