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意味不明なアクション

今迄、要求された事を一生懸命努力して芝居をやって来た。
しかし、何も要求されないとどうしたものか手も足もでない。
ダンスでは中坪由起子嬢に、厳しく指導された。
たまに褒められると、犬のようにはしゃいだ気持ちになった。
河原君にも、厳しく「もっと、もっと」と言われた。
言われている時はきつかったが、方向を示してくれていたので安心していられた。
お客さんにうけなくても河原君が喜べばいいと割り切れたのだ。
台本モノの芝居でも、大体逸脱したり、ギャグを入れる箇所は前もってやりたいと相談したりしてやって来た。
しかし、今回はそういう方法では駄目なようだ。台本を変えるのが前提なのだ。
いきなりシュールなギャグをやられたり、自分のセリフの時に言える雰囲気では無かったりして困惑してしまう。大体そういう時にいたたまれない気持ちになって、気持ちが折れてしまう。

こういう事に対処するには、何らかの自分の軸を持たなければいけないのだろう。
セリフを言うのに一生懸命になっていて、言い終わったら小林健一君が全裸になっていることに気付いた時も、動揺のあまり素に戻ってしまった。
自分なりの模索しなければいけない。
これが、5年前だったら、出来なくて当たり前だと甘えた気持ちで気楽に対処出来たような気がする。
しかし、10年選手にもなって何も出来ないとはというプレッシャーで硬直したまま、今日まで来てしまった。
これではいかん、「あしたのジョー」のジョーだって「攻撃は最大の防御」と言っているではないかと、色々試してみる事にした。
しかし、要求されてもいない所で意味不明なアクションをおこなったら、腰が痛くなってしまった。うめきながら、芝居を続ける。
腰の痛みが収まってきてから、気持ちを建て直す。
収拾はつけられないのは分かっていたが、いつもと違う事を入れてみた。
しかし、他の人が乗ってきてくれた途端、激しく動揺してしまう。
段々元気が無くなってしまう。
大して動いていないのに大汗をかく。冷や汗に違いない。
打ちひしがれて、とぼとぼ歩いていると岩本靖輝さんが、「ああいうアピールはやった方がいいよ」と言ってくれた。
気持ちが平静ではなかったので、どもったような変な応対しか出来なかったが、ちょっと救われる。
今回の本番には間に合わないかもしれないが、このような体験は何かの役に立つ筈だ。
3年後くらいかもしれない。

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