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ヨン様!

去年の今頃から「冬のソナタ」が気になっていた。
だが、BSも観られない環境。
ドラマを毎週覚えて観る事の煩わしさなどもあって、ビデオがレンタルされ、人気が薄くなって借りやすくなってから観ようと思っていた。
そして、芝居が続き、宝船もあった。
観るのに時間がかかりそうなものは全て封印していた。
その間、何人ものお友達が「恥ずかしいのだけど、冬ソナ、意外と面白いんだよね」というカミングアウトをしてきた。
先日は母まで「結構いいのよ、あんたも観るといいよ。よく出来てる。ヨン様が芝居がうまいの」などと言い始めた。
自分で密かに観たいと思っていても、人に勧められると気が乗らなくなる。
だが、間違いなくハマルに違いないのは解っていた。
そういう状態になりたかった。
とりあえず、3話分入ったものを一本借り、意を決して観る。
果たして、皆が言っている通りの気持ちになった。
初めはそれほどでハマル感じがしなかったのだが、2話目を見終わったら、目が離せなくなった。
でも、微笑みの貴公子と言われているヨン様は笑わない方が格好良かった。
口の端だけで微笑むか微笑まないか解らない位が一番良い感じ。
だが、大人になって初雪の中を歩いている姿はうすら馬鹿みたいだった。
髪が茶色過ぎる。
そんな事を思いながら観ているにも関わらず、何度か涙ぐむ。
昔、好きだった子の事など思い出した。

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心配なおにいさん

朝、昨日入手したカタログを見ようとわくわくしながら鞄を探る。
だが、無い。
昨日、メカに強いノムコにカタログを見せたのかもしれない。
商品よりカタログにロマンを感じるくらいなので、がっかりする。

ラックにテレビを置くのを諦め、他の場所を確保する。
家具を移動したり、いらない物を捨てたり。
16時頃、テレビが到着。驚くべき事にDVDプレーヤーもあった。
配達のお兄さんは北村一輝に似ていたが、大分ぼんやりした印象。
目の前にテレビのアンテナの線があるのに、いきなり洗濯物を溜めた籠のある一角をガサゴソ探り始める。
「ここです」と言うと、「あ!」と動揺していた。
テレビを小さい台に置いてもらったが、ビデオデッキ、DVDなどの置き場を確保出来ていなかった。仕方がないので床に置く。
接続してもらう。私には無理な作業だ。
そういう事ができる人は尊敬する。
だが、お兄さんには何故か尊敬出来ない匂いがあった。
バイトなどで理由の解らないミスを繰り返す人がよくいる。そういう気配があるのだ。
質問をしても「説明書読んで下さい」で終わってしまう。
帰る時、箱などで両手がふさがっていたので、出やすいように扉を開けてあげた。
お兄さんはその事の礼も言わず、私の靴を踏んづけながら外へ出た。
一応接客業なのに、客の靴を踏んではまずいだろう。
私はあまり気にしない性質だが、このお兄さんには一杯苦情が来ているに違いない。
常に注意や文句を言われていて、おどおどしている感じの人だった。
お兄さんが帰った後、ビデオと、DVDを置く場所を決め、載せようとした。
すると、コンセントや配線が絡みまくって30センチも動かせない状態になっていた。
「なんだこれ・・・」と、コンセントや配線を外して、知恵の輪のよう絡んだ箇所を直した。あのお兄さんは大丈夫だろうか・・・と心配になった。

夜は散歩。かなり長距離歩く。
ブックオフへ行ったり、パオというお気に入りの店に行ったり。
TSUTAYAへも行く。DVDやビデオを借りまくる。

宝船が終ってしばらく落ち着くまで封印していた「Sex And The City」4シーズンを9話分観る。
DVD画像はかなり美しい。
私の好きなエイダンとキャリーが再びつきあい始めて嬉しい。
だが、後に別れるという情報を知っている。
全部観たいのだが、そこで辛い思いをするに違いない。途中で意識が朦朧とした。
受験の時より強い根性で観る。
観ながら、牡蛎とキノコのご飯をル・クルーゼの鍋で作る。
トマト、ベーコン、カブ、ピーマンのスープも作る。
朝、9時半に就寝した。

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コクーンの王子様

一時間くらいしか寝ずに起床。
三日間一日三回採取した、右胸からの分泌液を病院に届けにいくのだ。
この日は「走れメルス」を観に行く事になっていた。
これほど寝不足でいくのは危険だった。
極力体力を使わないようにタクシーで病院へ。よくわからない贅沢をする。

渋谷に着くと、まだ時間があった。ビックカメラへ行く。
液晶テレビがどんなものか見てみたくなったのだ。
家に来るのは一体どれなのだろう。カタログを沢山貰って帰る。

ギリギリでコクーンへ。舞台装置に仰天。
こんな歩きにくそうな所でどうやって芝居をするのだろう。
だが、きっと動けるように変わるのだろう。
そう思ったら、序盤でいきなり、床が浮き上がってセットが変わった。
これで皆動けるようになるのだと、安心した。
お話は全く解らなかったが、なんとなく楽しかった。
支離滅裂なので、考えない方が良いのだ、とのんびり見ていた。
セリフもわからない。皆早口なので、よく聞き取れないまま先へ行ってしまう。
これも、真剣に聞こうとしなくてよいらしいと、ちゃんと聞かなくなった。
ちゃんと聞かないと決め込むと、このくらい早口の方が飽きずに観られた。
河原君は10年以上前にやったハイレグのミュージカルで王子様をやっていた。
メルスはその王子様みたいで、懐かしくなった。
峯村りえっこちゃんは抜群に可愛くて、胸がしめつけられた。
脱力して見えて、これだけ魅せられる人は凄い。
古田さんは、セックスアピールむんむんで、妊娠しそうだった。

こんな想像をした。
小さな集落で平和に暮らしている。
そこへ、他所の部族が侵略して来て、逆らう男どもを、いとも簡単に虐殺してしまう。
他所の部族の首領が古田さん。
生き残った女共は、村の男を殺した彼を憎みながらも、惹かれてしまう。
初めは殺そうとして近づく女もいる。
だが、いつしか本気で惹かれてしまい、握った短剣を落としてしまう。
その女は反逆の意図がある事が発覚して、処刑されてしまう。
その報告も眉一つ動かさずに聞いて、飲んでいる酒を「不味い」と、一言だけ言ったりする。
そんな男が古田さんにはよく似合う。

