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寝て年を越す

東京は寒かった。歯をガチガチ鳴らしながら帰宅。

大阪にいる時は解らなかったが、かなり気を張っていたらしい。
全ての気力が無くなる。ただ寝る。
目が覚めると宇野千代の「生きて行く私」を読んで、眠くなれば寝る。を繰り返していたら新年のカウントダウンが迫った。
毎年偶然テレビをつけるとナインティナインの岡村が、火の中に飛び込んだりするのを見ていた。
今回もつい見てしまう。
今度こそ死ぬのでは、と心配したが無事でほっとする。
そしてまた寝た。

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優しいえん魔

楽日。
毎日慌ただしかったので、この滞在が長いのか短いのか解らなかったのだが、いつの間にか最終日になってしまい寂しい気持ちになる。
早めに梅田に到着したので、マッサージを受ける事にした。
時間に余裕があった筈なのに、待ち時間やら説明や着替えに手間取ったのか、施術を終えたら既に遅刻であった。
言い訳を考えたが、遅刻は何も言わずに謝るのが一番だ。
しかも、マッサージを受けて良い思いをしていたなど論外だ。
最後に駄目ぶりを発揮してしまいしょんぼりする。

楽日のステージを終え、バラシに取りかかる。
急いで荷物の整理をしていたのだが、私は一番ノロマだった。
密かにノムコに勝とうと競っていた。
ノムコより早く机の荷物を始末したのだが、椅子や床に移動させただけで片づけになっていなかった。
皆が忙しそうにしている中、暇に見えてはいけないと必死に仕事を見つける。
 
打ち上げは十三の稽古場。
まだまだ話した事が無い人が沢山いる。
なるべく沢山の人と話そうとするのだが、会話に溶け込むにも時間がかかる。
満員電車の中の全員と一晩で話すのは難しい。
伊藤えん魔さんの所で話している時に携帯アラームが鳴ってしまう。
朝7時半の新幹線に遅れない為にセットしていたのだ。
ここで携帯が鳴った為にえん魔さんが、同じ電車に乗るノムコ、今奈良君、売り込み隊ビームの小山茜ちゃんを新大阪まで車で送ってくれる事になった。
初めは恐ろしいと思っていたが、えん魔さんは優しい人だった。
無事新幹線に乗ってから爆睡。瞬時に東京に着いた。

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キチガイ5人組隊長

待ち時間が長いので、本番中に朦朧とする。
稽古中はあまり皆と話せなかったが、楽屋での待ち時間に親交が深まる。
私は特に変わった事をしたり、ギャグを言ったりもせず、地味な感じなのだが、キチガイ5人組の隊長にさせられてしまった。
ノムコは副隊長だった。

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年末の初日

初日。
かなり短期間で作った芝居だったが、無事に良い初日を迎える事が出来、一安心。
だが、風邪は悪化。

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爽やかな仕込み日

アルコールが抜けて爽やかな朝を迎える。
今日は仕込み。梅田HEP(ヘップ)ホールに入る。
HEPはここら辺ではちょいとしたお洒落スポットらしい。
ノムコと私は「屁がプーと出る」と笑ったりしてこちらの人に顰蹙を買う。
その証拠に近所に買い物に出るとき、ジャージ着用は許されない。
パルコでも平気でジャージで歩いていた私は恐縮する。

いきなりネタが変更になり、いっぱいいっぱい。
ネタ繰りの最中のノムコに、演出をつけてくれと迫るが拒まれた。
ヒマそうな人を見つけては物欲しげに新ネタを繰り返す。
みな複雑な顔。
明日、これを人前に見せるというのか。
不安だが、もう人にどう思われようと構わない。
たくさん出演者がいるので終わる頃には、忘れてくれることを祈る。
待ち時間の間、共演者の千田訓子さんと生理の前は太る、という話で盛り上がる。
側にいた男子は消えてしまった。

今日の場当たりでは私の出番まで進まなかった。
無理もない。
私は開演してから2時間後に出るのだ。
そろそろ終わりではないかと思うはずのお客さんたちは、また新しい人が出た!と戸惑うに違いない。
退室してから今日は飲むか飲まないかとみなで談議する。
陰りのある二枚目の西田さんが「今日は行きますか?」と飲みたそうにしていた。
後ろ髪が引かれる思いで「今日は帰ります」と微笑んだ。
もう一押ししてくれれば行ったかもしれない。そんなものだ。

