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バリ八日目・エステとディスコ

4/16その1
ウピミことユキゾウと私は11時からバリ舞踊を習う予定。
終わったらノムコムとトロピカルビューカフェで待ち合わせる事にした。
その後はエステ。
バリ舞踊のレッスンを予約した時、ホテルまで迎えの車が来ることになっていた。
しかし、いつまでたっても来ない。
予約のレシートをホテルの受け付けの人に見せ、電話をしてもらう。
あと5分で来るらしい。
「きっと話が通ってなかったんだね」
「ウピ」
車の中でそんな話をしているうちに民家へ到着。
庭には沢山鶏がいる。黒いひよこを初めて見た。
奥に鏡がある部屋があった。意外とちゃんとしている。ほっとする。
何人かにあったが誰が先生か分からなかった。
中々来ないと思っていると、我々を案内していた小さくて後ろ髪が長い男性がレッスンをはじめた。
口三味線で踊り始めるので真似をする。
レッスンするスペースには気彫りの鳥に色を塗りつづける女性がいる。
他にもスペースがあるのに、どうしてここで塗っているのだろう。
不思議に思うが、それどころでは無い。
繰り返し同じ動きをやるが全く覚えられない。
以前ウピミと一ヶ月だけバリ舞踊を習った事があった。おそらくそれと同じ踊り。
動きの仕組みが今まで習った踊りとは根本的に違う。
2回目だから少しは分かるだろうと思ったが、甘かった。
すっかり汗だくになり。休憩。
鳥に色を付けている女性は先生の奥さんらしい。
泣き叫ぶ下半身丸だしの子供を先生に預けて険しい顔をしている。
昨日のラフティングと言い、観光客相手の仕事をする男性の奥さんや彼女は余程心配なのだろうか。鈍い私でも分かるくらいけん制されている(ような気がする)。
どちらも純朴なタイプで女好きという感じでも無かった。
しかもハンサムという訳で無い。心配しなくてそんなにもてなから大丈夫、と思ったり、けん制される対象になったのを喜んだり。
何のジャンルか分からない踊りめいた動きをしているうちに1時間経ってしまう。
黙っていたら、レッスンをいくらでも続けそうだった。
「1時間ですよね」と、先生に確認したら
「知らない」と、言われる。
我々はノムコムと待ち合わせがあるので、帰らなければなない。
「迎えの車は来るのでしょうか?」と、尋ねると
「来るんじゃない」と、言いながら別の部屋へ案内される。
先生のお父さんまで来てしまう。この一族が描いた絵を見せられる。
ウピミと「時間大丈夫かな」と、日本語で話しあう。
「my friend...wait...We have to go...」
などと必死に訴えこのお宅から出る。迎えの車が来ていたので安堵する。