お芝居の内容は理解できなかったが、良い芝居だと思った。
何かに対する強い憧れを切実に感じさせられた。

楽屋へ行くと、りえっこちゃんに超キュートな絵本を貰う。
遅い誕生日プレゼントだとの事。大切にして、出来たら孫や子に見せようと決めた。
河原君は精悍な顏になっていた。
あれだけ動いているから、体質や体も変わったのかもしれない。
新陳代謝が良さそうだった。
桜井君だけが芝居に入ってから太っていた。
見るからに痩せそうな芝居で太るのは凄い。
彼は、以前焼き肉屋でお腹一杯になって、寝てしまった事がある。
1時間後に目を覚まし、「お腹減った」と、デザートをワンコ蕎麦の様に平らげていた。
古田さんはタヌキの着ぐるみのようなつなぎで寛いでいた。
さっきまであれほどセクシーだったので、戸惑う。

中野でノムコと会う。久々に真面目に飲んだ。

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片づけられない女

夕方、電話で住所を聞かれる。
ある人が私にテレビを買ったので送りたいとのこと。
貰ういわれも無いので、断ろうとした。
だが、好意を無にする方がエネルギーを必要とした。
確かにウチのテレビは直ぐ消えてしまう。
叩くとしばらく映る、というポンコツではあった。結構それを楽しんでもいた。
いつかテレビを買う時の夢もあった。
ウチのは14インチなので、画像など良くなくても良いから、大きい画面で見たいと思っていた。
私にくれるテレビは20インチだという。SHARPの液晶で良いものらしい。
嬉しいのだが、分不相応な気がした。
私には叩いてようやく映るテレビの方がふさわしい
。困惑するも、頂く事にした。
明後日着くとの事。慌てて、どこに置いたら良いか考える。
今は組み立て式のラックの下から2段目に置いている。そこには到底入らない。
テレビの上の段には夥しい物が乗っている。
ステレオや、CD、ミシン、プリンター、謎の箱6コ。
これらを全てどけて、棚を組み替えなければならない。大変な作業だ。
まず、部屋を片づけなければならない。
芝居の後は、どこに置いたら良いか解らないもので、部屋が溢れ帰っている。
それらを片づけながら、タイカレーも作る。
時々テトリスなどをしていたら、朝の7時になってしまう。
まだ、棚を組み替える段階に行かなかったが、挫折。
カレーを食べて寝る。

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宝船の行く末

タワーへ行く途中に貧血。しばらく休む。血の気が足りない。
元気になってからタワーで私の立ち上げた劇団「宝船」についての今後の話し合い。
私は早急に2回目、3回目をやりたい気持ち、また、自分がきちんと芝居に出たいという気持ち、しばらくのんびりしたい気持ち、他の文章を書きたい気持ち、などで常に気持ちが乱れていた。
早急にやる場合も考えて、話し合った。
本来芝居はこういうのがやりたい、という初期衝動から始まるのが健全だ。
それから人を集め、小屋をとる。
本当はそうしたい。
だが、今は1年後の小屋でさえとるのが大変だ。
とにかく小屋を押さえてから、という事になる事も多い。
小屋をとってしまえば、嫌でも色々決まってくる、というパターンが多い。
そういうパターンを踏むより、焦らずやって行った方が良いのでは、と言われる。
それももっともだ。だが、どこか焦った方が良いような気持ちもある。
今は気持ちが引きこもりなので、ちょっとのんびりしてから、急いでどうしていくか決めようと思った。
2月は健康面の不安を解消する事にした。
元気でなければ、何も出来ない。早く元気になりたい。

カルディで、カレーペーストなどを購入。
高木珠里ちゃんからメールが来た。電話で芝居の事を話したいとのこと。
電話は面倒なので、新井薬師で落ち合う。
正月に入った、おでんやお寿司のある居酒屋へ。今かなり気に入っている店だ。
おでんは煮崩れていないのに、味が染みている。
お寿司も相当美味い。
新井薬師でなければ、色々な人を連れて行きたい。
サワー三杯で、結構酔う。この位が丁度いい。
珠里ちゃんは終電を逃したので、彼女の家の近所まで二人乗りをして送る。

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裏目

とあるオーディションへ。
あまり意気込むと緊張するので、なるべくのんびりした気持ちで臨む事にした。
現場でも、待ち時間の人は皆楽しげに談笑していた。
本当は絵コンテなど見て準備したかったのだが、そんながっついて見えるのもみっともないと、見栄を張った。
楽しく話していたが、「寝起きですか?」「やる気無いでしょう」など、冗談混じりに言われてしまう。
やる気はあるから、のんびりしようと精神コントロールをしていたのだが、裏目に出たかもしれない。
芝居が終わったばかりで、精神も浮遊状態。しょんぼりする。
柿丸さんもいたので、一緒に帰る。
ブックオフで漫画と本を計10冊購入。
徹夜で読みふける。
根を詰めて本や漫画を読みあさったり、ビデオを一気に観る時が一番幸せだ。
途中で長電話。再び読みあさる。
5時50分に限界が訪れた。寝る。

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芝居の後はいつも眠い

書き忘れたが、昨日お客さんに、着物に着る上着を貰った。
出して着てみたら、まるで私が普段から着ているようにフィットする物だった。
大事に持ち帰った方が良いと思ったのだが、酔って忘れてしまうのも怖かった。
また、おニューの物を着ると気持ちが弾むので、打ち上げにも着て参加した。
すると、後藤飛鳥ちゃんに、
「それ、着物屋さんにあった奴ですよね。私、店員さんと可愛い、って盛り上がってたんです」と言われた。
元々かなり気に入っていたのだが、お気に入りの後藤飛鳥ちゃんが「可愛い」と盛り上がっていた物だと聞き、余計価値が上がった。
縁がある服に違いない。
帰宅後もそれを着て寝るのはマズイ、とちゃんと脱いで畳んで寝た。

目が覚めても、眠い。
何度も起きるが寝てしまう。
救命病棟24時だけ観てまた寝てしまう。
夜中の24時に目が冴える。
散歩に出て、近所のコンビニで立ち読み。雑誌を2冊購入。
帰宅後、読みふけると睡魔に襲われる。何も出来ない日。

