狐の仕業
撤去された自転車を取りに行く。練馬の駅から地図を見ながら、集積所を探す。途中までは分かったのだが、次第にどこにいるのか分からなくなる。番地を見ながらさまよっていると、買い物帰りのご婦人に声をかけられる。「わかります?」と言われ、集積所を探している旨を伝える。ご婦人は親切に教えてくれた。私が礼を言った 直後そのご婦人に、近所の友人とおぼしき人が「あら、今日はどうしたの?」と話し掛けていた。「今日うちの子、8度も熱出しちゃって」と言う会話が背後から聞こえる。自分の子供が大変な時にも、見知らぬ人に親切心を発揮するなんて、菩薩のような人だ。
なんとか集積所にたどり着くと、「本日は終了しました」という看板が立てられていた。途方にくれていると、中からおじさんが出てきて、「いいですよ。入ってください。」と言われ、ほっとする。自転車はすぐ見つかり、2500円を支払う。迷いながら来たので帰り方を不安に思っていると、おじさんは新江古田駅までの帰り方を教えてくれる。集積所のおじさんは親切な人ばかりだ。
実は、帰るルートは決めていた。おじさんが教えてくれた道は、一番分かりやすい道だが、我が家までは少し遠回りだ。環七まで出たら、見当がつくので始めのプランの道を探して近道をすることにした。確信に満ちて自転車を漕いでいると、在るはずのない大通りに出た。新青梅街道だ。予定のルートどおりに行ったら、新青梅に出るはずが無い。おかしい。しかし、新青梅街道から我が家への道は見当がつく。全く近道にならない事に苛立つが、気持ちを切り替える。ところが、また在るはずのない大通りに出てしまった。なんと、再び環七に出たのだ。丸山陸橋と言うところに出てしまった。地図で確認すると、我が家からはどんどん遠ざかっている。今まで、自分は方向音痴だとか、地図には本当の道は無い、と思うことがしばしばあった。読んだことは無いが、地図の読めない女と言ったような本もある。しかし、それは間違いだと確信。これは狐の仕業だったのだ。狐に化かされているとしか思えない。私は凄く狐に気に入られ、隙を見てはいたずらをされていたのだ。良く知った道で化かすと狐の仕業とばれる事を恐れ、騙しても気づかれない程度の道で化かしていたのだ。何という巧妙な手口だ。一度は観念して 一番安易なルートに切り替えようと思った。しかし、ここで負けてはこれからも化かされつづけるに違いない。もう一度、最初に決めていた近道に挑戦することにした。 狐め!狐め!と唱えながら、自転車を漕ぐ足取りにも力が入る。その時並んで自転車をのろのろ漕ぐ邪魔なカップルがいた。舌打ちをしながら、追い抜く。抜くのに夢中になって、入ろうと思った道を通り過ぎてしまっ た。邪魔そうに抜いた手前、戻るのも気詰まりだ。仕方なく次の道を入り、どこにいるのか分からなくなる。しかし、よく見たら近道の途中にある郵便局があるではないか。この道をまっすぐ進めば我が家の近所に出るのは確実だ。そこからは迷うことなく、家にたどり着けた。あのカップルはあきらめない私への、神様からの天の配剤だったのかもしれない。今日のところ、私は狐に勝利することができた。満ち足りた気持ちだ。しかし、長時間自転車に乗ったせいで、少し股間がしびれていた。夜、中野で飲む用事があるので、中野まで自転車で行ってから、稽古場のある曙橋へ向かおうと予定していたがやめることにした。
少々アコーディオンの練習をして稽古に向かう。途中、大江戸線内で電車を降りる時に、デザイナーのトシちゃんこと利宮君に遭遇。お互い「おお!」 と言っただけで別れる。車内に取り残され少々気恥ずかしかった。
本日はダンスの振りつけの日である。シンプルだが、かえって綺麗に出来ないとあらが目立つ振りであった。ハイレグでやっていたダンスとは勝手が違う。しかし、体を動かすのは楽しい。
稽古後、私にとっての元祖女子飲みのオリジナルメンバーと、中野に集合。中野駅のホームに降り立つと、伊藤ヨタロウさんがいた。ヨタロウさんは電車に乗ったので、やはりうめき声だけでコミュニケーションをはかる。今日はそういう日のようだ。
女子飲みの由来は、私が東京スポーツの愛読者だったことに遡る。団鬼六がエッセイを書いていて、それが非常に面白かった。それで彼の著書である「美少年」を読んだのだ。それを、苗場にも同行した、とくりんこと徳永かおりさんに貸した。とくりんも大層気に入ってくれた。「美少年」にはいくつかの短編が入っていて、谷ナオミが 出てくるものもあった。それでとくりんの家で谷ナオミの出演しているビデオを観ようと言うことになって「黒薔薇昇天」を鑑賞。これが大層いい映画であった。加藤直美ちゃんも是非参加したいということになり、初めはエロビ鑑賞会と称していた。しかし、その後はビデオを観ることは無く、ただの女子飲みになった。オリジナルメンバーには他に、ほっきゅんと、末ちゃんという素敵な二人も名を連ねている。しかし今日は、私ととくりんと加藤直美ちゃんの3人であった。この場でしか話せないような事をすべてぶっちゃけ、 毎回大層盛り上がる。明日はアコーディオンのレッスン日なので、あまりお酒を飲まず早めに帰らねばと思っていた。しかし1時を回ってから、すさまじい早さで時間が進み始めた。3人とも、ムーチョこと村松君が相当ツボにはまっていた。村松君を基準に周囲の男の子を比較検討していた事以外、話した内容については、ヤバ過ぎて触れることができない。
