夜、泣きながら歩く女
「演劇フェスタ2005」の故林宏志さんクラスの生徒さん達と会合。
自転車で新宿へ。最近では30分で着くようになった。
皆のお芝居を観に行けず、申し訳なかったので会合には張りきって臨む。
だが、思いの外欠席も多い。
稽古後参加の人を待っている間にすっかり酔ってしまう。
大人なのに一番困った人になっていたかもしれない。
皆と別れ、一件電話。
最近被害妄想が強く、些細な事で悲しくなる。携帯の電源も切れてしまう。
誰にも助けを求められない。
やみくもに悲しくなり、道の隅に腰掛けて休む。
気が済むまで泣いてから帰ろうと思っていると、
「大丈夫ですか?」と、声をかけてくる人がいる。
本当に腹立たしい。こういう時は放っておいて欲しいのだ。
結構控えめに地味に泣いているのに、構われると余計悲しくなるのだ。
「大丈夫だから放っておいて下さい!」
と連呼するが、男は立ち去らない。
「訳を話してくれ」
などと言われても訳など無いのだ。
何様のつもりだと、苛つく。
この世の中に自分が解決出来る事があると思っているようだ。
はたまた退屈なので好奇心で聞いているくせに、親切なつもりになっているのだ。
「何か出来る事は無いか?」
あまりにしつこいので
「鼻が垂れているのでちり紙を下さい」と訴えた。
そのまま立ち去ってくれれば良いと思ったが、ちり紙を調達して戻ってきた。
鼻をかむ。
「もう大丈夫ですから帰って下さい」と言うのだが
「事情があるなら聞きますよ」、「心配で放っておけない」などと帰ろうとしない。
ついうっかり目を合わせてしまった。
マズイ。目を合わせると愛想良くなってしまうのだ。
トイレに行きたくなる。我慢が出来ない。
一人になりたかった。どこか彷徨ってトイレを探したい。
立ち去ってくれないので限界を迎える。
「トイレ・・・に行きたいです。」
目の前にカラオケ屋に入る。何故かその男の子も来る。
トイレだけ済ませて帰る訳にも行かない。
「いくつ?」と、聞くと「23才」とのこと。
私は偶々泣いていたけれど、彼が期待しているような可哀想な出来事があった訳ではない。
落ち込んでいる人を助けてあげるという思惑があるなら、それを壊したくなった。
とにかく普通に元気に熱唱。
きっと拍子抜けしただろう。
小一時間すると彼が帰りたそうにしているのが分かった。
切々とした身の上話でも聞きたかったのだろう。
外に出ると、豪雨。
この人が話しかけなければ、こんな雨になる前に帰れたのに。
私は適当に帰るから帰るように言うと、走って行った。
この雨の中自転車に乗るか迷う。
迷った揚げ句、ずぶ濡れになりながら自転車に乗る。水滴で視界が悪い。
風呂にも入らずに濡れたまま寝る。
昔、お付き合いしている人に夜中にお店に呼び出され、
店に行った揚げ句「風俗に行きたい」などと話され、
「そういうのは人にお金を借りないで済むようになってから言えば」と言ったら
「帰れ!」と、怒鳴られたことがあった。
「帰るわよ!」と、雪の中歩いてどうでも良くなって道で寝てしまった。
すると、19才の若者3人が「死んじゃうよ!」と、助けてくれた。
誰にも見付からないように目に付かない隅で寝ていたのだが、
泣きながら歩いているのを見ていたらしい。
しばらく「放っておいてくれ!」と、取り合わなかった。
だが、心底心配してくれていたようで真剣に説得してくれた。
いつの間にかタクシーを呼んでくれて、
私も「助けてくれてありがとう!」と、感動して帰った。
あの時は、取るに足らない私の為に楽しく遊んでいた時間を割いて説得してくれて、
ありがとう、と思ったのだ。
その後、お付き合いしていた人からは
「気付いたらいなくなってるんだもの、ちゃんと帰れたの?」と、電話が来た。
記憶が無いという話だった。
他にも、道に迷って泣きながら歩いていると、分かる所まで連れて行ってくれて
迎えが来るまでつき合ってくれた人もいた。
皆名前も知らない。
ただ、しょっちゅうと言う訳では無いが、私は泣きながら歩き過ぎなのかもしれない。
泣きながら一人で歩いている女性を1度だけ見た。
生気が無く今にも死にそうで怖かった。
あんな風に見えていたら嫌だ。
女一人泣きながら歩けもしない世の中だ。
フリチンで歩いている男と同じくらい迷惑なのかもしれない。気をつけよう。