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社交パワー

楽日。
今日は「狐の牡丹」と、「ヒトリシズカ」の演目の間がかなり短い。
「ヒトリシズカ」開演1時間半前に小屋入りすると、まだ「狐の牡丹」をやっていた。
しばらく二日酔いがきつくてロビーに寝そべっていた。
お客さんが出てくる直前に起きる。
楽日なのに、気持ち悪い。
入念にアップしたら、大分元気になってきた。
昨日、少々ミスをして凹んでいたので、今日はきちんとやりたかった。
立て続けてなので、少々集中力が鈍っているのは否めない。
だが、今日の舞台が終わったら当分何も無い。なけなしのエネルギーを搾り出した。

打ち上げ。もうお酒飲みたくないという状態だったので、ピッチも上がらず最後までそれほど酔わなかった。
ただ、そろそろ移動して皆に挨拶して回りたいというタイミングにに誰かが近辺に来て・・・というのが続いて、挨拶回りが出来なかった。
学生演劇の人のように、ただのんびり呑んでしまった。
もう、大人なのだからきちんと皆と話せば良かった。
社交パワーが落ちている。

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あやしいマッサージ屋

日記に胸が痛いと書いた事で、予想外に人に心配をかけていたらしい。
小屋へ入ると、受付に預けてあったというお客さんからのレポートを頂く。
初めは、よく自分を芝居に出して欲しいという履歴書などを貰う事があるので、そういう物だろうかと思った。
だが、胸が痛いと訴えた事へ対して、それほど心配しないでも良い、そういう症状があるのはこういう原因ではないだろうか、と様々な角度から検証したレポートの様であった。
また、その他2,3人のお友達から検査に行った方が良い、という心配のメールを頂いた。
身近な人が殆ど心配をしてくれなくて寂しい気持ちになっていた。
心配をさせてしまって申し訳ないと反省もした。
だが、どうせ誰も自分が死んでも気にしないといじけていたので、少々嬉しくもあった。

疲れていたので終演後はマッサージに行こうと思った。
風邪の初期症状の兆候があったのだ。
本多劇場の通り沿いにアロママッサージの看板があった。
ビルに入ると、普通のマンションの入り口だった。
インターフォンを鳴らしてもしばらく誰も出てこない。
1分程してドアが空いた。
黒のスウェットの上下を着た、寝起きの様な顏をした若い男性が出てきた。
瞬間的にここはヤバイと感じた。
「ウチは予約制なんですよ。最低2時間後からかな・・・」
と言われ、「じゃあ、いいです」と店を出た。
看板を出しているのに、明らかにちゃんとしていないいい加減な雰囲気だった。
他に無いだろうか・・・と、ぼんやり考え込んでいたら、二人組の男が私を見ていた。
気のせいかと思って見てみる。中山君と山内圭哉君だった。
帰るつもりだったが、眠亭でご飯を食べる。
二人はラーメンズを見てきたらしい。
ラーメンズのことはあまり知らないが、片桐さんという人が、顔を赤くする芸というのをやっていて倒れたらしい。
それで、10分休んで再開したそうだ。
無事で良かったが、ウチのノムコが力んで目の血管を切ったりした事を思い出す。
若い時は良いが、ある程度年齢がいくと体を張るのは危険だ。
芝居も慣れてくると自分で抑えないと容易に体の限界を越えてしまう。
力んで失禁した事もあった。
アップも大事だ。
山内君は帰り、しばらく中山君とサシで飲む。
その後、円城寺あやさん、悪運ダイヤの小田井君、吉良さん、三土君も呼び出し飲んでしまう。
途中で2時間程寝たりしたらしいが記憶は無い。

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モテメガネ

イクマ君が観に来た。
終演後、ご飯を食べないかと言われた。
だが、ご飯は家で食べたかったので、「眼鏡を作りたいから、つきあって」と、眼鏡屋へ一緒に行く。
イクマ君も眼鏡を探しているらしい。3軒程眼鏡屋をハシゴ。
最近まで、もてたい願望がなかった。
「もてたいね~」と言われても、気取っている訳ではなくてどうでも良いと思っていた。
仲良くなる人とは、無理しなくても仲良くなる、ならない人とは頑張っても無理だ。
仲良くなる人とだけ仲良くする以外、他人に余計な興味など持てない。
遊びたい事も多いし、やりたい事もある。そう思っていた。
だが、最近やはり、女性はある程度チヤホヤされなければおしまいなのかもしれない、と思い始めた。
小劇場の男性は学生時代はもてなかった人が多い。
芝居をやり始めて遅いデビューで、もて始めたりする。
そういう人が、「年に2,3回告白されるのって当たり前じゃない」と、生意気な発言をしているのを聞いて悔しくなったのだ。
もはや、滅多に告白などされない。
取り合えずもてる眼鏡を買おうと思った。
だが、もてそうな眼鏡はどうしても面白くない。
眼鏡を掛けてはイクマ君に「もてそう?」と聞く。
無難に似合うのものが一番もてそうだった。
だが、結局「もてそうではないけれど、座長っぽい」と言われた眼鏡を買ってしまう。
どうにもモテグッズを素敵と思えない事が問題なのかもしれない。
もてない眼鏡を買ってしまったが、近々モテ眼鏡をもう一つ買ってやろうと思う。

眼鏡の出来上がりを待って、ベトナムのカフェへ入る。
イクマ君はお腹が減ったからと、カレーを頼む。
味見をさせてもらう。とても美味しかったので家でカレーを作ろうと決意。
イクマ君と色々話した。
初めは私の自分の話や人の悪口をまくし立てて、殆ど彼の話を聞かなかった。
途中で我に返った。
不思議な話ばかりだったが、何となく解る気もした。