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銭湯で酒を抜く

起きるとベッドにいた。いつ帰ったのだろう?
ノムコにもう稽古に行く時間だと言われ驚く。
ほろ酔い気分で稽古場に。
みんなに私とノムコの二人は「酒臭い」と言われた。
だが私はなぜか自分はもう酒臭くないはず、と確信していた。
ノムコがみんなに「ごめんにゃさい」と謝っているのを無言で肩を撫で慰めた。
後で聞いたのだがノムコは「友香め…、自分は知らんぷりして私一人のせいにしやがって」と心の中で叫んでいたらしい。

ダンスの振り付けから始まる。
飛び跳ねると頭が痛い。しかし酔ったままの方が良い芝居が出来ることもある。
そう思い、通しに臨む。
何か光が見えた気がした。
だが、終わった後に石原さんに「ああ…うう…。構成を渡します」と渋い顔をされてしまった。あの光は何だったのだろう?
稽古後、ラーメンを食べ、真っ直ぐウィークリーに戻った。
部屋にノムコの姿はなかった。
銭湯に行こう、という話もあったが、ノムコのお風呂セットは置いたままだった。
電話をしてみたが、通じない。
きっとご飯を食べているのだろうと思い、一人で銭湯へ。
サウナに入ると椅子の上にシートのようなモノがあった。
これはここに座るためにあるのかしら、と推測し、そのシートの上に半ケツを乗せた。
するとゴージャスな体型をした女性がサウナ室にやって来た。
その女性の目を見た瞬間、このシートは彼女の私物だ、と直感した。
小声で「ごめんにゃさい」と場所を移動する。
その女性はやはりシートの上にドカッと座った。
そして彼女は私に向かって、「髪の毛、髪の毛」カタコトな日本語で訴えた。
どうやら韓国人女性らしい。
私は髪の毛を垂らしたまま風呂に入っていたのだ。そのまま湯船にも浸かっていた。
他の人も入るのだから、髪の毛が落ちたらよくない、ということであった。
もっともだと思ったので、「はい、ごめんにゃさい」と三回ほど繰り返し、髪をしばる。
彼女はニコニコ笑い、「初めて?初めてなら、分からないこともある。何度か来れば分かる」と言ってくれた。
その後、その女性の友人がサウナに入って来た。
股間をまる出しにして座るので、目のやり場に困り、サウナを出る
二人に会釈をすると、彼女たちは子供を見るような目で私に微笑み返した。
だがきっと私の方が年上に違いない。

そうこうしているうちに、ノムコが風呂にやって来た。
私はひとしきり身体も洗い、シャンプーも済ませていた。
だが、犬のようにノムコの行く先々について回った。
さすがにのぼせたので、観念して上がる。
ノムコを待つ間、マッサージ椅子に座る。短い5分だった。
帰りはドンキより派手な「玉出スーパー」に行き、青汁、黒酢ドリンク、豆乳と水分ばかりを買った。
抜けた酒の代わりにこの健康的な液体で満たすのだ。

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全裸で戦場へ

ノムコと2人で歩いて難波に行く。
今日は一人300円以内でのクリスマスプレゼントを持って行くことになっていた。
ノムコに勧められ私はヨン様の下敷きを買う。
ノムコはミソ汁を買っていた。

100円均一ショップをブラつき、豚まんで有名な蓬莱で飲茶。
余裕だと思っていたのだが気づくと遅刻寸前。
5分位遅刻をしても遅刻でないフリをしようと話し合う。
うまく稽古場にもぐり込めた。
夜は通し。
ほんの一瞬しか出ないのだが、これ程ドツボったこともない。
どうしたらいいのだろう。全裸で戦場に出たようなものだ。

悩みと遊びは別。
稽古後は「ふかどん」というおそらく「鮫くん」という意味の店へ行く。
堤真一似の西田政彦さんをノムコと岸くんの三人で囲む。
最後まで陰りのある二枚目だ。
この日は浴びるほど酒を飲む。記憶をなくした。