自転車で新宿へ。最近では30分で着くようになった。
皆のお芝居を観に行けず、申し訳なかったので会合には張りきって臨む。
だが、思いの外欠席も多い。
稽古後参加の人を待っている間にすっかり酔ってしまう。
大人なのに一番困った人になっていたかもしれない。
皆と別れ、一件電話。
最近被害妄想が強く、些細な事で悲しくなる。携帯の電源も切れてしまう。
誰にも助けを求められない。
やみくもに悲しくなり、道の隅に腰掛けて休む。
気が済むまで泣いてから帰ろうと思っていると、
「大丈夫ですか?」と、声をかけてくる人がいる。
本当に腹立たしい。こういう時は放っておいて欲しいのだ。
結構控えめに地味に泣いているのに、構われると余計悲しくなるのだ。
「大丈夫だから放っておいて下さい!」
と連呼するが、男は立ち去らない。
「訳を話してくれ」
などと言われても訳など無いのだ。
何様のつもりだと、苛つく。
この世の中に自分が解決出来る事があると思っているようだ。
はたまた退屈なので好奇心で聞いているくせに、親切なつもりになっているのだ。
「何か出来る事は無いか?」
あまりにしつこいので
「鼻が垂れているのでちり紙を下さい」と訴えた。
そのまま立ち去ってくれれば良いと思ったが、ちり紙を調達して戻ってきた。
鼻をかむ。
「もう大丈夫ですから帰って下さい」と言うのだが
「事情があるなら聞きますよ」、「心配で放っておけない」などと帰ろうとしない。
ついうっかり目を合わせてしまった。
マズイ。目を合わせると愛想良くなってしまうのだ。
トイレに行きたくなる。我慢が出来ない。
一人になりたかった。どこか彷徨ってトイレを探したい。
立ち去ってくれないので限界を迎える。
「トイレ・・・に行きたいです。」
目の前にカラオケ屋に入る。何故かその男の子も来る。
トイレだけ済ませて帰る訳にも行かない。
「いくつ?」と、聞くと「23才」とのこと。
私は偶々泣いていたけれど、彼が期待しているような可哀想な出来事があった訳ではない。
落ち込んでいる人を助けてあげるという思惑があるなら、それを壊したくなった。
とにかく普通に元気に熱唱。
きっと拍子抜けしただろう。
小一時間すると彼が帰りたそうにしているのが分かった。
切々とした身の上話でも聞きたかったのだろう。
外に出ると、豪雨。
この人が話しかけなければ、こんな雨になる前に帰れたのに。
私は適当に帰るから帰るように言うと、走って行った。
この雨の中自転車に乗るか迷う。
迷った揚げ句、ずぶ濡れになりながら自転車に乗る。水滴で視界が悪い。
風呂にも入らずに濡れたまま寝る。
昔、お付き合いしている人に夜中にお店に呼び出され、
店に行った揚げ句「風俗に行きたい」などと話され、
「そういうのは人にお金を借りないで済むようになってから言えば」と言ったら
「帰れ!」と、怒鳴られたことがあった。
「帰るわよ!」と、雪の中歩いてどうでも良くなって道で寝てしまった。
すると、19才の若者3人が「死んじゃうよ!」と、助けてくれた。
誰にも見付からないように目に付かない隅で寝ていたのだが、
泣きながら歩いているのを見ていたらしい。
しばらく「放っておいてくれ!」と、取り合わなかった。
だが、心底心配してくれていたようで真剣に説得してくれた。
いつの間にかタクシーを呼んでくれて、
私も「助けてくれてありがとう!」と、感動して帰った。
あの時は、取るに足らない私の為に楽しく遊んでいた時間を割いて説得してくれて、
ありがとう、と思ったのだ。
その後、お付き合いしていた人からは
「気付いたらいなくなってるんだもの、ちゃんと帰れたの?」と、電話が来た。
記憶が無いという話だった。
他にも、道に迷って泣きながら歩いていると、分かる所まで連れて行ってくれて
迎えが来るまでつき合ってくれた人もいた。
皆名前も知らない。
ただ、しょっちゅうと言う訳では無いが、私は泣きながら歩き過ぎなのかもしれない。
泣きながら一人で歩いている女性を1度だけ見た。
生気が無く今にも死にそうで怖かった。
あんな風に見えていたら嫌だ。
女一人泣きながら歩けもしない世の中だ。
フリチンで歩いている男と同じくらい迷惑なのかもしれない。気をつけよう。
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