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上がったり下がったり

先日紹介状を書いてもらった病院の乳腺科へ。
30代後半の女医さん。
ひとしきり胸を触った後、「痛いですよ」と、私の胸を絞り始めた。
「あ、分泌出ました」と、言われる。
どうやら何か液体が出たらしい。それは痛い方では無かった。
その液体をシャーレに採取。成分を調べるらしい。
その後レントゲン。胸を2枚の板で潰すようにして様々な角度から撮る。
その後マモノグラフィーという超音波の検査。
先生の顏をじっと見ているが表情が読めない。
右ばかり念入りに調べている。ドキドキしながら、上着を着る。
ここ数日様々な妄想に脅えていた。
もし恐ろしい事を言われたらどうしよう・・・と思いながら、立派な人間に見えるよう穏やかな表情を浮かべる。
「レントゲン、超音波、共に異常は見られません。ですが・・・この分泌物が多少気になります。ホルモンバランスが崩れたり、更年期、疲れやストレスからそうなる人もいます。でも、乳管か乳腺にオデキが出来ている可能性もあります。乳管に出来るもの程良性で乳腺の方に出来る物程悪性という事が解ってきました。そこで、3日間1日3回、自分でそれを採取してきて下さい。」
と、液体の入った試験官のような物を渡された。
その後自分で分泌物を絞る練習をさせられた。
初めうまく出来ずに笑われた。だが、コツが解ってきた。
芝居が終わってからの方がきちんと採取できるので、26日から3日間採取して29日に病院へ持って行く事になった。
結果は2月の半ばに解るらしい。
それで異常がなければおっぱい周りに異常は無いという事になる。
だが、痛みは何故という疑問も残る。
「やはり、ストレスや疲れから痛む場合もあります。酷いようなら痛み止めを飲んだりしてもいいです。また、その位置は肺や心臓という可能性もあるので心電図など調べて見るのもよいかもしれません」
と言われる。この際何でも調べようという気になった。

劇場に早くついた。
下北をぶらぶらしようかとも思った。
だが、もう一度観ようと思っていた「狐の牡丹」を観る事にした。
本当は楽日などが良かったのだが、混むかもしれない。
この回には長田奈麻さん、高木珠里ちゃん、宝船で座長付きをしてもらった宮本晶子ちゃん、今奈良君がいた。
2度目に観ても、泣きそうになった。
終わった後、自分がこの後本番をするという事にがく然とする。
この余韻を引きずってはいけない。

始まる前にちょっとナーバスな出来事があって、精神状態が悪くなる。
だが、なんとか持ち直す。そ
ういう意味で本番があるのは良いところもある。
夜には円城寺あやさんもいらした。
終演後、庄屋へ。
あやさんと晶子ちゃんに、ある人物の悪口をまくしたてた。大分すっきりした。
またもや陽気になり、チャリを置いて柿丸さんとタクシーで帰宅。
だが、家で怒っている人物に怒りのメールを打ってしまう。
普段、そういうものは朝まで出さない。朝、見直して出さないメールは沢山ある。
だが、勢いで出してしまった。

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三婆

ノムコ嬢、中坪由起子嬢らが観に来てくれた。
ご飯を食べてから皆のいるえん屋へ移動しようという事になった。
ユキゾウは最近餃子の王将が好き過ぎる。
新年会の帰りも王将の餃子を食べながら帰ったのに、今日も餃子を食べたいという。
王将へ入る。だが、餃子はとても美味かった。
何度も顏を合わせている3人なのだが、3人だけで会うのは久しぶり。
暇な時は週一位で集まっている。
だから、一ヶ月以上も3人きりの会をしていないというだけで、禁断症状が起きる。
私が最近怒っている出来事について、興奮気味にまくし立てたりしているうちに、かなりの時間になってしまう。
きっとえん屋へ行っても3人で固まってしまう。
ノムコもこれから旅行の話をしたいようだ。
という訳で、結局3人だけで飲み続けてしまった。
トルコやバリ島に行こうという話に胸をときめかす。
早い時間にノムコと連れチャリで帰宅。

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鎖骨骨折

タクシーで病院へ。
「万歳出来ますか」
と、聞かれ
「不可能です」
と答える。
先生が鎖骨を触って
「ああ、変形してる」
と言い、レントゲン撮影に回された。
検査着に着替えて下さいと更衣室へ案内される。
恐れていた着替え。これはどうあっても痛くて無理だ。
付き添ってもらったお友達を呼んで手伝ってもらう。
だが、痛くて痛くて大粒の涙を溢す。
大人なのに人前で泣いて恥ずかしくなる。
レントゲン写真を見て先生が言った。
「これ、痛いね」
それを聞いてちょっと安心した。
私が大袈裟で我慢できない性質と言う訳ではないのだ。
やはり相当痛い怪我なのだ。

鎖骨はおかしな形に折れていた。
折れた面も複雑で、上手く繋がらないようだ。
手術、入院と言われたが、来年6日から稽古だ。
しかも傷跡が残る。
手術はしない方向でお願いする。

先生がたすき掛けのようなバンドをしてくれる。
それで鎖骨をを固定するようだ。
折れ方があまり良い形では無いらしい。
曲がったままになるかもしれない。
胸を張ったり肘を後ろに延ばすのは痛いだろうが、
なるべくその痛い状態でキープして暮らすようにとのこと。
触ってみると固定したあとも折れた箇所が出っ張っている。
密かにチャームポイントだと思っていた鎖骨が醜く変形してしまった。
なんとかならないだろうか。

しかも、パソコンに左手を載せるのも奇声を発しないと出来ない。
痛みに気を取られて、中々台本の続きに行けない。
痛いのは辛いが、なんとなく宝船公演は上手く行くような気がしてきた。
逆境でギリギリな精神状態はしんどいが、
そういう時は余計な事を考えなくなって却って良い場合も多いのだ。
第一志望の大学受験の時、尋常では無い
腹痛に襲われたが、緊張どころではなくなり無事合格出来た。
その前に緊張して問題文が読めなくなり、楽々合格する筈の大学を落ちていたのだ。
今の痛みや、鎖骨が醜くなるという点では悩ましい。
台本もまだこれから書かなければならない。
痛くて考えるのも苦だが、気持ちは穏やかになってきた。

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姉妹作に感動

狐の牡丹観劇。とても良かった。泣きそうになり困った。

狐の牡丹は大層好きな話だった。
野間口君が、普段はとても親切で感じの良い人なのは知っている。
だが、凄く嫌な人に見えた。
小劇場の人なのに、エリートサラリーマンのように見える人は珍しい。
よく考えると、嫌な人に見える登場人物の立場になれば、自然な反応をしているだけなのだ。だが、被害を受ける後藤飛鳥ちゃんに感情移入しすぎて、周りが嫌な人に見えてしまう。
それだけ感情移入させてしまう飛鳥ちゃんの求心力は素晴らしかった。
顏や声で説明しないで、全てを伝えてしまう。
自分もそういう芝居をやりたい。
今好きな女優さんは3人。
峯村りえっこちゃん、石原正一ショーで一緒だった千田訓子さん、そして後藤飛鳥ちゃん。
芝居の内容も些細な事で人が食い違って行くのが絶妙で、高井さんはよくこんな話を作れるなぁと、感じ入った。