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イブに焼き鳥

どうも風邪をこじらせたようだ。
だが、宝船では気を張りすぎてあまり遊べなかった。夜遊びしたくてたまらない。
ノムコに「酒をやめる気は毛頭ない!」と宣言する。
ノムコは「お酒が嫌いな人の発言とは思えない」と呆れていた。
言われてみると自分でも不思議。
お酒嫌いなのに、何故飲むことに固執してしまうのか?
考えるのが面倒になる。
とりあえず、夜遊びのために「昼は寝て過ごす」と薬を飲んで寝る。
ノムコも出かけるつもりが、私の睡魔につられたのか寝てしまう。そして稽古。

今日はイブだった。
焼き鳥を食べ街をうろついた。

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大阪暮らし

今日から大阪で稽古。
十三と書いてジュウソウと読む駅で下車。ストリップ劇場などあるピンク街らしい。
ノムコ嬢とウィークリーマンションを借りる。これから二人暮らし。

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気ままに京都滞在

昨夜、京都芸術センターでの稽古に顔を出し、飲みにいった。
出演者は43人。
そのうち10人ほど来ていた。覚えるのに一杯一杯。
でも、皆初対面なのに、東京の役者さんより距離間の近い会話をするので、すぐ打ち解けた。
実の親に金を盗まれた人の話は衝撃的だった。
そして皆とても親切。

宿泊したのはヨーロッパ企画の主催をしている上田さんのお宅。
彼とは直接面識が無いのに快く泊めて下さった。
ノムコと岸君も一緒。
布団もあるし、シャワーも好きに浴びられる。
3人で酒盛りをして雑魚寝。起きて街をぶらつく浮かれた私達。
合流したイマナラ君とにしんそばを食べ、餃子、おからコロッケ、その場で殻から出してくれる牡蠣などを食べた。これでは太ってしまう。

今日は稽古場に30人以上の人がいた。
終わるまでに全員覚えられるだろうか。
今晩も飲みに行き、上田さん宅で酒盛り。

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旅立てていない

大阪、大阪と言っていたが、行くのは京都だった。
稽古場は京都なのだ。
今荷造りやお掃除、やり残した事に追われている。
洗いモノ、レンタルビデオ返却、クリーニングに洋服を出すなどまだ何一つ出来ていない。
本当に旅立てるのだろうか。
現実逃避にテレビをつけた。
だが、ずっと調子の悪いテレビは1分に3回ほど消えてしまう。
叩くと再び映る。
このままいつか、つかなくなるのだろう。消える頻度が高くなってきた。
テレビなど見ずに支度をしろ、という神様?からのメッセージに違いない。
無事に京都へ辿り着けるとよいなぁ。

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しばしのお別れ

今日で今年のタンバリンの稽古は最後。
馴染んできたので少々名残惜しい。
明日から大阪入り。
石原正一ショー「天使だらけの傷」の稽古、本番があるのだ。
タンバリンで稽古した事を忘れないようにしなければ。
大阪では既に今奈良君、「宝船」の心の副座長の野村朋子嬢、岸君が稽古をしている。
行くのは楽しみだが、遊び過ぎて体調を崩したりしそうだ。

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半径30センチの視界

稽古後巣鴨へ飲みに行く。今回の稽古で飲むのは初めて。
はじめ、高井さん、ミギタさん、シマノさんと女子ノリの話で盛り上がる。
このトークは大層楽しかったのだが、周りには男性陣もいる。
ビビってしまいそうなので、途中で切り上げてしまう。
だが、是非続きをやりたいと思った。
初め元気だった永井さん、瓜生さん、本間さん、バタケ、こと横畠愛希子ちゃんは沈没。
一度寝てしまった高井さんは復活。
朝までコースになってしまった。
皆が瓜生さんと永井さんが抱き合っていた、瓜生さんが途中で外へふらふら飛び出して行ったなどと言っていたが、私は微塵も気付かなかった。
どうもお酒が入ると半径30センチ以外のモノを見なくなるようだ。
宝船の打ち上げでも、皆が見ていた事を全く知らないのだ。損しているようで悔しい。

自転車でふらふらと帰宅。
通った事の無い道をあてずっぽうで行ったりしたが、無事に到着した。

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カモになる自分

稽古後、シュウウエムラのクレンジングオイルを買う。
店員にかどわかされ、まんまと今販売中の限定商品も買わされてしまった。
カモになっている自分が嬉しかったりする。
その後、靴も買う。
安かったので2足買った。
欲しいのはブーツだった。だが、どちらもブーツではない。
ああ、ブーツが欲しい。

