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いつでも老人になれる気もする

 アコーディオンの伴奏を家で録音。毎回10キロの楽器を持っていくのは、かなりきつい。続けて2、3日持ち歩くと、腰を痛めてしまう。何パターンか録って、意気揚々と稽古場へ。新しく来た、すさまじいことになっているシーンの稽古をして汗だくになる。今のところそのシーンに関して無策なので、気が向いたら何か考えよう。少し体が落ち着いて、途中で記憶が無くなる。寝てはいないはずなのだが。しばらくの空白の後、アコーディオンと歌を合わせるシーン。ラジカセで録音した伴奏を鳴らしてもらう。しかし、どのパターンも見事に歌に合わなかった。歌とスピードが違うのだ。またしても、株を上げようとして、失敗。しかし、余り気にしないことにする。
 今日は飲み会が3件集中。結局どれにもいかなかった。家の近所の焼き肉屋を探してさ迷い歩く。ニンニクやレバ刺しを食べて精力をつけようという目論みである。東長崎にある、牛町豚番地も、落合南長崎にある牛角も閉店していた。仕方なくサイゼリアでも行こうと思っていると、こじんまりした焼き肉屋を発見。ミノキムチと言うものが美味であった。マッコリを飲んだ。ほろ酔いで帰宅。
 メールチェックをしたら、この日記を読んで下さっていた善意の方からメールが来ていた。先日石焼きピビンバと書いたものが、どうやらビピンパであるらしい。曙橋のお店ではピビンバと出ていた気がしたのだが、早急に確認のためにそのお店に行くつもりである。しかし、こういうご指摘は非常にありがたい。気になった点はどしどし指摘していただきたい。もっともらしい事を間違えて言っていると陰口を叩かれたりする事態を回避できる。先程書いたサイゼリアも、昨日は心の中でサングリアだと思っていた。ウェンディーズの事を「ウェンズデーに行きましょう」と言って恥をかいたこともある。モスバーガーをモスガーバーと言ったり、ファーストキッチンをファーストチッキンと言ってしまったり。こういう間違いはよくおばさん臭いと言われるが、高校生の時から間違えていた。20歳位までは、笑い方が無邪気な子供のようと言われていたのだが、同じ笑い方をしていたら「おばちゃんだね」と言われたりする。30歳をこえると、皆おばちゃんと言いたがるようだ。いつでも5歳児に戻れる自信があるというのに。しかし、いつでも老人になれるような気もする。子供と老人には抵抗がないのに、何故おばちゃんと言われることだけ抵抗があるのだろう。おばちゃんだからなのだろうか。ああ、考えたくない。
 話が大分それてしまった。ご指摘だけでなく、最近メールがあまり届かなくて少々寂しい。これを見た友人の方々、気が向いたらメールください。

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 稽古場で、永井秀樹さんに「今日、うちのホームページに日記を書いてください」と言われた。よそ様の所で書く日記なのに、新・不幸せ日記と同じような事を書いてしまった。
 今、夜中の4時である。生協のカタログを熱心に見たのと、母との長電話が響いた。少々疲れた。そして眠い。同じ内容を書くのも躊躇われる。よって今日はこの辺で失礼することにする。

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本番で間違えなかったことはない

 午前中にアコーディオンの練習をして昼から稽古。台本は終盤にさしかかって来た。連載ものを読んでいるようで、毎日楽しみだ。歌とアコーディオンをあわせるが、やはりどうしても間違えてしまう。本番で間違えなかったことはないので、今回も間違うだろう。致命的なミスにならないように心がけなければ。
 演ぶゼミのそばに、坦々麺がおいしいと評判の店があった。佐藤真弓さんと、晩ご飯を食べに意気揚揚と向かう。しかし、閉店していた。昼間はやっていたのに。仕方なく韓国の家庭料理屋へ入り 、石焼きビビンバを食べる。正確には石焼きピビンバらしい。二人とも猫舌ではないので汗をかきながら食べる。いかに猫舌ではないかを語り合う。熱いまま食べて、口のなかの皮がはがれる話などで意気投合。二人の分析により、男性に猫舌が多いという結果になった。
 夜の稽古は満腹のため、かなり朦朧としてしまった。志賀さんがよく寝ているのに勇気づけられ、しばし机につっぷして目を閉じてしまう。時折意識が無くなったような気もしたが、寝ていたわけではない。気持ち良く空白の時間を漂っていると、自分のシーンの練習になってしまう。かなり最初のシーンなのに、うまくはまらない。本番までになんとかしなければ。

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眠れないし眠らない

 寝不足続きなので沢山寝ようと思ったのに、朝早くに父から電話。二度寝しようと試みるが、目が冴えてしまう。仕方なしに掃除や洗濯をして、アコーディオンに励む。アコーディオンは弾いていると、よく眠くなる。以前富士急ハイランドのお化け屋敷で働いていた時、休憩時間に練習していると、周りはばたばた寝入ってしまった。友達が泊まりに来たときも朝練習していると、良く眠れると言われる。そういう効果があるらしい。しかし、弾くのは重労働なのだ。10キロもあるものを抱えて、蛇腹を押したり弾いたりするのだ。冬でも汗をかく。それなのに、弾いていると眠くなってしまうから不思議だ。折角眠くなったが、出かけなければならない時間になってしまった。
 稽古では昨日に引き続き、歌のシーン。しかし、昨日考えた振り付けは影も形もなくなっていた。パクチーという徒名の生徒さんが、「ここだけ残ってますよ」と一ヶ所だけ踊って見せてくれた。気を遣ってくれているようだ。少し残念だったが、こんなことはよくあることだ。昨日楽しく踊っただけでも、考えた価値はある。気を使わせてしまったことの方が申し訳ない。
 今日こそ早く寝ようと張り切っていたのに、今は既に夜中の3時。明日は昼から稽古。またしても寝不足の予感。

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丹波哲郎の加齢臭

 アコーディオンのレッスン日。首や肩がひどく痛い。今まで、何度か頚椎捻挫をしたのはこういう時である。先生の住んでいる大久保は、電車で行くには効率が悪い。楽器を持っていくのが辛くて、タクシーに乗ることにした。しかし、車が混んでいてレッスンの時間に遅れてしまう。苛々しながら、タクシーを降りる。目の前に天然ロボットで何度か共演した清滝美保さんがいた。遅れると思いつつ、しばしお話ししてしまう。天然ロボットの佐藤陽子ちゃんが入院していて、お見舞いに来たらしい。待ち合わせた湯澤さんが遅刻しているので、時間を潰そうとしていたそうだ。その病院は、ガンで死んだ私の従兄弟が入院していたところであった。病院までの道のりを説明して、別れた。最近体調を崩して入院する人が多い。他人事に考えてはいけない、体調管理はしっかりしなければと、自分を戒めた。
 古尾谷雅人が自殺したのを、昨日知った。驚いていたが、もっと驚くことがあった。 23日に天本英世が他界していたとは。私は天本英世がこの上なく好きだったのだ。 世田谷区のファミレスを殆どわが家のように暮らしていると聞き、そのファミレスを探し当ててお話しすることを夢見ていた。天本英世とどのような話をするか、という妄想をしながら眠ることもしばしばだった。もう年だから、生きているうちに行動に移さなければと思いながら、先延ばしにしていた。もう、会うことが出来ないなんて。妄想もむなしいだけだ。もう一人お慕いしている丹波哲郎とも、会えないままになってしまいそうな気がする。中学生の頃、家出をして丹波哲郎扮する父親に頬を殴られ「心配したんだぞ」と言われ抱きついて泣く、というシーンをやりたいと切実に思っていた。流石に今は家出した娘には無理がある。せめて丹波哲郎が主である屋敷の、お手伝いなどがやれたら本望でる。お手付きの女中ならなお嬉しい。もう年だから加齢臭もあるだろう。しかし、丹波哲郎の加齢臭は望むところなのだ。天本英世が死んだ今、丹波哲郎に会うことが生き甲斐である。しかし、実際会ったら緊張のあまり、ロクに姿を見ることも出来ないのだろう。こんな性格が呪わしい。
 レッスンでは、雑談が盛り上がって余り曲を弾かなかった。「黒いオルフェ」のアレンジのアドバイスをされた。今までより高度な事を言われ、出来るか不安である。
 稽古では歌って少々踊るシーンがある。私はアコーディオンで伴奏することになっていた。初めて歌と合わせて稽古したのだが、まだ指がおぼつかなくて申し訳なかった。本番までに間に合うだろうか。その後何故か、自分は歌わないのに、 歌う子達と一緒にダンスの振りを考えた。楽しくなってしまって汗だくになる。しなくてもいいことをするのは現実逃避かもしれない。