良い気分になったので、嫌な心配時を忘れて飲んでしまう。
かなり陽気なお酒。
自転車を置いて柿丸さんと、タクシーで帰宅。

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お化けちゃん

朝8時起床。西永福にヴォイストレーニングへ行く。
1ヶ月お休みしていた。ついて行けるか心配。
呼吸を見てもらうと
「新井さん、体の表面は人間の体裁として暖かいけれど、中は氷のようだよ。こういう状況が続くと倒れるよ。そういう人を何人も見てきた」
と言われ、温熱ベルトと言うものを貸してもらう。
「キムチや生きの良いもの食べなさい」との事。
久しぶりだったので、立ち方などで皆に遅れを取ってしまっていた。
来週は打ち上げの翌日。行けるだろうか。

時間を潰して東中野へ。行きつけの産婦人科へ。
乳がんを見てもらうには産婦人科だろう。
だが、乳がんという項目に丸をつけるのは躊躇われた。
馴染みの女医先生に「あら、お化けちゃん久しぶり。え、乳がん?」と驚かれる。
お化けちゃんというのは、以前お化け屋敷でお化けのバイトをしている話をしたからだ。
「ええ、気のせいかな?とも思うんですけど・・・。前から痛くて気になってて」
と説明する。服を脱いでひとしきり見てもらう。
「ウチより乳腺の専門へ言った方が良いわよ。紹介するわ」と言われる。
近所にあるらしい。
「触った感じどうだったのでしょうか?」と聞いてみる。
「う~ん、よくわからないけれど、なんかあるような気もするし・・・」との事。
「気のせいかと思ってたんですが、安心したくて」と言うと
「そうそう、早く見てもらって安心出来た方が良いわよ」と、微笑まれた。
先生の態度はどうとも取れる。
これは行かなければまずいと思っているようにも、単純に専門じゃないから他所に行った方良いとも思える。
早速その病院に電話をしたら、今日の乳腺科は終了したという。
結局21日に予約を入れた。
痛いなら、乳がんというよりは乳腺炎かもしれない。
だが、何でも無い事が一番だ。涙ぐみながら、帰る。

母親と、知り合いから電話。
母親は「ウチの家系にはそういう人いないから私は安心している」と言うので安心した。
だが、知り合いには
「そんなものは何の安心材料にもならない。芝居とかで忙しい生活しているのがいけない。そういう生活はもうやめた方がいい」
と言われる。
「大丈夫だといいねぇ」程度の事を言ってもらいたかったので、困惑する。
「今はちょっと立て続け過ぎたかもしれないけど、普段はそんなに大変じゃない」
と、幾ら力説しても
「病気で死ぬ奴って、皆そういう事を言うものだ」と言われ、余計凹んだ。
自分としては、病気になりたくは無いが、そうだとしてもそれはそれで仕方が無いような気持ちになっていた。
入院生活のシミュレーションをしたり、お見舞いに来るお友達にはどんな事を言えば良いかなどとぼんやり想像していた。それは悪いものでも無かった。
これもおそらく、きっと何でも無い筈だと思っているからだ。
不謹慎だが、10年近く芝居を続けてきた生活にちょっと飽きてきた。
いつまでこんな代わり映えの無い生活をするのだろう・・・、キリギリス生活にも限界があるだろう・・・。
芝居は好きなのだが、生活スタイルに飽きた。
小学生は6年、中学、高校は3年、大学は4年。
皆、良い感じに飽きないように出来ている。
会社はそうはいかないかもしれない。
大きい所なら、出世したり、飛ばされたり、色々ある。
大人は結局大変だ。
こういう飽きた感じを後生大事に生きて行くのが良い事なのかどうかは解らない。
変えれば良いというものでも無い。

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痛い夜

起床して体重を量った。
普段の夜の状態の体重より1キロオーバー。
普段ダイエットなどはしていないが、体重はマメに量る。
大体どれだけ食べてもあまり変わらないのだが、稀に異常に増える時がある。
代謝が落ちているのだ。
そういう時にきちんと落とすように心掛けている。
自転車で下北に行く事にした。汗をかけば代謝がよくなる。

二日続けて飲んだせいで体が怠い。
だが、皆も毎日飲んでいる。何故元気なのだろう。

「左のおっぱいが痛い。」と、騒いだら「乳ガンでは」と、言われる。
実は12月から痛かったのだ。
初めは筋肉痛?と思っていたが治らない。時折、積極的に痛む。
気のせいかもしれないと思っていたが、明日の休演日に病院へ行く事にしよう。
終演後、体が怠いのと、太ったのが気になって真っすぐ帰る。
生理も遅れていた。
年末から吐き気がひどかった。
よもやつわり?などと不安になるが、そんな筈は無い。
だが、夜になると最悪な事ばかり考えてしまった。
本当に乳がんで、放射線治療などをして万が一孕んでいたら、その子供は産めないのではないだろうか・・・?などと考え涙が止まらなくなった。

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飲む事が約束された日

ストレッチで酒を抜く。
今日はハイレグタワーの新年会。飲む事が約束された日。
今日はとても良いお客さんでやりやすかった。
ラストの拍手は密度が濃くて嬉しかった。

新年会では沢山人がい過ぎて、頭が混乱した。
私はどうやら大勢の飲み会が苦手らしい。
全員で会話出来る程、お互いを知らない人達の仲で率先して盛り上げたりするのは、体力のある時しか無理だ。
割とぼんやりしてしまう。
いつの間にかサシのトークに入ってしまう。
サシや3人位になると、俄然生き生きする。
ウーロン茶を入れながら、ほぼ定位置にいた。

気付くと猫のホテルの打上げから一瞬顏を出した千葉さんがいた。
今回は観に行く事が出来なくて残念だった。
その事を詫び、再び沖縄に行く計画を立てた。
久しぶりに見た千葉さんは可愛過ぎて困るほどだった。

