バリ四日目
サヌールから車で2時間。
本日はノムコもユキゾウも一緒。
ノムコはダイビング、ユキゾウはシュノーケリング。
昨日のAさんと、裕福そうで社会的地位もありそうなおじさま。
アブダビで仕事をしているそうだ。
ライセンスを持っているノムコはおじ様達と一緒に行く方が、深い所にも行ける。
だが、課題をこなす私とサエさんとバディを組む事を選ぶ。
本日は海岸から歩いてのダイビングなので、ボンベや重りをしょって陸を歩くのに四苦八苦。
アコーディオンより重い。水に入ると、楽になる。
少しずつ潜って進むと大きな岩棚のような物があった。
その下に細長い2匹のサカナが夫婦で住んでいるらしい。
そのサカナを観察して更に進んでいくうちに、岩棚だと思ったものが沈没船だと分かった。
すっかり珊瑚や砂に覆われていた。
想像していたものとは大分違ったが、沢山のサカナの住処になっていて見応えがあった。
下の方に大きなサカナがいると思ったら、他のダイバーであった。
我々はまだ18メートルしか潜れない。
深い所も楽しそうだ。
初めは高さで想像して深い所に行くのは怖いのではと思った。
潜るうちに水面も見えなくなり、ただ中をさまよっている感じになって行った。
だが、まだまだ不自由。
沈みたいのに浮いてしまったり、浮上したいのに沈んでしまったり。
肺やBCDの空気量を調節しても、実際に浮いたり沈んだりするのに時間差がある。
しかも水面に近づくと浮力が倍になる。
遅れをとっても焦って泳ぐと進まない。
水中では焦るのは禁物。サカナを見る所では無い。
一本目を終え、浜へ戻る。
陸に上がると重力が足にかかって歩けないほど重く感じた。
昼食。
Aさんは、もう一人のおじ様がこちらのグループに話し掛けるので、昨日とはうって変わって話し掛けてくるようになった。
だが、ユキゾウは初シュノーケリングで荒波に揉まれ、ぐったり。
しかも今日は透明度が悪くあまり見えなかったらしい。
私も慣れないダイビングでぐったり。相手は元気なノムコにしてもらう。
2本目の方が透明度が上がる。
サエさんがサカナにえさをあげる振りをしたら、黒いカラスのようなサカナに囲まれ見えなくなる。まるでサエさんが食べられているようで少々怖かった。
今度は沈没船の中まで入った。
狭いトンネルをくぐるようなコースは時折渋滞したが、大層楽しかった。
子供の頃の探検ごっこを思い出す。
ユキゾウは早々にシュノーケリングをやめていた。
彼女が入った頃は透明度も悪く、何も見えなかったのだ。
いつかリベンジするそうだ。
帰り際にAさんが集合写真撮りましょう、と言う。
バディを組んだおじさまやY・スキューバのスタッフさんと撮りたいのか、我々も入った方が良いのか分からない。集合と言うからには全員なのだろうか。
Aさんの顔を伺うが、意思が読み取れない。
ふと、「ユキゾウの写真が欲しいのでは?」と、思った。
旅先でユキゾウほどゴージャス美女と会うことなどそう無い。
ただの推測だが、そんな気がした。
私もノムコもうすら笑いを浮かべポーズを取っていた。
ユキゾウだけは真深に帽子を被り、口しか見えない状態だった。
もしユキゾウの写真が目当てだったら彼もしょんぼりだろう。
帰り道は朦朧とする。
途中でステキな町を発見。チャンディ・ダサという町だった。
すっかり何度もバリを訪れる気持ちになっていたので、次はきっとここに泊まろうと誓い合う。
本日をもって無事ライセンスを取得。気を張っていたので、安心する。
やっとのんびり旅を楽しめる。
夜ご飯を食べる場所を相談していると、さえさんが、プーちゃんと呼んでいる河合我聞似のスタッフさんに聞いてくれる。
昨日行ったお店の近くを教えてくれた。
サエさんと後で合流する事にした。
車が壊れたらしくプーちゃんがプリクラパまでタクシーで送ってくれる。
優しくていいコだと皆で感動する。
彼の意向は一切無視して、タイプかどうか好き勝手に話し合う。
「凄い可愛いけど、弟みたいな感じで恋愛は無理かな」
と、ノムコとユキゾウの意見が一致。
そこで私は
「私はタイミングさえ会えば全然大丈夫だな」と、守備範囲の広い所を見せつける。
だが、タイミングというのが一番やっかいなのだ。
窮地で助けられるとか劇的な事が起きなければならないのだ。
寝言のような会話は楽しい。
ジャランジャランのあと、夕食。
しばらくしてからサエさんがお友達と一緒にやってきた。
お友達もアグースさんという。こちらに多い名前らしい。
彼は少々古いが太川洋介に似ていた。
海に潜るという意味のインドネシア語を教わったり、手で食べるのを伝授してもらう。
真似て右手のみで鶏肉などを食べようとするが、こぼして服を汚してしまったり、つい不浄と言われる左手を使ってしまったり。なかなか難しい。
もう一軒お店へ行ってArackを飲もうかと言う話にもなったが、明日はチエックアウトの日。
すごすごとホテルへ戻って荷造り。
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