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友香の呪い

5月の折り込み対策の為、ある事務所に電話をかける。
先日、「26日の10時に折り込みの予約開始するのでその時に申し込んで下さい」と言われていたのだ。
9時59分からかけ続ける。10時15分につながる。
「劇団名をお願いします」と聞かれ、「『宝船』で・・」と答えかけた途端
「申し訳ございません。もう締め切ってます」と言うではないか。
聞いた事の無い劇団を却下しているのか、どこかで悪名が広がっているのかは分からない。
だが、ひどく傷つく。
断るなら問い合わせをした時点で言ってくれれば良いではないか。
お得意劇団しか折込ませないなら、始めからそう言うべきだ。
今日の電話を忘れないように、出かける予定も1時間遅らせたのだ。
ただでさえ、折り込みの為の電話がつながらずいつも苛ついていた。
こういう事はよくあるかもしれない。他所の営業活動を応援する筋合いなど無い。
だが、こちらが気付かないようにして欲しかった。
このような事に煩わされて、企画が勧められない。
どうしたものか。今日はテレビの占いで「山羊座」の運勢は良くなかった。

夕方、大荷物でよろけながら歩いていた。
百円均一でバインダーを買おうと、道の端へ寄る。
すると後ろから自転車。私の予期しない動きの為、ブレーキを踏むはめに。
自分が自転車に乗っている時、歩行者の突然のコース変更に苛立つ事はあった。
だが、歩道を走る自転車は常に歩行者をよけられるスピードで漕ぐのが常識だ。
こちら向きに歩いているにも関わらずぶつかってくる人だっているのだ。
自転車側の忌々しい気持ちも分かる。歩行者の気持も分かる。
かなり大荷物だし自分は悪くないと思いつつも、スムーズな生活を営む大人のマナーとして「ごめんなさい」と、謝った。
しかし、自転車に乗っていたおばさまは何やらつぶやく。
「何を右や左にふらふらと…!」
どうやら、私を罵っているようだ。
彼女が10m走り去った所で腹が立ち始め何か怒鳴りたくなった。
しかし、上手い事が思い浮かばない。
あのおば様は10キロ以上を越える荷物を持った私より確実に楽だったはずだ。
少々加速し始めた自転車にブレーキをかけたため、再び加速する労力を払わなければならない。だが、10キロの荷物を抱えて歩く私のそれと比べれば、大した事では無いはずだ。
謝ってしまった事が悔やまれる。
あの顏をしっかり刻み込み、思い出す度に「少しでもいいから寿命が縮んでしまえ」と願う事にした。

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