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寝るのも起きるのも嫌い

 殆ど寝ていないので寝不足である。こんなに寝てない日ばかりだと、まるで寝不足が大好きみたいだ。しかし、そんな事はない。やはり辛いのだ。寝るのが嫌いで起きるのも嫌いなのだ。
 今日も大好きな子と久しぶりに、オールナイトで飲む予定であった。しかし、突如その子に大事件が起きてしまい、延期になった。去年も約束していた日が駄目になってしまい、久しぶりに会うので楽しみにしていた。このまま会えないのでは無いだろうかと不安になるが、懲りずに約束を取り付けるつもりだ。
 演ぶゼミ公演では少しだけアコーディオンを弾くことになった。「やります」と言ったものの、CDを聞いたり楽譜を見たりしても一向に素敵なアレンジが 出来ない。しかも、意外と難しい。本番までに弾けるようになるのだろうか。

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自己判断に自信がない

 タワーの制作さんから、日記にあまり固有名詞を出してはよろしくないとアドバイスをされる。昨日分を書き直す。デリケートな問題なので、気をつけていたつもりなのだが、配慮が足らなかったようだ。しかし、基準が分からないので日記を書くのが少々面倒くさくなる。基本的には何でもしゃべりたがりなタイプだ。そして自己判断には自信がない。こまめに注意してもらうしかない。
 吉祥寺の、ムーチョこと村松君の住居件事務所に遊びに行く。マンションズのアキラ君からの預かり物を受け取るためである。以前楽器屋さんに欲しいものを物色しに出かけ、とても気に入った逸品を発見。見た瞬間に、お金もないのにその場を離れられなくなっていた。すると、アキラ君がそれと色違いのモノを持っていて、譲ってもいいと言ってくれたのだ。ムーチョが車で取りに行って、預かっていてくれた。見てから、決めようと思ったが、この20日余りの間にかなり冷静になっていた。4万払って目当ての色のモノを購入する気持ちは失せていた。
 早速見せてもらうと、やはり色違いでもとても素敵。性能もよさそうである。不備な所やメンテナンスをし直す必要がある。近所の楽器屋に行くことになる。すると、余程縁があるのか、偶然マンションズの二人がやってきた。今日は吉祥寺でライブがあるようだ。 アキラ君に「貰うのも悪いから、お礼させて」と言ったのだが、「大事にしてくれればいいから」と受け取ってくれなかった。なんと心根の優しい子なのだろう。10歳若ければ、熱をあげていただろう。買うより大事に活用しなければいけない気持ちになる。
 ムーチョとアキラ君を伴い、楽器屋へ。2件ほど見て回り、必要なモノをそろえ、メンテナンスの指南をうける。雨だというのに大変な大荷物である。そのまま曙橋へむかう。
 稽古後、家に帰ればいいのに、大荷物を持って濡れながら仲良しの人の所へ泊まりに行く。夜中に、既に可愛くて仕方なくなった代物を念入りに磨き、メンテナンスをした。ドキドキして眠れない。

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CM撮影

 朝9時半に調布駅へ。お仕事で日活撮影所へいくのだ。キャスティング会社の方とハイレグタワーの制作さんと共にスタジオへ。結構タイプなタレントさんと一緒のお仕事であったが、撮影は別撮りであった。そのタレントさんは既にスタジオにいらした。緊張しすぎたり余計なことを考えすぎて、ご挨拶が出来ずにその方のの撮影は終了してしまう。少し残念。昨夜から徹夜で来てくれた制作さんは途中で他の仕事に行くことになっていた。あまり面識のないキャスティング会社の方が、夜の20時過ぎまで付き添ってくれていて心強かった。待ち時間の間にかなり交友を深めた。撮影自体はセリフはほとんどなかったのだが、立て膝で首だけ振り向いたりする姿勢のまま、長時間待機したりしなければならなかった。体がかちこちになってしまう。髪の毛が長すぎるので切られるかもしれないという事だったが、ハサミを入れられずにすんだ。一安心である。
  撮影には沢山の人がいて、誰が誰やら全く分からず緊張。沢田亜矢子の旦那に似た人が、控室に来て、「では行きましょう」というのだが、この人は誰で、どこに行くのかも分からない。とりあえず「よろしくお願いします」とだけ言い、涼しげな顔をして付いていったら衣装合わせであった。現場では訳の分からない言語が飛び交い、美人のメイクさんにこそこそ「何のことですか」と質問した。浴室の掃除をしている設定なのだが、撮影を早く進めたい監督さんと、「ここに洗面器を置いたら」「シャンプーを置きましょう」「タイルの壁のこの位置に電灯があった方がリアルですよ」と、こだわりを見せる美術さんの攻防があった。監督は「無いよりはあったほうがいいかな」と返答して、美術さんがいなくなると「どっちでもいいよ。とにかくとろうよ」とこぼしていた。撮影は1時間程長引いたが、無事に終了。お腹が減ったので急いで帰宅。
 先日メイク道具をなくしていたので、新しいファンデーションなど購入しなくてはならない。メイクさんの使っているのはシャネルであった。何色か混ぜ合わせて使っている。おそらく高価なものだ。最近物欲が高まっている。ファンデーションとは関係ないが、ル・クルーゼの鍋が欲しくてたまらない。18000円。しかも2種類欲しい。となると36000円。小金持ちになりたい。

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伝説の酔っ払い

 THE SHAMPOO HAT の「青空」と、はえぎわの「溺愛ブギーギャル」をはしごで観劇。この二組の食い合わせはあっていた。どちらも非常に楽しめた。「青空」では児玉さんと多聞さんがゲイのカップルをやっていた。皆前回とは打って変わった役どころだったけれど、しっくりしていた。はえぎわは二度目の観劇だが、以前よりずっと観やすかった。闇雲なエネルギーがうまくかみ合うようになってきたように感じた。初っぱなから女性が脱いでいて驚いたけれど、不快に感じなかった。役者が脱ぐということには神経質なのだが、いい脱ぎ方だった。女性が脱ぐのは、美しく見えるか女を捨ててギャグに徹するかに分かれている事が多い。でも、適度な生々しさといやらしさもあって新鮮だった。
 全くタイプの違う劇団だったけれど、どちらもとても真摯で妥協してない緊張感が漂っていた。芝居を観るのは、狭い所に拘束されて、観ることを強制される屈辱感があって辛い時もある。しかし、昨日の「奇跡の人」に引き続き当たりだった。しかし、いつ観に行ってもノゾエ君は愛想がなくてそっけない。社交辞令でもにこにこしてくれたら嬉しいのに。
 ライターの岡崎香さんも私と同じはしごをしていて、「青空」を観た後一緒にご飯を食べる。彼女は私のスキーサークルの先輩なのだ。私の知らない伝説の酔っ払いの先輩の話が大変面白かった。ばりばりのキャリアウーマンで、ブランド物をびしっと着こなしているのに、しょっちゅうそれらをゲロで汚しているらしい。記憶をなくしては財布も持たずにさ迷い歩き、知らない駅で駅員に捕まって翌日お金を払う約束をしたのにそのことを忘れていたり、屋台のラーメン屋で無銭飲食をして翌日支払う約束をしたのに、どこの店か忘れていたりと、大変な人だという。帰巣本能が強いらしく丘を越えようが山を越えようが、必ず家にはたどり着くらしい。よく会社に勤められているという以前に、よく生きて来られたものだ。少し心強い気持ちになった。
 はえぎわにはケラマップで一緒だった、仲良しの高木珠里ちゃんが来ていて、夕ご飯を一緒に食べながら、長いこと語り合う。盛りだくさんな一日だった。

