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生きている手ごたえ

 東京公演楽日。昼間旅公演のために、知人にトランクを借りる。一緒に昼ご飯を食べ、アルファ・ロメオのショールームへ行った。FIATとALFAという車があった。赤のALFAが色も良い感じに鮮やかで、そそられた。しかし、300万円以上した。ペーパードライバーであるし、運転は絶対向いていないのに、それに乗る自分を想像して興奮した。マスカット色のFIATも非常に可愛らしく、お手ごろ価格だった。といっても、190万円。手が届かないのはALFAも同様だ。しかし、何故か努力すれば手に入らなくもない気分になる。恐ろしい。
 家へ帰ると岸君から電話。私の咽喉を気づかって、自転車に乗ってプロポリスを届けてくれると言う。口答で道の説明をし、住所を告げる。すると、しばらくしたら、家の前に来ていた。いくら自分が最近地図をみて自転車移動するようになったとはいえ、素質に雲泥の差があるようだ。洗濯の途中らしく、コーヒー一杯飲んだら、去っていった。心配されて嬉しかった。生きてる手ごたえを感じる。
 ぎりぎりで、かめありリリオへ。遅刻しそうと慌てていたら、エレベーターで5人も一緒だった。こうなると俄然安心。主流派として大手を振って楽屋へ。リリオホールは舞台場から客席が、見え過ぎる。セリフを言っている時、遅刻して入場してきたお客さんが3人位入ってくるのに、気をとられてしまう。間違えはしなかったが、イラついてしまう。失礼なのだが、「ちょろちょろすんな!」という気持ちになってしまった。お金を払って来ていただいてるのだから、どれだけ遅れて来ようがありがたく思わなければいけないのだ。気をとられてしまうのは、自分のせいだ。声はぎりぎり大丈夫だった。これで次の日マチネなどがあったら、危ない所であった。
 終演後、楽屋整理をしていると山内さんが女子楽屋へ来た。「古田さんが、女優陣を飲みに誘えって言ってるのだけど、もう出発出来ますか?」と言うのだが、まだ荷造りに時間がかかりそうだった。私は飲みに行く気は無かったのだが、「あと15分くらいかかりますね」と答えた。しかし、他の女優陣も皆、今日は帰ると言い始める。伊勢さんに「新井さん、これは行かないと。」と言われる。確かに、無駄に15分待たせた事になってしまう。結局行く事にする。亀有で飲むのはどうかということになり、下北沢へ。これが長い道のりで、遠足の様だった。下北に到着した時には既に眠くなっていた。古田さんの話が面白かったので、主に聞き役に徹した。咽喉に負担をかけずに済んだ。

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