その後自転車でタワーへ。
伊久磨君とノリオさんがネタの稽古に来た。
だが、自転車で疲れ果てた私が長居してしまったせいで、二人の稽古の邪魔をしてしまったかもしれない。ただ22時近くまで雑談をしていた。
帰りの道のりは辛かった。

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19の肌

稽古場には19才の女の子がいる。この子がまた初々しくてえらく可愛い。
お肌も肌から光が出ているようだ。
自分が19の頃、確かに年上女性に「肌が違う」と、羨しがられた記憶はある。
だが、その時はさっぱり違いが分からなかった。
むしろ下膨れで丸々しているのが嫌だった。
年上女性のすっきりした輪郭が羨しかった。
きっと彼女も今自分が持っているものに対して無自覚なのだ。
どんなに褒めても分からないだろう。
今持っている肌や張りは素晴らしいものなのだよ!と、一日中かけて説得したい気持ちと、分からないままでいて欲しい気持ちが駆け巡る。

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花と蛇と私

お休み。
ビデオを借りる。「くりいむレモン」と、「花と蛇」。
「くりいむレモン」は、「バット男」で共演した水橋君の映画を一つも観ていない事を、飲んだ時に「どういう事だ」と、言われたため。
「花と蛇」は団鬼六が結構好きなため。
だが、この2本を借りると欲求不満女性と思われそうで、恥ずかしかった。
店員さんは何とも思わないと分かっているが意識過剰になってしまう。

「くりいむレモン」は、思ったより爽やかで拍子抜けした。
エロエロだったらどうしよう?見た事の無い水橋君を見たらビビるかも?と、用心していたのだ。
水橋君は普段と何も変わらなかった。それ自体は凄い事だと思う。
そして相手役の女の子が相当ロリ顏なのにエッチで良かった。
自分が確実にファーストキスもしていない年齢のようだ。
だが、かなり濃厚なキスをしていた。
ああ、この 子はきっと私生活ではもうしているのね・・・と自分もそういう青春を送りたかったとしみじみ。

「花と蛇」に関してはどう思って良いものやら分からなかった。
杉本彩をただ尊敬した。このお姉さんは素晴らしい!
どんな事でもやってやるという強い意志が漲っていた。ダンスも上手い。
だが、全体的に良かったか・・・というと分からないのだ。困惑し続けた。
面白過ぎる所も沢山ある。
Vシネめいた安っぽい箇所さえ、杉本彩の覚悟と品で安くならないのだ。
何が問題なのだろう。体が綺麗すぎるのかもしれない。和の香りがしないのだ。
どんな時でも足のつま先の形まで決定的に美しい。
よだれを垂らしても美しい。
きっともっと贅肉があったり内股だったりした方がいやらしいのだ。
彼女なりに虐げられる女を限界までやれていたと思う。
ここまで可哀想な感じを演じられるとは意外な程だ。
だが、どんな惨めな姿になっても彼女は全く負けていないのだ。
もしかすると、彼女自体が自分で訳も分からずやって負けてしまった様な絵があった方が、良かった気がする。
あ、この人堕ちた!という瞬間が無いのだ。
普通の人があのような状況になったら堕ちないでいられる筈が無い。
職業婦人としての自覚の高さは本当に素晴らしい。
ラストに一人で全裸でタンゴを踊っている姿はともすれば滑稽で「なんだこれ?」と、思うようなモノなのだ。
だが、なんだか素敵なのだ。
映画としてはどうなのだろう、と思うのだが、頭が「花と蛇」でいっぱいになってしまった。きっと私はこの映画を好きなのだと思った。

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実は美人

「東京タンバリン」の稽古へ。
稽古場は西巣鴨の学校の教室。のどかな雰囲気でリフレッシュする。
それまで稽古中暇な時間など一切無かったので、のんびりする。
「宝船」に参加してくれた永井さんが制作さんとして現われる。
数日前まで一緒だったからか、ちょっと照れ臭かった。
稽古場の雰囲気は高井さんの人柄か、和やかでほっとするモノだった。
高井さんは年上とは思えない程、少女らしい雰囲気なのに大人でもある不思議な女性だ。
また初共演の毛皮族の柿丸さんが大変面白かった。
立っているだけでそこはかなとなく面白いのだ。
顏をのぞき込んだら美人でびっくりした。外国の女優さんのようだった。