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感動と、鬼畜なフレッシュネス

 「奇跡の人」のマチネを観に行く。長塚圭史君に、急遽チケットを取ってもらった。あまりいい席ではないとの事だったが、かなりいい席で感激。一人だったから、空いた席があったのかもしれない。私は兼ねてから鈴木杏ちゃんの大ファン。といっても、大して観ているわけではない。テレビドラマの「青い鳥」 位しかしらない。その時、なんて可愛い子だとメロメロになっていた。そしてあるお芝居を観ていたら、彼女が隣に座っていた事があったのだ。いかにも普通の小学生のような格好をしていたが、利発そうで芝居どころでは無かった。大竹しのぶさんも大好きな女優さん。「奇跡の人」は「ガラスの仮面」でもおなじみの芝居。それに、6月お世話になる長塚君と、ケラマップで共演した、結婚するならこんな人がいいと思っていた小村裕二郎さんが出演しているとあれば、万難を廃してでも観に行かねばならない。
 寝不足だったので、ガムを持参していたが、全く必要なかった。始めに鈴木杏ちゃん扮するヘレンが出てきただけで、涙があふれて大変なことになってしまった。鈴木杏ちゃんを観るだけで、泣けるようにできているようだ。後半はかなり泣いている人が目立ったが、こんな最初から泣いている人はあまりいないだろう。あらすじは誰でも知っている話なのに、切実なものがひしひし感じられて、自分でも何故泣くのか分からない所でも泣き通しであった。長塚君も、外人らしく格好良かった。泣きはらした顔で楽屋へ挨拶に行くのが少し照れ臭かった。長塚君と小村さんを探しに楽屋へ行くと、ヘレンのお父さん役の俳優さんにぶつかってしまい、「すいません」と謝った。その役者さんは「何か?」と尋ねて来たので、どうしていいか分からず、「長塚君と小村さんに会いたいのですが」と言ったら、知らん顔でどこかへ行ってしまった。自分に用事のあるファンかと思ったら、スタッフのように尋ねられて気分を害してしまったのかもしれない。申し訳ない事をしてしまった。かなりのベテランの俳優さんに失礼であったと反省。長塚君と小村さんに感動を伝え、コクーンを後にした。
 空腹だったのでフレッシュネスバーガーに入る。隣に女の子二人組が座っていた。まあまあ可愛い子とブスでケバイ子だったが、二人とも物凄い勢いで化粧をしていた。どうやら、うるさい男の三人組を撒いてきたらしい。しかし、まもなく三人組が入店してきて大騒ぎになっていた。「おれ、今朝陰毛なくなってたけどどういうこと?」「いい加減観念しろよ」などと、まくし立て、まあまあ可愛い方がまんざらでも無い態度でいなしていた。するとブスの方が 「あんたは残れば。私は一人で帰る」と怒り始め、男達も「おめぇは帰っていいよ」と答えていた。しかし、何故かブスのほうも帰らない。男チームの一人が可愛い方の胸を触ったりして「おっぱい触らないでよー」と店に響く声で叫ばれても、「こんな小さな胸に興味ねえんだよ」と言いながら、余計にもみしだく始末。フレッシュネスバーガーは大変なことになっていた。全くフレッシュではない。会話の内容から彼らは昨日会ったばかりだということが分かった。その 会話を聞きながら、中々お金を返してくれない友人へメールを打っていた。「私も鬼ではないので、時間かかりそうだったら相談には応じます。数年後でも構わない。こじれるのは嫌なので、きっちりしましょう。」と言った内容である。しかし、騒音がひどくて途中からはメールを打つより、会話を聞くほうがメインになってしまった。
 新宿から曙橋まで歩く。佐藤真弓さんにいい散歩になるからと勧められたのだ。その途中にスターバックスコーヒーを発見。確か私の大好きな可愛いお友達がバイトをしているはず。入店してみたが、彼女はいなかった。落胆しつつもキャラメルマキアートをテイクアウトで購入。そのままてくてく歩く。気がつくと足下が冷たい。鞄にペットボトルのお茶をいれていたのが零れたようだ。インナーチャイルドの稽古中にも同じことをした。その時は、後藤飛鳥ちゃん、川田希ちゃん、長尾純子ちゃんにタオルや紙袋をもらい助けてもらった。しかし、今は一人。濡れっぱなしで、稽古場まで歩く。稽古場でそのことを愚痴っていると瓜生さんが、ポケットティッシュを恵んでくれた。以前眼鏡ふきも貰った。いい人だ。せっかく早めについたので、ストレッチでもしようと思っていたのだが、鞄の処理に追われて出来なかった。後で分かったが、零れたのはお茶ではなくキャラメルマキアートであった。甘い臭いが立ちこめ、中のモノは惨憺たる有り様だった。
 明日お休みということで、稽古後は飲みに行くことになった。気の利かない私は、永井さんと高井さんのグラスが空いても全く気付かず、手酌をさせてしまう。その度に「じゃあ、念を入れます」とグラスに手を翳して、少しは気遣いがあるということをアピールした。帰って邪魔だったかもしれない。

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カオス状態

 休日なので哲学堂まで散歩しようと計画していたが、眠りほうけて挫折。ハマグリの炊き込みご飯と、カスピ海ヨーグルトを食す。アコーディオンの新曲「黒いオルフェ」と「ラ・クンパルシータ」のアレンジの違うバージョンの練習に精を出す。新曲を弾くと、指がまるで動かないので少々苛つく。しかし、大分メロディーラインが聞き取れるようになってきた。早く素敵に弾けるようになりたい。
 ピアノも弾こうと思ったが、アンプに繋ぐコードが無い。ヘッドホンで練習しても気持ちが乗らない。今まで何度か天然ロボットの湯澤さんに貸していたら、コードを無くされてしまったのだ。必ず見つけて返します、無ければ弁償します、と言っていたが、それきりである。もしかすると忘れているのかもしれない。いつもそういう人なので諦めたほうがいいのだろうか? 自分で購入しようと思ったが、コードや機材のことはてんでわからない。何を買えばいいのやら。
 夕方は演ぶゼミの稽古。生徒さんには様々な人がいて、見ていて飽きない。本番より今の方が楽しめる所が多々あるはずである。初めての人が多いので、ダンスで立ち位置に移動する際、足下ばかりみて確認していたり、失敗すると言えなくなってしまう人、セリフを言い終るとハケ口までついていないのに照れ笑いをして芝居をやめてしまう人。その中に池谷さんや佐藤真弓さん、などが混じっているとちょっとしたカオス状態だ。しかし、本番までには流石に直ってしまうのだろう。少し残念である。もちろん、素直でいい芝居をしていたりもする。
 帰りに大江戸線の新宿駅で、電車を待っていると自動販売機の裏にカップルがいた。販売機に彼女をもたれさせ、彼氏が不意打ちでキスをするというゲームをやっていた。フェイントをかけて、右に行くと見せかけ、左に行き、顔を左によけ た彼女の唇を奪っては「やりー!」と喜んだり、彼女が手で彼氏の胸を押さえてキスを阻むと「それ、反則だよ」と注意したりしていた。色んな遊びを考えるものだ。どんな状況でも、楽しいことは自分で見つけなければいけないと考えさせられた。

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志賀さん

 ダンスの振り付けが進む。ハイレグではダンスの劣等生なのに、今日は先生に褒められた。慣れていない事なので、困惑。腕を抱え込んでしゃがみ込んで立ち上がる振りをする所がキレイなのだそうだ。「みんな真似るように」と言われて、照れていると、志賀さんが「この髪の毛もね」と意味不明な事を言って皆を困惑させていた。あれは何だったのだろう。
 今日は見ているだけで、一度も立たなかった。しかし、退屈しなかった。帰ったら、最近加入した生協の牛スネ肉でカレーを作ろう。

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アコーディオンのレッスン

 アコーディオンのレッスン日。10キロもある楽器を背負って新大久保の先生の家へ。歩きはじめて5分位はいいのだが、次第に腰がくの字に曲がってきて、 まるで行商のおばちゃんである。まずはタンゴを見てもらう。もっと色気を出すようにと言われる。
 ボサノバを弾きたいと思っていたので、先生に譜面を見せる。「イパネマの娘」を弾くつもりだったのに、とっさに隣に並んでる「黒いオルフェ」を指し示してしまった。ファミレスのメニューの注文のようだ。ボサノバのコードはアコーディオンで弾くには、かなり複雑で難解であった。うすうす気付いてたのだが、実際困難と分かると気が重くなる。しかし、先生は「私は投げたけど頑張ってねー!楽しみにしてるわ」とプレッシャーをかける。しかも、次のレッスン日は10日後。少しでも目鼻をつけられるのだろうか。心配である。
 稽古場にアコーディオンをかついで行ったら、生徒さん達が「しょわせてください」と何人か集まってみた。「大きなランドセルみたいよー」などと言い合い、3人くらいが背負っていた。

