« 欲望 | トップページ | 行き場をなくした恋心 »

妄想

一目見ただけでわかる事がある。
電車で坐っていた。隣の席が空いていた。
乗り込んできた男性のストライプのシャツが見えた瞬間に「隣に坐らないで欲しい」と、思った。理由は分からない。
だが彼は隣に腰掛けた。
無意識に近い感情だったのでしばらく忘れていた。
何となく不快になる。件の彼が尋常では無い程、扇子を振っているのだ。
それほど暑くはなかった。
視界に常にゆらゆらしているモノが入る。
彼の汗の側を通り過ぎた風が私に吹いている。
苛々して顏を見ると、汗で顏がキラキラしていた。
こんな忙しなく扇子を振っているから汗をかくのだと思った。
電車が停車した。腰を浮かすそぶりをした。
降りるのかと期待したが、気のせいだった。
「降りてしまえ!」と、毒づいていると、駅名が見えた。
私が降りなければならない駅だった。慌てて降りる。
彼の顏も思い出せないが、実際知り合っても相性が悪い人に違いない。
なにがしか脅かされる。
あの嫌悪感は「逃げろ」というサインだろう。
こういう人が身近にいたり、上司だったりしたら犯罪だって犯してしまうかもしれない。
だが、こうも考えた。
つい先日も嫌いな人の事をぼんやり考えていた。
「太ってしまえ」「禿げてしまえ」などと考えていたら電車を乗り過ごしそうになった。
悪い事を考えると必ず戻ってくるという教訓は本当かもしれない。

休憩時間に佐世保バーガーを買いに行く。
30分休憩だから余裕のはずだった。
のんびりダイビングの雑誌などを長めながら待つ。
だが、いつまで経っても出来上がらない。
時計を忘れて来てしまった。もう休憩は終るかも・・・と焦る。
がま口の口をカチカチ鳴らし、はえぎわの産毛をぶちぶち抜きながら苛々している様をアピール。きっと店員には気付いても貰えなかっただろう。

本日で稽古は終わり。明日から小屋入り。本番は楽しみだが、ちょっと寂しい。

|

« 欲望 | トップページ | 行き場をなくした恋心 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 妄想:

« 欲望 | トップページ | 行き場をなくした恋心 »