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いつか説教する日のために

今年も12分の1が過ぎた。
今日は江古田斎場へ行く。10年来お世話になったBさんの奥様が亡くなったのだ。
まだ40代だ。直接面識の無い方だったが、Bさんが憔悴しきっているのが痛ましかった。
あまりしげしげ見るのも申し訳ないと、眼鏡をかけずに行った。
だから、亡くなった奥様の遺影もあまり見えなかった。
どんな人かも知らずに、献花の時に御遺体を見る事になってしまった。
初対面が御遺体という事態にも動揺し、周りの雰囲気にも飲まれて、泣いてしまう。
知らない人が亡くなったのに泣くなどおかしいと、必死に涙を止めようとしたが、却って溢れそうになってしまった。
周囲の人の悲しみが押し寄せて来るのかもしれない。良いお葬式だったのだと思う。

稽古に行くが、元気が出ない。
やらなければいいような中途半端な事をして自滅する。
しばらく正気ではいられなかった。
今迄、芝居をしてこられたのが不思議。指1本動かすのも一杯一杯だ。
頭と体と感情が全てばらばらになっている。
1センチ程に小さくなった自分が、目も耳も塞いで、うずくまりながら本体を遠隔操作しているような感じだ。
外で何が起きているのか分からない。こんな事は初めてかもしれない。
しかし、こういう時期が成長を促す事もあるだろう。
いつか悩む若者などに、この経験を踏まえて説教ぶったりできるようになる日が来る事を願う。

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