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狐の仕業

 撤去された自転車を取りに行く。練馬の駅から地図を見ながら、集積所を探す。途中までは分かったのだが、次第にどこにいるのか分からなくなる。番地を見ながらさまよっていると、買い物帰りのご婦人に声をかけられる。「わかります?」と言われ、集積所を探している旨を伝える。ご婦人は親切に教えてくれた。私が礼を言った 直後そのご婦人に、近所の友人とおぼしき人が「あら、今日はどうしたの?」と話し掛けていた。「今日うちの子、8度も熱出しちゃって」と言う会話が背後から聞こえる。自分の子供が大変な時にも、見知らぬ人に親切心を発揮するなんて、菩薩のような人だ。
 なんとか集積所にたどり着くと、「本日は終了しました」という看板が立てられていた。途方にくれていると、中からおじさんが出てきて、「いいですよ。入ってください。」と言われ、ほっとする。自転車はすぐ見つかり、2500円を支払う。迷いながら来たので帰り方を不安に思っていると、おじさんは新江古田駅までの帰り方を教えてくれる。集積所のおじさんは親切な人ばかりだ。
 実は、帰るルートは決めていた。おじさんが教えてくれた道は、一番分かりやすい道だが、我が家までは少し遠回りだ。環七まで出たら、見当がつくので始めのプランの道を探して近道をすることにした。確信に満ちて自転車を漕いでいると、在るはずのない大通りに出た。新青梅街道だ。予定のルートどおりに行ったら、新青梅に出るはずが無い。おかしい。しかし、新青梅街道から我が家への道は見当がつく。全く近道にならない事に苛立つが、気持ちを切り替える。ところが、また在るはずのない大通りに出てしまった。なんと、再び環七に出たのだ。丸山陸橋と言うところに出てしまった。地図で確認すると、我が家からはどんどん遠ざかっている。今まで、自分は方向音痴だとか、地図には本当の道は無い、と思うことがしばしばあった。読んだことは無いが、地図の読めない女と言ったような本もある。しかし、それは間違いだと確信。これは狐の仕業だったのだ。狐に化かされているとしか思えない。私は凄く狐に気に入られ、隙を見てはいたずらをされていたのだ。良く知った道で化かすと狐の仕業とばれる事を恐れ、騙しても気づかれない程度の道で化かしていたのだ。何という巧妙な手口だ。一度は観念して 一番安易なルートに切り替えようと思った。しかし、ここで負けてはこれからも化かされつづけるに違いない。もう一度、最初に決めていた近道に挑戦することにした。 狐め!狐め!と唱えながら、自転車を漕ぐ足取りにも力が入る。その時並んで自転車をのろのろ漕ぐ邪魔なカップルがいた。舌打ちをしながら、追い抜く。抜くのに夢中になって、入ろうと思った道を通り過ぎてしまっ た。邪魔そうに抜いた手前、戻るのも気詰まりだ。仕方なく次の道を入り、どこにいるのか分からなくなる。しかし、よく見たら近道の途中にある郵便局があるではないか。この道をまっすぐ進めば我が家の近所に出るのは確実だ。そこからは迷うことなく、家にたどり着けた。あのカップルはあきらめない私への、神様からの天の配剤だったのかもしれない。今日のところ、私は狐に勝利することができた。満ち足りた気持ちだ。しかし、長時間自転車に乗ったせいで、少し股間がしびれていた。夜、中野で飲む用事があるので、中野まで自転車で行ってから、稽古場のある曙橋へ向かおうと予定していたがやめることにした。
 少々アコーディオンの練習をして稽古に向かう。途中、大江戸線内で電車を降りる時に、デザイナーのトシちゃんこと利宮君に遭遇。お互い「おお!」 と言っただけで別れる。車内に取り残され少々気恥ずかしかった。
 本日はダンスの振りつけの日である。シンプルだが、かえって綺麗に出来ないとあらが目立つ振りであった。ハイレグでやっていたダンスとは勝手が違う。しかし、体を動かすのは楽しい。
 稽古後、私にとっての元祖女子飲みのオリジナルメンバーと、中野に集合。中野駅のホームに降り立つと、伊藤ヨタロウさんがいた。ヨタロウさんは電車に乗ったので、やはりうめき声だけでコミュニケーションをはかる。今日はそういう日のようだ。
  女子飲みの由来は、私が東京スポーツの愛読者だったことに遡る。団鬼六がエッセイを書いていて、それが非常に面白かった。それで彼の著書である「美少年」を読んだのだ。それを、苗場にも同行した、とくりんこと徳永かおりさんに貸した。とくりんも大層気に入ってくれた。「美少年」にはいくつかの短編が入っていて、谷ナオミが 出てくるものもあった。それでとくりんの家で谷ナオミの出演しているビデオを観ようと言うことになって「黒薔薇昇天」を鑑賞。これが大層いい映画であった。加藤直美ちゃんも是非参加したいということになり、初めはエロビ鑑賞会と称していた。しかし、その後はビデオを観ることは無く、ただの女子飲みになった。オリジナルメンバーには他に、ほっきゅんと、末ちゃんという素敵な二人も名を連ねている。しかし今日は、私ととくりんと加藤直美ちゃんの3人であった。この場でしか話せないような事をすべてぶっちゃけ、 毎回大層盛り上がる。明日はアコーディオンのレッスン日なので、あまりお酒を飲まず早めに帰らねばと思っていた。しかし1時を回ってから、すさまじい早さで時間が進み始めた。3人とも、ムーチョこと村松君が相当ツボにはまっていた。村松君を基準に周囲の男の子を比較検討していた事以外、話した内容については、ヤバ過ぎて触れることができない。

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ナチュラルは難しい

 久しぶりに稽古。ダンスの振りが出来ていた。サワディーという徒名の生徒さんに個人指導してもらう。最初は戸惑ったが何とか覚えることが出来、胸を撫で下ろす。汗だくになったり、花びらの様に舞うダンスやヒップホップダンスでは無いことが、嬉しいような残念なような。
 そのまま台本稽古。2日休んでしまったので、台本を離して置かなければ。かろうじて、あまり間違えずに言うことだけは出来た。しかし、ナチュラルな芝居は難しい。ナチュラルぶろうと努力したがやめることにする。
 稽古後、ハイレグの映像を撮っていた奥秀太郎君のイベントのため、テアトル新宿へ。小腹が空いたので、桂花ラーメンを食べる。私としては女性一人でも入りやすい気がして、何度か来ている。しかし、来るたびにあまりおいしくないなぁ、と思ってしまう。後で、今奈良君に「今どき桂花って感じだよ」と言われ憤慨。彼が流行モノに敏感なはずが無い。彼の中だけに色々流行があるのだろう。それを一般論の様に言われるのは心外なのだ。しかし、普段はとても頼れる素敵な男の子。時々何を言っているか分からないが、いい人なのは間違いない。
 イベントはいくつかの映像作品とトークショーで構成されていた。トークショーと言っても、のりおさんや今奈良君、昨日ご一緒した山田広野監督、伊藤海ちゃん、渡辺一志監督、ロビーで飲んでたら面白かったという理由で今奈良君が引っ張ってきて飛び入りで参加した奥君の同級生の福地さん、といった、かなり内輪なメンツである。のりおさんが、相当暴走していて面白かった。伊久磨君も頼まれてもいないのに、「頭の中の大統領が命令した」とのたまって、全裸で股間に犬のぬいぐるみを着けて登場。自らを窮地に追いやっていた。奥君と渡辺さんが文化的な会話をしていても、邪魔をするように下世話な話に持っていっては台なしにしていた。海ちゃんも、ヒロインとしての参加なのに、性交渉した回数を正の字で数えているという爆弾発言をしていた。しかも、その手帳を人に見られたいとまで言っていた。澄ましていれば正当派なのに。女の人に免疫無いと言っていた福地さんの膝に乗ったり、大変な事になっていた。全体的におよそトークショーとは程遠い、飲み会モードであった。しかし、彼らがサービス精神がおう盛な事は確かだ。方向が間違っているかもしれないが、そういう姿勢は好ましい。
 後半疲れたので、ロビーに出た。今奈良君が奥君周りのミュージシャンの方々と飲んでいて、私を「アコーディオン弾くんですよ。なんか一緒にやれたらいいと思って」と紹介してくれた。ありがたいと思っていたら、紹介だけして、いなくなってしまった。初対面のミュージシャン達とどう話していいかと心配だったが、かなり楽しめた。
 イベントが終わりそうなので、帰り支度をしていたら、別な所で飲んでいた今奈良君に「もっと飲もう」と言われ、帰るタイミングを逸する。海ちゃんと広野君達と朝なのに盛り上がる。広野監督に私が提案して没になった学園モノのネタを「ぜひ使ってください」と売り込む。本当はいつか自分で作、演出をしようと胸に秘めていたネタだ。しかし、昨日の撮影で、これは私より広野監督のほうが絶対面白くキャッチーに仕上げてくれると確信。「面白そうですね」と 言ってくれたけれど、リップサービスかもしれない。村松君や吉田りえちゃん、M6のスタッフさんが入れ替わり立ち替わり来て、混とんとした感じになった。いつの間にか再び今奈良君は消えていた。帰る段階になって、「あれ、ゴリラいねぇ」などと言われていたが、しぶとく居残って飲んでいたらしい。お酒の神様のようになっていたが、後で物凄い二日酔いに悩まされたらしい。眼鏡もなくしたそうだ。可哀想に。今度お菓子の付録でもプレゼントしよう。