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抜け殻

起きた瞬間、今日は小屋にいかなくて良いのだと、気付くのに時間がかかった。

「宝船」公演が自分にとってどういうモノだったのか、まだよく分からない。
いつもそうだ。
今回は毎日必死だったので余計時間がかかりそうだ。
疲れている気はしないのだが、ただ眠い。
メールの返事などが書けない。書くと寝てしまうのだ。

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幸せな日々

楽日。
皆が寂しいと言ってくれてしんみりする。
毎回芝居を袖で聞いているのだが、相当気を張るのか終わる度に吐き気や胃痛に悩まされた。それでも皆の芝居を聞いていたかった。
役者さん達に感動してしばしば涙ぐんでいた。

芝居が終わって楽屋整理などをしているが、ちっともはかどらず私の周りだけいつまでも散らかっていた。
座長付きのショウコちゃんが手伝ってくれる。まるで小学生だ。

打ち上げには沢山の人が来てくれた。
河原君、長塚君、峯村さん、澤田育子ちゃん・・・。
苦手意識を持っていた大入り袋を配る行事も何とか頑張る。
だが、あまり記憶が無い。
寝てもいないのに何も覚えていないのはどういう事だろう。

どうも幸せな感じがする。
幸せだと心の毒が無くなってしまい、ありきたりな事や話しても仕方のない事しか思いつかなくなる。
幸せなのは良いのだが、馬鹿で面白い事も言えないつまらない人になりそうで不安になる。
大体幸せな人の話はつまらないのだ。
ただでさえそれほどギャグセンスも無いのだ。
だが、今回は本当に人に恵まれた。
大体人に抑圧されて生きてきた。そういう人から逃げる人生だった。
今回そういう人は一人もいない。
むしろ、皆が何も言わなくても私の願いを叶えようと率先して動いてくれた。
それなのに楽しいと言ってくれて、とても嬉しかった。

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ゲストそれぞれ

具合が悪い。マチネとソワレの間に寝る。飲まずに帰る。

ゲストはガンツさんとノリオさん。
ガンツさんは数日前、ゲストコーナーのかなり綿密な台本を持ってきてくれたのだが、芝居全体の内容が変わってしまう恐れがあるものだった。
申し訳なかったのだが、台本の基本ラインにそって下さいとお願いした。
だから、かなり余計なオカズを入れずに忠実にやってくれた。
だが、出ただけで成立するモノがあるのである意味パーフェクトだった。
のりおさんは出ただけで笑われていた。
本人が意図していない所の方がウケていたようにも思えた。

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飲み会での座長の役割

今日は、照明さんが、舞台へ続く通路や前から変えたいと言っていたシーンの明かりを変えてくれると言うので早くから小屋入り。
見てみると大層素敵だった。
私が何も言わなくても、好みを察知してくれて提案をし続けてくれる姿勢に感動する。
今回スタッフさん達は演出面ではド素人の私を凄くフォローしてくれる。
今日のゲストは中山君。
中山君は楽屋で、心で思っていれば良いような事を全て独り言で話す人なのだ。
それに気を取られて出とちりなどしないようにしようと、皆で話していた。
彼は面白過ぎるのだ。

打ち上げに行く。
私は普段飲みに行っても殆ど移動しない。
だが、今回は挨拶しなければならない人が沢山いるので、そういう訳にも行かない。
慣れない移動を試みるも、挨拶出来ないで終わってしまう人も。
ゴキブリコンビナートのセロトニン瘍子さんが客出しの時から涙ぐんでいて、飲みにも来て褒めてくれた。
彼女は以前ご一緒したイベントの打ち上げで、私をスタッフさんと間違えて話しかけた事を酷く気にしていた。
だが、その時私はデーモン小暮のメイクをして出演していたのだから、出演者と分かる訳がない。彼女は全く悪くないのだ。
繊細でとても良い人なのだろうと思った。

