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バリ前日、芝居のハシゴ

芝居の梯子。
マチネは下北沢オフオフシアターで、メタりック農家「尼」、
ソワレはパブリックシアターでは白井晃さん演出「ルル」。
楽しみにしていたのだが、旅支度も出来ていないので精神的に余裕の無い状態であった。

「尼」は、よく出来ていた。
今日はゲネ、プレビュー、ソワレと3公演もやるらしい。大変なことだ。
急病人が出て、作、演出、主催の葛木英ちゃんが大役をやっていた。
芝居の見せ方も凝っているのに鼻につかない。
21才が考えた世界だと考えると末恐ろしい。
ワークショップなどで教えている人達より数倍レベルが高い気がする。

バイクで下北から三軒茶屋へ移動中、後ろのバイクから怒鳴り声。
何か運転に問題があって文句をつけれているのかと動揺する。
だが、おかしなことはしていない。
よく見ると知り合いだった。
偶然会ったので驚いて必死に呼びかけていたらしい。
何も悪いことをしていないのに、自信が無いとすぐ動揺してしまう。
こういう性格は一生直らないだろう。

「ルル」は芸術という呼び名がぴったり来る舞台だった。
主演の秋山さんの一挙手一投足がエロチックで美しかった。
まさにファムファタールだった。
話自体はシンプル。
男を翻弄する女が数々の恋愛遍歴を繰り広げ、蝶よ花よとあがめ奉られているが、
落ちぶれて哀れに死んでいく。
生活、或いは快楽のため、誰にでも体を許してしまう娼婦のような女だが、
本当は純な寂しがり屋。
絶望的な孤独感だけが彼女を支配していた、といったような雰囲気。
海外で評価される芝居はこういうものかもしれない。
前衛的な演出が随所にちりばめられていた。芝居というよりアート色が強かった。
アートの事はよく分からないがそう思った。
楽屋へ挨拶に行き「美しかったです~」と、連呼して帰宅。
初日乾杯に誘っていただいたが、泣く泣く断念。
明日午前11時の飛行機へ乗るというのに荷造りがまったく出来ていないのだ。
旅は楽しみだが、荷造りは嫌い。

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