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無知もよしあし

 11時半に下北沢駅南口に集合。山田広野監督の撮影である。水商売っぽいドレスを持ってきて欲しいとのこと。しかし、そんな服は無い。あり合わせの服、靴2足、メイク道具。大変な大荷物だ。自転車に乗るか、徒歩にするか迷う。自転車を迂闊な所に留めると撤去されてしまう。しかし、荷物があまりにも重いので自転車にした。駅につくと、腕章をしたおじさんが不法駐車の自転車が沢山並んでいる付近をうろうろしている。私の気配を察して振り向いた。今、ここに留めたら注意や説教をされると、何食わぬ顔で追い抜く。そのまま道路一本隔てた練馬区内へ。ここなら管轄外だろう。待ち合わせ時間ぎりぎりだ。留める場所を吟味できない。念のためおじさんが見てないのを確かめて、素早く駐輪。我ながら俊敏な動作だ。カギを掛けているいると、おじさんがこちらを振り向いた。全速力で逃げる。
 下北について伊藤主枝子嬢に「トロワ・シャンブル」という喫茶店に誘導してもらう。主枝子嬢は取材で同行しているのだ。清順とともに、他のメンバーの到着を待つ。エッヘのメンバーはかなり遅れて到着。伊久磨君は靴を忘れてとりに戻ったそうだ。その際、部屋の電気が止められていたことに気づいたそうだ。広野監督から連絡があり、まだ中野だとのこと。いつものことらしい。間もなく、大森南朋さん、水橋研二さんが到着。清順がかなり興奮。広野監督から撮影のプランを話される。皆で色々案を出し合い、方針が決まる。水商売風ドレスは全く必要無かった。無駄に重い物を持ってきただけの結果になった。
 撮影は入るとすぐ終わってしまった。2時間で撮り終えた。すさまじい速さだ。かなり薄着だったので、寒さが堪えた。しかし清順は半袖で足もかなり露出していた。それに比べたら、マシである。大森さん、水橋さんは先にあがってラストのシーンをとる時、偶然通りかかったお笑い芸人さんがエッへに挨拶してきた。どこかのコントライブで一緒になったことがあるらしい。伊久磨君がその人達に「さっきまで殺し屋1がいたんだ」と言っていて驚く。大森さんが「殺し屋1」に出演していたとは聞いていたが、主役の人だとは思っていなかった。「何役だったのですか?」などと聞かなくて良かった。しかし、大森さんとは二人だけのちょっとした絡みが在ったのだが、知らなかったため萎縮せずに済んだ。無知もよしあしである。全体的に非常に楽しい撮影だった。広野監督は天才だ。
 夜は私のアコーディオンの師匠の牧田ゆき先生のCD発売記念のライブへかけつける予定だった。弟子としてはせ参じなくてはと、張り切っていたのだ。しかし、あまりの荷物の重さに耐えかねて、いったん帰宅する。新江古田駅について打ちひしがれる事があった。またもや自転車が撤去されていたのだ。考えれば、いくらでも回避出来た事態だ。今日一日だけなら大丈夫と、根拠の無い甘えた考えがいけなかった。ちゃんとした人ならとっくに駐輪場に止められる契約をしているのだ。区の営んでいる駅前の駐輪場には登録が満員という看板が立てられて、申し込みが締め切られていた。しかし、その看板はかなり古く何年度の物か分からない。少し遠くには、感じの悪いクリーニング屋が営んでる駐輪場もある。クリーニング屋に世話になるのが嫌だった。だがそれは、面倒な事をするのが嫌だといういい訳に過ぎない。早速、登録を申し込む葉書を書く。そこが駄目なら、不愉快だがクリーニング屋へ申し込むしかない。その前に自転車を取りに行かねば。今回は練馬区の管轄なので値段も2500円。中野区の半分。撤去先も少しは近い。不幸中の幸いだ。私はいつか不注意や、安易な考え方のせいで死んだりするかもしれない。うちはきっと泥棒に入られたりしないと、よく鍵を閉め忘れる。道路を横断する際、近づいてきた車を、急いで走れば通り抜けられると走ったせいで、車にはねられたりもしている。分かっているのに直せない。なんとかしなければ。
 アコーディオンライブに遅れて到着。先生の音は私とは雲泥の差である。アルゼンチン人のギタリストも素晴らしかった。ライブはかなり盛況で、歓声をあげてノリノリの客がかなりいた。日本人なのに外国人のような掛け声が響き渡る。私はノルと内に篭ってしまう方なので、そういうことが出来ない。楽しそうでうらやましい。
 盛り沢山な一日なので締めでお友達の家に泊まり、「殺し屋1」のビデオ鑑賞。一人で観なくて正解であった。怖くて眠れなくなるところだった。

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伴侶は悪臭を放たないほうが好ましい

 住んでいる建物全体のエアコンが不調で、取り換える事になった。大家さんや業者の人が部屋へ出入りして、工事が行われた。その間、あまりの寒さにガスコンロに火をともして暖をとる。オーブンで石焼き芋もどきを作っていたので焦げ臭く、大家さんに不信がられる。大家さんは先程、火をかけっぱなして、ヤカンを焦がしたばかりだったそうだ。「私も良くやるんです」と言いかけてやめた。店子は信用が大事なのだ。
 夕方から、オーディション。主婦の設定。会場にはベターポーヅの渡辺道子さんがいた。渡辺さんはこの日記を読んだと報告してくれた。ハイレグメンバーの及川水生来ちゃんとベターポーヅの松浦和歌子ちゃんの話などをした。久しぶりのオーディションなので緊張した。
 会場は八丁堀にあった。向かう途中、地下鉄で意識が朦朧として居眠り。両隣はおじさん。左右のおじさんに交互にもたれては、慌てて起きる。目を覚ます度に向かいのおじさんが私を見ていて、何度も目があった。口を開けたりはしていない筈なのだが、気詰まりである。帰りの電車で携帯電話のテトリスをやっていると、不快な匂いがする。ゲームをしながら、匂いの方向を見る。口を半開きにしている、微妙に呼吸の荒いおじさんがいた。ゲームを途中でやめる事も出来ず、異臭から逃れる事も出来ない。息を止めてみたり、顔の向きを僅かに変えたりする。意識が散漫になり、ゲームの成績は惨憺たるものだった。電車内でゲームなど行儀のいいものではない。口の臭いのといい勝負だ。成績が悪かろうが、損するわけでもない。しかし、そのおじさんに対する苛立ちは大変なものだった。胃の調子が悪いなどという、生ぬるいものでは無く、何かが腐敗しているような臭いだった。歯槽膿漏なのかもしれない。何故、口を半開きにしているのだろう。口をきっちり閉じて気をつけても、なお鼻の穴から出てくる呼吸が臭ってしまうというのなら仕方ない。何も荒い呼吸を人にかける事はないではないか。臭うということは、臭いの元から細かい粒子が出ていて、鼻の粘膜に付着することだと聞いたことがある。このおじさんから出てくる何物かが、私の鼻にくっついているという事なのだ。
 山田詠美の小説で、口からタマネギのような臭いのする夫を嫌っている妻が出てくるものがあった。しかし、この夫婦は色々あって再び愛し合う。そして、タマネギの臭いと嫌った口臭も、得も言われぬ良い香りに感じたというような下りがあった。その時は人間そんなものだよ、と思った。しかし、それは間違いだ。あるいはタマネギはまだましなのかもしれない。生ゴミなのだ。そんな人間はまず好きになれない。長年つれそった伴侶が病気になり、悪臭を放つようになったからと言って、伴侶を嫌いになったりはしないだろう。しかし、悪臭を放たない伴侶の方が好ましい。自分がそのようなことにならないように、気をつけなければならない。暴飲暴食を控え、ストレスを溜めず、歯磨きをきちんとしよう。
 しかし、伴侶を捕まえる事のほうが先であった。