役者も粗方帰った時「ゆうかちゃんはあまり出てないから、大丈夫だから本番は気が楽でしょ」と誰かに言われた。
すると中山君が「そんな事ないよ~。俺も演出の時は役者を返して自分がお客さんを送り出すまで飲んだりして、大変だったんだよ」と、私に善かれと思う事を言ってくれた。
だが、そろそろ帰ろうかしら?と思っていたのだ。
もうちょっとだけいようかしら?と残っていたら、坂田聡君が現われた。
帰る訳にはいかなくなる。
もう1軒誘われたのだが、翌日はマチネもある。
明日が辛いのは目に見えていたので、なんとかお断りした。

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ライブ感とソウル

楽屋ではしゃぎ過ぎた。
過去にアイプチをした男性に初対面でつき合ってくれと言われ、「BE MY WIFE」という「BE MY BABY」のパクリのような曲を「君に捧げる」と家まで押し掛けられた事があった。
母親のサイン入りの判を押した婚姻届を持ってこられたり、家の前で一升瓶を抱えて飲みながらインターフォンを鳴らされ続けた。
あまりの事にベランダから知人宅に走って逃げた。
その後、彼は自分のバンドのライブをすっぽかして行方不明になったが、復活して友人の従姉妹の女子高生と付き合った。
女子高生もただ彼氏が欲しかっただけで、そのアイプチ男を好きな訳ではなかった。
彼は毎日校門までやって来て彼女がバスに乗ると、いつも走ってバスを追いかけていた。
その話は私達に筒抜けだった。
つきあった訳でも無いのに「他の男にはすぐ足を開くんだろう」などと言われ、困惑したりもした。
その後彼は24歳で大学に入り直して映画サークルに入ったらしい。
「目の見えない姉妹の姉の役をやって欲しい。その姉は目は見えないけれど、濃い紫の紫陽花の色だけは朧げに見えるんだ」と言われ、断って以来彼の行方は知らない。

開演直前に何故かその話をべらべら喋ってしまった。反省。
昨日は魔の二日目なので、かえって気を引き締めていたのだが、今日はちょっと緊張感に欠けていた。
テンポ命なのが、全体的にもたつき気味だった。私のせいかもしれない。
かなり通しをやったので、それほど崩れてはいないが、そろそろ気を引き締めなければいけない。楽屋で無駄話をするのは控えようと思った。
お客さんの反応も昨日の方が良い気がした。
だが、それでも思ったより褒めてもらい面食らう。
正直、世の半分の人を敵に回す覚悟で書いていた。
書き上げた時より、稽古が進むにつれ「不愉快に思う人もいるかもしれない」という気持ちは強くなっていた。
その分好きだと思ってくれる人に訴えるものでありたいと、そういう部分を強化した。
だが、思ったより敵はいないのかもしれない。少々拍子抜けもした。

明日からは芝居の基礎に立ち返り、ライブ感とソウルを大事にして行きたい。

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幸せ過ぎて怖い

二日酔いで本番をやるのが信じられない気持ちだった。
大体2日目というのは、ハプニングが置きがちだ。
心配していたが、良い舞台だった。通しを沢山やったのでぶれないのかもしれない。
本番前に皆に脅しのような事を言う。
「本番入ると、調子出て目先の笑いがほしくなったりする事も多いし、違う事やりたくなるかもしれませんが、稽古通りやって下さい。その場ではウケても後に支障来す事もあるし、稽古と違う事をやる役者は嫌いなので」
と、劇場へ向かう時に心の中で練習していた通りに言う。
本当は「そういう役者は浅ましいと思う」という所もあったのだが、感じ悪過ぎて言えなかった。
ゲストの西村さんも面白くて、本番中噴き出しそうになった。

母が、友人や親戚の80才の腹話術師のおばさんを連れてきてくれた。
私の友人に再会して名前を呼び捨てにしたり、「太った」「昔はおしゃれだったのにそうじゃなくなったから分からなかった」などと発言をしていて驚く。
親しみの現われなのだろう。
だが、客商売をやっているのに大丈夫だろうか、と心配になる。

終演後、三鷹市芸術センターの森元さんにえらく褒めていただく。
「年間150本ほど芝居を見てますが、間違いないく今年の5指に入ります」との事。
とても嬉しかったので、浮かれる。
これはなるべく自慢したり言いふらしたりしようと決意。
予想以上に沢山の人に褒めていただき、死期が近いのではなどと心配になる。
母に呼び捨てにされた友人からも「役者さんも皆芸達者で、こんな人達に参加してもらえる友香は幸せだと思う」と、メールを貰う。
毎日があまりにもバタバタしていて気付かなかったが、きっと幸せなのだ。
幸せ過ぎると怖い、という心境が初めて分かった。

