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善行をアピール

 ヘアメイクのさっちんが今日で、帰ってしまう。先日、記録の増田さんも仕事で抜けてしまった。頼りになる女性が減って心細い。さっちんはこういう現場は初めてと言っていたが、とても信頼できるスタッフさんだった。殆ど寝ずに、食事の手伝い、制作面、ヘアメイク、とフルで活動していた。辛い仕事をこなしているという感じではなく、色々な事を覚えて行く事に喜びを見いだしているようで気持ちが良かった。しかも、可愛い。ウチの及川ミオコに似ているが、もうちょっと社会に適応している感じ。実を言うと、ミオコがハイレグのオーディションを受けた時、私はいち押ししていたのだ。
 さっちんは撮影の待ち時間に私が炎天下にいると、少しでも日焼けさせまいと日傘を差しかけてくれたり、甲斐甲斐しく面倒を見てくれた。人に日傘を差しかけてもらうなんて、まるでお姫さま気分。初めは申し訳なくて困惑していたのだが、段々いい気持ちになって行った。こういう事が天狗の始まりなのかもしれない。彼女はこれから2ヶ月テーマパークで住み込みで働きに行くのだ。非常にバイタリティがある。お別れの時ちょっと泣きそうになった。2ヶ月後に会う約束をしたが、その時期になったら、お互い共通の話題も無くなり会うテンションじゃなくなったりするのは良くある事だ。今まで共演して大好きになった人でも、いつの間にか話す事もなくなり疎遠になる。初めはそういう事が、悲しかった。今はそれはそれでいいと思っている。
 主役の山本さん以外は早めに返してもらったので、気まぐれにトイレ掃除をする。記録の増田さんが、監督の西谷さんがトイレ掃除をしているのを見て、じんとしたと言っていたのを思い出したのだ。しかし、くみ取り式のトイレの掃除をするのは初めてなので、むやみにトイレクイックルを消費してふいた割に、大して綺麗にならなかった。ひっそりと善行をつむという出来た人間ではないのでここにアピールしておく。
 夜、宿泊先の民家の庭で流れ星を見る。願い事をかける間も無かった。後で考えたが願いごとなど無かった。その後蛍を見た。夜は男性の役者さんのお部屋で、アコーディオン演奏をリクエストされ、一曲披露。はじめ「今日はまだ弾きますか?」と言われたので、毎晩弾いている事への苦情かと思った。どうも、いつも誰にも姿を見せずに部屋に篭って音が響いているので、鶴が機織りしているみたいで気になっていたらしい。人前で弾くのは久しぶりだが、気持ち良かった。

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