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ライダージャンプ

 THEATER TOPSにウォーキングスタッフの「SPACER~スぺーサー~」を観に行く。平日のマチネなので空いていた。制作の石井久美子さんとは、10年程前にお芝居で共演したことがあるのだ。阿佐ヶ谷スパイダースの伊達君も出るので、久美ちゃんから電話を貰う。非常に懐かしい。元々可愛らしい人だったが、あまり変わっていなかった。
 伊達君が大活躍していた。シリアスな芝居もいけていて、羨ましい。シリアスな芝居がやりたいと言い続け、10年以上やっていない。今やろうとしても、 相当苦労するだろう。高校時代は演劇同好会で嬉々として、マルグリットとか、ユーニスとかいう名前のシリアスな役をやっていたのだ。包丁を持って「ライダージャンプ!」と叫んでイスから飛び降りて死ぬという、忌まわしいこともやってはいたが。最早恥ずかしくて、誰かに監禁されたり、ナイフを突きつけられているといった名目が無ければ真面目な演技は出来ないかもしれない。

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芝居しすぎ

 今日こそダンスの稽古かと思ったのだが、ゲームとエチュードから始まった。エチュードが珍しく楽しかった。そして、待望の台本が少し上がってきた。台本を心待ちにしていたのだが、本読みの段階で上手に読めなくて、少しナーバスになる。途中から、舞台監督さんや照明さんと数人のスタッフさんがいらした。ヴィレッヂの細川さんも見学に。本立ちも上手く行かずに、打ちひしがれていると、細川さんに「友香ちゃん、芝居しすぎ」と言われた。今の芝居の駄目を出されたと思い、「え、そうですか。芝居してました?」と狼狽する。しかし、そういう事では無かった。立て続けにやり過ぎという意味だったようだ。
 以前は年に2本位しかやりたくないと思っていたはずなのだ。いつから変わってしまったのだろう。稽古に通うのはしんどい。稽古中はあまり遊べない。だから、下手に休むと二度と稽古なんかしたくなくなる。だから、あまり休みを入れたくないのかもしれない。しかし、芝居の稽古に追われ、10年くらい経ってしまった。実人生は何も進んでいない。恐ろしいことである。学生気分のまま老人になれるわけもない。

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祝福の言葉

 東長崎に散歩。オリオン食堂という店でご飯を食べようと思ったのだが、準備中。仕方なく、寂れた中華料理屋へ。タンメンを頼む。店のテレビで「ごくせん」をやっていた。元モー娘。の中澤裕子が出ていたのを、店のおじさんに「これ、モー娘。だよね?」と尋ねられ、「そうです。」と答える。おじさんは「それくらい知ってんだよ。」とご満悦であった。おいしいが、あまりに量が多くて残す。
 池袋へ行きタワーレコードと、楽器屋へ行く。疲れたので、お茶をしてから帰宅。ちょっと休むつもりが、爆睡。
 夜から、東中野の清順宅でハイレグタワー制作の伊藤主枝子嬢の誕生日パーティーへ参加。清順は栃木那須子とスタッフの谷口さんと三人でオートロックの素敵なお部屋に住んでいた。伊久磨君、岸君、衣装の高畑さん、野村朋子さん、たいし君、制作の高橋麗ちゃん、元演出助手の梅村君、河口麻衣ちゃんと楽しく過ごす。伊藤さんにロマンティックなハンカチを進呈する。気に入ってくれたら嬉しい。出されている料理が、半端じゃない品数で、しかもおいしい。最近、料理が上手な人が増えたのだろうか。幼少の頃は食べ物はもっと不味かった。清順も、若いのにかなり料理上手だ。私は高校卒業するまで、リンゴの皮もろくすっぽ剥けなかった。一人暮らしを始めてから、少しずつ料理をするようになっ た。しかし、ニンニクの存在を把握していなかった。冷蔵庫にあるのは 知っていたのだが、小さいタマネギだと思っていた。今は何にでも、ニンニクやショ ウガをいれたくなる。
 何の話をしていたかもあまり定かではない。断片的に、嫌いな人の陰口、他人の恋路を聞き出し、勝手なことをほざいていた記憶がある。楽しく酔っぱらっ たのは確かなのだが、そういうときは何となく楽しかったという印象のみになってしまう。大人になってからの誕生日パーティーもいいものだ。私は正月生まれなので、いつも誰にも祝ってもらえない。しかし、正月の挨拶を祝福の言葉と思うことにしている。

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桜より梅が好き

 朝まで「紀ノ川」を読んでいたので、眠れるだけ眠るつもりであった。しかし、2度もインターフォンが鳴り昼には起きてしまった。やはり具合が悪い。一度目の来訪者は昨年浴衣を買った呉服屋の店員さんだった。3月にそのお店で伊香保温泉に行く企画があるらしい。それに参加しないかというお誘いだった。 昨日無言の留守電が沢山入っていた。どうも居留守と思い訪問してきたような気がする。余程、参加するお客が少ないのだろうか。わざわざ家を探してくるのだから、営業ノルマとか大変なのかもしれない。寝ぼけていたが、突然家に訪問された事の驚きが強く、考えることが出来ない。しかし、今は稽古中なのでとても無理だ。しかも旅行に参加すると、一品だけは何かを買わなくてはいけないらしい。「半襟とか肌襦袢とかですか?」と尋ねると、「え?」と驚いていた。少なくても帯位は買ってもらわなければと思っているらしい。わざわざ、家を訪ねてきた労力を思うとすぐ様断ることもできず、予定が分かり次第連絡すると約束してしまった。そういう優柔なところを見込まれて、家まで来られてしまったのだろう。
 二度目の来訪は宅配業者であった。母からポンカンや化粧品などを送ってもらったのだ。早速ポンカンを食べるとちょうど食べころであった。
 最近外出しすぎなので、今日は一歩も外に出ない決意をした。洗濯物を干すために、ベランダには出た。梅の花が咲いているのが見えた。桜より梅が好きだ。しかし、寒いので桜のように外で長時間見ることは出来ない。一人で家にいるのが新鮮で、意外と忙しい。お香をたいてみたり、掃除、洗濯、炊事、読書、アコーディオン練習、ただねっ転がる、生協の注文票への書き込み、電話。今奈良君に勧められた鼻掃除も試みた。鼻に水を吸い込んで、上から揉み解し水を吹きながら出すとのこと。「いい空気を吸えるようになるから、是非お勧めする」と言われた。美川憲一が立ち読みした雑誌で、「歌手だから健康には気を使ってるわ。鼻うがいも毎日してるの。風邪引かないのよ。」と言っていたことを思い出す。これはその鼻うがいというヤツであろうか。しかし、中々うまくできない。鼻に水が入りっぱなしになって出てこないのだ。今奈良君も最初はうまくできなかったけど、その内鼻に力が入るように訓練されて来たと言っていた。気長にやってみよう。
 一歩も外に出ないと誓ったのにうっかり外のごみ置き場にゴミを出しに出てしまった。大家さんが管理しているのでいつでもゴミを出していいのだ。迂闊であった。