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生きていても良いような気がした

初日。
一日仕込みで押したりしたが、なんとか場当たり、ゲネ、本番を迎えられた。
思ったより、お客さんは暖かかったのでほっとした。
自分が好きな世界を人も楽しんでくれたように思った。
これから生きていても良いような気がした。
本番を見られないのが、残念だ。
それまで演出家って毎日芝居見なければいけないから大変だ、よく飽きないものだと関心していた。だが、毎日見ていないと不安だという事が分かった。
役者は演出家がみていないと、安心と同時に不安を感じる。
緊張感がなくならないように、なるべく袖にいる事にした。
だが、かえって通行の邪魔のようだった。
 
深酒。反省。

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俺はまだ死ねねぇ

一日仕込みしかないのでバタバタした日。
昼間はスタジオで稽古。
夕ご飯を食べていると、スズナリの側の店が閉店するので、様々な品をご自由にお持ち下さいと並べているという情報が入る。
観に行くとこの芝居にぴったりのものがあるではないか。
早速頂いて帰る。かなりついている。

座長としての一つのクライマックス、場当たり。
とにかく明日無事にゲネをやれればいいと、細かい事は気にせず進める。
だが、転換稽古の時、袖に駆け込んで壁に激突し、頭を強打した。
そのまま仰向けに倒れてしまう。
だが、直ぐに舞台に戻らなければならない。よろよろと歩き芝居を続ける。
倒れた時はあまりの衝撃に何が起きたか分からなかった
。野村朋子嬢が目前で倒れた私を見て驚いていた。
確かに目の前で人が壁に激突した途端にぶっ倒れたらびっくりするだろう、と想像したらおかしくて笑いが止まらなくなる。
役者、スタッフ合わせて10人以上がひしめいている楽屋を見て、直美ちゃんが「貧乏家族みたい」と、言っていた。  

延滞していたCDを返しに新宿へ。
道は間違える、遠回りをしてしまう、などでなかなか新宿につかない。
すっかり凍える。あまりに寒いのでラーメンを食べて体を暖める。
バイク運転はそろそろ控えなければ。
頭が朦朧として、いつもの10倍以上事故に合いやすい気がした。
今、死んだら明日の初日が迎えられない。
でもあまりに寒過ぎて早く家に帰りたくなる。いつもより飛ばしてしまう。
今は死ぬ訳には行かない。
何故か「俺はまだ死ねねぇ・・・」と、普段使わない一人称で独り言を言いながら帰宅。

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肉を食らう

中坪由起子嬢に転換の振り付けを最終チェックして貰う。
私の動きも変わった。
ハイレグ時代はこんな短い練習量で踊った事は無い。
人の荒さがしをして駄目を出すより自分が心配。

夜は通し。今までで一番良い芝居だった。
それまで、もうここはどうあっても伸びないかもしれないと思っていた所が、一気に良くなっていた。
自分の作った話なのに、少々涙ぐみそうになり焦った。
帰宅後肉を食らう。
あまり美味しくなかったが、燃料としては機能してくれるはずだ。
明日は小屋入り。

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朝の5時

稽古の後、ムーチョが編集した映像を家に見せに来た。朝の5時だった。
眠かったが、映像を観て眠さが吹き飛んだ。
映像のみ出演の峯村りえっこちゃんのキュートさにやられてしまう。
物語の主軸とは関係無いカットでもあまりにも様になっているので、カットする事は出来なかった。

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本番まであと3日

気になるシーンを順番に当たる。それまで見過ごしていた曖昧な箇所を固めて行く。
自分の出ているシーンは、そこだけ当たるとまだやれるのだが、通しなどではメタメタ。
駄目な箇所を捜しているモードから芝居をやるモードへ切り替えが難しい。
自分の芝居に関してはノムコ嬢や、TJこと多田君やショウコちゃんに、うるさい程「大丈夫?」と聞きまくる。
これで「駄目、出来ていない」と、言える人はいないだろう。