電車で帰ろうとするとノムコが
「浦島君が車で送ってくれるって。明日早いなら車で帰れば」と、車の所まで連れて行ってくれた。
ノムコは車には乗らずタクシーで帰ったらしい。
ぼんやりしていたが、悪い事をした。
浦島君の車で中坪由起子嬢が買った王将の餃子を食べながら帰る。
私の家に一番に寄ってもらった。

帰宅後、体重を計ったら朝から2キロ増えていた。
衝撃を受けたがどうする事もできない。そのまま寝た。

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15歳の年の差なんて

ゲネでセリフをミスる。
瓜生君が「さっきごめんね」と、謝ってくれたが、私のミスだった。
だが、全く自分の責任だと気付いてなかった。
「いいよ~」などと、言っていた。
結局私が一つ忘れていた。申し訳ない事をした。
だが、ゲネではミスをしておいた方が安心する。
あくまでも個人的な話だが、良いゲネをやるといい初日が出た事が無い。

初日は楽しかった。
駅前にずっといるためか、あまり緊張しない。
楽屋で隣のシマノちゃんは開演1時間前から「あと、1時間ですよ」と、じっと目を見つめてくる。
彼女は20才になったばかりで、舞台は2度目。
(ちなみに誕生日も血液型も一緒。鏡で15歳の年の差とは何だろう、とよく観察している。どうひいき目に見ても同じ年には見えない。稀に10才位さば読む人がいるらしいが、切実に無理だと感じる)
モニターで聞いていると、堂に入って聞えるのだが、緊張しているらしい。
何を言ったら良いか解らないので
「大丈夫だよ。ミスっても死なない」
「解らなくなったら、人に任せれば良いよ」
「誰かが何とかしてくれる」などと、無責任な事を言う。
だが、人にそういう事を言っていると自分が不安になる。
したり顔で安心してると、ミスしやすいのだ。そ
ういう緊張感からか初日は良い感じだった。

久しぶりに終電を逃してじっくり飲む。
あまり覚えていないが気付いたら自宅だった。

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10数年会ってない人の誕生日

今日は桝本君の誕生日。
桝本君とは小学校の同級生。卒業してから全く会っていない。
「さよなら三角」というマンガを貸してくれた事をぼんやり思い出した。

昨日煮込んだスペアリブを煮込んで作ったソースのパスタが、大層上手かった。
食べ過ぎた。
夜はカレー。これも上手かったので食べ過ぎた。
風邪が治ると良いのだが。
明日はタンバリンの初日。

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男の生き様

場当たり。ゲネ。
幾つか衣装を持って行く。
ある一点を除けば素敵なのだが、少々問題のある衣装に決定。
決まったからには堂々と着たいものだ。
いきなりヒールのある靴を履いたら、動きにくさより、背が高くなって視界が変わった事に困惑した。
稽古場から皆靴を履いていたのだが、私はまあなんとかなる、荷物を減らしたいと、そういう事をしていなかった。早く慣れたい。

夜中に陣内孝則が出ている、ヤクザの花形敬という人をモデルにした映画をやっていた。
全く共感できなかった。
いたら迷惑な頭の悪い暴力男の話だった。
一昨日読んだ死刑判決を受けた青年の本で、彼は自分の父親をひどく憎んでいた。
暴力を振るって遊んでばかりで家族に迷惑をかける父親。
陣内のやっていた役も、お腹に子供のいる藤谷美和子を殴りつけて喧嘩に行き、人を殺して刑務所に入っていた。あまり変わらない。
蒲田行進曲でも、銀ちゃんはお腹に子供のいる小夏に暴力的になっていた。
蒲田行進曲では、自分の子供ではないから、まだ解る。
だが、男性には自分を縛る鬱陶しい存在として妊婦を憎む気持ちがあるのかもしれない。
そしてそういう男に着いて行く幸の薄い女が描かれている。
そんな事をしても自分を思ってくれる女というのが、良いようだ。
そういう男の生き様に憧れる人もいるらしい。気持ちが悪かった。

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コロす理屈

タワーに衣装を取りに行く予定だったが、あまりに具合が悪くて断念。
本番前に体調を整えようと、なるべく布団に入って過ごした。

19才の少年が一家4人を惨殺して死刑判決を受けたノンフィクションの本を読む。
殆ど共感は出来なかったが、どうせ殺すなら、怨みのある人を殺せば良かったと言っていた。それに関して、何の反省も無いと作者はがく然としていた。
でも、それが本当だろうと思った。その気持ちなら解る。
無作為に人を殺すより、勝手な理屈でも怨みで人を殺す方がマシだ。
その方が安心する。

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穏やかな稽古へ

昼からタンバリンの稽古。今日は通しだという。
リフレッシュする為に自転車で西巣鴨の稽古場へ。
昨日までの嵐の日々とは打って変わって、ゆっくりした時間が流れていた。
12月の時点より熟成した芝居になっていた。
セリフはなんとか覚えていたが、私の芝居はまだ舞台に根を降ろしていない。
気持ちは急くのだが、頭がぼんやりしている。
だが、昨日までの芝居と違って、皆と急速に距離を詰めたりする必要は無い。
自分はこんな人ですよ、と焦って提示しなくて良い。
芝居に関しては焦らなければならないが、じっくり皆と馴染んで行きたい。
通しをして、稽古場をバラした。
巣鴨で飲むという事だったが、今飲むと流石に体調に異変を来しそうだった。
お家でまったりする事にした。

救命病棟24時などを観た。
よく忘れてしまうのだが、私の好きな江口洋介が出ている。
関東大震災が起こったら、という設定だった。
作り物だと思って観ていても、地震のシーンはとても恐ろしかった。
自分の部屋の家具の配置では間違いなく下敷きになる。
いつかなんとかしなければと思いながら、今日まで来てしまった。
芝居が一段落したら、地震対策も考えなければ。
どうでもいい松嶋菜々子と石黒賢の別れらしき電話のシーンで涙ぐむ。
どうも弱っているらしい。
大好きな筈の江口の事を割と流して観てしまった。