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また生き恥をさらす

 最近入手したiBookで、ボサノバを聞きながらこの日記を書いている。アルゼンチンタンゴが大好きだが、最近ボサノバにハマりつつある。次はアコーディオンでイパネマの娘を弾きたい。
 朝10時に起きた。5時まで飲んでいたから、非常に眠い。そのまま帰宅して、急いでシャワーを浴びグローブ座へ向かう。「HAKANA」でお世話になった円城寺あやさんから電話で、今お芝居やっているからと聞き、何の芝居か分からずに少々遅刻してグローブ座へ到着。受付でデジカメを奪われた。係の人に案内され座席へつくと、隣にひと足早く到着した中坪由起子嬢。遅れて、息を切らせて席に着く私を吹き出して迎えてくれた。既に携帯の電源を切ってはいたが「携帯切った?」と尋ねてくれる。ユキちゃんはいつもきめ細やかに私の面倒を見てくれる貴重な人だ。
 「フォーティンブラス」というお芝居であった。ジャニーズの長野博さんをずっと坂本と言う人と勘違いして観ていたら、客席に坂本という人が来ているというネタが振られ、坂本と言う人が客席で立ち上がる。ファンが熱狂している最中、 自分の勘違いに気付く。後でロビーのポスターを調べたら、長野博さんだと分かった。DHCのCMに出ていた山川恵里佳ちゃん、京晋佑さんなどが出ていた。 最初は面食らったが、京晋佑さんがとても色気があって素敵でわくわくしながら観ることが出来た。あやさんはシリアスな役で、動きながら6分にも渡る長ゼリフを言っていて、遊眠社の時はこうだったのだろうと彷彿させられた。 素敵な役者さんを観ることが出来るのは、幸せな事だ。リピーターが多いらしく客席の雰囲気が、一味違って楽しめた。終演後、あやさんに会いに楽屋へ。江古田のわが家へ遊びに来てくださいと頼むが、江古田は遠いからとやんわり断られ、ちょっとすねる。そのまま大久保でユキちゃんとお茶をする。先日の醜態を詫び、借りたお金を返す。
 演ぶゼミの稽古へ。今日は志賀廣太郎さんが初参加。トイレに行こうとすると、誰かが私を呼び止める。オッホの黒川麻衣さんであった。彼女は演ぶゼミで講師をしていて、生徒さんと共に小道具を作っていた。会うのは数年ぶりである。すっかり懐かしくなり、話し込む。 稽古はフルーツバスケットなどのゲームをしてエチュード。また生き恥をさらす。
 稽古後志賀さんが初参加なので養老の瀧で飲む事に。しかし、私は、昨日も会った河口麻衣ちゃんの御誕生会で上大岡へ行く用事があった。ちょっとだけ参加して、御誕生会へいくつもりであった。しかし、志賀さんの隣に座り話しているうちに、志賀さんが私の過去の酒の失敗談をかなり詳しく知っている事に驚き、話し込んでしまう。志賀さんの酒での失敗談も聞かせて頂いた。あの美声からは想像もつかない、大層面白い話であった。上大岡へ向かう電車の最終が無くなってしまう。私なぞが遅くに参加しても迷惑かもと思っていたのだが、行くと言っていたので申し訳ない気持ちになる。お店を出ようとしたら、すぐ近くの席で、黒川麻衣さんが生徒さんと飲んでいた。これからも頻繁に会いそうである。

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悪女について

 村松君主催のイベント「自由の国」の打ち上げの為、下北沢へ。19時からえん屋で始まると思い込み、ちょっと遅刻のつもりで20時に行く。しかし、誰もいない。どうやら21時開始だったらしい。張り切り屋のようで、恥ずかしくなる。空腹を癒すため、マックでポテトのスモールを頼む。岸君から借りた、有吉佐和子の「紀の川」という本を読む。有吉佐和子は、まだ2冊しか読んだことがことが ない。しかし、2冊とも面白かった。「和宮様御留」という、天皇家の皇女が徳川慶喜に降嫁する事をテーマにした話、ファムファタルに憧れて読んだ、「悪女について」。どちらも読みごたえがあった。「悪女について」はある女性について27人の人の証言だ。同じ人物なのに、こうまで違うかという驚きとともに、さもありなんという気持ちにもなった。彼女と関わった男性の証言も、興味深い。何人かの男性は、彼女の初体験の相手は自分だと思い込んでいる。しかし、真実は一切書かれていない。何人かいる彼女の子供も、母を慕う子と、憎む子供がいる。
 知りあいの男性で、今まで初めての女性に3人あたったと、自慢に聞こえないように自慢している人がいた。詳しく聞いて、私の独断で判断した結果、彼が本当に初めての女性に当たったのは一人だと確信した。それを本人に言い聞かせたところで、私が悪者になるだけだ。自分に都合のいい物語を信じたい人は、それでいいのだ。以前少しだけ所属したことのある劇団の先輩に、そういう事をはじめて、1、2年はいくらでも初めてと言って通用すると言って憚らない人がいた。別に悪気があって嘘をついているわけでも無く、思いやりやサービスであったりするのだろう。もしくは、嫌な思い出になっていて無かったことにしていたりするのだ。鼻の下を伸ばして喜んでいるような人は騙されても、文句は言えない。騙されるのは、自分のせいなのだ。
 逆に常に慣れたふりをする友人もいた。初めてだと分かると、負担をかけると思い慣れたふりをして、遊んでいると誤解されていた。どちらの嘘も、相手によく思われたい為の嘘で、少々悲しくなる。
 21時少し過ぎてから、えん屋へ行く。昨日も会ったマンションズの二人、ハイレグスタッフの木島さん、伊藤主枝子嬢、河口麻衣ちゃん、去年エッへの撮影で苗場に行った時にも車の運転をしてくれた浦島君、ラブリーヨーヨーの制作の田中翼君、途中から伊久磨君、元指輪ホテルの女優さんで今はrocca worksという所でマルチな活躍をしている岡崎イクコさん、DJのヨウヘイ君、拙者ムニエルの寺部君、そして村松君に吉田りえちゃん、騒動舎のエプロンちゃん、他にも顔は知っているけれど名前を知らない人達がいた。岡崎さんは舞台でカリスマ的な魅力を放っていたが、舞台以外の仕事もしっかり出来る人で、お話しながら憧れてしまった。以前はコンビニに行くにも付け睫毛をつけていたと言うのも、そこまですれば尊敬に値する。会うたびに、雰囲気が変わるのだが、いつも美しい。今は衣装を作ったりもするらしい。是非一度素敵なドレスをオーダーしたい。
 楽しく飲んだが、終電の時間に退散。その後、ふらりとお友達の家へ行き、ついつい朝の5時まで飲んでしまった。何故、疲れていても沢山話すことがあるのだろう。

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千々に乱れる

 寝不足で具合が悪い。夕方、ムーチョ村松こと村松規幸君に楽器屋さんへ行くのに付き合ってもらう。新宿駅南口で待っていると、村松君は購入したばかりのシビックで乗りつけてきた。車の中には、デザイナーの吉田りえちゃん、ハイレグの母体となるサークルの一つ、騒動舎出身のお笑い芸人、マンションズのアキラ君とツヨシ君がいた。若いマンションズの二人を両脇に座らせ、マダム気分でイシバシ楽器へ。以前酒癖の悪かった私は、酔うと男女問わず接吻をしてまわっていた時期があった。その頃、よく知らないツヨシ君に接吻をしようとして拒まれ、「馬鹿か、お前は!」と怒鳴っていたことがあると、小林愛ちゃんに聞いた。記憶がないとはいえ、何故そんなことをしていたのだろうか。まるで気狂いだ。馬鹿は自分である。心の優しいツヨシ君は、そんなこと忘れたかのように親切にしてくれる。好青年だ。
 楽器屋で目当ての品の値段の相場を調べる。色々見て回るうちに、とても素敵な代物を発見。4万1千円。使いこなす自信がないのに、いいのだろうか。 迷っているうちに、吉田りえちゃんとマンションズの二人は人力舎のライブに行かなければならないとのことで、村松君が3人をライブハウスまで送りに行ってしまった。店員さんに質問をしたり、目当ての代物をいじっているうちに「買います」と何度も言いそうになる。ぐっと堪え、ほかの売り場で時間を潰す。間も無く、村松君が戻ってきた。アキラ君が私の欲しがっているモノを持っていて、譲ってもいいと言っているとの事。私の欲しいモノの色はとても素敵な青色。アキラ君が持っているのは何色なのだろう。買い物をする時、村松君は店員の回し者のように勧める癖があるらしい。一緒にいると、どんどん買いたくなる。とりあえずアキラ君に、何色を持っているのか確認してから決めることにする。「楽器をひくにはとりあえず見た目は重要だよ。」などと購買意欲をそそられる言葉を呪文のように聞きながら、イシバシ楽器を後にする。
 私達がライブハウスへ行ったのは、ほぼ終わりのころであった。お腹が空いたので、みんなで牛タン屋の「ねぎし」へ行く。食事をしながらアキラ君に色々 質問。アキラ君の持っているものは、茶色だそうだ。しかし、茶色でもかなり素敵なのだ。吉田りえちゃんにも、最初はそんなに出費しない方がいいよとアドバイスされる。冷静な言葉がありがたい。10日後くらいに実家に行くついでに取ってきてくれるという。それを見てから判断するということで、話は落ち着いた。アキラ君には何も、いいことをしてあげたことなど無い。それなのに結構高価なものを譲ってくれるなんて、なんという好青年なのだろう。ある意味、4万出して買うよりまじめに練習しなくてはいけない気持ちになる。もしも、私が青色にこだわった場合、それは村松君が譲り受けることになった。心が千々に乱れる。