トロピカルビューカフェへ行くと、ノムコムが待っていた。
何やら買い物をしたらしい。見せろと言っても
「いや、馬鹿なものを買っちゃったんだよ・・・」
と、中々見せようとしない。
隠したってばれるのだと迫ると、赤紫の派手なワンピースを見せた。
分かりやすく南国での衝動買いだった。
私もウブド初日ワンピを買っていた。
「この夏沢山着ればいいんだから・・・」と、自分にも言い聞かせ、
「ええ、凄いいいじゃない・・・!隠すことないよ~」と、3人で過剰に盛り上がる。
ホテルに戻ると既に迎えの車が来ていた。それを待たせて、ワンピースに着替える。
めかしこんで、エステへ。
今回は少々高級なエステだという。
観光本にも乗っていて、河のせせらぎを聞き、景観を見ながら受けられるという。
あまり興味は無いが、これも経験。
私とウピミが同じ部屋、ノムコムは別の部屋になってしまう。
身振りで服を脱ぐように言われる。パンツまで脱ぐのか分からない。
「nakied?」と、尋ねると会釈され、大きな布を渡された。
全裸になり、布を体に巻きつけてベッドへ。
だが、マッサージの邪魔らしくはぎとられ、上からかけられる。
初めは大層心地よかった。
マッサージが終わり、ルルールというエステに入る。
ウコンの入った液体を体に塗りこまれる。乾くとこすって落とす。
この最中にだんだん体が冷えてくる。
河のせせらぎは聞こえているのだが、うつぶせでも仰向けでも河は見えない。
ウピミと私は外に備え付けてあるシャワーを浴びるように指示された。
ウコンのおかげで二人とも黄金像のよう。苦労してウコンを落とす。
外で順番にシャワーを浴びるうちに凍えてしまう。
面倒になりウコンを完全に落とすのはあきらめた。
その後二人でフラワーバスに入り、ジャムーという薬湯を飲む。
こんな機会は滅多に無いのでお互いの写真を撮り合う。ウピミは女神のようだった。
4/16その34/16その2
その後ペディキュアを塗ってもらう。
先ほどからペディキュアセットは置かれていた。
個人の私物かと思うほど色も少ないので不思議に思っていた。
わざわざ頼んで塗ってもらうのはネイルアートのような事をして欲しかったのだ。
だが、どう見てもそのような設備は無い。あきらめ気分になって来た。
爪のお手入れをしてもらえれば良いような気持ちになる。
普通爪のお手入れはやすりでやるものだ。
だが、爪きりで爪を切り始めるではないか。爪きりで切るなら自宅で出来る。
だが、この人達はマッサージもエステもやっていた。ネイルの勉強などしていないのかもしれない。だんだん投げやりな気持ちになる。
甘皮の処理はしてくれているようだ。これで良しとしよう。
わずかな色からマシなモノを選んで塗ってもらう。
隣で塗られていたウピミの足を見て驚く。
ペディキュアを塗る時、指と指がくっつかないように間にコットンを挟んだりする。
私はその手間を省かれていた。
ウピミの足の指には何か挟まっている。
だが、何かおかしい。よく見るとそれはトイレットペーパーをこより状にしたものなのだ。
数日前サヌールでコットンを買ったが、ウブドにはコットンは普及していないのかもしれないわ・・・と気にしないことにした。
重ね塗りをしたので、乾くまでこのまま待つのだろう。
ところが、サンダルを持って来られて足にぐいぐい押し込まれる。
明らかに乾いていないのにこのまま帰されるらしい。
受け付けに戻り椅子に座った時、右の親指をぶつけてしまう。
ペディキュアは無残にはがれた。「あああああ!」と、声を上げる。
先ほど私にペディキュアを塗った人が傍にいたので申し訳無い気持ちになった。
彼女が私を見ていた。
塗りなおすと言うかと思ったら、次の予約の日本人を連れて消えてしまった。
連れていかれる人に「これからステキな時間を持てると思ってるかもしれないけれど、期待しないほうがよいよ」と、声をかけてあげたかった。
3人で立地条件に甘えて向上しようとしない殿様商売だったね、でも行ってみないと分からない、何事も経験だね、我々は悪くなかったよ、と慰めあう。

一旦ホテルへ戻りケチャを見に行く。
これは興奮した。
楽器無しに「チャッチャッ」言っている奴という予備知識の通りだったのだが、壮観。
30人~40人位の若いのから年取ったのからワラワラ半裸で出て来る。
皆ハイビスカスを頭に飾っている。
私の目の前の人は、座っているのもやっとのような老人。他の人より動きも緩慢。
皆焚き火の周りに車座になって「チャッチャッ」言っている。
選ばれたと思われる人がソロを担当して節に変化を与える。
踊り手が出てくると、時に立ち上がって動き回ったりする。
焚き火の照明以外、音響、セット、語り全て人によって行われている。
チャッチャッと聞こえるのは猿の鳴き声をモチーフにしているらしい。
その後少女がトランス状態になる踊り、焚き火を馬が蹴散らす踊り(?)などが行われる。
少女も恐ろしく踊りが上手い。生半可な練習では無い。
のどかな時が流れる島で、同時にとてつもなく厳しい時間も流れているのだろう。
そういう側面をもっと覗きたいと思った。

