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最後の夜

早朝にパシフィックホテル内のマリンスポーツ店の受付へ集合。
のんちゃんとスパムおにぎりや、ホットドッグを食べながら、待機。かなり待たされる。
バスに乗り30分ほどの所で海岸側のお店へ案内される。
そこで、現地の日本人スタッフに種目ごとに振りわけられる。
私とのんちゃんと本多さんは、体験ダイビング。
コッペパンのように焦げた女性が、私たちを叱るように説明。
車を運転しながら、一度も振り向かずに話しつづける。大変な仕事ではある。
ビーチに到着後、先発グループが潜っている間、私たち後発グループは一時間以上待たされた。これなら、集合時間をもっと遅らせてくれてもよいではないか。
先発グループは終えると車でどこかに運ばれて行った。きっと私たちより高級なツアーなのだろう。
誰が着たとも分からないびしょ濡れで砂まみれのウェットスーツを着用。
重りを装着しタンクを背負う。
口にくわえる部分も全く洗っていないようだ。アバウトな国だ。
私達以外には新婚カップルと中年の男女の一組がいた。
男性の方は伊藤さんというらしい。彼は、明らかに酔っぱらっていた。
そして煙草がなきゃやってらんねぇと、息巻いていた。ビーチは禁煙禁酒なのだ。

まず浅瀬でインストラクターを囲んだ輪になる。
波に流されると砂浜の方へ移動してしまうので、動かないように指示される。
しかし、踏ん張っていてもいけないらしい。
「遊びなんだから、力抜かなければ出来ないよ。普通に立って!」と苛つかれてしまう。
本多さんが波に飲まれて沈んでしまった時、私達は驚いて「大丈夫?」と心配した。
しかし、インストラクターは不愉快そうに「君、大丈夫なの?駄目そうだったら言ってね。」と険しい顔。リタイアさせたそうである。
しかし、こちらはお金を払っているのだ。余程の事で無ければ、諦める事など出来ない。
浅瀬で潜る練習をして、やや深い岩場で餌付けを行った。
その模様を水中ビデオで撮影していた。
眼鏡をして全員目がつり上がった醜い顔をしていた。皆醜いと言う事は私も醜いに違いない。陽気なハワイアン音楽に載せて編集した物を売ってくれるそうだ。きっと一度しか見ないような代物に違いない。
しかし、ダイビングは思った以上に気持ちが良い。
非常に危険な事は分かったが、自在に浮遊出来る感覚を初めて味わった。
まだちょっとした事でパニックになりそうだが、もっと深く潜れるようになりたい。
浜に戻る途中、酔っ払いの伊藤さん達に私たちは踏みつぶされるように、押しのけられる。
その後、伊藤さんは水中ビデオに手を振った。ビデオに写るために押しのけたのかもしれない。
浜から上がるとタンクや重りの重さを堪え難く感じた。

本多さんはロミロミの為、お別れ。
私はパラセーリング。のんちゃんは、次に行くハナウマ湾で会えないかもしれないと待っていてくれた。
空腹であったが、お弁当が出るとの事で食事は我慢する。
桟橋で船を待つように言われたが、30分待ちつづけても来ないので不安になる。
再び受付に聞きに行くと「直ぐ着きますよ」と、不快な顔をされた。
30分前もそう言っていた。時間がの感覚がアバウトだ。
やっと船が迎えに来た。
ライアンとマルロという現地の人しかいない。客は4人家族と女の子二人組。
ここでも写真撮影を20ドルで行うらしい。ドルになるとお金もおもちゃのような感覚で使ってしまうが、写真に二千円以上かけるという事になる。かなりお高い。
船上のあちこちに「楽しまれたお客様はマルロにチップをあげて下さい」と、見本の字を真似てかいたような張り紙がされていた。
しかし、ビーチでは置き引きが多いので、必要最低限のお金だけ持って行くようにと言われていた。後に行くハナウマ湾で5ドル払わなければならないだけだから、8ドルしか持っていなかった。
チップは料金の15%が相場。しかし、出せるのは3ドルまで。どう考えても足りない。
どうしたものかと、パラセーリングをする前から悩む。