なんとか集積所にたどり着くと、「本日は終了しました」という看板が立てられていた。途方にくれていると、中からおじさんが出てきて、「いいですよ。入ってください。」と言われ、ほっとする。自転車はすぐ見つかり、2500円を支払う。迷いながら来たので帰り方を不安に思っていると、おじさんは新江古田駅までの帰り方を教えてくれる。集積所のおじさんは親切な人ばかりだ。
実は、帰るルートは決めていた。おじさんが教えてくれた道は、一番分かりやすい道だが、我が家までは少し遠回りだ。環七まで出たら、見当がつくので始めのプランの道を探して近道をすることにした。確信に満ちて自転車を漕いでいると、在るはずのない大通りに出た。新青梅街道だ。予定のルートどおりに行ったら、新青梅に出るはずが無い。おかしい。しかし、新青梅街道から我が家への道は見当がつく。全く近道にならない事に苛立つが、気持ちを切り替える。ところが、また在るはずのない大通りに出てしまった。なんと、再び環七に出たのだ。丸山陸橋と言うところに出てしまった。地図で確認すると、我が家からはどんどん遠ざかっている。今まで、自分は方向音痴だとか、地図には本当の道は無い、と思うことがしばしばあった。読んだことは無いが、地図の読めない女と言ったような本もある。しかし、それは間違いだと確信。これは狐の仕業だったのだ。狐に化かされているとしか思えない。私は凄く狐に気に入られ、隙を見てはいたずらをされていたのだ。良く知った道で化かすと狐の仕業とばれる事を恐れ、騙しても気づかれない程度の道で化かしていたのだ。何という巧妙な手口だ。一度は観念して 一番安易なルートに切り替えようと思った。しかし、ここで負けてはこれからも化かされつづけるに違いない。もう一度、最初に決めていた近道に挑戦することにした。 狐め!狐め!と唱えながら、自転車を漕ぐ足取りにも力が入る。その時並んで自転車をのろのろ漕ぐ邪魔なカップルがいた。舌打ちをしながら、追い抜く。抜くのに夢中になって、入ろうと思った道を通り過ぎてしまっ た。邪魔そうに抜いた手前、戻るのも気詰まりだ。仕方なく次の道を入り、どこにいるのか分からなくなる。しかし、よく見たら近道の途中にある郵便局があるではないか。この道をまっすぐ進めば我が家の近所に出るのは確実だ。そこからは迷うことなく、家にたどり着けた。あのカップルはあきらめない私への、神様からの天の配剤だったのかもしれない。今日のところ、私は狐に勝利することができた。満ち足りた気持ちだ。しかし、長時間自転車に乗ったせいで、少し股間がしびれていた。夜、中野で飲む用事があるので、中野まで自転車で行ってから、稽古場のある曙橋へ向かおうと予定していたがやめることにした。
少々アコーディオンの練習をして稽古に向かう。途中、大江戸線内で電車を降りる時に、デザイナーのトシちゃんこと利宮君に遭遇。お互い「おお!」 と言っただけで別れる。車内に取り残され少々気恥ずかしかった。
本日はダンスの振りつけの日である。シンプルだが、かえって綺麗に出来ないとあらが目立つ振りであった。ハイレグでやっていたダンスとは勝手が違う。しかし、体を動かすのは楽しい。
稽古後、私にとっての元祖女子飲みのオリジナルメンバーと、中野に集合。中野駅のホームに降り立つと、伊藤ヨタロウさんがいた。ヨタロウさんは電車に乗ったので、やはりうめき声だけでコミュニケーションをはかる。今日はそういう日のようだ。
女子飲みの由来は、私が東京スポーツの愛読者だったことに遡る。団鬼六がエッセイを書いていて、それが非常に面白かった。それで彼の著書である「美少年」を読んだのだ。それを、苗場にも同行した、とくりんこと徳永かおりさんに貸した。とくりんも大層気に入ってくれた。「美少年」にはいくつかの短編が入っていて、谷ナオミが 出てくるものもあった。それでとくりんの家で谷ナオミの出演しているビデオを観ようと言うことになって「黒薔薇昇天」を鑑賞。これが大層いい映画であった。加藤直美ちゃんも是非参加したいということになり、初めはエロビ鑑賞会と称していた。しかし、その後はビデオを観ることは無く、ただの女子飲みになった。オリジナルメンバーには他に、ほっきゅんと、末ちゃんという素敵な二人も名を連ねている。しかし今日は、私ととくりんと加藤直美ちゃんの3人であった。この場でしか話せないような事をすべてぶっちゃけ、 毎回大層盛り上がる。明日はアコーディオンのレッスン日なので、あまりお酒を飲まず早めに帰らねばと思っていた。しかし1時を回ってから、すさまじい早さで時間が進み始めた。3人とも、ムーチョこと村松君が相当ツボにはまっていた。村松君を基準に周囲の男の子を比較検討していた事以外、話した内容については、ヤバ過ぎて触れることができない。
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