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さようなら43人

楽日。
もっと皆と話したりしたかったが、今日で最後。
自分の社交性の限界を初めて実感した。
嵐のような日々。自分にとってインパクトの強い公演だった。
人が多いし、稽古期間も短い。
京都に稽古に行った日から20日で大阪公演、東京公演も終わってしまう。
嫌という程しつこく演出されて飽き飽きする事もあるが、野放しにされると不安でもある。
短期間でうまく自分を出せるか、という事が命だ。
自分の芝居に特にスタイルを持っていない為、そういう現場では度胸がなくて、色々試したり出来ない。
もっとやれると思ったのにと、がっかりされていないだろうか・・・ヘボ役者と思われていないだろうか・・・と、何度も卑屈な気持ちになった。
その度に、これだけ人も多いし、誰もいちいちそんな事気にしていない筈、と自分に言い聞かせた。
私は開演して2時間後に出る。
そこでアングラめいた事を語り出すのだが、いつも「そろそろ終わりそうな雰囲気なのに、違うの?」「何が始まったんだ」と、お客さんが困惑しているのを感じていた。
それが少し面白くなっていたのだが、この状況を生かした事が言えないか・・・と、ずっと考えていた。
度胸が無くてずっと言えなかったのだが、言えないままだと負けてしまった気がする。
言おうか言うまいか悩んでいるうちに出番が近づいてしまった。
自分の動悸がはっきり解る程緊張したのは久しぶりだった。
アドリブは苦手だし、楽日だから調子に乗って芝居を変える役者も好きではない。
だが、今度胸を出せないと、落ち込むに違いなかった。
ただ、芝居の尺を伸ばしてはいけないので、余計な事を言う分全体をタイトにしなければならない。
そんな事を考えながら、舞台へ上がった。
結局計画通りに言うことは出来た。
より受けた訳ではないが、雰囲気が悪くなったりはしなかった。

バラシの後、庄屋で打上げ。
話したいと思っていた、千田訓子さん、宮川サキさんは終電で帰るというので、早めにお話に行く。
だが、はりきり過ぎて、今話さなくても良い、自分の恋愛遍歴を語り始めてしまう。
まだ序章のところで、本番を見ていた高木珠里ちゃんが訪れた。
二人とも珠里ちゃんに席を譲っていなくなってしまう。
もしや引かれてしまったのでは・・・と、しょんぼりする。
しょんぼりを引きずって、珠里ちゃんともまともに話せなかった。
お話をしたいと思っていた久保田浩さん、美津乃あわさんの所には常に人が沢山いたので割って入る元気も湧かず、諦めた。
トイレに行く時に久保田さんとすれ違ったので「私は久保田派です」と、怪しい人のよう告げた。
「え、そんなのあるの?」
「ええ、色々あるんです。伊達派、岸派って感じで。でも私は久保田派ですから」
久保田さんは困惑していたようだ。
私は言った事に満足して、しばらくぼんやりしていた。
そんな私にも、親切に話しかけてくれた人もいてとても有り難かった。
明日は昼から稽古。しかも通し。
時折、ソフトドリンクを入れて延命をはかった。
二次会へは行かず帰宅。

初め、43人の芝居なんてどうなるんだろう?でも、大阪行けるし、そんなに大変では無いだろう、と軽い気持ちだった。
だが、43人で芝居がきちんと成立する事も、その人数で仲間意識のようなモノが芽生えた事にも驚いた。
また、自分が見当もつかない芝居をまとめ上げた石原マジックに感動も覚えた。
坐る場所も無いほど混み合う不便な生活が、かえって楽しかったりした。
大体、普通の芝居は1ヶ月以上稽古する。人数も10人程度だ。
それほど飲まなくてもある程度興味は満たされる。
だが、まだこれからもっと仲良くなったりなれる可能性がある人とも、それほど話せていない。
恋の途中で引き離されてしまったような寂しさが残った。

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酒飲みの主張

折返し地点を過ぎた。
駅前で43人の役者が出ていると、それだけで迫力がある。
だが、裏は常に満員列車。
何かを取りに行くにも「ごめんなさい」を5回くらい言いながら人を除けるのにパワーを使ってしまう。
大変な事は何もしていないのに、出ずっぱりの芝居と変わらず疲れる。
今までも、イベントや他所のお芝居のゲストなどでちょっとだけ出るというのを何度か経験した。だが、いつも意外な程疲れた。
人前に出るというのはやはり、疲れる事なのだろう。
出番が多い時の方が、考え過ぎなくて済む分緊張もしない。ある意味楽な面もある。
自分の出番のネタを変えたいと前々から思っていたが、石原さんに相談し忘れた。
皆が毎日変えているのを見て、変えないで行こうと思ったり、変えたいと思ったり。
だが、自分のギャグセンスというものにはからきし自信が無い。
楽屋で女性陣に小出しに相談してみる。
暖めていた案を話すと、皆、絶対言った方が良いと言ってくれた。
今夜一晩考えよう。

新雪園でご飯を食べ、眠亭で飲む。
酒好きだという今仲ひろし君がご機嫌だった。
大阪で岸君が、酔ったイマナラ君にからまれるのが嫌で今仲君の元に避難したら、カレにも絡まれて息も絶え絶えになっていた。
名前もよく似ている。
イマナラ君は今仲君の肩を揉みながら「いつか俺らに良い時代がやってくるよ」と、言っていたらしい。
「それって、酒飲みにいい時代って事?」と、皆きょとんとする。
「禁酒法とか酒飲みが弾圧される時代はあるけれど、酒飲みにいい時代なんてありえない」と、女性陣で一笑に伏した。
私も酒飲みだと吹聴されているが、それほどでも無いのだ。
大体それほど酔わずにきちんと帰る。一人ではまず飲まない。
純粋に酒飲みというより、酒を飲むと話がしやすくなるので、話し好きと言う方が近い。
もっと飲みたいという今仲君を皆でさとして早めに帰宅。

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幹事の感じ

今日は2ステージ。
昼のゲストはリンちゃん、夜のゲストは山田広野君。
明後日のゲスト出演のために岸君の姪っ子のマリアちゃんが来ていた。
子供は皆そこそこ可愛いものだが、マリアちゃんは器量も良い。
皆がマスコットのように可愛がっていた。
私はあまりの可愛さに、好きな人の前みたいな気持ちになって近寄れなかった。