私の順番は最後だった。
先の人達が思った以上に高く舞い上がって行くのを見て、不安になった。
私は本当は一人で飛ぶ筈だったのだが、風邪が強くて危険ということで、見知らぬ女の子と飛ぶ事になる。
初めは一人が良いと思ったが、飛んでみて二人で良かったとつくづく思った。
船が相当小さく見える高度を、水着という無防備な姿で飛んでいる。
高所恐怖症だとは思わないが、下をみたら血の気がひいた。
ここから落ちたら間違い無く死んでしまう。
後ろの女の子が「下見ちゃ駄目です!あそこの島見ましょう!」などとフォローしてくれたので、大分気が紛れた。
海の色が嘘みたいに鮮やかだった。テレビでしかみた事の無いような眺めだ。
しかし、今日一緒だった人の中で悲鳴をあげたり叫んでいたのは私だけだった。
平均より勇敢でありたいと願っているのに、憶病者なのだろうか。

船に戻ってから再びチップの事で悩む。
ライアンに「楽しかったですか?」と聞かれた。
これはチップの催促なのだろうかと、動揺しながらも「楽しかったです」と答えてしまう。
桟橋に辿りついて、取りあえず3ドルだけでも渡そうと握りしめていた。
だが、いつ渡して良いか分からず「Thank you!」と愛想笑いを浮かべながら降りてしまう。
船長のマルロの顔が、「このジャップはチップ払わねぇ気なのかよ!」と、驚いているようにも見える。しかし、それは小心さが見せる幻かもしれない。

待っていたのんちゃんは食事を済ませていた。
しかし、配当されるお弁当もある。
取りに行くと、先程まで、彼女が食事をしたりうたた寝したりしていたお店であった。
のんちゃんが「まだ食う気だよ、と思われるよ~」と弱り切った顔をしていると、店員さんが笑っていた。
再びバスに乗り、ハナウマ湾へ。
ここに入るには教育ビデオを見なければならない。
カメや魚の映像と共に「僕たちの住み家を壊さないで!」といった音声が吹き込まれている代物だった。暗い瞳をした少年が日本人向けの音声が聞けるヘッドフォンを配っていた。

ハナウマ湾ではシュノーケリング。今回で二度目だ。
のんちゃんは世界各地の海を潜っている。
一度はぐれてしまったら、彼女がクロールをしながら私の元に来てくれた。
「どんどん沖に行くから、びっくりして」という。
確かに思っていたのとは全然違う、浜から離れた所にいた。
その後彼女にぴったりとよりそって泳ぐ。
途中同時に噴き出してしまい、海から顔を出してひとしきり笑った。
魚のサイズが沖縄より大きい。さすが外国だ。
その後再びのんちゃんとはぐれてしまう。不安になって辺りを見回すが、見当たらない。
取りあえず、浅瀬に戻る途中で彼女を発見。
彼女は全く悪くないのに、「ごめんね~」と謝っている。
途中でウミガメを見たらしく、興奮して追い続けていたら、私を見失ったという。
私がウミガメ見たいと騒いでいたのもあって、自分一人で見た事も気にしているのかもしれない。
「ゆうかちゃんが死んじゃったら、中坪とか河原君に『野村がついていながら何で』と責められるってとこまで想像しちゃったよ~」と、驚くような事を言われた。
しかし、外国の浜辺でいつまでたってものんちゃんが戻って来なかった場合を想像したら、相当怖くなった。一人で泳いではいけないと実感。

ホテルに戻り、シャワーを浴びたりしていたらディナーに行くギリギリになってしまった。
今日は最後の晩餐と言う事で、アラモアナの方にある「チャートハウス」というレストランを予約してあるらしい。
本多さん、のんちゃんとでトロリーバスを探すが、良かれと思って出た道は一方通行で、逆方向のバスしか出ていない。人に尋ねて市バスに乗る。
尋ねるのはもっぱらのんちゃんである。降りてからも道を尋ねて回る。
のんちゃん好みの眼鏡の人、私好みの渋めのおじ様など、何人かに聞く。
近所まで行き、外で食事をしている人達に再び尋ねる。
優しく道を教えてくれた後、「チーフマネージャーのスコットによろしく」と言われた。
店の前にいると、手招きをして歓迎してくれる人がいる。彼がスコットだった。
先程道を教えてくれた人が電話で「すぐに、日本の女性3人組が店に行く筈」と知らせていたようだ。
スコットとのんちゃんが陽気に笑っていた。後で説明を聞き私と本多さんも笑った。
迷ったせいで、遅刻。
よくわからないままレギュラーのリブステーキを頼む。
出てきたのは見た事無い程巨大な肉だった。
マッシュポテトや野菜を食べたら、肉が食べ切れない。
がむしゃらに肉だけを食べつづけた。

最後に呉羽さんから挨拶があった。それを聞いて、最後の晩だという実感が湧いて来た。
もっといたい。
こんなに早く終ってしまうとはと、残念になる。

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