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母と旅する

 母と旅行。富山の高岡で落ちあうことになっている。東京から新幹線で越後湯沢まで行き、乗り換えて高岡へ行く。新幹線の指定席はとれなかった。通路に座りこむ。どんどん混んでいき、トイレにも行けない。暑さで意識が混濁したような状態の時、知らないご婦人に、座っていることを叱責される。「立ちなさい」と、言われ立ちあがろうとすると、ふらついてしまった。叱責したご婦人はうろたえ、座るならこっちになさいと良い場所を薦めてくれた。そこに座り再び朦朧とする。こう言う時魂がどこかに行ってしまったように感じる。
 越後湯沢から乗ったはくたか12号は指定席を押さえていた。ここで書き物をしようとするが、さっぱり乗らない。良い案が浮かばず、断念。隣のボックスにポコちゃんに似た子供がいる。なんとなく見ていた。名を「ゆうた」というらしい。元気に騒いでいたがいきなり母親に「ママ、ゆうたの事食べて」と言うので、ぎょっとする。怪しい親子なのだろうか。その後すぐゆうたは「なんちゃって、なんちゃって~」と連呼して歌いだした。その後も「ママはババァなんでしょ?」と、にやにやしながら言い、顔をつねられていた。自分の事を名前で呼ぶ女の子は多いが男の子はあまり見たことが無い。なんとなくおねえ言葉を話す男性になりそうな感じがした。
 高山で母と合流。今回の旅の建前は、足の調子が悪い母の荷物持ちなのだ。手をつないで食事に出かける。観光案内所で聞いた「丸尚」という割烹料理屋へ。18時半に入ったのだが21時過ぎまで店にいる羽目になった。とにかく食べ物が出てこないのだ。頼んだのは炊き合わせ、岩がき、喉黒(白身の焼き魚)、ふぐの白子の天ぷら、刺身盛り合わせ、の5点。「おいしいけどさ、こんなに待たされてもここで食べたいって程じゃないんだからさ」と、母が普通に店員に聞こえる声で言うのでちょっとはらはらする。しかし、母が言わなければ私が何か言っていたかもしれない。  

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