昨日までより、お客さんの反応が良くなってきた。
芝居がかみ合ってきたのかもしれない。
主役のイマナラ君が咽喉を痛めているにも関わらず、反応が良くなっている。
もしかすると、イマナラ君の声が通り易いように、音響のレベルを下げていて、全員のセリフややり取りも聞きやすくなったのかもしれない。

夜は「ふるさと」で飲む。
ノムコが幹事をやっていた。
大阪ではいつも大阪の人が幹事をやっていた。
東京では東京の人がやらなければと、かってでていたのだろう。
私には思いつきもしない事だった。
思いついたとしても、自分は向いていないと、やらなかった。
人生で幹事をやったのは1,2度しかない。
金、数字、がとにかく駄目なのだ。
やれた方がいい事だが、きっと飲み会の間中、上の空になってしまうだろう。

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ロウ男

昨日書き忘れたが、毎日日替わりゲストがいる。
昨日はイクマ君だった。
頼まれもしないのに、白塗り。胸に赤い字で呪怨と書いていた。
イクマ君が独自にやった形態模写は今一つ受けが鈍かった。
「台本通り言ったら受けたよ。これ不思議だね」と、言っていた。
今日はゴキブリコンビナートのDr.エクアドルさん。
昨日のイクマ君の回を見ていた為かは解らないが、凄い事になっていた。
いつもあわさんの髪を結っているロビーに設けた一角へいくと、全裸の男の尻が見え驚く。
エクアドルさんがカセットコンロを持参して、ロウを溶かして頭からかけていた。
それだけで地獄絵図だった。
そして、股間をティッシュで隠して、首からブタの耳や肉片、骨などをぶら下げていた。
そのエクアドルさんは、舞台上で「馬肉を食う~」などと叫んでいた。
ノムコが即興でケリを入れると、ロウや肉が飛び散ったらしい。
その後舞台はつるつると滑るようになってしまった。
ノムコが楽屋で「ごめんなさい~」と謝っていたが、蹴る事はお客さんもエクアドルさん自身も願っていたようだ。
その日はトクリン、加藤直美嬢、中山君らと飲みに行く。
とても楽しかった。東京に帰ってきた実感が湧いた。

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東京と大阪のちがい

初日。
東京での反応は上々だと思った。
大阪の方が受けは良かったが、重要ポイントは伝わっていた感じがする。

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髪結いの助手

仕込み。場当たり。
43人も劇場にひしめいているので、仕事を見つけるのが一苦労。
仕事にありつけた人は勝ち組。
あぶれた人は負け組のように思えて、入り込めそうな所はないかとうろつく。
全く必要の無い事を夢中になってやる。

今回から美津乃あわさんの髪を結っている千田訓子さんの助手ををする事にした。
助手と言ってもピンやゴムやボリュームを出す為の、陰毛のような毛束などをいい時に渡すだけなのだ。
髪の毛を弄るのは好きなので、見ていてとても楽しい。
どのようなタイミングでピンを渡すと良いだろうとか、なるべく先回りして気の利いた所を見せようと意気込んだりするのは充実する。
出来ているかは解らないが、勝手に今のピンの渡し方は良かったなどと悦に入ったりする。
何もしないで出番までの2時間を待っているのは却って疲れる。
千ちゃんの技術に関心しながら、役に立っているような気持ちが味わえる。
髪結いの助手が終わったら、あわさんの着物の着付けの助手もやる事にした。
着物も好きなので触れているのが楽しい。
この二つをやる事で大分待ち時間を持て余さなくなった。
今まで待っている時間のせいで緊張しすぎていたのだ。
時間があり過ぎると余計な事を考えて不安になったりするものだ。
また、貢献できてない気持ちになるので凹む。
お手伝いをしていると、とても精神が安定した。
また大阪の人の腰の軽さ、人の良さに感動したせいもある。
とにかく皆働き者で、テキパキしてるのだ。私のようにもっさりした人はいないのだ。
千ちゃんなど私より出番も多く忙しいのに、自分の出番の直前まで髪結いをしている。
人に何でもさせて当たり前と言うスタンスの人も沢山見てきたので、心が洗われた。

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劣等生

年に1度の誕生日が終わってがっかり。
今日は小屋入り。駅前劇場で稽古をする。
差し替えのネタがあまりにも覚え辛く長いので、受験勉強のように一日中唱えていた。
だが、覚えられず、手に書いたカンぺを見ようとするが、全く読めなかった。
自分は最悪だったが、東京メンバーは新鮮で面白かった。
自分だけが劣等生になった気分になり、凹む。
友だちに不安を訴え迷惑をかけてしまった。

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誕生日

誕生日。
石原さんからネタの差し替えのメールが来た為、参考文献を求めに紀伊国屋書店へ。
しばらく新宿をウロウロする。
ゴールデン街のブルードラゴンでは、石原正一ショーの東京メンバーが本読み稽古をやっているらしい。
終わった頃に顏を出す。
知らない人も沢山いたが、大勢の人に「ハッピーバースデイ」を歌われた。
クラッカーまで出してもらった。
家族や親しい人以外に大勢で誕生日を祝ってもらうのは生涯で初めてだった。
恥ずかしかったが嬉しかった。
石原さんは1月1日生まれなので、皆で一緒に祝う。
祝われた事がないので、そんなものいらないと思って生きていたが、ちょっと泣きそうになり、恥ずかしかった。
それまで引きこもっていたが、人に会うのを嬉しく感じられてほっとした。
明日から小屋入り。
東京メンバーで通すのだ。
どんな感じになるのか、楽しみだ。

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起床

夕方近くまで寝る。
いつまでも寝ていてはいけないと観念して池袋へ。
明日が誕生日なので、お友達にプレゼントを貰いご機嫌になる。
そのまま新井薬師へ行き、昨日チェックしたお寿司とおでんが売りの居酒屋へ。
かなり良い店だった。行きつけにしたい。

夜中に「少林サッカー」の主役の人が出ている別の映画をやっていた。
途中から何となく観ていたが、面白過ぎて大笑いする。

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元日

宝船が終わった後より、グロッキーだった。
人酔いしたのか、誰にも会いたくない。
メールの返信さえ出来ない。
一応頑張って新井薬師へ行き初詣。
ラーメンを食べたら疲れたので直ぐ帰宅。
初めてのお使いを見て号泣し、筋肉番付などを見ては寝る。
夜中に映画で「アリ」をやっていた。
結構良い映画で感動する。

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