稽古後ノムコ嬢に誘われ皆で飲む。
しかし私はまたもやバイク。コップ一杯のビールの後ウーロン茶。
それまで体験した合コンの話などに白熱する。
学生時代は何度か合コンに誘われたが、ロクな想い出が無い。
M井物産との合コンは何度思い出しても腹が立つほどつまらなかった。
典型的な会社の威を借る狐のような人達だった。
M井物産にも良い男はいるに違いない。
きっとそういう人は早々に満足する相手と巡り合い、実力でもてない様な輩が合コンなどで女の子を食い散らかす機会を意地汚く狙っていたのだろう。
「俺らなんて女の子の方から膝に手を置いてくるからな」と豪語し、男女交互に座り女子が飲まなければならないようになる為のゲームばかりしていた。
ムカムカして「それはあなたの個人的魅力では無いですね。肩書きだけで寄ってこられたのを好かれてると勘違い出来るなんて呑気ですね」、と喧嘩を売ったのだが、自分たちを褒める言葉以外の日本語を理解出来る知能もなかったようだった。
私が喧嘩を売ったブサイク男性は、「この会ってさ~お持ち帰りOKなのかな~」と、叫び私の友人がトイレに入ろうとしたら一緒に入ろうとしたり、下品極まりなかった。
一応素敵な出会いを求めていたのだが、残念だった。
そして合コンには行かなくなった。

気が付くと皆終電を逃していた。
英ちゃん、ショウコちゃんはノムコの家に泊まる事になった。
本来なら私が泊めるべきだったのだが、諸処の事情で出来なかった。
申し訳ない気持ちになる。

あれ、あと3日で宝船本番だ!

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お肉でスタミナ

今日は美術さんに見せる為に15時から通す事になっていた。
だが、稽古場を昼夜で借りているのに、17時から18時までは出なければいけないと言われる。ちょっとだけ早めに通す。
稽古場に行く前にステーキハウスの前を通った。夜ご飯はそこへ行くと決意。
直美ちゃん、マンゾウ君、英ちゃんと一緒に行く。
私とマンゾウ君、直美ちゃんは300グラムのステーキを食べた。
筋が多くかみ切れなかった。
あまりの固さに手で引きちぎろうとしたが、不可能。
肉汁を垂らしながら、手を使って噛みきろうとする。挫折。
その部分はナプキンにくるんで捨てた。

夜は声録り。昼の通しの駄目な箇所を当たる。
稽古後は打ち合わせ。
映画を撮り終わったムーチョとりえちゃんもやってきた。
場所は飲み屋。私はビール半分飲んだ後、ウーロン茶。2時までかかる。
大半は楽しいおしゃべり。
途中で本当にお酒が飲みたくなってしまった。だが、堪えて良かった。
帰りに飲酒検問があったのだ。
コップ半分は飲んでいたので不安だったが、無事クリアー。
そろそろバイクに慣れてきたので、ちょっとくらいなら飲んでも良いかと気が緩みそうな時期だった。
検問に会い、「やっぱり絶対に飲むまい」と思えて良かった。
風呂で寝て溺れそうになる。

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死ぬよりも前に

年が明けたばかりだと思っていたのに、もう12月。加速度的に死に近づいている。
だが、恐らく死ぬより先に「宝船」の公演がやって来る。

今日はリフレッシュ休暇。
私、ショウコちゃん(これから彼女の事は演出助手では無く座長付きという肩書きにしようと思う)、舞台監督の翼君、照明の大介君は小屋の下見。
その後、ショウコちゃんが教えてくれた素敵な隠れ家的なお店でお昼ご飯。
素面なのに、濃厚な話題で盛り上がる。
大介君、翼君と別れ、ハイレグタワーへ。
舞台で使う小道具などの確認をする。
その後、衣装を捜すが、目当てのモノが見つからない。
ショウコちゃんと別れ、新宿へ。まず、オカダヤへ行く。
確実にあると思った代物はそこにも無かった。
仕方なく伊勢丹へ。
あるにはあったのだが、異常に高い。衣装代では賄えない。だが、とても可愛い。
最早舞台に合うのかなど、どうでも良くなる。
私物としてなら絶対買わないランクの代物。
舞台という建前の元、あっさり物欲を正当化した。購入。
実際芝居で使えると良いのだが。

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