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性能アップしてきた私

 ものもらいは一向に良くならない。
 朝8時半に二子玉川へ。7月半ばから、撮影に入る自主制作映画のリハーサルなのだ。監督の西谷龍二さんは、仲良しの高木珠里ちゃんのお知り合い。去年珠里ちゃんと共演したお芝居を観て、オファーして下さった。しかし、誰も知っている人はいない。撮影は岐阜県で、コンビニも歩いてはいけない所で行うらしい。二子玉川から相当歩いて公民館へ行く途中、西谷さんから撮影環境について色々尋ねる。トイレはくみ取り式。お風呂は16人位が順番で入るか、近所の温泉へ行く事になりそうだ。携帯もJフォンは圏外らしい。
 雨の中、傘をさしながらドキドキするような内容を聞いていたら、黒い珍しい蝶の死骸を踏みそうになり、「うわーっ!蝶々の死体」と悲鳴を上げながら飛び跳ねて、他の人を驚かせてしまう。集団生活の苦手な自分は大丈夫なのだろうか? 地方公演も、今では大丈夫になったが、始めの頃はパニックになりそうだった。皆が地方へ行けるのを喜ぶのを尻目に、冗談じゃない、気が狂いそうだと、単独行動をしていた。ハイレグが地方へ行くようになった初期は、寺で雑魚寝だった。ノイローゼになると一人でビジネスホテルへ泊まった。大阪は食い物が美味しいからと、連日色々な店に行く人達の事も、旅先に来たらいきなりグルメみたいになってと小馬鹿にして、昼の弁当の残りか、コンビニ弁当を食べていた。今から思うと何故そんなに偏屈だったのかと思う。今ではすっかり、旅先では付け焼き刃のグルメ気取りかもしれない。旅先で浮かれるのを楽しみにさえしている。この事を自分としては進化、順応、と受け止めている。だから、今回もいまの私にとって過酷と思える事を対応していけるようになれるのではと、チャレンジ気分だ。22歳頃まで、自分の事を人並みな事が出来ない、社会不適応なタイプだと思い込んでいた。ある意味自意識過剰で、特別に性能が悪く出来ている、だから人並みな願望は持たないようにしなければと心がけ、普通に暮らしているように見える人を羨望して酔っぱらってばかりいたのだ。今そういう人を見るとムカムカするのだが。
 おそらくひょんなきっかけで、芝居をするようになり、比較的努力するのが苦に感じなかったり、出来ないと思われた事を出来るようになったりと、自分の性能をアップさせる事に目覚めた。一生誰とも付き合えない、と思っていたが人並みに恋愛も出来るようになった。今でも、それは奇跡のように思える。お部屋もどうしても片づけられなかったのが、ちょっとだらしない程度に進歩させる事が出来た。自分にとって少々ハードルが高い事を課して行くと、思ったより対応出来るようになった。今では住民票を取りに行くのも慣れたものだ。歯医者も一人で行ける。だから全く知らない人達と2週間、電話が通じない所で暮らすのも出来るようになるはずだ。是非、そうありたい。
 そんな覚悟をしてリハーサルに臨む。出演者の人達は今まで共演した小劇場系の人とは全く毛色が違う。何だか理系っぽい。仲良くやっていけるといいのだが。眼帯をしているので、少々不自由だったが、リハーサルをしている内に大分やり方が分かってきたようだ。メイクさんが来ていたので、顔半分だけメイクをしてもらう。我ながら面白い顔になっていた。
 疲れ果てて帰宅。お友達が遊びに来る。ご飯を作ろうと言う事になる。冷蔵庫に賞味期限切れの食品が沢山あるのを発見される。始末するように勧められる。数ヶ月前に腐らせたカスピ海ヨーグルトも、恐ろしいので見ないようにしていた。しかし、それも捨てるように勧められる。流しに捨てたら、凄まじい臭い。泣けてくる。器に臭いが染みついている。相当長い間煮沸する。大分臭いは消えたが、完ぺきには消えない。天日にさらしたり、煮沸したりを繰り返さなければならないだろう。それでも、再び使うのは勇気がいる。
 夕食はズッキーニとひき肉とエノキをカレー味に炒めたものと、鳥肉をオーブンで焼いて、チリソースを掛けたもの、とおみそ汁。すっかり満腹。

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