皆でサイサイ・バーに行く事にした。
昨日ワヤンに聞いた情報ではジャズバーという事だった。
だが、メジャーなロックの曲のコピーばかり流れていた。
同じグリーンフィールドに泊まっているカップル、ボーイのウッズ、升、ワヤン、我々3人組。
アラックのカクテルを頼む。
フロアーでは数人踊っている。
目立っていたのは、ジェームス・ブラウン風な男、リズム感は抜群だが踊りと言えないような自由な動きをしている、イマナラ君のような男。
我らはJB似を「ガジロウ」、もう一人を「カリフォルニア」と呼んで観察していた。
どんくさそうな小太りでメガネの日本人ギャルが、聖子ちゃん全盛の頃のステップを踏んでいた。それを囲むバリ男子達。腰に手を回され顔をほころばせていた。
見たくないものを見た気がした。
ああいう人達は日本では絶対踊らないだろう。
バリ来て浮かれちゃったのね・・・近親憎悪を感じた。
踊るなら中途半端に恥じらってないでガンガン体を動かせよ、もっと音を聞けよ、とイライラした。
隣で白人の太ったおばさんも踊っていた。だが、こちらはステキだった。
音楽がなったら体が動いちゃうのよ・・・と、ごく自然。
自分も踊ったらあのような醜態をさらすかもしれないと、ウピミにもらす。
「今までどれだけ踊ってきたと思ってるの、ゆうかピエロ。大丈夫」と、励まされる。
ノムコにせっかくだから踊ろうと、促される。
絶対踊らないと決めていたのに、「ええ、ちょっとだけだよ」と、のこのこ腰を上げてしまう。どうやら私は踊りたかったらしい。
どうしよう、バリ来て浮かれちゃった人になってしまう。
初めは恐る恐る、リズムを刻み始める。
音にあわせてどこでも良いから体を動かし始めたら、どんどん気持ちよくなってきた。
きっと自分は滑稽に違いないが、どうでも良くなりガンガン頭と腰を振り続けた。
すると私に声をかける男が。
振りかえると、JB似のガジロウであった。安岡力也にも似ていた。
我々の噂の的だったので面白くなり、相手をした。
この現場をノムコムやウピミが見たらウケルだろう。
あたりを見まわす。だが、二人はいない。ちょっと不安になる。
ガジロウが私の手を握ってターンをさせるので、お前も回れよと、手を引っ張りあげると彼はくるくる回るのだった。
回ったり回したりに飽きてきた。そろそろ無心にガンガン踊りたい。
だが、奴はなんだか囁いてくる。賞賛の言葉だという事は分かったがよくわからないので、にこにこする。
すると「I will survive」がかかった。おお、私の好きな曲・・・と思っていると、ガジロウの奴がいきなり私の腰を引き寄せるではないか。
どうしたものか。全く歓迎する状況ではない。
どうやってこの場を逃げようか、踊りに夢中になっている振りをして考える。
するとガジロウの手が腰からヒップへ下がってきた。
ムカッ腹が立ったので「NO!」と、手を尻から離す。
「sorry...」という謝るものの隙あらば手がヒップに下がってくる。
トイレに行きたい振りをしようか・・・だが、付いてこられたら益々危険かも・・・すがるように辺りを見まわす。
首を振っているノムコムと目が会う。彼女は驚いたようだ。
だが、よりによって何でこれと踊ってるのと、噴き出してもいた。
踊りながら近づいてガジロウに「She is my lover!」と、説明し助けだしてくれた。
一安心したが、面白いからと言って自分で対処出来ない状況を招くのはやめようと思った。
席に戻ってげらげら笑っていると、遠くからガジロウがこちらを見ていた。
「もっとマシなの沢山いたのに、何故ガジロウと・・・」
と、悪口を言っていたのでどきどきする。
ノムコムは踊りに夢中でハンサムに頭突きを食らわせて、嫌な顔をされてばかりだったらしい。
ウピミは今度はイタリア人に口説かれたらしい。
席に戻りタイガー・ウッズ似のボーイさんに年齢を聞かれる。
「34」とウピミが答える。ウッズはかなり驚いていた。
ウピミは皆同じ年だと言っていた。
正確には私が一つ年上だ。
私は35だと、力強く訴えた。ゴマ化すのは負けのような気がした。
そして、「とても35歳には見えないよ」と、言ってもらおうと思っていた。
だが、ウッズは何かウピミに耳うち。
ウピミは「それは言っちゃ駄目」と、ウッズを軽くはたき、二人で笑いあっている。
「何?35より上に見えるって言ってるの?もっと上かと思ったと言っているの?」
と、自分でも引くくらいの真剣さで問い詰める。
ウピミは観念して「早く結婚しろってさ」と、教えてくれた。
「何だ・・・」と、胸をなでおろすが、段々しょんぼりしてくる。
下北界隈において同世代で未婚というのは主流派とさえ思える。
世間ではそうではないという事も薄々知っている。
だが、堂々とそういうことを言われたりした事はあまり無かった。
バリくんだりまで来て、世界における自分の位置を思い知らされた。
そうだ・・・それが常識だったよ。
「余計なお世話だよ・・・」と、力無く訴える。
何故、私は未婚なのだろう。
そして何故みんな結婚しているのだろう。謎は深まるばかり。
それにしてもウピミの奴も私と一つしか年が違わないのだから同じ穴のムジナではないか。
まるで自分は違うかのような態度だったぞ、と段々腹も立ってきた。
ウッズもウピミを未婚の35女の括りに入れてはいなかった。
何だ、美人なら良いのか・・・。それも真理だ。

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