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二枚目芝居

 「寝盗られ宗介」を観に紀伊国屋サザンシアターへ。ハイレグタワー制作の高橋麗ちゃんから、遅れるとの電話。谷口さん、伊久磨君、衣装の木島さんは間違えて、パルコ劇場へ行ってしまい、やはり遅れるらしい。いつもは、私がやらかしそうな事を3人も揃ってやっているので嬉しくなる。自分が優等生にでもなったような気分だ。受け付けで、R・U・Pの制作の大金さんに「なんか間違えてパルコに行ってしまったようなんですよね」と、嬉々として報告。
 今日は、他に政岡たいし君、今奈良孝行君、森本訓央さん、以前演出助手をやっていた梅村タカシ君が観に来ていた。最初はかなり渋い時代劇が始まるのかと思いきや、学ランや着ぐるみの人も現れ、困惑した。しかし、観方が分かってからは楽しめた。凡人には真似出来ない、愛の形を知らしめる物語であった。横山めぐみさん扮するレイコという女優は、芝居ひとつで劇場に雨を降らせたり、寒さを感じさせたり出来るらしい。まるで北島マヤや姫川亜弓だ。本当にそんな事が出来たらどんなに素晴らしいことか。
 以前所属していた劇団で、どんな役者になりたいか演説するという稽古があった。私は台詞を言わなくても、すべての生い立ちまでわからせるような事が出来たら素敵だと思い「エスパーや超能力者になりたい」と演説。ふざけていると思われた。
 終演後、去年「HAKANA」というお芝居でお世話になった、山崎銀之丞さんにご挨拶をするために楽屋へ行く。しかし、今日はつかこうへいさんがいらしていたため、すぐ稽古に入ってしまっていてお会い出来なかった。終演後稽古というのは始めて聞いた。流石つか芝居である。以前飲み会で銀之丞さんに「私はこんな二枚目な芝居をする人に初めて会いましたよ。いやぁ、二枚目ですよね」と絡んだことがあった。純粋に感動を伝えたかったのだが、「俺はそんなことないよ」と少々辟易されてしまった。しかし、今日観た銀之丞さんはやはり二枚目で格好良かった。どうしてあんなに格好いいのだろう。私もあんな風になりたいものだ。今そんな気がしているだけかもしれないが。訓央さんも「カッコええのぉ」としきりに言っていた。彼もきっと本当はああいうことがやりたかったに違いない。人生ままならない。
 大層お腹がへったので、今奈良君、たいし君、梅村君と飲みに行く。水曜日だというのにどこのお店も混んでいて3軒目でやっと入ることができた。最初はウーロン茶を頼んだのだが、いつのまにかビールを飲んでしまう。

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ゆうかちんと呼んでください

 東京タンバリンの稽古。今日は、猫のホテルの佐藤真弓さんが参加。今日もちょっとしたゲームの後、グループに分かれエチュード。生徒さんには全員徒名がついていて、徒名と本名がごちゃごちゃして混乱する。以前、河原君の授業に遊びに行ったときも、生徒さんには徒名がついていた。そういうしきたりなのだろうか。
 しかし、最初から徒名がついているのは、短期間で仲良くするには効率がいい。いくら仲が良くても、お互い照れ屋だといつまでもさん付けで呼び、仲良しだと言うことを形で確認できない。学生時代、大沢直子さんという友達が出来た。彼女とは結構気があったので、親しくなって1年くらいして、「これから大沢さんじゃなくて、直子ちゃんとよんでいい?」と聞いて、断られたことがあった。「新井さんは呼び方で距離を縮めるような安易な事しない人だと思ってたのに」と言われた。なんだか恥かしくなった。しかし、最近形から入ることは大切だと思う。私はあまり経験ないが、お芝居で恋人役やラブシーンをしていると、本当に好きになったりすることがあるらしい。至近距離で接したり、恋人みたいなことを言い合っていると、脳が近しい人に違いないとインプットしていくのだろう。外人の夫婦が、常に愛の言葉をささやいているのも、言い合うことで思い込みを強くするようにしている気がする。鬼平犯科帳でも鬼平は、大変なときには笑うと言っていた気がする。そうすることによって、困難な状況に負けないようにするらしい。私も、それを真似て憂うつで口がとんがると、にこにこするように心がけている。
 大分話がそれた。しかし、私自身生徒さんを徒名で呼んでいると会ったばかりの人達という気がしなくなっている。今日で2回目なのに。私のことは「ゆうかちんと呼んでください」と頼んだが、誰も呼んでくれない。冗談だと思っているのだろうか。大真面目なのだ。
 帰りに真弓さんと中華料理屋へより食事をした。キクラゲがおいしかった。

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スイッチが入らない

 久しぶりに良く寝た。かえって怠くなり、常に眠い。疲れが貯まっているときに、たくさん寝ると、余計疲れを感じる事が多い。きっと、今は休んでいいらしいという信号が体に送られて、いろいろな所を治そうとするからだと思う。こういうときはなかなか、スイッチが入らない。予約をしていた、歯科医院に行かなければならない。高田馬場まで電車で行くのは、乗り換えを考えるとお金と時間が無駄だ。自転車で行くことにする。
 新しい詰め物が完成して、入れてもらう。歯科衛生士さんが、歯石をとりつつ、デンタルフロスや歯間ブラシ使い方を説明してくれた。その時「あら、これ何かしら」と言い、不安になる。どうやら、以前抜いた歯の欠片が、歯肉に埋まり込んでいたらしい。確かに常に違和感を感じる所であった。硬いものが刺さっているのは知っていたが、何やら恐ろしくて、黙っていたのだ。急きょ麻酔を打たれ、 欠片を抜くことになった。少し出血したが、たいしたことにはならなかった。
 歯科医院を出ると、外は雨。途方にくれながら、駅まで自転車にのる。ずぶぬれだ。 傘とタオルを買って、山の手線で新宿に。故障しているウォークマンをヨドバシカメラに修理に出すのだ。インナーチャイルドの稽古中、かばんにMDウォークマンとペットボトルのお茶を入れていて、蓋がゆるんだのか、かばんからお茶が滴る程の事態になった事があった。川田希ちゃん、後藤飛鳥ちゃん、長尾純子ちゃんに助けられ、荷物を紙袋に入れ替えたり、タオルでふいてもらったりした。その時は故障していなかったので、みんなで喜んだのだが、帰宅したら動かなくなっていたのだ。
 早めに修理に出さないと、使い物にならなくなる。今まで、数多くの電化製品をずぼらなせいで駄目にしてきた。ヨドバシカメラに修理に出したくらいで、 自分が少し偉くなった気がする。いい気持ちになって、店を出ようとすると、店員さんが追いかけてきた。先程買った傘を忘れていた。
 再び高田馬場へ。傘を差しながら、自転車を漕ぐのはしんどいと気を引き締めた。 しかし、雨は止んでいた。実質傘をさしたのは20メートルくらいの距離だった。電車賃節約のためであったのに、ろくに差しもしない傘とタオルを買ってしまった。そのやるせなさは帰宅後のアコーディオン練習にぶつけることにする。

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稽古初日

東京タンバリンの稽古初日。演ぶゼミの生徒さんの授業の一環で行われる公演だそうだ。プロの役者と共演する授業というが、私でいいのだろうか。ただの人生の落伍者なのに。
 雨の中、道に迷い何度か永井秀樹さんに電話をかける。初日なのに少し遅れてしまう。生徒さん達は20歳くらいの人が多い。軽く自己紹介のあと、ゲーム。 その後エチュード。
 役者として参加する、演劇弁当猫ニャーの池谷のぶえさん、タンバリンの瓜生和成さん、田村拓也さん、青年団の永井秀樹さん、私が、生徒さん2,3人と組んでお題の元にエチュードを行う。エチュードは苦手。今までも、かなり恥をかいてきたが、生徒さんの前で恥をかくのはかなりきつい。私のチームにはたまちゃんとパクチという徒名の生徒さん。私のことを有能だと思っているようで、 申し訳なく思う。
 生徒さんは演劇経験が無い人が多いようだ。しかし、素直な演技をしていて染まっていないのが、かえって良かった。講師の高井浩子さんが「エチュードが嫌で休まないでくださいね」と言っていて、どきっとする。
 稽古後養老乃瀧で軽く飲む。最初はビールを飲んだが、後半はウーロン茶。昨日まで白銀の世界にいたのが嘘のようだ。

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